我儘お坊ちゃま

夏目心 KOKORONATSUME

2 帝王の学園生活 小中編(脚本)

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〇教室
  それからまた数年。エンペラーは親から好きな食べ物ばかり与えられて、野菜を食べる光景が中々見られなかった。
  そして、現在小学生のエンペラーは。
西城帝王「おい!何で俺の給食にピーマンや人参が入ってるんだよ!お前が食え!そんでお前のハンバーグとデザート寄越せ!」
モブ生徒「や、止めてよぉ!ママに言われたんだよ!野菜を食べたら強く成れるって!」
西城帝王「煩ぇ!寄越せと言ったら寄越せよ!!」
女性教員「ちょっと西城君!また給食で好き嫌いしてるの!?ちゃんと野菜を食べないと、病気に成っちゃうわよ!!」
西城帝王「煩ぇ!!俺はハンバーグと甘い物が食いたいんだよ!お前!ずべこべ言わずに寄越せ!野菜は要らないからよぉ!!」
モブ生徒「だから、止めてくれよぉぉ!!」

〇おしゃれなリビングダイニング
  エンペラーの蛮行は当然親にも知らされて、西城母はそれに対してママ友に愚痴を溢していた。
西城母「全く失礼しちゃうわ!家の子は好き嫌いが激しいとか落ち着きが無いとか、一度病院に見て貰った方が良いとか、」
西城母「一体何様だっての!!信じられない!!」
ママ友1「あのさぁ、私達も言いにくいんだけど、その意見は私達も同感よ」
西城母「はぁ?」
ママ友2「私達も傍から見てるけど、エンペラー君、何と言うか、普通の小学生にしては幼いと言うか、我儘過ぎると言うか・・・」
ママ友2「何より、貴方達の教育、一度見直した方が良いと思うのよ。何でも与え過ぎたら自分は何をやっても許される見たいな考え方に」
ママ友2「成るから、今から考え直した方が良いと思うのよ」
西城母「はぁ!?貴方達また私達に指図する気!?前に言わなかった?私達がどうしようと私達の勝手だって!!」
ママ友1「・・・まぁ、そうよね。子供が可愛いのは分かるけど・・・そんな風に言うなら、今後は関わらない様にしましょうか」
ママ友2「これだけは言うけど、私達は警告したからね?後でどう成っても、私達は知らないからね?」
西城母「全く・・・どいつもこいつも失礼ね・・・!!」

〇教室
  中学時代。
西城帝王「ん?あれは・・・」
菅谷歩美「和人〜!何してるの〜?」
黒崎和人「あぁ!歩美か!いや〜、これ読んでてさ」
菅谷歩美「え〜っと?魔法使いと吸血鬼の何でも屋・・・何これ?ファンタジー?」
黒崎和人「あぁ、最近売られたらしくてさ。魔法使いが営む何でも屋を、吸血鬼が手伝いに行く話でさ」
菅谷歩美「へぇ!良く良く考えたら面白い組み合わせだね!読み終わったらあたしにも貸してくれない?」
黒崎和人「分かった!それまで少し待っててくれないか?」
西城帝王「おい黒崎!面白そうなの読んでるな!俺に読ませろよ!」
黒崎和人「西城?悪いけど先に歩美と約束してるからその後にして貰えないか?」
西城帝王「はぁ!?俺が読みたいんだから読ませろよ!!」
黒崎和人「ちょ!ま!落ち着けって!この位待てよ!!」
西城帝王「良いから寄越せよ!!」
菅谷歩美「ちょっと西城!何してくれてんの!!止めなさいって!!」
黒崎和人「あ、あぁ!!?」
西城帝王「おま!何て事してくれてんだよ!!お前が寄越さないから破れちまったじゃ無ぇか!!」
菅谷歩美「西城!これどっからどう見てもあんたが悪いよ!これ和人のなのに勝手な事して!!」
西城帝王「煩ぇ!!読みたいのに寄越さなかった黒崎が悪いだろ!!」
菅谷歩美「西城あんた何様よ!あんたが破いたんだから弁償しなさい!」
西城帝王「知らねぇよ!!」

〇教室
  その日の放課後。
西城父「エンペラー!大丈夫か!?」
西城帝王「父さん聞いてくれよ!こいつ等俺に漫画弁償しろって煩いんだよ!!」
菅谷歩美「貴方が西城のお父さんですね!!このデブが和人の漫画無理矢理横取りして破いたんですよ!!自分が悪いのに」
菅谷歩美「謝りもしないんですけど!!」
西城父「あぁ!そうだったんだ!急に呼び出されて何事かと思ったがそう言う事だったのか!事情は分かった!これで全部」
西城父「無かった事にしてくれ!!」
黒崎和人「え?あのおじさん。どう言うつもりですか?」
西城父「破いた漫画の代金はそれで足りるだろう。だからそれでチャラにしてくれ」
菅谷歩美「ちょっと!弁償してくれるのは有難いですが、責めて謝罪の一つ位!!」
西城父「エンペラー。お前漫画読みたかったんだよな?」
西城帝王「うん!でも漫画なんて今はどうでも良いや!やりたいゲーム有るんだけど買ってくれない?」
西城父「そうかそうか!なら今から買いに行こう!」
西城帝王「やった!なら早く行こうよ!」
菅谷歩美「ま、待って下さい!責めて謝罪を!!」
西城父「あぁ君達、今日はすまなかったね。行こうエンペラー」
西城帝王「うん!父さん!」
菅谷歩美「あぁちょっ!待って下さい!!」
黒崎和人「歩美、もう良い」
菅谷歩美「良く無いわよ!和人!あんた悔しく無い訳!?」
黒崎和人「そりゃ悔しいよ。でも、あの親子の感じお前も見ただろ?俺、あの人達の事反面教師にしてまた確りやろうと思う」
菅谷歩美「和人・・・」
黒崎和人「漫画の方は買い直すよ。て言うか、西城なんか相手するより、もっと他に大事な事する方がずっと良いし。何か有れば」
黒崎和人「先生とかに相談すれば良いし」
菅谷歩美「全く・・・あんたのその懐の広さ・・・あたしも見習わないとだね・・・」
菅谷歩美「でも!言いたい事はちゃんと言うんだよ!」
黒崎和人「うん。分かってるつもり」

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