第七話 心の読めない隊長(後編)(脚本)
〇怪しいロッジ
アレク(庭師)「何だよ お前の知ってるアルルの秘密って!」
アルル姫(私の、秘密・・・?)
ヤコブ隊長「・・・魔物を殺す力だ」
ヤコブ隊長「前に一度 魔物に襲われかけた時に発動した」
アルル姫(嘘よ 私にそんな力なんてあるはずないわ)
アルル姫(私はそもそも”見えざる者” ”見えざる者”が”持つ者”だなんて ありえないじゃない!)
アレク(庭師)「・・・まさかお前 今回もアルルに その力を発動させようとして――!?」
ヤコブ隊長「まあ、それもあるな」
アルル姫「・・・!」
アルル姫(そうだったんだ)
アルル姫(ヤコブは私も知らない 私の秘密を発動させようとして わざと私を危険に遭わせたのね)
アルル姫(助けてくれたのは間違いないけれど・・・ 彼にとって 私は不思議な力の持ち主で──)
アルル姫(その秘密を軍事に利用できないか とか考えているのよね、きっと)
アルル姫(そういえば──)
〇西洋風の部屋
アルル姫「じゃ、じゃあ何であなたは 私と結婚なんか・・・」
ヤコブ隊長「・・・貴様に興味がある」
〇怪しいロッジ
アルル姫(――最初からそのつもりだったんだ)
アルル姫(ヤコブが私と結婚したのは 私を研究対象として そばにおいておくため──)
アレク(庭師)「あーくっそ!」
ノア(絵描き)「・・・あれ、アルル姫?」
ノア(絵描き)「どうされました?」
アルル姫「えっと・・・ヤコブにお礼が言いたくて」
ヤコブ隊長「礼だと?」
アルル姫「ええ。さっきは助けてもらったから──」
アルル姫「ありがとうって、言いたくて」
ヤコブ隊長「そんなことか」
ヤコブ隊長「妻を助けるのは旦那として当然のことだ 貴様には魔物は見えないんだから 無茶をするな」
アルル姫「ええ、そうね・・・じゃあ」
〇簡素な部屋
ルーラ(女騎士)「おかえりアルルちゃん! ちゃんと礼は言えたかしら?」
ルーラ(女騎士)「あら?」
アルル姫「・・・ちゃんと伝えてきました」
アルル姫「背中を押してくれて ありがとうございました!」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん・・・」
ルーラ(女騎士)「無理して笑わなくていいのよ」
ルーラ(女騎士)「もう、あの頭でっかち! アルルちゃんになんか言ったのね! 私が一発殴りに──」
アルル姫「いえ、いいんです ヤコブにはちゃんとお礼を言えましたし」
ルーラ(女騎士)「でも、出かけた時と全然違う顔してるわ」
アルル姫「・・・」
ルーラ(女騎士)「話してみない? ヤコブとあたしはこれでも姉弟よ」
ルーラ(女騎士)「幼いころは同じ家で一緒に育ったの」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃんの分からないことも 少しは分かるかもしれないわ」
アルル姫「・・・」
アルル姫「ヤコブの気持ちが、分からないんです」
ルーラ(女騎士)「気持ち・・・?」
アルル姫「・・・最初はとても自分勝手で わがままな人だって思ってました」
アルル姫「でも、少しずつ 優しい人だなって──」
ルーラ(女騎士)「うん?」
アルル姫「けれど・・・ やっぱり何を考えているのか 分からないんです」
アルル姫「例えば私と急に結婚したのだって、 私を何かに利用しようと しているんじゃないかって──」
アルル姫「私の気持ちなんて 全然考えてないのかなって」
アルル姫「──そう思ったら なんだかとても悲しくて・・・」
アルル姫「私、ヤコブの妻なのにって 虚しくなってしまって・・・」
ルーラ(女騎士)「・・・アルルちゃんは とっても優しいのね」
アルル姫「そんなこと・・・うう、ひっく・・・」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん、あのね 人って言うのは単純じゃないの」
ルーラ(女騎士)「『これのため!』って思っても そこには色々な感情や 思惑が絡んでいるものよ」
ルーラ(女騎士)「アイツは頭でっかちだから 余計にね・・・」
アルル姫「ルーラさん・・・」
ルーラ(女騎士)「でもアルルちゃんを泣かせるなんて やっぱり許せないわ!」
ルーラ(女騎士)「どう? これから一緒に一発殴りに──」
アルル姫「わー、ルーラさん ここでそれはだめです!」
ルーラ(女騎士)「あら、そう?」
アルル姫「そうですよ、もう!」
アルル姫「・・・」
アルル姫「・・・ふふっ」
〇空
「あははっ!」
〇西洋の街並み
アレク(庭師)「ったく、アイツ・・・ アルルのこと、何だと思ってんだよ!」
アレク(庭師)「・・・ん?」
〇英国風の部屋
ヤコブ隊長「フールからか・・・ ご苦労」
〇古い本
フール副隊長「隊長、近況のご報告です☆」
フール副隊長「隊長が発った後 こちらは不気味なほど落ち着いております」
フール副隊長「ブレーヴ王国内、ボヌール王国内 および辺境の森──」
フール副隊長「全く魔物が現れず 騎士団は監視および鍛錬をしております」
フール副隊長「魔物の死体ですが──」
フール副隊長「実は隊長たちが去った後 急に灰のようになったのち消滅」
フール副隊長「跡形もなくなってしまいました」
フール副隊長「それから こちらはボヌール王国の国王様より 仰せつかった内容なのですが──」
フール副隊長「────・・・・・・」
〇英国風の部屋
ヤコブ隊長(何? ということは、アルルの親は──)
ノア(絵描き)「今の、外からですね」
アレク(庭師)「大変だ、魔物が出た!」
ノア(絵描き)「魔物・・・こんな街中にですか?」
アレク(庭師)「ああ、うようよいる!」
ヤコブ隊長「何だと?」
〇西洋の街並み
村人「な、何の音だい?」
村人「ま、魔物だぁぁぁあ!」
???「ふふふ」
???「こちらにいらしたのですね、姫君・・・」
ヤコブの本質がまだ見えてこないのがもどかしいけど、お姉さんが相談相手だから少し安心して見ていられます!
二人は進展できるのか😧
魔物は、アルルの周辺に出没してる……?
最後の人影も気になります。誰、どんな人??
色事なにそれおいしいの?みたいだったアルルが、ちょっとずつ乙女の階段を上っているのが微笑ましいです😊
アルル姫の心の動きがとても分かりやすくて、感情移入すごくできます!✨☺️
アルル姫の秘密が気になりますね!!そして、ヤコブが今後どうなっていくのかも気になります!!✨
また次回も楽しみにしています✨☺️