第3話 真っ直ぐ=ストレート☆ガール(脚本)
〇歴史
プロフェッサー=シシオの
パーフェクト☆潜伏プラン!
ワシが受けた少女の処刑任務は
『基地本部から200キロ以上離れた場所で』
との命令だった
ガキの始末なんざ基地内の方が
やりやすかろうに
なぜわざわざ遠くまで移動させる?
これはつまり──
基地本部から200キロ以内でガキを消すのはまずいという事!
ならば最も安全な潜伏場所は──
基地本部から近すぎず遠すぎずの100キロ地点!
逃げる時間はたっぷりあったから
怪人どもはさぞかし遠くまで
探し回っとるじゃろうなぁ~
その裏をかいて近場なうえ、仮に見つかっても奴らが手を出せない200キロ以内の範囲!
そもそもガキの存在は──
女の子「よんだ?」
川渡 シシオ(かわど ししお)「シッシッ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「全く⋯⋯」
ガキの存在は幹部のワシでも知らんかったし
処刑も怪人軍団抜きのワシ一人の任務だった
つまりガキの存在を徹底的に隠したいという事じゃろうなぁ~
ほとんどの怪人にも秘密だから、
人海戦術で探す事もできんハズ!
予想できない・探せない・手を出せない!
見よ!この何重にも張られた予防線!
まさにパーフェクトなワシならではの
グレートな潜伏計画よのォ~~!
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「見つけたぞクソジジイーーー!」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「ホゲェーーーッ!?!?」
川渡 シシオ(かわど ししお)(なぜここにいる!? そもそもザコ怪人には極秘──)
川渡 シシオ(かわど ししお)「あっ」
〇魔王城の部屋
そういやおったわぁ~~!
コイツ現場におったわぁ~~~!
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)(眼中に無さすぎて忘れとったが、ガキの存在を知っとるコイツは例外じゃった!)
川渡 シシオ(かわど ししお)(だがなぜ居場所までバレたんじゃ!?)
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「コレで俺も旦那の右腕確定だぜーーッ!」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)(慌てるな! こういう脳ミソ筋肉の輩は 口車に乗せるに限る!)
川渡 シシオ(かわど ししお)「ま、待て! ガキには手を出すなと言われとるじゃろ!?」
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「あ"あ"ン!?」
怪人=ピート「⋯⋯そんな事言われたっけか?」
怪人=ピート「⋯⋯たぶん言われてねェーッッ!」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「たぶんで済ますなァーー!」
川渡 シシオ(かわど ししお)(ダメじゃ、知能が低すぎて交渉が成立せん! サッサと車で逃げるしかない!)
川渡 シシオ(かわど ししお)「──って」
〇ホテルの駐車場
車停めたのアイツのいる方じゃーー!
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)(いや、焦るな! 話術で気を引き、 徐々に位置を入れ替えて──)
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「ん!?」
怪人=ピート「⋯⋯」
怪人=ピート「⋯⋯これ、ジジイの車じゃねーか?」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「ノォーーーー!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「無能のクセになぜこういう時だけ⋯!」
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「クククッ」
怪人=ピート「ハーハハハッ! ヤキが回ったなジジイ!」
怪人=ピート「コレさえ押さえとけばテメーは逃げられねェってわけだ!」
怪人=ピート「今までの恨み! ここで晴らして──」
怪人=ピート「ん?」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「ゲッ いつの間に!?」
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「ギャハハッ!こりゃーますますツイてるぜ! わざわざ自分から俺の⋯⋯」
怪人=ピート「うッ!?」
〇黒
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「あ⋯⋯ア⋯⋯ァ⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「来いッ! バカモン!」
怪人=ピート「──ハッ!」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「チッ 車には乗り込めんかったか」
川渡 シシオ(かわど ししお)「だが駐車場の出口は一つじゃないわい」
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「ま、待てッ!」
怪人=ピート「そのヨボヨボの脚で、犬族の俺から 逃げられると思ってンのかッッ!」
〇ファストフード店
川渡 シシオ(かわど ししお)「あらかじめ調べておいて良かったわい」
川渡 シシオ(かわど ししお)「店の裏に⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「レンタルのエンジン付き自転車か あるのをなァーーッ!」
怪人=ピート「なにィィーーッ!?」
怪人=ピート「⋯⋯だがッ!」
〇開けた交差点
川渡 シシオ(かわど ししお)「ゲッ 思ったより遅いッ!」
怪人=ピート「バカめッ そんなオモチャで逃げられるかよッッ!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「チィッ」
怪人=ピート「フン! 遅ェヤツは直線で追い付かれそうになるとすぐ曲がろうとしやがる」
怪人=ピート「だが!猛獣が最も獲物を仕留めやすいのはいつか知ってるかァ!?」
怪人=ピート「それは! 獲物が焦って方向転換した時だぜッッ」
〇街中の道路
川渡 シシオ(かわど ししお)「このままでは追い付かれるッ!」
怪人=ピート「カカカカッ! 馬鹿の一つ覚えだな!」
怪人=ピート「曲がる度に距離が縮まるだけだぜェッ」
怪人=ピート「俺は今日すでに散々走って疲れてんだから、無駄に走らせんじゃねェ!」
怪人=ピート「その角でテメーは終いだァーッ!」
〇オフィスビル前の道
怪人=ピート「オラァ! 捕まえ──」
怪人=ピート「うッ!?」
怪人=ピート「グハッッ!」
怪人=ピート「グッ⋯⋯ 曲がって死角に入った一瞬を利用して」
怪人=ピート「チャリだけこっちに走らせて ぶつけてきやがった!?」
怪人=ピート「だがッ! こんな軽いモンぶつけたところで 大したダメージになるかよッッ」
怪人=ピート「これで脚が無くなったぞ ガキを抱えてどうやって逃げんだジジイ!」
怪人=ピート「⋯⋯ん!?」
怪人=ピート「こ⋯⋯ここはッ!」
〇ホテルの駐車場
怪人=ピート「最初に俺が入った側の駐車場⋯⋯!?」
〇車内
川渡 シシオ(かわど ししお)「馬鹿めがッ! グルっと一周したんじゃよォーーッ」
〇オフィスビル前の道
〇車内
川渡 シシオ(かわど ししお)「追って来なければそのまま自転車で逃げるし 追って来れば車がガラ空きになる」
川渡 シシオ(かわど ししお)「貴様はワシに会った時点で負けとったんじゃよォ~~!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「おうちの周りをグルグル走り回って まさにワンちゃんのお散歩じゃのォー!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「さらばじゃ駄犬! 帰って骨でもしゃぶってろーッ」
〇オフィスビル前の道
怪人=ピート「フ⋯⋯フフフ」
怪人=ピート「フハハハハ」
怪人=ピート「ハーッハハハハ」
怪人=ピート「絶っっっっ体にとっ捕まえてやるクソジジイ」
〇車内
川渡 シシオ(かわど ししお)「チッ しつこいのォ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「スピードアップじゃ」
〇市街地の交差点
通行人の婆さん「よっこいせっと⋯⋯」
〇車内
川渡 シシオ(かわど ししお)「どけどけェー! 出てくるなよ婆さん」
川渡 シシオ(かわど ししお)「少ない余生が吹っ飛ぶぞォー!」
〇市街地の交差点
通行人の婆さん「ヒョエーッ」
通行人の婆さん「くわばらくわばら⋯⋯」
怪人=ピート「待てゴルアァァァー!」
怪人=ピート「ババァ! 邪魔だどけッ」
通行人の婆さん「⋯⋯今なら渡れるッ」
怪人=ピート「だから出てくんなつってンだろーッ!」
怪人=ピート「撥ね飛ばすぞーッッ」
通行人の婆さん「ヒョエーーッ!?」
???「危ないっ」
〇市街地の交差点
怪人=ピート「ブゲラッ」
怪人=ピート「な、何だ!? 何が起きた!?」
怪人=ピート「投げ飛ばされたのか⋯⋯ッ!?」
「あんた、危ないでしょ!」
怪人=ピート「⋯⋯テメェか!? 俺を投げ飛ばしたのは」
女子高生「ゲッ! 怪人じゃん」
女子高生「津奈美、何ヘンなのに絡まれてんのよ」
怪人=ピート「ア"ア"ン!? 絡んできたのはソッチだろうが」
女子高生「あいつテキトーぶっこいてんですけど」
女子高生「いや、それは本当」
女子高生「ハア!? あんた何やってんのよ あんなのと関わるんじゃねーっての」
女子高生「仕方ないでしょ、放っておけないよ」
女子高生「あんた、お婆さんに謝りなよ!」
怪人=ピート「何で俺が謝んだよ ババアが後から飛び出して来たんだろが!」
怪人=ピート「チッ これだから人間はよォ⋯⋯ テメェから八つ裂きにしてやろうか!?」
女子高生「来るなら来なよ また投げ飛ばしてあげるよ」
女子高生(⋯⋯さっきは不意打ちだったし、相手が走ってきた勢いを利用して投げられたけど)
女子高生(さすがに正面から怪人とやり合ったら無事でいられるか──)
怪人=ピート「⋯⋯⋯⋯チッ」
怪人=ピート「今はジジイが先だッ」
女子高生「⋯⋯フゥ、良かった 引いてくれたか」
女子高生「アイツどっか行った?」
女子高生「お、ちゃんと隠れてたね エライエライ」
〇大きい交差点
怪人=ピート「ハァハァ⋯⋯十字路!? 見失ったか⋯⋯」
怪人=ピート「だが!これだけ近ければ! 俺の鼻で臭いをたどれるぜッ!」
怪人=ピート「フンフン⋯⋯」
怪人=ピート「見つけた!こっちだッ」
怪人=ピート「⋯⋯ん!?」
怪人=ピート「こっちからもジジイの臭いがしやがる⋯⋯!?」
怪人=ピート「ナヌ!? こっちからも!?」
怪人=ピート「あンのジジイ⋯⋯! 俺が足止め食ってるのを見て」
怪人=ピート「グルグル回って全方位に臭いを残していきやがったなァー!」
怪人=ピート「チクショオォォー! どこ行きやがッたーーッ!」
〇車内
川渡 シシオ(かわど ししお)「コイツを使えば、倒せんまでも もうちょい楽に切り抜けられたがのォ~」
川渡 シシオ(かわど ししお)「貴重な弾薬、あんなザコには1発だって くれてやるのは惜しいからのォ~」
〇ビルの裏
怪人=ピート「クソッ⋯⋯あとちょっとだったのに これじゃ基地に帰るに帰れねェ」
怪人=ピート「朝になったら絶対見つけてやるぞジジイ⋯!」
怪人=ピート「⋯⋯それにしても」
〇黒
あの時ガキから感じたあの威圧感は──
一体何だったんだ⋯⋯?
〇ビルの裏
怪人=ピート「明らかにヤバいものを感じた⋯⋯ 正直、アイツにはもう関わりたくねェ⋯!」
怪人=ピート「ええい! 弱気になるなッ!」
怪人=ピート「ジジイとガキをとっ捕まえて旦那の右腕になるんだッッ!」
〇ファミリーレストランの店内
川渡 シシオ(かわど ししお)(⋯⋯あの場面では、ガキをオトリにして ワシが車を確保するのがセオリーじゃった)
川渡 シシオ(かわど ししお)(それを真っ先に思い付かないどころか──)
〇ホテルの駐車場
川渡 シシオ(かわど ししお)「来いッ! バカモン!」
〇ファミリーレストランの店内
川渡 シシオ(かわど ししお)(自らあんなに怪人に近付くとは──)
川渡 シシオ(かわど ししお)「何をやっとるんじゃワシは⋯⋯ ヤキが回ったかのぉ」
女の子「⋯⋯おいし」
川渡 シシオ(かわど ししお)「⋯⋯」
川渡 シシオ(かわど ししお)「フッ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「好きなだけ食え! この店はガキはタダじゃからのォ~!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「さて──犬っコロに見つかっちまったが」
川渡 シシオ(かわど ししお)「奴は鼻が利くから、この町にいる限りは またすぐ見つかるじゃろうなぁ」
川渡 シシオ(かわど ししお)「だが、せっかくの安全地帯!」
川渡 シシオ(かわど ししお)「他にも色々と利点があるし ここを出て行きたくはないのォ~」
川渡 シシオ(かわど ししお)「ならば──あの犬公をこの町に 居られなくしてやればよい」
川渡 シシオ(かわど ししお)「食い終わったらちいッと出かけるぞ! 明日のために仕込みじゃあ」
女の子「⋯⋯もうちょっと、たべてから」
〇ビルの裏
怪人=ピート「朝か──今日こそ逃がさねェぞジジイ!」
〇開けた交差点
怪人=ピート「ん?この臭い──」
怪人=ピート「ハハハッ 早速見つけたぞジジイッ!」
〇学校脇の道
怪人=ピート「臭う、臭うぞッ!」
怪人=ピート「バカめ こんなにベッタリ臭いを残しやがって」
〇掲示板の前
怪人=ピート「近いッ! 近いぞ! この中にいやがるな!?」
怪人=ピート「ジジイの加齢臭がプンプンしやがるぜェ!」
怪人=ピート「ん?」
怪人=ピート「こ、ここはッッ!?」
シシオさんお見事!うまく逃げ切りましたねー😂
ピートは次回ではシシオの罠にかかってこの街にいられない様にされるってことは…あれかな?もし当たったらシシオと同じ卑怯な才能が私にもあるかもとストーリーとは別に楽しみをつくって待ってます🤣
立ち絵のご利用ありがとうございます!m(_ _)m
シシオ爺かっこいい!機転が利くしなんだかんだ言って女の子を守ってて優しいし名コンビです。
しかし謎の女の子はいったいどういった存在なのでしょう。今後の展開が楽しみです😊
第3話のアップ、イチ読者としてもコンテスト的にもすごく嬉しいです🙌
主人公のシシオさんたちを軸に進むストーリーですが、ピートくんそして基地の各キャラ、そして今回の女子高生(強いし可愛い!)と、登場人物がどなたも魅力的でタマリマセン😊
トンカツを食べた後にさらにカツ丼、食欲旺盛な女の子で😂