私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

ふゆ

14.アドリアンが骨になった理由(脚本)

私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

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〇密林の中
レナータ「ループの観測者はお兄様だけ」
獣人リファ「アドリアンの話だけじゃ、 真実だって確認できないよねえ?」
獣人リファ「信じて泣いて帰っちゃうお嬢様かと思ったら」
獣人リファ「さっすが、次期当首!」
レナータ「・・・やめてください」
レナータ「お兄様はここで終わる方ではありません」
獣人リファ「ふふっ」
獣人リファ「そもそもこの骨本当にアドリアンなのかなあ」
レナータ「話し方、仕草、声はお兄様にそっくりですが・・・」
レナータ「実はイーダさんの骨、ということはないでしょうか?」
獣人リファ「お、おおっ」
レナータ「あの、恐ろしいストーカーなら、 お兄様の真似をするのは可能かと」
獣人リファ「声質まで・・でも、確かにやりかねない」
獣人リファ「でもなんで?」
レナータ「私たちにお兄様を諦めさせるためにあんな話をしたのかも」
獣人リファ「うーん、なるほど。でも」
獣人リファ「この骨の形、雄だな」
レナータ「・・・・・・」
レナータ「じゃあ、本当に」
レナータ「お兄様は、イーダさんのためだけに、 ここまでしたんですか?」
レナータ「お兄様はなんでもできたのに」
レナータ「明るい未来が待ってたのに!」
レナータ「う・・・」
獣人リファ「そんなの、私だって・・・ アイツがいなくなるのヤだけど」
獣人リファ「・・・バーカ」
獣人リファ「アドリアンのバカ!バカバカバカバカバカ!」
獣人リファ「うわあああん」
「おや?」

〇黒

〇密林の中
魔女「おやおやおや」
魔女「新鮮な遺体を一体用意してくださるとのことでしたが・・・」
魔女「二体もあるとは」
レナータ「あなたは・・・」
レナータ「もしかして、魔女?」
魔女「はい、アドリアン様のご依頼で参りました」
魔女「既にお代をいただいております」
魔女「今宵、ここに換装用の新鮮な遺体があるので、それで骨の体に肉付けしてほしいと」
獣人リファ「なんだって!」
レナータ「お兄様、やっぱり!」
レナータ(何も考えずに犠牲になろうとしてたんじゃないんだわ!)
獣人リファ「良かった!な」
レナータ「ええ」
魔女「それでどちらが換装用の遺体なんですか?」
「え?」

〇黒
  まさか・・・お兄様・・・
  私ら、どっちか一人を犠牲にして
  復活しようとなさってるんです!?

〇密林の中
魔女「どっちが、アドリアン様が選んだ方ですか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

〇アマゾンの森
  ふざけんなあっ ですっ

〇密林の中
獣人リファ「そーんなの、あげるわけないだろ バッカじゃないの!」
レナータ「本当に、馬鹿にしてるわ!」
獣人リファ「あの、浮気男ぉ! もうこの骨、おしゃぶりにしてやる!」
レナータ「酷すぎるわ・・・」
レナータ「まあ、お肉の余ってるところくらいなら、あげてもいいですけど」
獣人リファ「ずるい」
獣人リファ「私、余ってる肉なんてない!」
レナータ(なんですって)
獣人リファ「ちょっと、太るまで時間もらってもいいかなあ?」
魔女「さすがアドリアン様。おモテになる」
魔女「ん?」

〇アマゾンの森

〇密林の中
獣人リファ「な、な、な、これは」
レナータ「遺体のようだけれど」
レナータ「お兄様!?」
獣人リファ「ア、アドリアン!?」
獣人リファ「オクトバスみたい。ぐにゃっとしてる うへえ」
レナータ(これは・・・!)
レナータ「骨がないわ」
獣人リファ「うええ、なんなのぉ」
レナータ「・・・・・・」
レナータ「分かったわ!」
レナータ「そういうことなのね。お兄様」
獣人リファ「え、え、何が?」

〇蝶
  お兄様が本当に願ったのは
  肉と骨をバラバラの時間に戻すこと

〇密林の中
獣人リファ「そ」
獣人リファ「それで、魔女を呼んだのか」
獣人リファ「はー・・・」
獣人リファ「さっすが、アドリアン」
獣人リファ「じゃあじゃあ、イーダも修道院に戻ったし、 全部解決じゃないっ!?」
レナータ「・・・・・・」
魔女「話はよく分かりませんが」
魔女「アドリアン様の言っていた換装体はこちらで間違いないでしょう」
魔女「では、失礼して始め──」
魔女「なんですか?どいてください」
レナータ「お兄様 復活なさってどうするつもりなんでしょう」
獣人リファ「そりゃ、元の暮らしに戻るんじゃない?」
獣人リファ(私の夫に♪)
レナータ「お兄様は私にメランジェス家を 任せると仰ってました」
レナータ「元に戻るつもりなら、 そんなこと仰らないと思います」
獣人リファ「えへへ、それはさ」
獣人リファ(獣人族になるつもりだからじゃないか♪)
レナータ「・・・・・・・・・」
レナータ「今までの話を聞いて」
レナータ「あなたのところにお兄様が来ると思うんですか?」
獣人リファ「えへへ。そりゃあ」
獣人リファ「・・・・・・」
獣人リファ「・・・・・・・・・」
レナータ「私達は」
レナータ「利用されただけだと思いませんか?」
獣人リファ「・・・・・・・・・・・・」

〇アマゾンの森

〇密林の中
魔女「あの、そろそろいいですか?」
獣人リファ「がう」
魔女「?」
獣人リファ「お肉を目の前にして、 獣人族が渡すと思うか?」
獣人リファ「アドリアンと私は、 食べて一つになるんだっ」
レナータ「私も」
レナータ「こんなに均整のとれた骨をみていたら」
レナータ「お洋服を着せたくなってきましたわ」
レナータ「獣人族の方々みたいに!」
獣人リファ「レナータ」
レナータ「お兄様をお洒落させてあげたいです」
「弔うために」
「ねー」
魔女「あのー・・・」
「絶対渡さないから」
獣人リファ「アドリアンは死んだんだぞ」
レナータ「ちゃんと弔らわなくちゃ」
獣人リファ「私たちの思い」
レナータ「弄んだ罪は重いですわよ お兄様?」
  つづく

次のエピソード:15.終わりの理由

コメント

  • アドリアンのせいでみんなが病んでいく😂
    乙女の心を弄んだのかぁー。
    途中で同性と人外もいたようですが…w

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