私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

ふゆ

13.イーダの選んだ理由(脚本)

私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

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〇墓地
獣人リファ「まさか」
レナータ「それでその姿に?」
獣人リファ「骨だけを過去に送ってくれとか・・・」
レナータ「馬鹿なお兄様」
レナータ「やけになって、 自殺したようなものじゃないの・・・」
レナータ「そんな後戻りできないような願いをする必要ありました・・・?」
アドリアン(骨)「俺の話は以上だ」
アドリアン(骨)「で」
アドリアン(骨)「どうする。イーダ?」
アドリアン(骨)「ここを『魔』の森ではなくすことは、 国が許さないのは分かるな?」
アドリアン(骨)「獣人族に押し付けてきた罪が、 行きどころを失うから」
アドリアン(骨)「お前が魔の森にいること、 これ以上に都合の悪いことはない」
アドリアン(骨)「早晩、刺客が向けられるだろう」
アドリアン(骨)「修道院にいれば、お前は死なずにすむ」
アドリアン(骨)「俺に守る力はないのは、記憶がなくても骨身に染みてるな?」
アドリアン(骨)「そして」
アドリアン(骨)「骨だけの姿で長くは生きられない」
イーダ「え」
アドリアン(骨)「どうする?」
イーダ「私、やっと分かりました」
イーダ「王様は、王様のためだけに私を殺そうとしています」
イーダ「・・・・・・」
イーダ「そして私は、私のためだけに」
イーダ「アドリアン様を時の新居に閉じ込めました」
イーダ「あなたの優しさにつけこんで・・・」
イーダ「私は」
イーダ「それでもアドリアン様と一緒に──」
イーダ「・・・・・・」
イーダ「私はひとり修道院に戻り」
イーダ「王家の行いを、おこな、行いを」
イーダ「いや。そんなのしたくな──」
イーダ「痛い・・・どうして」
イーダ「・・・・・・」
イーダ「あらた、あらため」
レナータ「イーダさん・・・」
イーダ「改めなげれば、いげまぜんん」
イーダ「うぅっぐ、うぅっ」
イーダ「う・・・うっ、わた」
イーダ「わだしは」
イーダ「愚かでした」
イーダ「獣人族の思い」
イーダ「魔術に頼ってでも、 家族を守りたい家族の思い」
イーダ「綺麗な体で、女神の元に行きたい人々の思い」
イーダ「全部全部無視をして」
イーダ「自分の恋愛に、生きたかったんです!」
イーダ「私は」
イーダ「初恋を捨で」
イーダ「アドリアン様ををあぎらめっ」
イーダ「役目を果たす、果だじまずぅ」
イーダ「人々が、迷ったままになっちゃうのを、放っておくわけにはいかないんですっ」
アドリアン(骨)「やっと、言ってくれたな」
イーダ「アドリアン様、私のせいで・・・」
イーダ「ごめんなさい・・・」
アドリアン(骨)「最後に頼みがある」
アドリアン(骨)「お前の手で、俺を壊してくれ」
アドリアン(骨)「俺を断ち切って、聖女として生きてくれ」
アドリアン(骨)「・・・・・・頼む」
レナータ「お兄様!」
アドリアン(骨)「お前の言う通り、俺は自殺したようなものだ」
アドリアン(骨)「お前は、ちゃんと時を積み重ねて」
アドリアン(骨)「メランジェス家のことを、頼む」
アドリアン(骨)「すまない」
アドリアン(骨)「イーダ」
アドリアン(骨)「頼む」
アドリアン(骨)「俺はお前の結論が欲しい」

〇アマゾンの森

〇教会

〇立派な洋館
レナータ「・・・・・・」
レナータ「・・・・・・」

〇密林の中
レナータ「う・・・」
レナータ「ねえ」
レナータ「まだ魂は残ってるんでしょう?」
レナータ「あんな弱い力で叩かれて頭骨が外れたくらいで、死なないですよね?」
レナータ「・・・・・・」
レナータ「こんな姿が、どうしてお兄様だって信じられると思います?」
レナータ「全部嘘なんでしょう?」
レナータ「本当はお兄様じゃないんでしょう?」
獣人リファ「やっぱりそう思う?」
レナータ「・・・」
レナータ「リファさん」
レナータ「あなたもですか」

次のエピソード:14.アドリアンが骨になった理由

コメント

  • とても刺激的な展開ですね‼
    発想が素晴らしいです。
    それぞれの深い思いがあるのが、きめ細かくて見事なお話だと思いました。互いに色々と思い合ってる感じも複合的ですね。
    そしてようやくイーダが目覚めてくれると嬉しいですね。

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