四曲目 人参と大根のフーガ(脚本)
〇旅館の受付
???「全く⋯⋯ 無視するなんて酷いじゃない」
──前回までのあらすじ
温泉に浸かってのほほんとしていたら
謎の2人組がウータミィの前に現れた!
困惑するウータミィ
彼女達の正体は一体⋯⋯!?
〇旅館の受付
ウータミィ「⋯⋯」
ウータミィ「どちらさまでしたっけ?」
???「え? マジで言ってるの? あたしの事覚えてないってウソでしょ」
ウータミィ「⋯⋯」
ウータミィ「えーっと⋯⋯」
???「マジで言ってるの? あたしは──」
〇ポリゴン
???「半世紀に一度の逸材! 歌も踊りもお手のもの 野菜の新種改良だってできちゃう」
???「うさぎ国が生んだニューホープ そう、あたしは──」
リサ=イアロレーユ「歌って踊れる天才研究者 『リサ=イアロレーユ』 とは、あたしの事よ!」
〇旅館の受付
ウータミィ「そういえば⋯⋯」
リサ=イアロレーユ「まさかこのあたしを忘れるなんて ありえないわよねー」
ウータミィ「聞いた事あるよーな ないよーなー?」
リサ=イアロレーユ「この前のオーディションの準決勝で 競ったでしょうー!? なんで覚えてないのよ!!」
ウータミィ「ごめーん ちょっと事故ってから 記憶が飛んでて⋯⋯」
リサ=イアロレーユ「あんたはあたしが認めたライバルよ! それなのに忘れるなんて!!」
ウータミィ「わかったー 覚えておくねぇ」
リサ=イアロレーユ「はぁ⋯⋯ あんたと話していると調子狂っちゃうわ」
ウータミィ「ところで隣の野菜はなぁに? 大根?」
リサ=イアロレーユ「この子は人参よ! 失礼しちゃうわね。 白人参は珍しいレアな品種なのよ」
ウータミィ「その子も人参なのねー」
リサ=イアロレーユ「そうよ 失礼しちゃうわ! ねぇ、ショーゴイン」
ショーゴイン「ですナァ」
ウータミィ「へぇー」
リサ=イアロレーユ「それは置いといて 今度のオーディション参加するわよね?」
ウータミィ「うん、出るよ」
リサ=イアロレーユ「さすがあたしのライバル そうこなくっちゃ」
ウータミィ「オーディションに優勝するよー」
リサ=イアロレーユ「随分自信あるじゃない 暫く見ないうちに秘密の特訓でも していたのかしら?」
ウータミィ「これからするとこー」
リサ=イアロレーユ「そうこれから⋯⋯ え?」
ウータミィ「きっと上手く歌えるようになるはずー」
リサ=イアロレーユ「いやいや⋯⋯ オーディションまであと1ヶ月もないのよ? やる事はやってるんでしょ?」
ウータミィ「そうねぇ 人参の販売とかー ベイビーちゃんのお世話とかやってるかなぁ」
リサ=イアロレーユ「そう、人参販売とベイビーちゃんの⋯⋯ え?」
ウータミィ「車の免許も取りに行かなきゃ」
リサ=イアロレーユ「ちょっとちょっと! ベイビーちゃんって、あなた子供いるの!?」
ウータミィ「うん、なんだか出来ちゃったー」
リサ=イアロレーユ「やることやってたー!!」
リサ=イアロレーユ(もしかして入院したっていうのは 子供が出来たから? それで最近見なかったのね)
ウータミィ「寄生宇宙人がやってくるなんて びっくりだよねぇ」
リサ=イアロレーユ「寄生?」
リサ=イアロレーユ(もしかして旦那の事? 寄生って働かないヒモ男って意味!? 宇宙人みたいな性格って事?)
ウータミィ「車の免許も取りに行かなきゃね 歌の練習もしないといけないし 色々やることあるなぁ」
リサ=イアロレーユ(一家を支えるために免許を? それでいてオーディションも目指す? なんという覚悟なの!?)
ウータミィ「まずは免許を取りに行きたいから 一番近い教習所に向かうつもりー」
リサ=イアロレーユ「え? この近くっていってもめっちゃ遠いじゃない」
ウータミィ「まぁ歩けば数日には着くかなぁ」
リサ=イアロレーユ「だめよ! あなた疲労で倒れてしまうわ」
ウータミィ「多分なんとかなるよ」
リサ=イアロレーユ「ダメったらダメ! 教習所はこの近くでいいのよね? あたしが連れて行ってあげる!」
ウータミィ「いいのー?」
リサ=イアロレーユ「いいのよ だからもっと自分を大事にしなさい お母さんなんだから」
ウータミィ「え? そうなるの⋯⋯かな?」
シーファ「おい、ウータミィ とりあえず先に部屋に行ってるけど⋯⋯」
リサ=イアロレーユ「あんたが旦那ね!」
シーファ「はい?」
リサ=イアロレーユ「あたしこれからこの子を教習所へ 連れていくからね! その間、子供の世話しっかりやんなさいよ」
シーファ「へ?」
リサ=イアロレーユ「行くわよ! ウータミィ」
ウータミィ「なんかわかんないけど 行ってくるねぇ」
シーファ「⋯⋯」
シーファ「なんだったんだ⋯⋯?」
〇黒
〇霊園の駐車場
リサ=イアロレーユ「着いたわ」
ウータミィ「ありがとー」
リサ=イアロレーユ「べ、別にあんたの為じゃないから! ライバルがしっかりしてくれないと 張り合いがないっていうか」
ウータミィ「頑張るねー」
リサ=イアロレーユ「まぁ、このあたしの付き人が 運転出来ることに感謝してよね」
肩の上にいる兎「えっへん」
リサ=イアロレーユ「終わりそうな頃にまた迎えに来るわ 頑張りなさいよ」
ウータミィ「うん、ありがとねー」
リサ=イアロレーユ「それじゃ」
〇面接会場
教習所の教官「それじゃあ早速試験を始めますね まずは──」
〇黒
一方その頃
〇古いアパートの廊下
ショーゴイン「待つんだナァ」
パープルヘイズ「いやですゥー」
ショーゴイン「パープルヘイズゥー⋯⋯! 今日こそは決着をつけるんだナァ」
パープルヘイズ「勝負ゥー? アンタとォー? 負ける気しないんだけどォ」
ショーゴイン「今日は卓球で勝負なんだナァ! 今度こそ決着つけるんだナァ」
パープルヘイズ「まぁワレが勝つからァ なんでもいいんですけどォー」
ショーゴイン「それははたしてどうかナァ」
パープルヘイズ「ワレが勝つ未来しかみえませんがァ?」
〇黒
〇ホテルの駐車場
シーファ「⋯⋯」
シーファ「今なら怪力女もクソ人参達もいない」
シーファ「このチャンスを逃すものか」
シーファ「さっさと卵を回収してズラかろう」
シーファ「怪力女の歌は役に立ちそうだが 安定しないし」
シーファ「俺が1人で卵を運んだ方が早いな」
シーファ「はぁ、さっさとこの星を脱出したいぜ」
シーファ「しっかしあいつもお人好しだな 見知らぬ異星人のガキなんか 警察にでも突き出せばいいのに」
シーファ「あの時は咄嗟に嘘をついてしまったが 寄生されたのを元に戻す方法なんて 知らねぇんだよな⋯⋯」
シーファ「まぁこれ以上厄介な事が起きる前に さっさとオサラバっと」
シーファ「チッ おい、ドアを開けろよ!!」
車「ブゥ⋯⋯」
シーファ「クッサ!?」
車「オンギャアー!!」
シーファ「やっべぇ お、おい! 静かにしろ」
車「オギャアアアー!」
シーファ「面倒な事になった これ以上騒がれたら⋯⋯」
茶人参「ニッ」
シーファ「うお!? 残ってた人参がいたのか」
茶人参「ニッニッ」
シーファ「ん? なんだ? 俺にこれを飲めって?」
茶人参「ニー!!」
シーファ「違うのか⋯⋯ もしかしてこの車に?」
茶人参「ニッ」
シーファ「とりあえずやってみるか ⋯⋯えーと、口ってどこだ」
シーファ「ほーらベイビーちゃーん おいちそうな液体でちゅよー」
車「キャッキャ」
シーファ「お、ご機嫌になったようだな 腹が減っていたのか」
茶人参「ニッ」
シーファ「⋯⋯今日は諦めるか まだ惑星便の日程には間に合うし」
茶人参「二?」
シーファ「腹減ってきた⋯⋯」
茶人参「ニー」
シーファ「俺に、飲めと?」
茶人参「ニッ」
シーファ「⋯⋯普通のオレンジジュースだよな?」
シーファ「⋯⋯」
シーファ「まごうことなき100%人参ジュース!!」
シーファ「って事はこれってまさか⋯⋯」
茶人参「二」
茶人参「ニッ」
シーファ「えぇ⋯⋯?」
人参「に”に”に”ー!」
シーファ「切られても喋られるんかいっ!!」
〇黒
〇温泉旅館の卓球場
「勝負だナァァー!!」
ショーゴイン「ワッチのショットを喰らうがいいナァ! 唸れナァ ”イブリガッコショット”」
パープルヘイズ「当たりませんがァー?」
ショーゴイン「くっそーだナァ」
パープルヘイズ「こっちの番だァー! 喰らえェ ”バイオレットフィズアタック”」
ショーゴイン「当たりませんナァ」
パープルヘイズ「くそったれェー!」
ショーゴイン「今度こそ決めるんだナァ ”センマイヅケショット”」
パープルヘイズ「当たってませんけどォー?」
ショーゴイン「なんてことだナァ」
パープルヘイズ「これで決めるゥ! ”パルフェタムールシュート”」
ショーゴイン「はっはっはー かすりもしないんだナァ」
パープルヘイズ「アンタこそさっきから当たってないがァ?」
ショーゴイン「そっちこそ下手くそなんだナァ」
パープルヘイズ「なんだとォ!!」
ショーゴイン「やるのかナァ!?」
パープルヘイズ「やるかァ!!」
ショーゴイン「望むところだナァ!!」
パープルヘイズ「この大根風味野郎がァ!」
ショーゴイン「そっちこそお茄子みたいなんだナァ!」
パープルヘイズ「──!!」
ショーゴイン「──!?」
その後も2体の野菜達の
言い争いは暫く続いたが
低レベルの為省略します
「省略するナァ!!」
〇黒
〇温泉旅館の卓球場
「ハァハァ⋯⋯」
ショーゴイン「なかなかやるナァ」
パープルヘイズ「アンタこそォ」
「アーッハッハァー」
「そういえば何で争ってたんだっけかナァ?」
パープルヘイズ「疲れたわァ」
ショーゴイン「無理は禁物ですナァ」
ショーゴイン「そういやそっちの姫さん なんか前と違う気がするんだナァ」
パープルヘイズ「⋯⋯気のせいさァ」
ショーゴイン「そうなんだナァ」
「アッハッハァー!」
「⋯⋯」
シーファ「こんなとこにいたのか、クソ人参 ウータミィまだ帰ってきてないのか ⋯⋯って」
シーファ「お前ら何してんの?」
パープルヘイズ「ワレワレは何してたんだっけェ」
ショーゴイン「なんだったっけかナァ」
シーファ「お前らは 朝ごはん食べたの忘れるご老人かっ」
パープルヘイズ「失礼なやつゥ ワレはまだ56年物だがァ?」
ショーゴイン「ワッチだってまだ40年物ですナァ」
シーファ「えぇ⋯⋯ 意外と歳取ってる!? っていうか人参ってそんな長持ちする?」
「ハッハッハー!!」
シーファ「え、冗談? まぁそんな事よりウータミィは まだ帰ってきてないのか」
ショーゴイン「ワッチのプリンセスも まだ帰ってきてないですナァ」
パープルヘイズ「なんか玄関の方から声が聞こえるゥ」
シーファ「お、帰ってきたか」
パープルヘイズ「っていうかなんか臭いぞォ? 漏らした?」
シーファ「ちげーし! 色々あったんだよ 後でまた風呂入るし⋯⋯」
〇旅館の受付
シーファ「おかえり 免許取れたのか?」
ウータミィ「⋯⋯」
シーファ「え? 何これ」
ウータミィ「これは⋯⋯シフトレバーかな」
シーファ「はい?」
リサ=イアロレーユ「この子ねぇ 教習所で⋯⋯」
ウータミィ「壊しちゃった」
シーファ「へ?」
〇霊園の駐車場
教習所の教官「はい、それじゃあ次は路上練習するよ シートベルトしめて、エンジン始動して」
ウータミィ「はーい」
教習所の教官「って、シフトレバーどうしたの!?」
ウータミィ「触ったら取れちゃいました」
教習所の教官「あぁ! ハンドルも取れてるー!?」
ウータミィ「おかしいなぁ ちょっと触っただけなんだけど」
教習所の教官「うわぁ!! ペダルも壊れてる!?」
ウータミィ「ごめんなさい、直してみるね」
教習所の教官「いや、触らなくていい ああードアも外れてる! やめて触らないでえぇぇえー!!」
〇旅館の受付
ウータミィ「──というわけでぇ」
リサ=イアロレーユ「この子、教習所を出禁になっちゃったの」
シーファ「教習所を出禁!? そんな事ってある?」
ウータミィ「どおしよう〜」
シーファ(こいつに運転させる計画が⋯⋯ 作戦立て直しか?)
リサ=イアロレーユ「うーん ゴリラみたいな兎がいる教習所なら 丈夫な車を揃えてると思うんだけどなぁ」
シーファ「ゴリラ?」
リサ=イアロレーユ「ええ、昔ゴリラみたいな兎が色々経営してて 教習所もあったのよね 移転したっぽくて今どこか分からないけど」
シーファ「⋯⋯」
〇密林の中
「ゴッゴッゴッゴ──」
〇旅館の受付
シーファ「ゴッゴッゴッゴーリラー♪」
リサ=イアロレーユ(え? なんか歌い出した? こわぁ⋯⋯)
シーファ「困った時はゴリラパワー!! なんとかなるかもしんねぇ!」
「はぁ⋯⋯」
リサ=イアロレーユ「っていうかあなたちょっと匂うわよ お風呂入ってきたら?」
シーファ「これから入ります⋯⋯」
〇密林の中
突如歌い出したシーファに
ドン引きするウータミィ達
果たしてシーファは何を思いついたのか
その前にお風呂へ向かうのか
次回に続く!!
「ウホッ」
ひぃー!!!😂😂😂✨
最高なんですが!!!😂😂😂
シーファが車によちよちしながら、「なんだか美味しそうな液体でちゅよー」って言ってるところで涙出るほど笑いました!!!😂
あーほんと面白いです✨✨
ウホッ🦍
教習所の車を駄目にしてしまうとは、ウータミィの怪力恐るべし。
ウータミィのライバルであるリサから、色々と誤解を受けているリーファ。
彼のアイデアが吉と出るか凶と出るか。
人参同士の卓球対決(球よりも罵倒のラリー)には笑いましたw
リサはツンデレで勘違いしちゃうタイプのようですね……良きかな☺️
リーファが旦那っ🤣
野菜たちのカオスな戦い🤣
悲報ウータミィ、車壊し過ぎて教習所出禁🤣
ずっと笑いが止まりませんでした😆
ゴッゴッゴッゴーリラー♪🦍
ゴリラのような兎……続きが気になります👀💦