姫様の推し事!

朝永ゆうり

第五話 新たな仲間と共に(脚本)

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朝永ゆうり

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〇洋館の一室
アルル姫「準備できたわ、早速出かけ──」
アルル姫「アレク!」
アルル姫「どうしたの、その格好! コスプレ? やだ、似合わな~い」
アレク(庭師)「色々聞きたいのはこっちの方だ!」
アレク(庭師)「あの日俺を置いて森に一人で入って ブレーヴ騎士団に助けられたと思ったら 急に結婚!?」
アレク(庭師)「お前一体何考えて──」
アルル姫「仕方ないでしょ まさかガブ様が亡くなってるなんて 知らなかったし」
アルル姫「ガブ様のためなら 結婚だってなんでもないわ!」
アレク(庭師)「お前何も分かってないな! 結婚ってのは──」
ノア(絵描き)「まあまあ お二人とも落ち着いてください」
ルーラ(女騎士)「ふふ、二人は仲がいいのね ヤコブが妬いちゃうんじゃな~い?」
アルル姫「あれ、あなたは──?」
ルーラ(女騎士)「私はルーラ、女騎士よ 諸事情があって騎士団には入っていないんだけど──」
ルーラ(女騎士)「──そこらへんの雑魚よりは強いから!」
ヤコブ隊長「貴様、むやみにそれを放つな 家を壊す気か」
ルーラ(女騎士)「ヤコブ~♡ 久しぶりね!」
ヤコブ隊長「・・・貴様を誘ったのは間違いだった 今すぐ帰れ」
ルーラ(女騎士)「せっかく来てあげたのに! も~、つれないんだから!!」
ルーラ(女騎士)「それにあたしは帰らないわ! こんな可愛い子の護衛ができるんですもの」
アルル姫「あ、あの・・・」
ルーラ(女騎士)「ふふっ あなたの護衛は任せてね!」
アルル姫「護衛・・・?」
ルーラ(女騎士)「あらやだ ヤコブ話してないの!?」
ヤコブ隊長「・・・」
ルーラ(女騎士)「全く ヤコブは昔から言葉が足りないのよ!」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃん 今から火山の魔物のところに行くのは聞いてるわね?」
アルル姫「は、はい!」
ルーラ(女騎士)「私たちはそのために集められたの いわば、仲間ね」
アルル姫「仲間・・・」
ルーラ(女騎士)「あたしはアルルちゃんの護衛 ノアくんは昔は 腕っぷしの強い騎士だったけれど──」
ヤコブ隊長「こいつは的確に魔物の位置を教えられる 後で魔物を描き可視化して後世に残すためにも必要な人材だ」
ルーラ(女騎士)「ってことね! で、彼は──」
アレク(庭師)「・・・」
ヤコブ隊長「こいつは元々ブレーヴの騎士系の家の者だ なぜボヌール城で雑用をしていたのかは 知らんが──」
アレク(庭師)「庭師だ! 大体俺は戦いたくなんて──」
ヤコブ隊長「アルルの名を出したら 飛んできたと聞いたが」
アレク(庭師)「う・・・」
ルーラ(女騎士)「あら、あらら~♡」
ルーラ(女騎士)「ヤコブ 思わぬライバル出現~♡」
ヤコブ隊長「はぁ・・・」
ヤコブ隊長「アルルの戦略脳 それに私の攻撃を足せば 火山の魔物は倒せるだろう」
ヤコブ隊長「だがその道中で何があるかも分からない ここの騎士・ボヌールの騎士を集めるにも 国を守る責務を考えればできず──」
ヤコブ隊長「仕方なくこの3人に集まってもらった それだけだ」
アルル姫「でも 何で急に火山の魔物討伐になんて──」
ヤコブ隊長「火山が魔界への入り口だ あそこにいる魔物を封じればこちらにやってくる魔物は減る」
ヤコブ隊長「・・・団長もそれを思って あそこに向かったのだろうから」
アルル姫(つまりヤコブは ガブ様の意思を継いで・・・)
アルル姫(なんて言ったら、怒られそうね でも──)
アルル姫(──なんだか、嬉しいわ)
ルーラ(女騎士)「ふふ・・・」
ノア(絵描き)「ルーラさん、どうかしました?」
ルーラ(女騎士)「いえ?」
ルーラ(女騎士)「ねえヤコブ 皆そろったわけだし、一応火山までの道のりを確認したいのだけれど」
ヤコブ隊長「そうだな」
ヤコブ隊長「まずは──」

〇空

〇洋館の一室
ヤコブ隊長「──といった具合だ」
ノア(絵描き)「ではまずは この森の中にある集落を目指すのですね」
ヤコブ隊長「ああ」
ルーラ(女騎士)「あの森・・・ 最近魔物の報告が上がってるところね 少し厄介だわ」
アレク(庭師)「で、でも、夜にならなければ 魔物は出ないんですよね・・・?」
ルーラ(女騎士)「大丈夫よ 魔物が出たら倒せばいいんだから!」
アレク(庭師)「ひぃぃ!」
ノア(絵描き)「大丈夫ですよ まだ今は日が昇ったばかり」
ノア(絵描き)「歩いても 夕刻にはこの集落に入れるでしょう」
アレク(庭師)「だ、だよな!」
アルル姫「・・・歩いていくのね?」
ヤコブ隊長「ふん 貴様、姫気取りか?」
アルル姫「違うっ! 私はただ・・・」
ルーラ(女騎士)「アルルちゃんは怖いのね 大丈夫よ、旦那さんが守ってくれるわ」
ヤコブ隊長「・・・」
アルル姫(そうよね、大丈夫──)
アルル姫(ガブ様の敵討ちだもの! このくらい屁でもないわ!)
アルル姫「さっそく出発するわよ!」
アレク(庭師)「あ、おい、アルル!」
ヤコブ隊長「・・・ふん」

〇森の中
アレク(庭師)「なあ、本当に何も出ないよな?」
ルーラ(女騎士)「もー、なーに怯えてるのよ!」
アルル姫「っていうか アレクって”見える者”だったのね 何で黙ってたのよ!」
アレク(庭師)「仕方ねーだろ それには色々と事情が──」
アルル姫「まあ、アレクはビビりだものね」
アルル姫「ボヌール王国では”見える者”は貴重な存在 騎士団への招集は絶対だから──」
アルル姫「どうせ見えないフリをして 召集されないようにしてたんでしょ」
アレク(庭師)「ちげーよ!」
アルル姫「じゃあ何で──」
ルーラ(女騎士)「まぁまぁ アレクは騎士団召集は免れた、けどアルルちゃんが心配で飛んできた、でしょ?」
アレク(庭師)「な・・・っ!」
アレク(庭師)「まあ、アルルを守ってやれるなら それもいいかなって・・・」
アレク(庭師)「って、俺を置いて行くなよ!」

〇森の中
ヤコブ隊長「・・・」
ノア(絵描き)「何か、いますね」
ヤコブ隊長「ああ」
アルル姫「ねえ、何かって・・・」
ヤコブ隊長「貴様は下がってろ」
アルル姫「・・・」
ノア(絵描き)「アルル姫、僕の背中に」
ルーラ(女騎士)「なら背後は、私が!」
アレク(庭師)「やっと追いついた・・・」
アレク(庭師)「・・・って、え!?」
ノア(絵描き)「アレクさん、後ろ!」
ルーラ(女騎士)「はぁぁぁあ!」
アレク(庭師)「何も出ないんじゃなかったのかよ!」
ノア(絵描き)「アレクさん、油断しないでください! まだ──」
アレク(庭師)「ぎゃぁぁあ!」
ルーラ(女騎士)「もー、ガードだけは一人前なんだから!」
ルーラ(女騎士)「はぁぁぁあ!」
ノア(絵描き)「アルル姫はこちらに」
アルル姫「ええ」
ノア(絵描き)「はぁ! やぁ!」
アルル姫(何が起きているの? きっと魔物がいるのだろうけれど・・・)
アルル姫(あー、もう! 魔物が見えないって不便すぎる!)
アレク(庭師)「うぅ~・・・」
アルル姫(って、アレク ビビッて隠れてるじゃない!)
アルル姫「アレク、あなたも戦いなさいよ!」
アレク(庭師)「んなこと言ったって、俺には無理──」
アレク(庭師)「アルル、逃げろ!」
アルル姫「え?」
「アルル姫!       アルルちゃん!」

次のエピソード:第六話 心の読めない隊長(前編)

コメント

  • 冒険物語の体裁が整ってきて面白いですね!!
    色々なキャラクターがいてバラエティ豊かだなと思いました!
    弾みがあって読みやすく、どんどん進むのでさすがだなと学びモードです😃

  • 朝永さんの推しが誰なのかも気になるところですが、
    今回も面白かったです

    ヤコブにライバル登場だけどあの女騎士さんもちょっときになるんですけど〜

  • アレク、アルルのことが好きだったんですね。まさかの三角関係勃発!
    ここからの逆転は厳しそうでちょっと不憫ですが、せめてアルルにかっこいいところを見せられるようお祈りします🙏

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