あすの僕ら

木佐マコ

エピソード3(脚本)

あすの僕ら

木佐マコ

今すぐ読む

あすの僕ら
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇通学路
星桐彦「でも、やっぱ夢だからノートの内容は消えてるわけだよ。 それが惜しいよな」
姫路伊織「うん」
星桐彦「夢で、これは正夢ですって教えてくれればいいのに・・・」
星桐彦「わっ」
佐原俊平「おわ!」
幸田唯奈「きゃっ」
  よろけた唯奈を佐原が支える。
星桐彦「佐原・・・と、唯奈ちゃん!」
星桐彦「あれ? 夢と違う!」
佐原俊平「ユイたん! 大丈夫?」
幸田唯奈「うん! シュンちゃんが守ってくれたから、平気」
佐原俊平「ユイたん・・・」
幸田唯奈「シュンちゃん・・・」
星桐彦「おーい!」
佐原俊平「はっ桐彦いたのか」
星桐彦「いたよ! 最初からいた!」
星桐彦「ていうかそれより!」
佐原俊平「ん?」
星桐彦「お前、自転車は?」
佐原俊平「ん? お前、俺の自転車のこと、なんか知ってるの?」
星桐彦「いや、夢ではお前が自転車で二人乗りを・・・」
佐原俊平「なーんだ、例の夢か」
星桐彦「夢は夢でも、正夢だ!」
佐原俊平「とにかく、知らないってことだろ?」
佐原俊平「クソ、犯人め。絶対許さねーからな」
星桐彦「犯人? 何があったんだよ」
幸田唯奈「あのね、シュンちゃんの自転車、パンクしてたの」
星桐彦「えっパンク?」
星桐彦「この前、新しいの買ったって言ってなかったか?」
佐原俊平「そうなんだよ」
佐原俊平「パンクなんて、ありえねーだろ?」
幸田唯奈「でも、さっき見たらタイヤぺっちゃんこ」
幸田唯奈「誰かが穴開けたんだよ」
星桐彦「うわ。 ひどいことする奴がいるな」
佐原俊平「そうそう」
佐原俊平「でも、そのおかげで“ふたりの鍵”と出会っちゃった」
星桐彦「ん?」
佐原俊平「いやー、これが奇跡なんだよな」
佐原俊平「神様はちゃんと見てくれてるんだって思ったね」
星桐彦「んん?」
幸田唯奈「これでシュンちゃんとの愛は、永遠なんだもんねー」
佐原俊平「ねー」
星桐彦「あ? なに? 鍵?」
星桐彦「なにそれ?」
佐原俊平「だから、“ふたりの鍵”だよ。知らねーの?」
星桐彦「“ふたりの鍵”?」
幸田唯奈「雄飛山の展望台に手すりがあるでしょ?」
星桐彦「あ、ああ?」
星桐彦「あったような・・・あんなとこ、小学校の遠足以来行ってないし」
佐原俊平「これからそこに、鍵をつけに行くんだ」
星桐彦「なんで?」
幸田唯奈「その鍵は愛の鍵だから、二人の愛が永遠になるって言われてるんだよ」
星桐彦「・・・な、なんで?」
佐原俊平「なんでかって、そう決まってるんだよ」
佐原俊平「雑誌に書いてあった!」
星桐彦「雑誌・・・」
幸田唯奈「ね、シュンちゃん」
佐原俊平「ね、ユイたん」
佐原俊平「んじゃ行こうか」
幸田唯奈「うん! 行こ行こ!」
星桐彦「あ、ちょっと!」
姫路伊織「・・・行っちゃったね」
星桐彦「あ、ああ・・・」
姫路伊織「・・・・・・」
星桐彦「・・・でも、今日初めて、夢と違うことが起こった」
星桐彦「夢では、あのふたりが二人乗りしててさ」
姫路伊織「夢、だからね」
星桐彦「だよな。夢だもんな」
星桐彦「完全に一緒なんて、ありえないよな」
姫路伊織「うん」
星桐彦「・・・佐原の自転車、誰がパンクさせたんだろう」
姫路伊織「うん・・・誰だろうね」

〇市街地の交差点
星桐彦「んじゃ、明日な。伊織」
姫路伊織「うん。バイバイ、桐彦。またね」
姫路伊織「これで・・・」

〇一軒家

〇学生の一人部屋
星桐彦「あー、ねみー」

〇学校の屋上
  うわぁ!

次のエピソード:エピソード4

成分キーワード

ページTOPへ