17/糸色 女子 言周 丰゙ソㄑ ƕ(脚本)
〇海沿いの街
〇古書店
うるせぇ同級生「おい、ギン!!!!」
幼少ギン「な、なななな何っ?!」
うっさい同級生「上級生とボール当てバトルするんだよ! 本読んでないで、お前も出ろ!!!!!」
※ボール当て=ドッチボールである
幼少ギン「えぇえ‥‥‥やだよ、知らないよ 面倒くさい‥‥‥」
うっさい同級生「お前がいれば絶対勝てる!!!!!」
更に同級生「軽ぅくやってくれていいから! なっ!?」
幼少ギン「だる‥‥‥」
〇野球のグラウンド
ギン「んじゃ、これで最後‥‥‥っと」
上級生「ぎゃあっ!!!!」
同級生「ぎゃはははは!!!!! ウチのギン君に勝てるわけないだろ!!!」
別の同級生「校庭の権利はオレたちのものだ!」
幼少ギン「‥‥‥もう図書室に戻ってもいい?」
同級生「‥‥‥‥‥」
同級生「‥‥‥あのさぁ、ギン君」
幼少ギン「何さ」
同級生「マジでギン君は運動やったほうがいいって」
同級生「足の速さ・ジャンプ力・動体視力‥‥‥ 僕らがうらやましいモノをたくさん 持ってるのに」
別の同級生「そういうの『宝の持ち腐れ』って言うんだぜ」
幼少ギン「そう言われても‥‥‥」
幼少ギン「なんと言われても、運動は好きじゃない‥‥‥」
同級生「‥‥‥‥‥」
同級生「もういっそ、イヤミみたいだね」
幼少ギン「‥‥‥‥」
別の同級生「ギン君がちまちまと文字を書いたり 本読んだりしてるより、 運動した方が喜ぶ人たくさんいるのに」
幼少ギン「‥‥‥‥‥」
幼少ギン「‥‥‥ごめん‥‥‥」
〇英国風の部屋
幼少ギン「── という事があって」
幼少ギン「空気を悪くしないためにも、同級生の運動に 付き合ってやったほうがいいのかなって」
幼少ギン「‥‥‥運動神経がいいからって、別に運動 しなきゃいけないわけでもないだろうに」
キン(父上)「ん〜‥‥‥‥‥」
キン(父上)「じゃあ、するなよ!」
幼少ギン「単純!!!!!!」
キン(父上)「どうせ、大人になったらイヤでも嫌な事 やらなきゃいけない時があるからさ!」
キン(父上)「子供の時くらい、嫌な事からは 全力で逃げればいいさ!」
幼少ギン「‥‥‥それはそれで、どうなんだろうな‥‥‥」
幼少ギン「そもそも、親父自身は ”イヤな事を無理にした事”あるの?」
キン(父上)「‥‥‥‥‥」
キン(父上)「覚えてない!!!!!」
幼少ギン「‥‥‥‥‥」
幼少ギン「もしかして“イヤな事”から逃げ続けると 親父みたいになっちまうのかな‥‥‥」
キン(父上)「学のない俺でもわかる”失礼”!!!!」
町人A(禁煙中)「おい! 町長さんとこの畑で、 クマが暴れてらぁ!!!!!」
キン(父上)「おっ! ギン!!! 今日は熊鍋確定だぞ!!!!!」
キン(父上)「いってきまっ!!!!」
幼少ギン「あの人、好きな事しかしてねぇだろ‥‥‥」
町人A(禁煙中)「‥‥‥ごめんな、ギン君。 いつも親父さんに頼っちゃって」
幼少ギン「いいよいいよ。 じゃんじゃん使って、熊でも魔物でも 殺らせときなよ」
町人A(禁煙中)「‥‥‥‥」
〇黒
───「‥‥‥‥」
〇家の廊下
──「‥‥‥‥」
扉の奥から、物音がする。
〇黒
〇書斎
???「ん〜‥‥‥‥」
???「あ」
エルム・ナキュ「こんな時間にどうしたの? ギン君」
ギン「エルム先生こそ、こんな時間まで執筆ですか?」
エルム・ナキュ「ま、まさか‥‥‥‥!」
エルム・ナキュ「ごめんなさい!!!!!!」
ギン「‥‥‥‥はい?」
エルム・ナキュ「私のため息がうるさかったですか ペンを走らせる音がうるさかったですか さっき、本を落とした音のせいですか」
エルム・ナキュ「そ、それで成長期のいたいけな少年の 安眠を妨害してしまって‥‥‥‥!!!!!」
「ごめんなざいごべんなざいごべんなざひぃ‥‥」
ギン「お、落ち着いて下さい! 先生のせいとかじゃないです!」
ギン「普通に! 単に尿意を感じて 起きただけですから!」
エルム・ナキュ「‥‥‥え?」
エルム・ナキュ「そう? 大丈夫? 私が生きてるせいで起きる騒音で 起きちゃったわけではない?」
ギン「はい、大丈夫です」
エルム・ナキュ「よ、よかったぁ‥‥‥‥」
苦笑ギン((作風通りの面倒くさい人だな‥‥‥))
〇空
〇おしゃれな居間
編集担当ちゃん「‥‥‥‥で?」
編集担当ちゃん「昨日の夜、2人は何を食べたんです?」
エルム・ナキュ「え、えっとぉ‥‥‥‥」
ギン「せ、先生の作ったシフォンケーキをば‥‥‥」
編集担当ちゃん「それは“食事”じゃなくて、“おやつ”!!!!!!」
編集担当ちゃん「というわけでっ! 朝ごはんくらいはちゃんと食べて下さいっ!」
編集担当ちゃん「全く‥‥‥ちょっと目を離したら、 すぐ食事をサボる‥‥‥!」
「ありがとうございます、いただきます‥‥‥」
編集担当ちゃん「ちょっと先生! ソース垂らしてる!!」
エルム・ナキュ「えっ! どこどこ!」
エルム・ナキュ「あぁっ! フォーーーク!!!!!」
編集担当ちゃん「何やってるんですか、もぉ〜!」
ギン「‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「どしたの? ギン君」
ギン「あ、いやぁ‥‥‥」
ギン「私、幼い頃から父子家庭なもので」
ギン「だから『母親がいたらこんな感じ なのかなぁ』と、小説の参考がてらに 眺めていました」
エルム・ナキュ「‥‥‥」
エルム・ナキュ「何言ってるの? ギン君」
ギン「‥‥‥‥はい?」
エルム・ナキュ「だって‥‥‥‥」
「────────── 〜〜‥‥‥‥‥」
「────‥‥‥‥‥‥‥‥」
ギン「‥‥‥‥あ、そっか」
ギン「なんか、寝ぼけてたみたいだ」
ギン「わりィ」
エルム・ナキュ「疲れてるんだね」
ギン「そうかもしれねぇや」
ギン「‥‥‥‥最近、上手く小説が作れないんだ」
ギン「『そもそも上手くねぇだろ』ってのは 置いといて(笑)」
ギン「単語が出てこないし、文の組み立ても どうにも以前より“なっちゃいない”」
ギン「なんなら、本を‥‥‥文字を読む事すらダルい」
ギン「何回かスランプはあったけど、 今回のは頭に字が、文が入ってこない」
エルム・ナキュ「お友達に相談とかしないの?」
ギン「俺、同世代の友達いないんだ」
エルム・ナキュ「マモ君は違うの?」
ギン「あれは友達じゃなくて“ファン”だから、 相談できる相手じゃないんだ」
ギン「しかも、ファンといっても『俺と関わり たくない』ようだから深い話とか 出来そうもない」
ギン「‥‥‥‥あーぁ」
ギン「さんざ世話してもらったのに 「書けません」なんつったら‥‥‥」
苦笑ギン「やべぇ、殺されそう(笑)」
エルム・ナキュ「‥‥‥って、正直に話したら?」
ギン「殺される(笑)」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
ギン「‥‥‥!」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥」
エルム・ナキュ「‥‥‥外、いるね」
ギン「魔物が‥‥‥3匹か?」
エルム・ナキュ「行かなくていいよ、ギン君」
ギン「嫌だ」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥だろうねぇ、知ってる」
編集担当ちゃん「‥‥‥行っちゃダメよ、ギン君」
編集担当ちゃん「他の人だって、時間はちょっとかかるけど 魔物は倒せなくもないんでしょう?」
エルム・ナキュ「その“ちょっと”の間に、人がケガしたり 死んだりするんですよ。担当ちゃん」
ギン「だから『早く倒せる奴が行かなきゃ』 っていう」
ギン「ありがとな」
ギン「メシ、うまかった」
〇後宮の一室
ギン「‥‥‥‥‥」
見た夢の記憶があまりない。
── が、何をするために目覚めたのかは
感覚でわかった。
〇けもの道
闇のなかで、魔モのらの“食事の”音がする。
もう少し早く目ザめていたら
透くえただろうか、と後階する。
もういっそ、億にいる困かいのも
濃ろしてこようかなと思う。
やっば、こっちのほうが症に会っていた
のかなと思う。
こっㄘ 、アタマ使わなくていいし。
カラダが買っ手にうごく ᒐ 。
才能は、ㄜ Ɩ ı ᒐ ょからこっㄘ だった ၈ だ。
〇後宮の一室
ギン「‥‥‥‥‥」
ギン「マぁーモぉ〜くゥん」
根ているマモを揺りう5カス。
マモ「‥‥‥なんだよ、まだ夜中じゃないか」
ギン「先、すすまねぇ?」
マモ「は?」
ギン「夕卜のほうが、シ京しいから (ソト ス ズ)」
ギン「夜に先を急いだほうが言イと思うんだ」
マモ「‥‥‥お前、大丈夫か?」
ギン「糸色 女子 言周 (ぜっ こう ちょう)」
マモ「土臭いし、血生臭い」
丰゛ソ「あぁ。 さっき、先に摩モノ片ずけてきたから」
丰゛ソ「帰り血がごめ ƕ」
マモ「‥‥‥‥」
ギン「イヤなら別に粉く ᘔ いいすよ」
マモ「‥‥‥‥行く」
つらい…😭ギン氏が自分のしたいことと得意なことでおかしくなっていくのつらい…そしてマモさんを「ファン」と思ってるのが辛い…😭😭
親父さんも後々あれかなと思いつつ、やはり可愛い!
しかしエルム先生も可愛いんだ…なんなのあの人。
イケメンビジュアルでのほほんとしやがって…好み…すぎる…✨🙏
『ファン』に弱ってるところは見せられないと、ボロボロなのをどうにか隠して、捩じ伏せて立っているギンくんがしんどいですね…後半の文字の崩れ具合が辛いです。マモくんも踏み込み過ぎないようにしているので、二人の距離感がもどかしいです。どっちかがあと一歩踏み出してくれれば…!😥
文字の演出、内面の摩耗が伝わってきます。ギンには悪いですが、ボロッボロになりながら戦う主人公大好きなので、この展開はたまりませんね。
久しぶりのお父さん登場に癒やされました☺しかしこの姿を見てるからこそギンも人を助けずにはいられない感じでなんでしょうか…胸に来ますね