魔王様は平和に憧れている

みちみち

エピソード4 殺風景な部屋(脚本)

魔王様は平和に憧れている

みちみち

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〇要塞の廊下
「嬉しいよ、君の方から話しがしたいなんて」
ケビン「そうですか?」
エリート「そうだとも!」
ケビン「・・・先生はどうして」
ケビン「僕の事を気にかけてくださるのですか?」
エリート「それはね」
エリート「君が優秀だからだよ」
ケビン「優秀?」
エリート「この学校から優秀な生徒が排出されれば」
エリート「とてもいい宣伝になる」
エリート「そうすれば入学希望者が増えるからね」
ケビン「なるほど、光栄です」
ケビン(結局は金かよ・・・)
エリート「逆に言うと」
エリート「さっきのグレンみたいな生徒は必要ないんだ」
ケビン「・・・」
ケビン「ですが先生」
ケビン「彼のような生徒に指導するのが学校の役割では?」
エリート「・・・本来はそうだね」
エリート「けどこの学校は開校したばかりだから」
エリート「手っ取り早く評判を上げたいのさ」
エリート「だから君のような生徒にはとても期待している」
ケビン「そうでしたか」
ケビン「ご期待に添えるようにこれからも頑張ります」
エリート「うむ、いいね」

〇上官の部屋
エリート「さぁどうぞ、我が部屋へようこそ」
ケビン「失礼します」
ケビン「あまり何もない部屋ですね・・・」
エリート「そう?」
ケビン「失礼ですが」
ケビン「先生はご趣味とかないのですか?」
エリート「んーあんまり?」
ケビン「・・・」
ケビン「先生にとって幸せってなんなんですか?」
エリート「ん、どうしたんだい急に?」
ケビン(あれだけ金、金と言っておいて)
ケビン(いったい何に使っているんだよ)
エリート「んーそうだな」
エリート「強いて言うなら」
エリート「静かな場所で」
エリート「少し高級な葡萄酒を呑むことかな」
ケビン(・・・)
ケビン(そ、そんな事の為にこいつは魔族を・・・)
エリート「それで、話って何だい?」
ケビン「あ、ああ、その」
ケビン「これです」
エリート「これは私が出した本だね」
ケビン「実は僕は幼い頃から」
ケビン「この本を愛読してきました」
ケビン「そして勇者様こと先生に憧れて」
ケビン「この学校に入学しました」
エリート「ほぅ・・・」
エリート「なら少しガッカリしたんじゃないのかい?」
エリート「本との違いにね」
ケビン「まさか!」
ケビン「僕はもう幼い子供ではありません」
ケビン「絵巻物よりも現実の方に興味があります」
ケビン「今の僕には勇者云々よりも」
ケビン「先生の処世術の方がよっぽど魅力的なんです」
エリート「なるほどね・・・」
エリート「ますます気に入った」
エリート「で、何が聞きたい?」
ケビン「全てです」
ケビン「あの日起こった事実を全て」
ケビン「詳しくお聞かせ願いたいのです」
エリート「ふむ」
エリート「いいだろう・・・」
エリート「君には特別に話してもいい」
エリート「我が愛弟子としてね」
エリート「ただし」
エリート「口外する事は許さないよ」
エリート「それが守れるなら全てを話そう」
ケビン「・・・」
ケビン「もちろんですとも」
ケビン「先生・・・」

次のエピソード:エピソード5 真実と反撃

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