第四話 いざ戦場に向かわん!(脚本)
〇西洋風の部屋
ノア(絵描き)「アルル姫、お疲れ様でした」
アルル姫「本当よ あの人本当人使いが荒いんだから!」
アルル姫「なんであんなのと 結婚しちゃったのかしら・・・」
ノア(絵描き)「・・・」
ノア(絵描き)「さっそくですが 姫、次のガブリエル殿は どんな感じにいたしましょう?」
アルル姫「そうね~ 笑顔のガブ様はなかったかしら あ、あと・・・──」
ノア(絵描き)「では、さっそく」
アルル姫「そうそう そんな感じで・・・」
ノア(絵描き)「ガブリエル殿の服は いつもの鎧で──あれ?」
ノア(絵描き)「姫 首元に何かついてますよ?」
ノア(絵描き)「・・・取れませんね」
アルル姫「嘘、やだ、本当?」
アルル姫「うーん・・・ 何もないわよ、ノア」
アルル姫「見間違いじゃない?」
ノア(絵描き)「・・・きっとそうですね 続きを描かせていただきますね!」
ノア(絵描き)「それにしても アルル姫に軍配の才能があるなんて 驚きです」
アルル姫「それは愛しのガブ様のおかげね 彼の戦いはすべて私の頭の中にあるもの」
アルル姫「・・・でもいくら知っていても うまくいくかは別よね」
ノア(絵描き)「アルル姫?」
アルル姫「私はガブ様じゃないもの・・・ 今頃、どうなっているかしら?」
ノア(絵描き)「不安なのですね」
アルル姫「・・・ええ 責任重大だなって」
アルル姫「偉そうに戦術を教えておいて 戦いに行かないで ここで報酬を受け取ってるなんて──」
アルル姫「・・・行ってもいいかしら?」
ノア(絵描き)「はい?」
アルル姫「ノアは”見える者”でしょ! いざというときは走って逃げればいいし」
ノア(絵描き)「お気持ちは分かります ですが──」
アルル姫「心配なのよ 私の作戦のせいで 多くの騎士が傷つくかもしれない」
アルル姫「そんなの大人しくなんて していられないわ!」
ノア(絵描き)「・・・姫は言い出したら聞かない そういう方でしたね」
ノア(絵描き)「分かりました、お供します」
アルル姫「そうこなくっちゃ!」
〇空
アルル姫「辺境の森・・・こっちね」
ノア(絵描き)「はい!」
〇森の中
「はぁ!」
「やぁ!」
ヤコブ隊長「フール、戦況は」
フール副隊長「西の魔物は壊滅済 残りは北へ逃げたものも いるようですが──」
ヤコブ隊長「ほぼ作戦通りに進んでるな あとは残りを始末して──」
ノア(絵描き)「姫、危険を感じたらすぐに逃げましょう」
アルル姫「分かってるわ でもヤコブが作戦通りだって──」
アルル姫(とりあえず一安心ね もうちょっと見てから、戻ろうかしら)
騎士「うわぁ!」
ノア(絵描き)「アルル姫 しゃがんでください!」
アルル姫「え、あ、うん!」
ノア(絵描き)「ほ・・・」
騎士「プ、プリンセス・・・!?」
騎士「申し訳ありません こんなところを──」
アルル姫「・・・ねえ、ちょっとあなた」
アルル姫「作戦通りにできているの?」
騎士「あ、いや・・・」
アルル姫「もう! 情けないわね!」
アルル姫「ノア、魔物はどういう状況?」
ノア(絵描き)「えっと・・・ 目の前に後ろ向きで一体、周りに二体 まだこちらに気づいていません」
アルル姫(・・・よし)
アルル姫「ほら、立って! あの木の間に魔物を追い込むのよ そしたら一人でも戦えるから!」
騎士「は、はい!」
アルル姫「ふう・・・」
ノア(絵描き)「あの、アルル姫・・・」
アルル姫「ん?」
〇戦線のテント
ヤコブ隊長「貴様、あそこで何をしていた」
アルル姫「ごめんなさい・・・ あの作戦がうまくいっているか気になって」
ヤコブ隊長「”見えざる者”があの場所で 戦況が分かると思っているのか」
アルル姫「う・・・」
フール副隊長「まあまあ隊長 アルル姫だってそれを分かっていて ノアさんを連れて行ったんでしょうし」
ヤコブ隊長「だがアイツは護衛にもならん」
フール副隊長「アルル姫 隊長は姫を心配してるんすよ だから──」
アルル姫「・・・ごめんなさい」
ヤコブ隊長「・・・まあ良い あの騎士に指示を出し 魔物を消滅させたのは褒めてやる」
アルル姫「え・・・?」
アルル姫(ヤコブが 私を褒めた・・・?)
フール副隊長「お、お、お~?」
ヤコブ隊長「黙れ」
ヤコブ隊長「フール アルルを家まで連れていけ」
フール副隊長「了解っす~☆」
ヤコブ隊長「まったく・・・」
ノア(絵描き)「あの・・・」
ヤコブ隊長「どうした、絵描き」
ノア(絵描き)「戦場へ向かうアルル姫を止められず 申し訳なかったです・・・」
ヤコブ隊長「構わん アイツは言い出したら 聞かなさそうだからな」
ノア(絵描き)「ですが・・・」
ヤコブ隊長「アイツが突っ走りそうになったら 連絡をよこせ 貴様一人ではアイツを手に終えんだろう」
ノア(絵描き)「はい・・・」
ヤコブ隊長「ところで頼んでいたものはどうなった?」
ノア(絵描き)「こちらに」
ヤコブ隊長「ふむ・・・」
ノア(絵描き)「ヤコブ殿 ついでと言ってはなんですが 少々気になることが──」
ヤコブ隊長「何だ?」
ノア(絵描き)「アルル姫の首に、このようなものが」
ヤコブ隊長「これは・・・」
ノア(絵描き)「小さいから一見気づきません ですが、どうやら鱗のようで──」
ノア(絵描き)「本人は見えないと おっしゃっていたのですが どうも気になって」
ヤコブ隊長「・・・分かった 絵描きももう下がれ」
ノア(絵描き)「はい、失礼します」
ヤコブ隊長「鱗、か・・・」
ヤコブ隊長「アイツは一体 何者なんだ・・・?」
〇空
〇後宮の一室
フール副隊長「戻りました、隊長!」
ヤコブ隊長「ああ、ご苦労」
フール副隊長「にしても ノアさんに見張りを任せて 良かったんすか?」
ヤコブ隊長「ああ 絵描き相手なら逃げ出さないだろう それに、この話はお前にしかできん」
フール副隊長「隊長・・・?」
ヤコブ隊長「この辺りの魔物に対して アルルの話した戦法とノアの描いた魔物の イラストをまとめておいた」
ヤコブ隊長「これらを使えばお前でも 騎士団を率いることができるだろう」
フール副隊長「ってことは 隊長・・・ついに」
ヤコブ隊長「ああ 発つことにした」
ヤコブ隊長「アイツを連れて行くのは いささか不安だが まあ、いざとなったら私が守ればいい」
フール副隊長「そっか 行っちゃうんすね・・・」
フール副隊長「よし! 隊長、騎士団のことは この俺にどーんとお任せください☆」
ヤコブ隊長「ふっ・・・頼んだ」
ヤコブ隊長「それから、あの魔物の死体ことだが──」
ヤコブ隊長「──何か進展があったら知らせて欲しい」
フール副隊長「了解っす 何かあったらいつものアレ、飛ばしますね」
ヤコブ隊長「頼りにしている」
フール副隊長「た、隊長・・・♡」
〇西洋風の部屋
〇カラフル
ガブリエル騎士団長「アルル姫」
アルル姫「が、ガブ様・・・」
ガブリエル騎士団長「どうか この先も私のことを応援し続け──」
ガブリエル騎士団長「決して嫌いにならないと 誓ってほしい」
アルル姫「も、もちろんです!」
アルル姫「私がガブ様のことを嫌いになるなんて 神に誓ってありません!」
アルル姫「今まで一途に応援し続けてきたんだもの 気持ちは簡単に変わらないわ!」
ガブリエル騎士団長「それを聞いて安心したよ もし君と会えたら──」
ガブリエル騎士団長「なんて もう叶わないことを言うものじゃないね」
ガブリエル騎士団長「ありがとう、アルル姫 ご武運を──」
アルル姫「ガブ様──♡」
「おい!」
〇西洋風の部屋
アルル姫「んん、ガブ様ぁ♡」
ヤコブ隊長「貴様・・・」
ヤコブ隊長「いい加減に起きろ!」
アルル姫「ガブ様は・・・?」
ヤコブ隊長「寝言は寝て言え 貴様の脳はどこまでも花畑だな」
アルル姫「な・・・っ!」
アルル姫「んもー、めちゃめちゃいい夢だったのに! あなたのせいで夢見が最悪じゃない」
ヤコブ隊長「だから何だ 所詮夢だろう」
ヤコブ隊長「それより早く着替えろ、出かけるぞ」
アルル姫「出かけるってどこに!? 私何も聞いてないし そんなすぐ準備なんてできるわけ──」
ヤコブ隊長「『ガブリエルの敵討ち』」
アルル姫「はぁ!?」
ヤコブ隊長「行きたいと言ったのは貴様だろう さっさと準備しろ 下の応接室で待っている」
アルル姫「え、ちょ、ちょっと──」
アルル姫(もー、本当に勝手なんだから)
アルル姫(──なんて怒ってる場合じゃないわね 今は急いで準備しなきゃ!)
ぬいぐるみを作れるなんて素敵です
色んな技術をその技術を習得しようとするのではなく、推しへの愛💕やりたい!という気持ちで楽しく作る。しかも過程もずっと楽しいと思える。まさにアルルの戦略の才能そのものですね
お?お?お〜?黙れがwww
このお話はキャラの声が聞こえてきます
推しぬい自作?すごい!朝永さん器用なんですね😆✨️
アルル姫の行動力が凄まじいですね😳ヤコブ隊長、手を焼きながらもなんだか楽しそう。
リクエスト通りに描いてくれる絵師さん、いいなあ~😊 鱗は出生にかかわるのかな……気になりますね!
アルル姫が戦場に出陣とは!思い切った行動力に流石のヤコブ隊長も手を焼いているようですね😅
折角のガブ様の夢もいい所で邪魔されたのは、大人しく待っていなかった隊長の仕返しだったりして☺️