比来ネオの事件簿②(脚本)
〇美容院
神谷(カミヤ)「アイロンの蒸気は熱くないですか?」
キリゑ「ええ、大丈夫ですよ」
キリゑ「いつもの美容室は頭皮近くにアイロンを当てられると、熱さを感じるけど」
キリゑ「今日は一度も無いわ!」
キリゑ「さすがコレクションに参加する、名店『シルバーフレーム』のスタイリストね!」
神谷(カミヤ)「ありがとうございます!」
神谷(カミヤ)「俺、顔に似合わず、親切丁寧なのが心情でして!」
キリゑ「ヤダ、面白い!」
比来(ヒライ)ネオ(今のところ、キリゑさんに変わった動きは無いな)
比来(ヒライ)ネオ(でも、あの美容師・・・)
比来(ヒライ)ネオ(丁寧なのはわかるけど・・・)
比来(ヒライ)ネオ(施術が遅すぎやしないか?)
比来(ヒライ)ネオ(丁寧というよりは、なんだかぎこちないようだ)
比来(ヒライ)ネオ(それとも)
比来(ヒライ)ネオ(ワザとゆっくりやる必要でもあるというのか?)
蒔田(マキタ)「今日ヒビキさんを担当する蒔田です。宜しくお願いします」
蒔田(マキタ)「毛先から、カラーの塗布をしていきますね」
比来(ヒライ)ネオ(対して)
比来(ヒライ)ネオ(俺の担当の蒔田って人は、淡々と施術するけど、的確で仕事が早いな)
比来(ヒライ)ネオ(慣れてるベテランって感じ)
比来(ヒライ)ネオ「ん?」
比来(ヒライ)ネオ「あの管理美容師って賞状は、神谷さんのなんですか?」
蒔田(マキタ)「そうですね」
蒔田(マキタ)「常時2人以上働いている美容室には、管理美容師が必要なんですよ」
蒔田(マキタ)「管理美容師は、美容師免許を取ってから3年以上働いた人が取れる資格です」
比来(ヒライ)ネオ「へえ」
比来(ヒライ)ネオ「もしかしたら蒔田さんより神谷さんの方がベテランなんですか?」
蒔田(マキタ)「まあね!」
比来(ヒライ)ネオ「そうは見えないけどなあ」
比来(ヒライ)ネオ「蒔田さんのほうが、貫禄ありますね」
蒔田(マキタ)「──ッ・・・恥ずかしながら、自分は神谷より年上ですが」
蒔田(マキタ)「デビュー前のアシスタントでして・・・」
蒔田(マキタ)「まだまだ神谷さんは超えられないですよ!」
比来(ヒライ)ネオ(変だな)
比来(ヒライ)ネオ(普通ならスタイリストと呼ばれる美容師が腰に付けている『鋏ケース』が)
比来(ヒライ)ネオ(蒔田さんにはあって、神谷さんには無い)
比来(ヒライ)ネオ(やはりこの2人は、何か怪しい)
蒔田(マキタ)「では、少しお時間置きますので、お待ち下さいね」
蒔田(マキタ)「珈琲お持ちします。 アイスで良いですか?」
比来(ヒライ)ネオ「ありがとう」
蒔田(マキタ)「神谷さん、ちょっと良いですか?」
神谷(カミヤ)「何だよ。 今忙しいのに!」
蒔田(マキタ)「今すぐ相談したいので、お願いします」
神谷(カミヤ)「キリゑさんスミマセン、少々お待ち頂けますか?」
キリゑ「綺麗になるには仕方無いわね」
キリゑ「ねえ、響クン」
キリゑ「こちらは見ないで小声で話して」
キリゑ「私のメッセージは解読出来た?」
比来(ヒライ)ネオ「『NON』は横に倒して反転させると」
比来(ヒライ)ネオ「『SOS』」
キリゑ「良かった」
キリゑ「最初は気づいていないのかとガッカリしたけど」
キリゑ「ちゃんと周りを見ているのは分かっていたわ」
キリゑ「アイツらがいつ戻るか分からないから、手短に話しましょう」
キリゑ「私は、あの2人が詐欺師で」
キリゑ「美容師の施術と見せかけて、私を軟禁・暴行しようとしているんじゃないかと思うの」
比来(ヒライ)ネオ「穏やかじゃない考察だね」
比来(ヒライ)ネオ「まあ、あの2人は明らかに動きがオカシイけどね・・・」
比来(ヒライ)ネオ「何かを隠しているのは間違いない」
比来(ヒライ)ネオ「でも、そう思うなら」
比来(ヒライ)ネオ「2人が居ないこの隙に逃げたら?」
キリゑ「アナタが席に着いた後、蒔田さんがドアに鍵をかけたのを見たわ」
キリゑ「恐らく、内側から開かないようにキーロックされているわね」
キリゑ「外から見えないようにブラインドも全て降ろしていたし、」
キリゑ「おまけに監視カメラが2台ある」
比来(ヒライ)ネオ「録音はされないタイプだね」
キリゑ「だから話しかけたのよ」
比来(ヒライ)ネオ「下手に動いて2人を刺激できない、ということか」
比来(ヒライ)ネオ「凶器になる鋏もあるしね」
キリゑ「そうね。私たちは身体が商売道具だから、傷つけられるわけにはいかないわ」
比来(ヒライ)ネオ「なるほど」
キリゑ「少し様子を見て、携帯をロッカーから出すチャンスを探しましょう」
比来(ヒライ)ネオ「了解」
〇教会の控室
蒔田(マキタ)「康弘!」
蒔田(マキタ)「お前、遅ーよ!!」
蒔田(マキタ)「ただでさえ時間が無いのに!」
蒔田(マキタ)「そのうち店長が帰ってくるぞ!?」
神谷(カミヤ)「ゴ、ゴメン」
神谷(カミヤ)「でも俺、そんなに早く仕上げる自信ないよ・・・」
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なんと前職が美容師だったとは。そういえば美容師のお話以前にもありましたね。今回の話もけっこう専門的だなと思ってましたが…(初めて聞く話で専門的かどうかもわかりませんでしたが)
次回から華麗な解決編?となるのでしょうか。
ワッショーーイ! 裏話嬉しい。
そしてこちらの方がネオがかっこよく見えるのはなぜだ。アイドルより素のほうがいいぞ!
嘘つきは誰だスチル、カッコいいですね!
ゆきんこさん!
長年そのようなお仕事勤められていてめちゃくちゃカッコいいです!医療もすごいけど
資格の話とか凄い、リアルだなあと思っていたらそうゆうことだったんですね👍
やはり2人は何か隠している...!
続きがきになりますね