8.それが真実だった理由(脚本)
〇貴族の部屋
アドリアン「イーダ!」
イーダ「お話は全て聞いておりました」
イーダ「どうぞお使いください」
魔女「ほう・・・!」
魔女「何も躊躇いもせず?」
魔女「失礼ですが、 この女性は貴女の夫を──」
魔女「ふふ」
魔女「因果なものですね」
魔女「まあ、あなたがそうしてくださるのなら、 私は色々な意味で助かりますがね」
イーダ「・・・」
アドリアン「イーダ!」
アドリアン「その」
アドリアン「行方不明だと聞いたが」
イーダ「あ、心配してくださったんですか?」
イーダ「嬉しいなあ。出てきて良かった」
アドリアン「お前、ふざけて──!」
魔女「ではそろそろ」
イーダ「ええ」
魔女「失礼ですが、席を外していただけますか?」
アドリアン「彼女に何をする気だ」
魔女「・・・!」
魔女「あなたの最愛の人は五体満足で返します」
魔女「外に出ていてください」
イーダ「大丈夫ですよ。アドリアン様」
アドリアン「・・・」
〇洋館の廊下
アドリアン「お前がイーダを探しだしたのか?」
アドリアン「彼女はどこにいたんだ?」
執事「それがその」
執事「屋敷の中に」
執事「このお屋敷には、実は隠し部屋がありまして」
執事「壁と壁の間に、大きな隙間があったり、」
執事「時計を回転させたら秘密部屋があったりするんです」
執事「レナータ様の件もずっと聞いていたらしく、 自分から出てきました」
アドリアン「・・・」
執事「アドリアン様?」
アドリアン「すまん、目の前が真っ白になって」
執事「お察しします」
アドリアン(あいつ!)
〇らせん階段
あの爺さんの階段部屋か!
いつもいつも
修道院に返してたのに、
タイミングよく現れてたのは
家に潜んでたってことか!?
それで毎回殺されてたってことか💢
〇貴族の部屋
アドリアン「おい!イーダ!」
アドリアン「お前、本当に──」
アドリアン「何をしている」
魔女「何って、イーダ様の体を使って」
魔女「レナータ殿を助けるんですよ?」
〇華やかな裏庭
魔女の秘術とは
痛んだ部位を『他から』換装すること
レナータ様は幼少期にも大病をされてましてね
当時はお母様とお父様がそれぞれ体を
お使いになったようで
〇貴族の部屋
アドリアン「・・・・・・」
魔女「あなたの最愛の人の親が死んだ理由が 分かってすっきりしましたか?」
アドリアン「・・・い」
アドリアン「生きている人間から、体をとった・・・?」
アドリアン「そんなことが、許されると──」
魔女「もちろん、死体でも構いませんよ 新鮮ならばね」
魔女「墓場に行って探してきてはいかがですか?」
魔女「レナータさんがそれまでに間に合うといいですね。ははは」
アドリアン「貴様!」
アドリアン「・・・・・・!」
アドリアン「俺を使え」
イーダ「あははっ」
イーダ「アドリアン様、 全然分かってませんねえ」
イーダ「・・・・・・」
イーダ「こ」
イーダ「これ以上ぉ」
イーダ「レナータちゃんを助けるとこ、見たくないから」
イーダ「出てきたんですよお」
イーダ「少しは」
イーダ「私の愛を」
イーダ「受けとってくださいよ」
アドリアン「・・・・・・」
イーダ「お願いがあります」
イーダ「私の死体に近づかないでください」
アドリアン「え」
イーダ「きっとまた戻してしまいますから」
アドリアン「・・・お」
アドリアン「お前だったのか?」
アドリアン「お前が・・・俺の、時間を戻していたのか?」
イーダ「私の体に残る聖なる力が、 アドリアン様の願いを聞いていたようですね」
イーダ「いつも、終わり頃に記憶が戻るのですが」
イーダ「アドリアン様、いつも必死で」
イーダ「その度に、嬉しかった。でも」
イーダ「今回でレナータちゃんとのこと、 本気だって分かりましたから」
イーダ「さすがにグロッキーです」
アドリアン「・・・・・・」
イーダ「いいこと教えてあげましょう」
イーダ「私の死は防げません」
イーダ「貴方が絶対に勝てない敵です」
イーダ「だからもう、終わりましょう?」
アドリアン「お前」
アドリアン「お前は、本当にそれでいいのかよ!」
アドリアン「俺が諦めたら、お前はもう──」
イーダ「・・・・・・だ」
イーダ「だって、聖女だから、仕方なっ──」
イーダ「私だって、本当はっ────!」
イーダ「私のものだったのにっ────!」
イーダ「あはは」
イーダ「言うのも許されないみたいです」
イーダ「私は」
イーダ「私は、レナータちゃんが助かって、嬉しいです。幸せです」
イーダ「言えたあ」
〇黒
イーダ「絶対ですよ?」
イーダ「レナータちゃんと一緒になっても」
イーダ「私のこと忘れないでくださいね」
イーダ「私が救った命なんですから」
お願いだから
私を見捨ててくださいね
わー!ビックリです!イーダは全部知っているのですね!終わりの頃になると記憶が戻るんですか、、、なんということでしょう、、、
イーダはなぜ毎回死んでしまうのか?どうか自分を見捨ててと言う言葉はとても悲しいですね😭💦
けど、骨になるまで時を戻したんですもんね、、、😭
続きも読ませていただきます!!✨