私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

ふゆ

9.聞き出した理由(脚本)

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〇華やかな裏庭
イーダ「おはようございます♪ アドリアン様!」
アドリアン「・・・・・・」
アドリアン「イーダ」
アドリアン「ごめんな」

〇立派な洋館
アドリアン「・・・・・・」
  ずっと抱いていた違和感が
  侵食するように根を張って
  今まさに花開こうとしている
アドリアン「木が覆い茂って」
アドリアン「下には植え込み」
アドリアン「大丈夫」
アドリアン「レナータは助かった」
アドリアン「よし」
「────!」

〇貴族の部屋
執事「旦那様!」
執事「新鮮な遺体が手に入りました!」
メランジェス伯「でかしたぞ!」
アドリアン「・・・・・・」
メランジェス伯「この馬鹿息子が!ベランダから落ちるとは」
魔女「では」
魔女「アドリアン様の横に並べて」
魔女「治療完了です」
アドリアン「・・・・・・!」
アドリアン「父上・・・これは一体」
メランジェス伯「む、馬鹿息子は知らなくていいことだぞ」
執事「旦那様」
執事「アドリアン様も いずれ当主としてご存知になるのですから」
メランジェス伯「むぅ」
メランジェス伯「先生は魔術をお使いなさる」
魔女「ふふ」

〇貴族の部屋
アドリアン「魔術・・・我が国の信仰では」
メランジェス伯「もちろん魔術は弾圧されるべき思想だ」
メランジェス伯「表向きはな」

  王家の第三皇女が体が弱いのは知っているだろう?
  15歳まで生き延びられたのは、
  どうしてだと思う?

〇貴族の部屋
アドリアン「まさか」
メランジェス伯「そう」
メランジェス伯「魔術のおかげだ」
メランジェス伯「体の一部を換装して、病気と怪我を治す魔術」
メランジェス伯「一部の貴族の間では密かに行われている」

〇貴族の部屋
アドリアン「・・・・・・」
アドリアン「王家公認の、魔術・・・」
アドリアン「国教の教えと矛盾した・・・」
アドリアン「これを国民が知ったら、 どんな騒ぎになるか・・・!」

〇教会内
  魔術に使った体の『残り』を
  獣人の仕業に見せかけて捨てていた?

〇貴族の部屋
メランジェス伯「息子よ」
メランジェス伯「安心したぞ。中々察しがいいじゃないか」
アドリアン「ふざけないでください!」
アドリアン(リファたちが、どんな目にあってると思って・・・!)
メランジェス伯「『使用後』の死体を墓地に埋葬するわけにはいかんのだ」
メランジェス伯「我が国の葬儀は火葬しないからな」
メランジェス伯「遺体を見せないよう工夫し続けても、 何らかのきっかけで不審に思う輩がでてもおかしくはない」
アドリアン(それほど・・・魔術が頻繁に行われてるってことか)
アドリアン「・・・・・・」
アドリアン「貴族の少女が獣人に殺された事件・・・」
アドリアン「傷口が不審がられていましたが、 あれもそうですね」
メランジェス伯「あれはな」
メランジェス伯「まったく、コズロフ侯の愚物めが」
メランジェス伯「娘の体には、同じ貴族の体でなくてはならんと駄々を捏ねたらしい」
メランジェス伯「しかもよりによって、殺人を犯すとは」
メランジェス伯「貴族の愛娘に手を出せば、 追求されるに決まっているだろうが。全く」
アドリアン「・・・発覚しかけてるんですね 王家を含めた魔術行為が」
メランジェス伯「・・・・・・」

〇黒

〇教会
  どうりで、最初に彼女が離婚証書をおいて家出した時
  騒ぎを聞いたものが屋敷にいない筈だ
  使用人全員が犯人だったんだから
  首謀者の父の指示で
アドリアン(魔術使用が発覚すれば、 王家は転覆しかねない)
アドリアン(関わった貴族たちは揃って 処刑されるだろう)
アドリアン(もしかしたら、レナータも、俺も・・・)
アドリアン(だから父たちは・・・)
アドリアン(獣人の悪行を印象づけるために、 『聖女が獣人に殺される事件』をでっち上げたわけだ)
アドリアン(父はあの夜、イーダを国に引き渡したんだ)
アドリアン(そして・・・)
  敵は王国と身内、か
アドリアン(俺の絶対勝てない相手、そういうことか)
アドリアン「それでも」
アドリアン「お前が死んだら、全部解決するなんて結論」
アドリアン「お前が、どうしてか、すんなり受けいれてたとしても」
  俺は絶対認めないからな
  つづく

次のエピソード:10.イーダの理由

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