〇おしゃれな食堂
来馬ルイ「それはヒモ道に反するものだ!!」
来馬ルイ「勝ち目がないからと、 気でも狂ったのか!?」
岡崎弾助「・・・・・・」
岡崎弾助「俺は気づいたんだ」
岡崎弾助「今までは、“家族のために” 家事をしていたことを」
岡崎弾助「でもここへ来てからは」
岡崎弾助「誰に言われることなく 体が勝手に動いて家事をしていた」
岡崎弾助「苦ではなかった」
来馬ルイ「何が言いたい？」
岡崎弾助「俺にとって、家事は労働じゃない」
岡崎弾助「“生きがい” なんだ!!!!」
来馬ルイ「なんだと・・・!?」
来馬ルイ「か、家事が生きがいなど・・・ そんな人種がいてたまるか！」
岡崎弾助「ここにいる!!」
岡崎弾助「誰のためでもなく自分のために」
岡崎弾助「これが、俺の見つけた」
岡崎弾助「自分だけのヒモ道だッッ!!!!」
来馬ルイ「じ・・・」
来馬ルイ「自分だけのヒモ道だとおおおおおお!?!?」
岡崎弾助「学園長！」
岡崎弾助「生きがいを奪ってでも」
岡崎弾助「家事は労働だから ヒモ道に反すると言いますか!?」
ナタリー（学園長）「そ、それは・・・」
ナタリー（学園長）「確かに・・・」
ナタリー（学園長）「どうやら、ヒモ道への見解を 改めなければならないようだ」
「待てッ！　まだだ!!」


〇おしゃれな食堂
来馬ルイ「俺は、まだ認めん!!」
岡崎弾助「くっ・・・ もう立ち直ったのか！」
来馬ルイ「百歩譲って、調理は生きがいとしよう」
来馬ルイ「しかし、後片付けは」
来馬ルイ「後片付けだけは絶対に認めん!!!!」
岡崎弾助「あ、後片付けまでが家事で 生きがいだ！」
来馬ルイ「フン、今少し動揺したな」
来馬ルイ「貴様」
来馬ルイ「後片付けは面倒だから食洗機が欲しいと 思っているタイプだろう!!!!」
岡崎弾助「グハァッ!!!!」
来馬ルイ「フン、やはりな」
来馬ルイ「そんなものでよく“自分だけのヒモ道” などと言えたものだな」
澤森ケンタ「ダンスケ、大丈夫か!?」
岡崎弾助「ああ、まだやれる・・・！」
飛鳥イヅル「何か反撃する方法はあるのか!?」
岡崎弾助「反撃・・・」
岡崎弾助（くそっ・・・ 手段が見つからない・・・）
？？？「なんだいなんだい、 シケた顔しちゃって！」
岡崎弾助「この声は・・・」
来馬ルイ「誰だ!?」
アヤカ「あ、あなたたちは・・・！」
「学食のおばちゃん!!!!」
学食のおばちゃん「話は聞かせてもらったよ」
学食のおばちゃん「後片付けって、面倒よねぇ」
学食のおばちゃん「後片付けは、アタシたちに任せな！」
学食のおばちゃん「そうそう、 元々メイドに任せるものなんでしょ？」
学食のおばちゃん「ダンスケちゃんのためならねぇ」
学食のおばちゃん「おばちゃんたち、 喜んで後片付けくらいするわよ」
岡崎弾助「あ、ありがとうございます！」
ナタリー（学園長）「こ、これはまさか」
ナタリー（学園長）「ヒモ道の奥義の一つ 魅了《ﾌｧｯｼﾞﾈｲﾄ》!!!!!!!!」
アヤカ「ダンスケの日頃の行いが良すぎて 自然発動しちゃったのね!?」
来馬ルイ「ファ・・・」
来馬ルイ「ファッジネイト・・・だと・・・!?」
飛鳥イヅル「うおーっ ダンスケすげえ!!」
澤森ケンタ「これでKOだろ！」
「岡崎って、もしかしてすごいのか・・・？」
「劣等生のフリしてただけ・・・？」
岡崎弾助「・・・・・・」
岡崎弾助（魅了《ﾌｧｯｼﾞﾈｲﾄ》ってなに・・・？）

〇おしゃれな食堂
ナタリー（学園長）（自分だけのヒモ道のみならず・・・）
ナタリー（学園長）（奥義まで繰り出してくるとは）
ナタリー（学園長）「しかし・・・簡単に認められない 自分がいる・・・」
笹霧（ササキリ）「いいじゃありませんか 学園長」
笹霧（ササキリ）「自分だけのヒモ道・・・」
笹霧（ササキリ）「なかなか見つけられるものではない」
ナタリー（学園長）「ササキリ・・・」
笹霧（ササキリ）「それに」
　　サクッ
笹霧（ササキリ）「これほどの腕を 封じてしまうのは惜しい」
アヤカ「あのササキリさんが褒めるなんて」
　　サクッ
「いけるな！　　おいしい！　　　うまっ！」
笹霧（ササキリ）（まるで、 昔の自分を見ているようだ・・・）
笹霧（ササキリ）（岡崎弾助・・・）
笹霧（ササキリ）（お嬢の目に間違いはなかった）
ナタリー（学園長）「来馬ルイ」
ナタリー（学園長）「私たちも食べてみようではないか」
　　サクッ
ナタリー（学園長）「こ、これは・・・！」
来馬ルイ「一流パティシエにも匹敵する 美味さ・・・!!」
来馬ルイ（ヒモ道でここまでできるとは・・・）
来馬ルイ（・・・完敗だ）
来馬ルイ「岡崎弾助」
来馬ルイ「今日のところは負けを認めよう」
澤森ケンタ「ダンスケの勝ち・・・？」
飛鳥イヅル「アヤカ先生のヒモの座は・・・」
来馬ルイ「ただし！」