第6話 ハイブリッドヒモ(脚本)
〇おしゃれな教室
来馬とのヒモ道勝負から数日後──
学園生徒「お、おはよう、岡崎くん」
岡崎弾助「おはよう!」
学園生徒「この間の勝負、興奮したよ!」
岡崎弾助「見てたんだ」
学園生徒「自分だけのヒモ道なんて かっこいいじゃないか!」
学園生徒「実は僕、趣味でマンガを描いててさ」
学園生徒「ついに雑誌掲載の話が来たんだ!」
岡崎弾助「それは、おめでとう!」
学園生徒「・・・でも、ヒモって働いちゃダメって 聞いてたからさ・・・」
学園生徒「どうしようって悩んでたんだ」
学園生徒「でも、君たちの勝負を見てさ!」
学園生徒「労働だからって、生きがいを奪うのは やっぱり違うよね!って」
学園生徒「勇気をもらったんだ!」
岡崎弾助「それは良かった!」
学園生徒「僕も自分だけのヒモ道が 認めてもらえるように頑張るよ!」
学園生徒「じゃあね、お互い頑張ろう!」
岡崎弾助「ああ、頑張ろう!」
岡崎弾助「雑誌に載ったら見せてくれよ!」
学園生徒「もちろんだよ!」
飛鳥イヅル「はよー、ダンスケ」
澤森ケンタ「この間の勝負で」
澤森ケンタ「みんなおまえを見る目が 変わってるみたいだな」
講師「Hi、みなさん、席についテ!」
講師「今日はLunchtimeに specialなmenuを用意してまス」
講師「楽しみですネー」
〇おしゃれな食堂
「おお〜〜っ!」
講師「みなさんには、テーブルマナーを 学んでもらいまス」
岡崎弾助「ついにセレブって感じの 授業が来たな!」
澤森ケンタ「基本的なことは知ってるし楽勝だろ」
飛鳥イヅル「は、早くいただこうぜ〜」
岡崎弾助「この、水の入ったボウルは?」
澤森ケンタ「それは、フィンガーボウルだ」
澤森ケンタ「こうやって、 指先が汚れた時に洗う」
飛鳥イヅル「え゛っ 俺さっき飲んじゃった!」
〇おしゃれな食堂
岡崎弾助「ごちそうさまでした!」
「ごちそーさん おばちゃん ごちそうさま〜」
岡崎弾助「二人とも・・・」
飛鳥イヅル「まあ、ダンスケだけにいい格好は させられないし?」
澤森ケンタ「これくらいはな」
〇おしゃれな食堂
「Hey、ダンスケ!」
講師「次はアヤカ先生のレッスンでしたネー」
講師「これをツイデにお願いしまス」
岡崎弾助「わかりました」
〇役所のオフィス
岡崎弾助「失礼します」
岡崎弾助「アヤカ先生の机は・・・」
岡崎弾助(散らかってるなあ・・・)
岡崎弾助「ちょっとまとめさせてもらおう」
岡崎弾助「おっと」
岡崎弾助「ん・・・? なんだこれ・・・?」
岡崎弾助 SP養成計画
岡崎弾助「・・・えっ!?」
岡崎弾助(SP・・・養成・・・!?)
岡崎弾助「そんなまさか・・・」
岡崎弾助「きっと “スペシャル” とかだろ!」
岡崎弾助「俺だけ特別カリキュラムみたいだし!」
〇武器庫
アヤカ「セレブって、わりと狙われたりするのよ」
〇役所のオフィス
岡崎弾助「嘘だろ・・・?」
岡崎弾助「俺はやっぱりヒモに なれないのか・・・!?」
アヤカ「ダンスケ・・・!?」
アヤカ(ファイルを見られた・・・!?)
アヤカ「待って、ダンスケ!!」
〇上官の部屋
「失礼します!!」
岡崎弾助「学園長!!」
岡崎弾助「これはどういうことですか!?」
ナタリー(学園長)「ほう、見つかってしまったか」
アヤカ「待って、ダンスケ 話をさせて!」
岡崎弾助「言い訳はききたくありません」
岡崎弾助「俺はこの学園を辞めて」
岡崎弾助「詐欺容疑で訴えます!」
ナタリー(学園長)「ふむ、辞めると?」
岡崎弾助「ヒモになれないなら 辞めるしかないでしょう!?」
ナタリー(学園長)「わかった。 では自己都合退学の手続きとして」
ナタリー(学園長)「◯◯◯万円支払ってもらおうか」
岡崎弾助「◯◯◯万円!?」
岡崎弾助「そ、そんな大金払えるわけ ないじゃないですか!」
岡崎弾助「そもそも、学園を辞めるのに そんな大金を取るなんて」
岡崎弾助「やっぱり詐欺なんですね!?」
ナタリー(学園長)「何を言っている」
ナタリー(学園長)「正当な金額だ」
ナタリー(学園長)「何せ、キミたちの学費、寮費、食費 すべて学園で賄っているのだからな」
ナタリー(学園長)「それを返却してもらうだけのことだ」
ナタリー(学園長)「ちゃんと入学手続きの時の 契約書にあっただろう」
尚、自己都合での退学に関しては金
◯◯◯円を徴収するものとする。
岡崎弾助「こ、こんな小さく!?」
岡崎弾助「こんなの見落としますよ!」
ナタリー(学園長)「契約書は隅々まで読むことだな」
???「ヒモ学園を辞めるだと・・・?」
笹霧(ササキリ)「さっきから聞いていれば ウダウダと・・・」
笹霧(ササキリ)「貴様」
笹霧(ササキリ)「ヒモをナメるなぁっッッ!!!!!!!!」
岡崎弾助「サ、ササキリさん・・・!?」
笹霧(ササキリ)「まったく、どいつもこいつも ヒモは簡単になれると思っている」
笹霧(ササキリ)「おまえも学園に入って身に染みただろう」
笹霧(ササキリ)「学ぶことが意外と多いことに!」
岡崎弾助「それは・・・そうですね・・・」
岡崎弾助「でも、ササキリさんが なぜ怒っているんですか?」
笹霧(ササキリ)「んんっ!? そ、それは・・・」
ナタリー(学園長)「ササキリ〜? 素直になったらどうだ?」
ナタリー(学園長)「ダンスケに学園を 辞めてほしくないのだろう?」
笹霧(ササキリ)「ご、誤解のある言い方を せんでください」
ナタリー(学園長)「後輩ができたって喜んでたものなあ」
笹霧(ササキリ)「わあああああナタリー!!」
岡崎弾助「後輩?」
アヤカ「実はね、ダンスケ」
アヤカ「あなたには、ササキリさんのような」
アヤカ「ハイブリッドなヒモを目指して ほしかったの」
岡崎弾助「ハイブリッドなヒモ?」
アヤカ「ササキリさんは、ヒモとSPの ハイブリッドなの」
笹霧(ササキリ)「・・・」
〇ボロい倉庫の中
××年前──
黒服「追い詰めたぞ モーリディッヒ!!!!」
ナタリー(学園長)「くっ・・・ ここまでか・・・!」
黒服「ボスの仇、 取らせてもらう」
ナタリー(学園長)(姉上・・・すまない・・・)
「ナタリー! 危ないッッ!!!!」
ナタリー(学園長)「ササキリ・・・!!」
黒服「チッ・・・ 外したか・・・!」
黒服「くそっ・・・!」
ナタリー(学園長)「ササキリ、しっかりしろ!」
ナタリー(学園長)「ヒモのくせに無茶をして・・・!」
笹霧(ササキリ)「ふふっ・・・」
ナタリー(学園長)「何がおかしい?」
笹霧(ササキリ)「私は後悔していたんです。 あなたのヒモになったことを・・・」
笹霧(ササキリ)「サロンの時にエスコートするだけで それ以外は何の役にも立っていない」
ナタリー(学園長)「わ、私は・・・!」
ナタリー(学園長)「ササキリがいてくれるだけで・・・」
笹霧(ササキリ)「でもナタリー、 私は今見つけました」
笹霧(ササキリ)「あなたをこうしてお守りすることが 私のヒモ道です」
ナタリー(学園長)「それはっ・・・」
ナタリー(学園長)「ヒモ道に反する・・・ぞ・・・」
笹霧(ササキリ)「私の生きがいを奪わないで下さい」
笹霧(ササキリ)「あなたを守ることが労働だなんて 言わせません」
ナタリー(学園長)「姉上はどうする?」
笹霧(ササキリ)「シエラ様がなんと言おうと、 私はナタリーのヒモです」
〇上官の部屋
笹霧(ササキリ)「その頃からだ。主を守ることが 労働でなくなったのは」
アヤカ「お願い、ダンスケ」
アヤカ「このままハイブリッドヒモを目指して」
アヤカ「私の母、シエラに会ってほしいの」
岡崎弾助「それは、まさか・・・」
岡崎弾助「アヤカ先生のヒモになれって ことですか!?」
アヤカ「・・・結果的にそうなるかも しれない」
アヤカ「だけどそれ以前に」
アヤカ「あの人に太刀打ちできるのは、 キミしかいないと思ったの」
岡崎弾助「太刀打ち?」
アヤカ「私はモーリディッヒの人間として あの人を止めなければならないの」
岡崎弾助「・・・」
岡崎弾助「話は何となく分かりましたけど・・・」
岡崎弾助「なぜ俺なんですか?」
岡崎弾助「他にも適任はいそうですが・・・」
岡崎弾助(そう、たとえばケンタのような)
アヤカ「それは・・・」
アヤカ「ダンスケ、あなたが清助さんの 息子だからよ」
岡崎弾助「・・・え!?」
作中の熱量やキャラの魅力で、この素晴らしき作品世界に取り込まれてしまいました🥰(ふと冷静になったときに「ハイブリッドヒモって一体…」と考えてしまったのはナイショですが😊)
一本筋が通ったダンスケくん、ヒモ学園のインフルエンサーですね! 何とステキなヒモインフルエンサー✨
あれー!わたし2ヶ月も気を失ってたんですね😂
イケオジが素敵ですね!ヒモだけど!
ダンスケの父??どういう関わりがあるのか、気になります。
ハイブリッドヒモ、自分だけのヒモ道……なんだかヒモが格好よく見えてきました🫨
そうですよね。ヒモだって働きたいですよね
見たことのない世界に毎回ワクワクしています