私にだけ冷たい旦那様がタイムリープしすぎて骨になった理由

ふゆ

5.繰り返した理由(脚本)

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〇空

〇華やかな裏庭

〇華やかな裏庭
騎士「お見事!」
騎士「久しぶりなのに、腕を上げられましたな」
アドリアン(久しぶりじゃない)
アドリアン(前回も鍛えた。助けたくて・・・)
アドリアン「くそっ」
騎士(何か失礼なことを言ったか?)
  イーダはまた修道院に返した
  きっと遠からぬ日には
アドリアン「・・・・・・」
アドリアン(だからなんだという)

〇豪華な客間
アドリアン「・・・・・・」
アドリアン(彼女の死と俺は関係なかった)
アドリアン(助ける義理なんてないんだ)
アドリアン「どうした。レナータ」
レナータ「えっと」
レナータ「今のミス、どう思いました?」
アドリアン「あ」
アドリアン「ああ──・・・、そうだな」
アドリアン「お前がミスを気にするなんて、 らしくないぞ」
レナータ「でも」
アドリアン「いつも完璧なんだから、むしろ安心したぞ」
レナータ「もう」
アドリアン「それに」
アドリアン「爽やかな季節の訪れを感じさせる 繊細で素敵な演奏だった」
レナータ「ありがとうございます」
アドリアン「じゃあ、行くよ。頑張って」
レナータ「強く情熱的に弾いていたのだけれど」
レナータ「弱かったのね」

〇城の廊下
アドリアン(日が経つのは早いものだ)
アドリアン(もう少しであの夜か)
アドリアン「なんだ今の包帯だらけのメイドは」
アドリアン「!」
アドリアン(置時計が動いてるぞ。まったく)
アドリアン「グラグラするのに」
アドリアン「倒れない どう固定されてるんだ、この時計」
アドリアン「ん?」
アドリアン「回った」
アドリアン「一回転ぐるりと」
アドリアン「もう一回転──」
アドリアン「二回転、三回転、実に滑らかに回る」
アドリアン(時計の後ろのこの壁)
アドリアン(扉になっていたのか)

〇黒

〇らせん階段
「扉の向こうに、階段・・・」
「下の方は全く見えない」

〇城の廊下

〇らせん階段
アドリアン「こんな階段に」
アドリアン「今まで気づかなかったとはな」
アドリアン「ん?」
アドリアン「下っていたはずなのに」
アドリアン「いつの間にか上りに変わっている!?」
アドリアン「どうなってるんだ」
アドリアン(扉からの明かりはもうほとんど届かない)

〇黒
「おや、これは」
「天井?」
「・・・・・・」
「まさか」
「行き止まりか!?」
「馬鹿な・・・何だこの階段!?」
「来た道そのまま戻るしかないのか・・・」
  ・・・もしかしてこれ
  『祖父の増改築』か?
  妻に先立たれて絶望した祖父が
  友好的だった獣人族に
  殺されたのだという妄想に取り憑かれ
  執拗な増改築をしたのだという話だ
  ・・・・・・
  あなたはもしかして

〇黒
  この階段に誘い込んで、
  閉じ込めようとしたのか?
  祖母への復讐のため・・・?
  なんという妄執
  自分がこの階段に閉じ込められたようなもんじゃないか
  ・・・・・・
  上にも下にも行けない人生は
  辛くはなかったですか?
  ────
  それとも

〇立派な洋館
執事「アドリアン様! こんな遅くにどちらへ!」
  確かめるだけだ

〇密林の中
  『獣人族が襲ってくる』
  そんな爺さんの妄想が
  真実なのかどうか
獣人リファ「お貴族様が私らに何の用だ!」
アドリアン「俺は、 聖女を妻にしたメランジェス家の長男!」
アドリアン「聖女とは離婚したことを告げにきた!」
アドリアン「聖女はメランジェス家ともう関係はない!」
獣人リファ「・・・」
獣人リファ「・・・・・・」
獣人リファ「あっそう」
獣人リファ「お前が誰かと結婚したり、離婚したり」
獣人リファ「そんな超どうっでもいいことで!」
獣人リファ「わざわざ森を騒がせたのか!」
獣人リファ「もうっ、お昼に干した藁ベッドをカミカミしてお夜寝するところだったのにぃ!」
獣人リファ「許せない許せない許せないぃ」
獣人リファ「食べちゃっていいよ。みんな!」

〇密林の中

〇密林の中
アドリアン「イーダ!?」
イーダ「可愛い女の子と浮気なんて酷いですよう アドリアン様・・・」
アドリアン「なに言ってるんだよお前!?」
アドリアン「なんでこんな所に・・・」
イーダ「覚えておいて」
イーダ「私が救った命だから」

〇黒
  永遠に私のものだって

〇密林の中
アドリアン「────」
アドリアン「なんなんだよお前」
アドリアン「──」
アドリアン「早く」
アドリアン「早く糸を出してくれ・・・!」
アドリアン「俺を過去に戻してくれえ!」

〇黒

〇らせん階段

〇黒

〇華やかな裏庭
イーダ「アドリアン様」

〇黒
  つづく

次のエピソード:6.獣人族になった理由

コメント

  • やはりイーダは死んでしまう運命なのですね😵💦
    何度も繰り返しちゃってますが、きっと次こそは……❗
    と期待をこめて次話も読んでいきます😤
    今回も音楽とシーンが合っていて素敵でした✨

  • 何度も違うパターンで一日を過ごしても同じ様にイーダのバッドエンドを繰り返す😓
    それを骨になるまでずっと繰り返していた結果、アドリアンは一話の様な性格になってしまったのか….これはつらいですね🥺

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