10むらむら『迷子のはなむらむら』(脚本)
〇ゆるやかな坂道
中邑 ゆうり「・・・・・・」
中邑 ゆうり「・・・ここはどこ?」
中邑 ゆうり「やばい、迷った!?」
中邑 ゆうり「家からそんなに 離れてないとは思うけど──」
ミミ「ニャ~」
中邑 ゆうり「ハッ!」
中邑 ゆうり「あれは高梨さんちのミミちゃん!」
中邑 ゆうり「ミミちゃ~ん! いつも遊んでる中邑だよ~!」
中邑 ゆうり「ちょっと道案内して欲し──」
ミミ「フーッ!!」
中邑 ゆうり「何で怒るの~!?」
ミミ「シャーッ!!」
中邑 ゆうり「ギャッ! 危なっ!?」
中邑 ゆうり「何するの~!? いつもおやつあげてるのに!」
中邑 ゆうり「この姿だから 私って分かんないのか・・・」
ミミ「ウゥーッ」
中邑 ゆうり「驚かせてごめんって・・・」
中邑 ゆうり「ひえぇっ」
中邑 ゆうり「あっ、ミミちゃん行っちゃった・・・」
中邑 ゆうり「私も早く戻らないと このままじゃ危な──」
中邑 ゆうり「痛ぁっ!?」
中邑 ゆうり「今度は何!?」
クマネズミ「チュウ」
中邑 ゆうり「ネズミ!?」
クマネズミ「キキッ」
中邑 ゆうり「ちょっと待って。 ネズミって野菜食べ──」
中邑 ゆうり「食べるね!?」
中邑 ゆうり「うちで飼ってたハムスター 野菜食べてたもん!!」
中邑 ゆうり「まぁ囓られても 生えてくるんだけど・・・」
中邑 ゆうり「生きたまま食べられるのはイヤーッ!!」
クマネズミ「キーッ!!」
〇ビルの裏通り
中邑 ゆうり「ひ〜ん」
中邑 ゆうり「ここはどこぉ〜!?」
中邑 ゆうり「何で元に戻らないの〜!?」
中邑 ゆうり「カラスの鳴き声・・・」
中邑 ゆうり「捕まったらやばい」
中邑 ゆうり「いつもと視界が違うせいか 場所がまったく分からない・・・」
中邑 ゆうり「どうしよう」
アオダイショウ「キュー」
中邑 ゆうり「今度はヘビ!?」
中邑 ゆうり「さすがに丸呑みされたら まずい気がする・・・」
中邑 ゆうり「さっ・・・」
中邑 ゆうり「さよーならーっ!」
アオダイショウ「キュウ・・・?」
〇公園の入り口
中邑 ゆうり「暗くなってきちゃった・・・」
中邑 ゆうり「カラスーッ!!」
中邑 ゆうり「ぎゃっ」
中邑 ゆうり「痛い痛い!!」
中邑 ゆうり「私なんか食べてもおいしくないってば!!」
中邑 ゆうり「・・・ッ」
中邑 ゆうり(どうしよう、怖い・・・ 逃げなきゃ・・・)
〇街中の公園
中邑 ゆうり(あのドームの中に隠れよう!)
〇洞窟の深部
中邑 ゆうり「さすがに中までは 入ってこないよね・・・」
中邑 ゆうり「怖かったぁ〜」
中邑 ゆうり「そういえば、子供の頃もカラスに 追い掛けられたことあったなぁ」
〇洞窟の深部
中邑 ゆうり「あのカラス、 何で追い掛けてくるんだろう」
中邑 ゆうり「怖いよぅ・・・」
仲村 柊「──ゆうり!」
中邑 ゆうり「・・・柊?」
仲村 柊「わっ!? 何だこのカラス!」
仲村 柊「痛っ! あっち行けよ!」
中邑 ゆうり「柊? 大丈夫!?」
仲村 柊「うぅ、髪の毛むしられた・・・」
中邑 ゆうり「柊・・・」
仲村 柊「ゆうり、やっと見つけた!」
仲村 柊「お前んち行ったら、ゆうりは俺と遊ぶって言ってたっておばさんに聞いて・・・」
仲村 柊「それなのに家に来ないから 探したんだぞ!」
中邑 ゆうり「ごめん」
中邑 ゆうり「カラスに追い掛けられて 公園まで逃げてきちゃった」
仲村 柊「大丈夫? ケガないか?」
中邑 ゆうり「うん。柊は?」
仲村 柊「俺は大丈──」
仲村 柊「・・・ッ」
中邑 ゆうり「あっ!」
中邑 ゆうり「頭のてっぺん、赤くなってるよ!」
仲村 柊「髪の毛ひっぱられたからだ」
仲村 柊「カラスめ。ハゲたらどうしてくれる」
中邑 ゆうり「大丈夫!」
中邑 ゆうり「柊がハゲたら 私が結婚してあげる!」
仲村 柊「ハゲても──じゃなくて、 ハゲたら、なの?」
仲村 柊「それだと、ハゲないと 結婚できないみたいじゃないか」
中邑 ゆうり「柊?」
仲村 柊「何でもない」
仲村 柊「ほら、早く出てきなよ──」
〇黒背景
???「──ゆうり!」
〇洞窟の深部
中邑 ゆうり「んっ・・・」
中邑 ゆうり「あれ・・・ 私、寝ちゃって・・・」
仲村 柊「ゆうり! やっと見つけた!」
中邑 ゆうり「柊!? 何でここに──」
中邑 ゆうり「というか・・・あれ? 何でこんなところにいるんだっけ」
仲村 柊「それはこっちが聞きたい」
仲村 柊「お前、"はなむらむら"のまま 走ってっただろ」
中邑 ゆうり「あっ、そうだ!」
中邑 ゆうり「それでネズミやらヘビやらカラスに 追い回されて・・・」
仲村 柊「何その昔話みたいな出来事」
中邑 ゆうり「おやゆび姫みたいじゃない?」
仲村 柊「違うと思う」
仲村 柊「はぁ~っ」
中邑 ゆうり「柊?」
仲村 柊「とにかく、無事でよかった・・・」
中邑 ゆうり「あ、ごめ──」
仲村 柊「変身してたし電話も出ないし 全然見つからないし」
仲村 柊「何かあったんじゃないかって、 すごい心配して──」
仲村 柊「──ッ」
仲村 柊「・・・ごめん」
中邑 ゆうり「えっ・・・」
仲村 柊「壱邑に聞いた」
仲村 柊「変身した原因は、 お前がくだらないこと言ったせいだって」
中邑 ゆうり「う・・・」
仲村 柊「お前ら"むらむら"する基準が 中学生以下なんだよ」
中邑 ゆうり「うるさいな」
仲村 柊「・・・変に勘繰ったりして悪かった」
仲村 柊「本当に、ごめん」
中邑 ゆうり「柊・・・」
中邑 ゆうり「私こそ、意地張ってごめんね」
仲村 柊「・・・帰ろう」
仲村 柊「ほら、早く出てきなよ」
中邑 ゆうり「あ・・・」
仲村 柊「ゆうり?」
中邑 ゆうり「前にも、こんなことあったなって思って」
仲村 柊「たしかあの時もカラスに 追い掛けられてたんだよな」
仲村 柊「何か嫌われるようなことしたんだろ」
中邑 ゆうり「何もしてないと思うんだけど」
仲村 柊「・・・そういえば」
仲村 柊「うちの親父、最近ハゲてきた」
仲村 柊「祖父ちゃんもハゲてるし、 俺も将来的にそうなると思う」
中邑 ゆうり「えーっと・・・ご愁傷さまです?」
仲村 柊「・・・・・・はぁー」
中邑 ゆうり「ちょっ」
中邑 ゆうり「自分からカミングアウトしといて ため息つかないでよ!」
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柊くんが昔のことを覚えていてくれてキュンときました🩷 幼馴染よき……☺️✨
仲村家の頭皮事情……😂😂😂
いや~青春ですね😃
学園生活に戻りたい
!!
さすがに今戻ったら、不審者として逮捕されるな💦
オレンジ頭君と結構、いいコンビだと思ったんですが…笑わせた後、しんみりさせて上手いですね。
被り物の芝居で見たいですねww 劇中劇もあるから面白そうです😋
あまりの糖度に砂糖吐くかと思いました……!
昔の思い出と約束を引き合いに出した超超遠回りな告白すごいうわーー!というかかっこつけクールさん?!というか普通に好きですというかでして。あとカオス版おやゆびひめと思ったらゆうりちゃん自身も言ってて笑いました。告白っぽいシーンにも気づかずボケまくる感じが好きです。
あと事故って壁ドンしたのに名前呼べるかなーとか言ってるいっちー相変わらずおもろいです