告白現場を見られたら俺がクビに成った件

夏目心 KOKORONATSUME

6 確信犯(脚本)

告白現場を見られたら俺がクビに成った件

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〇シックなバー
  明奈先輩達と共にバーを開いてから数ヶ月が経った。育人君のご両親が経営する酒作りの施設、北島工房との関係は良好。
  お客さんも徐々に増えて行き、俺達の仕事は順長だった。そんなある日。
佐倉まどか「お早う御座います・・・」
野島明奈「お早うまどか!どうした?何か元気無いね」
佐倉まどか「はい・・・最近私、誰かに見られてる気がして、調子良く無いんです・・・」
野島明奈「え?それマジ!?」
黒川誠也「まどかさん、何か有ったの?」
佐倉まどか「はい。私が感じたままを話しますね。この前誠也さんと一緒に育人君を保護した日の後、何か誰かからの視線を感じるんですよ」
野島明奈「そっか・・・それはストーカーで確定だけど、警察には相談した?」
佐倉まどか「いえ、まだハッキリした事が言えないので何とも・・・」
野島明奈「そうだね・・・下手に動いても相手を刺激するだけだし、捕まえられるのも捕まえられない。誠也、暫くの間まどかと一緒に」
野島明奈「居て上げて」
黒川誠也「分かりました!」
野島明奈「まどかは今後、部屋の戸締まりしたりカーテンを全部閉めたり事。何か分かったら真っ先にあたしに相談して。良いね?」
佐倉まどか「はい!有難う御座います!」
野島明奈「誠也、あんたは絶対にまどかから目を離さないで」
黒川誠也「勿論です」
野島明奈「只、今日の買い物は誠也一人に行って貰うよ。楓はまだ別の仕事が終わって無いから」
黒川誠也「はい。それじゃあ行って来ます」
野島明奈「まどか、出掛ける時はあたし等の誰かと一緒に行く事。これは店長命令だからね」
佐倉まどか「有難う御座います。厨房の片付けやってますね」
野島明奈「全く、何でこう面倒の種が消えないのかね・・・」
 高島楓「先輩、ちょっとお話良いですか?」
野島明奈「楓?どうしたの?」
 高島楓「先日、あのカラオケ店に居た私の知り合いに電話したんですよ。私達が居なく成った後の状況が気に成って」
野島明奈「へぇ・・・それで何か有った?」
 高島楓「最近あの店、売上は芳しく無い感じで、店長が何か怪しい電話をしてたって聞きました」
野島明奈「え!?その辺もっと詳しく!」
 高島楓「何か脅し見たいな感じで話してて、最近店を放ったらかして外を出歩いてるって話を聞きました。詳しい話を聞いても」
 高島楓「はぐらかされて相手も良く分かって無いとか」
野島明奈「成る程ね・・・そう言えばあの店長、誠也には自棄に冷たいし、あたし等には優しかった。これはあたしの判断ミスだね」
野島明奈「あの店長の事を甘く見てたわ」
 高島楓「知り合いには私から何か有ったら電話してとは伝えました。私も時間が有る時に調査しようと思いますが、どうしますか?」
野島明奈「この話を聞かされちゃ迷う事は無いわね。楓、監視カメラをあたしの言う通りに設定して。それから警報装置の強化」
野島明奈「それが終わったらあの店長の調査お願い!」
 高島楓「分かりました!直ぐに取り掛かります!」
  明奈先輩はまどかさんを守る為に対策を要検討した。楓さんからは店長が怪しい動きをしてると言うので、俺達は警戒態勢を
  取る事と成った。

〇スーパーの店内
黒川誠也「必要な物は有れと、これと・・・」
  明奈先輩の指示で一人で買い物をしていた俺。必要な物を成る可く早く揃えて帰りたいと内心焦っていた。
黒川誠也「まどかさんは容姿端麗だからな。ストーカーされても正直おかしく無いよな・・・」
  まどかさんを付け狙うストーカーの存在も気に成ったが、俺は必要な物を揃えてレジで会計を済まし、スーパーを後にした。

〇繁華な通り
黒川誠也「ん?有れは・・・?」
影山修「く、黒川!?何で今日は一人なんだ!?」
黒川誠也「店長じゃ無いですか。お久し振りです」
影山修「そ、そんな事より!何故一人なのだ!?まどかちゃんはどうした!?」
黒川誠也「あの、何でそんなにまどかさんの事強く主張してるんです?」
影山修「決まってるだろ!!心配だからだ!!」
黒川誠也「態々バックレした店員の心配をするだなんて、貴方がそんなに優しい人だとは思いませんでしたよ。安心して下さい」
黒川誠也「明奈先輩達が店のセキュリティを固めて対策してくれて、まどかさんは俺達が守ってます」
影山修「そうかそうか!明奈ちゃん達が守ってくれてるのか!なら安心だな!」
黒川誠也「店長、質問したい事が有ります」
影山修「何かね?」
黒川誠也「何でそこまでまどかさんに固執するんです?」
影山修「・・・・・・!?」
黒川誠也「今日まどかさんから聞いてるんですよ。最近誰かにストーカーされてるって。お陰で彼女、凄く疲れ切ってるんですよ」
影山修「・・・・・・」
黒川誠也「前に俺、まどかさんに告白されたんですよ。その後の日に急な人員整理の話が出て、俺はリストラされた。これってどう言う事です?」
影山修「いや、その・・・それは・・・」
黒川誠也「店長?貴方もしかしてまどかさんが好きで、そのまどかさんが俺に告白したから追い出した・・・なんて言いませんよね?」
黒川誠也「それ、店長としてどうなんですか?」
影山修「私は・・・私は・・・!」
黒川誠也「此処まで言ってその動揺した表情・・・楓さんの言う通り、俺は貴方のエゴで追い出された。じっとしてて貰えますか?」
黒川誠也「今警察を呼びますから!」
影山修「私はストーカーでは無い!まどかちゃんを守るのはこの私なのだ!!」
黒川誠也「あぁ待て!!てか確信犯じゃ無いか!明奈先輩達にも知らせないと!」
  思わぬ所で店長と遭遇した俺は店長の様子が気に成って質問したら、案の定まどかさんにストーカーしていたのは前の職場の
  店長だった。図星を付かれて店長は慌てて逃げ出し、俺は一目散に店長を追い掛けるが逃げられてしまった。
  犯人が店長だと分かったので、俺はこの事を明奈先輩に伝えるのだった。

〇事務所
影山修「ぜぇ・・・ぜぇ・・・あぁ危なかった・・・」
  俺を振り切った店長はカラオケ店に戻っていた。全力疾走で疲れていた店長は一休みの為に水を冷蔵庫から取り出す。
影山修「あ〜生き返った・・・まさか黒川にバレるとはな・・・これではまどかちゃんに近付けない・・・」
影山修「しかし黒川の奴・・・まどかちゃんのナイトにでも成ったつもりか?この私を警察に突き出そうとは!」
影山修「だがこのままでは私の方がやり辛い・・・」
影山修「そうだ!!」
影山修「そうだ!邪魔する奴は消してやれば良い!黒川もあの店も消したらまどかちゃんはもう行く所が無い!そう成れば、また私の元に!」
  良い笑顔で包丁やライターを取り出した店長の笑い声は、事務所の中に響いたと言う。

〇シックなバー
黒川誠也「・・・と、報告は以上です。まどかさんにストーカーしてたのは店長で間違い有りません」
野島明奈「良くやってくれたよ誠也!あの馬鹿店長、良くもこんなふざけた真似を・・・!」
  買い物を済ませた俺は事の経緯を明奈先輩に打ち明けた。その話を聞いた明奈先輩の顔は怒りで満ちていた。
野島明奈「あの店長の頭のおかしさはあたしも薄々気付いてたよ。楓から聞いたけど、誠也がまどかに告白された翌日に追い出されたんだよね?」
黒川誠也「はい。間違い有りません」
野島明奈「この分だとあの店長はあたし等に何か仕出かしてもおかしく無い。下手をすれば店が殺られるかも」
黒川誠也「・・・!?確かに、あの人ならやりかねない!」
 高島楓「先輩、セキュリティシステムの最終チェック、たった今終わりました」
野島明奈「上出来だよ楓!誠也、まどか呼んで来て。今後の方針を話したい」
黒川誠也「・・・!分かりました!直ぐ行きます!」
  その後、俺達は作戦会議を開き、店長対策を考えた。今日の夜から交代で店を見張り、警察を呼んでそれらしい人を見つけたら
  捕まえる。また皆で安心して仕事をする為に、俺達は心構えをするのだった。

次のエピソード:7 さらば店長

コメント

  • 頭おかしいでも生ぬるいレベルですね・・・店長
    ここに来て凄い騒動になりそうですね・・・
    エンジニアが味方に居るのは心強いですが、どうなるか?

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