清浄処理最前線

ゆきんこ

第2消 銭湯清掃を攻略せよ!(脚本)

清浄処理最前線

ゆきんこ

今すぐ読む

清浄処理最前線
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇基地の広場(瓦礫あり)
コウソ「弱アルカリ性洗剤に、トリプル酵素配合!!」
コウソ「50倍希釈で浸漬するぞコノヤロー!」

〇基地の広場(瓦礫あり)
ウイルス(中)「ア・チ・チ・チーッ!!」

〇基地の広場(瓦礫あり)
コウソ「40℃前後は、私の洗浄能力を1番引き出す温度なんダヨね!」
コウソ「このまま15分間、頭の先までドップリ浸かってねン♥」
ウイルス(中)「クソ、逃げられん!! このままでは・・・」
ウイルス(小)「洗浄班・壱番隊め! いつも我らの初動を邪魔しやがる」
ウイルス(小)「だがこの程度では、我を消し去ることはできぬわ!」
コウソ「分かってるっつーの!」
コウソ「弐番隊、応答願います」
ジア「消毒班・弐番隊ジアが待機中」
コウソ「中レベルのデブリスの洗浄完了!」
コウソ「ウイルスの疑いアリだから、 気をつけてねッ!」
ジア「了解だお!」
ジア「ちなみにこのウイルス、『例のウイルス』の可能性は?」
コウソ「ナイナイ。昔から居るRSウイルスだよ!」
コウソ「今回は、ヤツが張り付いているRMD(再使用可能医療機器)を破損しないように」
コウソ「なるべく丁寧にやってくれって、上から言われている」
ジア「RMDはプラスチックだね。 なら、大丈夫」
コウソ「足を折れ!(幸運を祈る)」
ジア「次亜塩素酸ナトリウム0.05%を希釈!」
ウイルス(小)「クッ、次々と・・・弐番隊か!?」
ジア「お嬢さん、私と遊ばない?」
「これでも遊びたいの?」
ジア「ふーん」
ジア「消毒班にウイルスは清浄出来ないと思っているのね」
ウイルス(小)「消毒班にウイルスは清浄できな・・・」
ウイルス(小)「は? 思っていた事を、当てられた!?」
ウイルス(小)「塩素クサイな・・・」
ウイルス(小)「この女、危険なニオイがする。 早く始末するよ!」
ジア「3方向から飛びかかれば、防げはしない!」
ウイルス(小)「3方向から飛びかかれば、防げな・・・!!」
ウイルス(小)「いいッ!?      当てられた! また読まれた!?」
ジア「そうそう、足元には気をつけた方が良いわよ」
ジア「もう、遅いか」
ウイルス(小)「ギャン!?      足が痛い! 足が溶ける!」
ジア「さっき、次亜塩素酸ナトリウム0.05%を、撒いておいたお!」
ジア「からの〜追加ァ♪」
ジア「次亜塩素酸0.15%を希釈!」
ウイルス(小)「ギャアアアアア!!」
ジア「攻略対象が種になるのを確認! RMD回収!」
ジア「消毒完了だお!」
ポピ「お見事ゾヨ!」
ジア「ポピは遅いお!」
ポピ「スマンな。 新人に基地を案内していたゾヨ」
ジア「新人?」
ポピ「エチルが戦場で入隊希望者を拾い、助手にして帰ったのじゃ」
ジア「突飛な話だけど、エチルらしいわね」
ジア「さぞかし優秀な人材なのでしょう?」
ポピ「優秀・・・では無い」
ポピ「簡易キットで能力の適正検査もしたけど」
ポピ「ビミョーだったゾヨ」
ポピ「イケメンでもないし、声にも覇気が無く」
ジア「男!?」
ポピ「今のところ、家事全般と銭湯の清掃作業をさせておる」
ジア「家事全般て、まさか我らの下着の洗濯も!?」
ポピ「流石、エンパスのジオじゃな!」
ポピ「パンツもブラも、色とりどりの鯉のぼりのように、外の風に揺られていて」
ポピ「実に壮観な眺めだったゾヨ!」
ジア「パンツにブラ・・・」
「あり得ないお〜ッ!!」

〇昔ながらの銭湯

〇浴場
ウルソ二「まさか弐番隊の基地で、銭湯を経営していたとはな!」
ウルソ二「デブリスと戦う部隊の裏の顔!? にしても、広すぎなんだよ」
ウルソ二「1人で清掃し終わる頃には日が暮れるよ」
エチル「デブリスと戦闘すると、どうしても身体が穢れるでヤンス」
ウルソ二「ウオッ、エチルさん!」
ウルソ二「愚痴ってスミマセン!」
エチル「ここは弐番隊以外にも、洗浄班の壱番隊や、滅菌班の参番隊も利用するから」
エチル「部隊の福利厚生施設として、特別大きな仕様になっているでヤンス!」
エチル「──というわけで」
ウルソ二「どわあああッ!? 説明しながら、何脱ごうとしてるんですか!」
エチル「清浄帰りだから、すぐに風呂に入って汗を流したいでヤンス」
ウルソ二「スミマセン。まだ清掃が半分も終わってないから、後にしてください!」
ポピ「弐番隊の名誉に関わるから、清掃には手を抜くなよ、新人!」
ウルソ二「ヒィ──ッ! ポピさんもココで脱がないで!」
ポピ「妾は待ちくたびれたゾヨ!」
ウルソ二「だって、この銭湯は1人で掃除するには広すぎなんですよ!」
ウルソ二「毎日コレを清掃するんですよね?」
ウルソ二「自分の修行の時間が取れるか、めちゃくちゃ心配です!」
ポピ「時間は自分で作るものゾヨ!!」
エチル「仕事が遅いのを正当化するのは、良くない」
エチル「ボクなら5分もかからないでヤンス」
ウルソ二「ご、五分て、無理ですよ!」
エチル「無理ではない。見ているが良い」
ウルソ二「早すぎて、目で追えない!」
エチル「ただいま」
ウルソ二「浴室全体がピッカピカ!!」
ウルソ二「眩しいくらい、光輝いている!」
ポピ「え〜ただいまの〜エチル選手の記録〜 3分58秒〜世界記録更新です」
ウルソ二「神業・・・」
ポピ「分かるか新人」
ポピ「オマエとエチルの決定的な差は、  『段取り』ゾヨ」
ポピ「たかが掃除されど掃除」
ポピ「清浄処理部隊において、洗浄は基本の『き』」
ポピ「修行したかったら、まずは風呂掃除を攻略せよ」
ポピ「話はそれからだな!」
ウルソ二「段取り・・・か」
ウルソ二(確かに、俺の清掃作業は何も考えずにやっていたから、)
ウルソ二(ムダが多くて身体に負担をかけていた)
ウルソ二(だから段々と手が遅くなって、休憩も長くなり、結果、効率が悪かったんだ!)
ウルソ二「何か俺、勘違いしていたな!」
ウルソ二「もう一回、掃除のやり直しをさせて下さい!」
エチル「ウルなら、出来るよ」
エチル「ウルは、自分で思っているより器用でヤンスよ」
エチル「納得行くまで、トコトンやってみて」
ウルソ二「ハイ!」
ポピ「エェッ、結局まだ入れないの!?」
エチル「新人育成も部隊の理念の一つだよ!」
エチル「待っている間、格技場で手合わせするでヤンス」
ポピ「ホホウ。威勢が良いな、エチル!」
ポピ「99戦80敗一分」
ポピ「ほぼ妾が負けている!」
ポピ「今日こそキサマに一矢報いてやるゾヨ!」
エチル「ポピさんの方が、強そうなテンションだったでヤンスね」
ウルソ二(エチルさんて、たまにめちゃくちゃ優しいんだよな)
ウルソ二(デブリスを一瞬で種に還すくらい、消毒能力が高いし、)
ウルソ二(美少女なのに気さくだし、)
「ケモミミが萌えるし、胸もフカフカだし、肌はムチムチだし・・・」
「彼女が居なければホレてるよ?」
ウルソ二「ワッショ──イ!? 俺の心の声がダダ漏れ!?」
ジア「キミ、サイテーだお」
ジア「ホント、男って頭の中がお花畑だお」
ウルソ二(まだ喋ったことないけど、 確かこの人、弐番隊の人だよな?)
ウルソ二(心が読める能力でもあるのか? とりあえず訂正しなきゃ!)
ウルソ二「待って下さい、 誤解です!!」
「キャッ!        ワアア!!」
ウルソ二「イテテ・・・」
ジア「もう! 重いから、早く降りるだお・・・!」
ウルソ二「ごっ、ゴメンナサイ」
ウルソ二「プニプニ」
ジア「キャッ!それ胸だから!! サイテー!!」
ウルソ二「なんでこうなるの?」

〇浴場
ウルソ二「気を取り直して掃除の練習!」
ウルソ二「まずは時間を意識しよう!」
ウルソ二「必要なのは、体内時計だ」
ウルソ二「タイマーをセットして、1分後に時を止める!」
ウルソ二「1分て、わりと長いな!」
ウルソ二「1分で洗面台1台洗って、50台なら50分」
ウルソ二「いや、1分で2台洗えば、25分でイケる」
ウルソ二「じゃあとりあえず、洗面台洗いに25分、」
ウルソ二「床のデッキブラシ擦りと浴槽洗いは15分ずつを目指そう」
ウルソ二「5分は移動時間として、ジャスト1時間てとこか」
ウルソ二「段取り決めてイメージトレーニングすると、」
ウルソ二「なんだか時間内に出来そうな気がしてきたぜ!」
ウルソ二「後はトライアンドエラー!」
ウルソ二「やってみよう!!」
ウルソ二「タイムオーバー・・・」
ウルソ二「諦めるな、俺!」
ウルソ二「よし、もう一回!」
ウルソ二「ハアハア」
ウルソ二「クソッ、タイムはかなり縮んだけど、まだ1時間切れない」
ウルソ二「ハアハア」
ウルソ二「こんなんじゃ、修行の時間を取れないぜ!」
ウルソ二「でも、こんなことでメゲていられない!」
ウルソ二「俺はソニンを探さなきゃならないんだ!!」
ウルソ二「やったらああ──ッ!!!!」
「ウォオオ!!!!」
ウルソ二「どうだあアッ!?」
ウルソ二「ウソ!! 10分!?」
ウルソ二「段取り変えて、手を早く動かすだけで、こんなに短縮できるんだ!」
ウルソ二「ヘヘ。俺もやれば出来るってことか」
ウルソ二「よーし、この調子で、施設全〜部ピッカピカにしてやんよ!」

〇道場
ポピ「ムギュー」
エチル「これで私の100勝確定でヤンス」
エチル「っと、もうこんな時間か。 清掃は流石に終わったかな?」
エチル「私は銭湯を見てくるから、ポピさんはゆっくりノビていてくれ」
ポピ「く、悔し〜ゾヨ」

〇サウナ
エチル「ウル!?」
ウルソ二「キュー」
エチル「しっかりしろ!」
エチル「一体、どれだけ掃除のやり直しをしたんだ!?」
ウルソ二「エチルさん・・・俺、5分で掃除出来るようになりましたよ」
エチル「脱水症状か」
エチル「──ったく!」
エチル「真面目にも馬鹿がつくヤツでヤンスな」
エチル「アレ?」
エチル「鏡だけ、妙に輝いている」
エチル「コレは・・・ウルの能力のせいなのか?」
エチル「・・・努力は認めるよ、ウル」
エチル「でも、明日からは、修行する体力は残しておけよ」
ウルソ二(あれ。なんだかフワフワする)
ウルソ二(大きな柔らかいモチに包まれているような安心感・・・)
ウルソ二(気持ちイイ。 ずっとこうしていたいな)

〇綺麗な部屋
ウルソ二「ん?」
ウルソ二「浴室じゃない。どこだ、ココは」
ウルソ二「ギャッ!!」
ウルソ二「エチルさんが、隣で寝ている」
ウルソ二「しかも、何で俺は裸なの!?」
ウルソ二「この状況はヤバい!」
ウルソ二「早く逃げなきゃ」
「うわ〜寝顔も天使。 髪の毛サラサラで、ナデナデして〜」
ウルソ二「また、俺の心の声が読み上げられている・・・」
ジア「最低だお! 訓練で疲れたエチルをベッドに連れこむなんて」
ウルソ二「心を読む能力あるなら、事実は分かってそうなのに!?」
ジア「私はエンパスなだけだお。 雰囲気から、考えを読み解く能力が高いだけ」
ジア「君のリアクションで確認しているお」
ウルソ二「でも、怖いくらいに合ってます!」
ジア「破廉恥極まりない! だから男の入隊は反対って言ったお」
ウルソ二「ま、待って下さい! 話せば分かる──」
「あ」
ウルソ二「プニプニ」
ジア「いやぁあん!」
ウルソ二「ご、誤解だ──────!!」

次のエピソード:第3消 参番隊隊長・クレーブ登場!

コメント

  • こちら続きがあったんですね!見落としてました失礼いたしました🙇
    イラストうまいですよ、とても可愛いです。
    ウイルスとの戦いが「はたらく細胞!!」みたいで面白いですね。擬人化的なアイデアも面白いなぁと思いました。あと風呂掃除は心の鍛錬以外にも何かの訓練に繋がってるのかなぁ🤔

  • 二枚目のOMG は上半身裸では?
    それはさておき。ガラスをきれいにしたところから、主人公の能力がクエン酸かセスキ炭酸ソーダあたりなのかという気がしてきました。

    そして余計なお世話ですがエフェクトにもみもみが追加されてます!

  • 彼女がいるくせに、銭湯で清掃にかこつけて(?)美少女といろいろやって、なんてうらやましい奴なんだ…
    スチルよかったです。もっと素晴らしい画(どんな絵?)を楽しみにしています。

コメントをもっと見る(8件)

成分キーワード

ページTOPへ