ジャンキー アパートメント

もと

103号室、203号室、303号室(脚本)

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〇空き地
大家「あら」
大家「ヤマノさん、202号室の」
202号室 ヤマノ「・・・え?」
大家「おこんばんは、大家です」
202号室 ヤマノ「・・・ああ大家さん どうも、こんばんは・・・」
大家「お仕事帰りですか? お疲れ様ですねえ」
202号室 ヤマノ「・・・はい、まあ・・・どうも」
大家「ここで会ったが百年目、お送りしましょ 女性の一人歩きは危ないですよ?」
202号室 ヤマノ「・・・いえ、もうすぐそこですし ありがとうございます、失礼します・・・」
大家「あれま」
大家「・・・優しそうなお母様に見えますが」
大家「あんな雰囲気の方が ボクちゃんを閉じ込めたりします?」
大家「・・・うーん、まあ・・・」
大家「そのうちユックリお茶でも出来たら万々歳」
大家「とりあえず今は・・・ あら大変、遅刻しちゃいますねえ」

〇汚い一人部屋
「・・・これはダメ・・・!」
「・・・もう・・・!」
「何故に床で寝るの・・・! 立派なベッドがあるじゃないの・・・!」
「・・・」
「・・・ベッドが物で埋まってるのね」
「これはまた母上様を召喚しなくては」
「関西弁のあの強烈な母上様にメタクタに 叱られてしまえば良い・・・!」
「月一で親御さんにも会えて丁度良いでしょ そうしましょ、そうしましょう」
「・・・」
「ああどうして平気なの・・・!」
「・・・もうっ!」
103号室 アラキ「・・・ん?」
103号室 アラキ「・・・」
「大家はプンプンですからねっ・・・!」
「お部屋はある程度 キレイに使ってもらわないと・・・ねっ!」
「・・・ふんっ・・・!」

〇古い畳部屋
「・・・」
「・・・床が抜けるほどでなければ」
「・・・まあ、良い・・・でしょう・・・!」
「・・・」
「入居時の書類には・・・ スーパーでパートをしている、等々・・・」
「・・・うーん・・・ つい最近までは本当に勤めてらした・・・」
「私もこの目で見てますからねえ・・・」
「・・・うーん・・・?」

〇怪しげな祭祀場
「・・・」
「リフォームOKとは言いましたがね・・・」
「・・・言いましたけども・・・」
「・・・祭壇、ですかね?」
「・・・」
「・・・参りましたね・・・」
303号室 サイオンジ「あ、聞こえた!」
303号室 サイオンジ「聞こえましたぞ我が神よ! ようやく降臨されたのですね!」
303号室 サイオンジ「どうぞお姿を現したまえー!」
「・・・」
303号室 サイオンジ「・・・」
303号室 サイオンジ「・・・あれ?」
303号室 サイオンジ「いま確かに・・・空耳だったかな? いや、やっぱり・・・」
303号室 サイオンジ「あ、そうか!」
303号室 サイオンジ「まだ信心が足りないって御告げか・・・!」
303号室 サイオンジ「『参りました、足りないから出られない』 そういう事かな?」
303号室 サイオンジ「そういう事だね!」
303号室 サイオンジ「御飾りを増やそう! お供え物も増やそう!」
303号室 サイオンジ「我が神よ、コンビニへ行って来ます! 少々お待ち下さい!」
「・・・」
大家「・・・よっこらせっ・・・とね」
大家「・・・」
大家「・・・どうしますのコレ」
大家「神様にナニを求めてるのかしら・・・っと」
大家「・・・はて」
大家「・・・さて」
大家「・・・うーん、この・・・」
大家「おっと退散」
303号室 サイオンジ「た、ただいま戻りました神よ!」
303号室 サイオンジ「せっかく降臨されたのですから! 全身全霊でもてなしますから!」
303号室 サイオンジ「願いを叶え・・・あれ?」
「にゃー」
303号室 サイオンジ「・・・あれ? 猫? 屋根にでも乗ってるのかな?」
303号室 サイオンジ「・・・いや、違う! もっと供えまくって祈りまくろう!」
303号室 サイオンジ「書いてあったしね、マンガに! その通りの手順だからね、うん!」
303号室 サイオンジ「うん! 我が神はもうすぐソコだ!」

〇開けた景色の屋上
オネコ「にゃ?」
キリコ「・・・まだいたの?」
オネコ「にゃ」
キリコ「普通の猫って何年ぐらい生きるのさ? そろそろ化け猫になっちゃうんじゃない?」
オネコ「にいー」
キリコ「・・・」
大家「おやおや」
キリコ「なに? 何か文句ある?」
大家「ソチラから訪ねて来ておいて・・・ ちょっと意味が分からない第一声ですねえ」
大家「どうしました? 今日はなんの御用でしょ?」
キリコ「・・・別に」
大家「むふふふふっ」
キリコ「・・・まだ止めてないの?」
大家「禁煙なんて宣言したコトはありませんよ 約束した覚えも無いですね」
キリコ「・・・早く死ねばいいのに」
大家「本当にいつも愉快なコトをおっしゃる むふふふふ」
オネコ「・・・にゃ」
大家「おやおや いつからいらしたのオネコさん」
大家「大変ですねえ オネコさんに密会がバレてしま」
キリコ「気持ち悪い言い方しないで」
大家「あははっ、怒られちゃいましたよ」
キリコ「・・・」
大家「・・・で?」
キリコ「は?」
大家「ご用件は?」
キリコ「・・・アンタがくたばってないか見に来た」
大家「すみませんねえ、生きております」
大家「なので、ご飯でも食べていきます?」
キリコ「・・・こんな真夜中に?」
大家「ええ真夜中だからこそでしょ」
大家「細いと抱き心地も良くないので 少し太らせようかと」
大家「ドンブリ物でも作りましょうか」
オネコ「にゃーん」
大家「ありゃ? フラれちゃいました?」
大家「何しに来たんでしょ」
オネコ「にゃーん」
大家「はいはい、少々お待ち下さる? ゆっくり一服ぐらいさせて欲しいんですよ」
オネコ「にゃ」

次のエピソード:カゴの中の鳥は いついつ出やる?

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