告白現場を見られたら俺がクビに成った件

夏目心 KOKORONATSUME

1 告白されてクビに成る(脚本)

告白現場を見られたら俺がクビに成った件

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

告白現場を見られたら俺がクビに成った件
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇事務所
野島明奈「・・・と、報告は以上と成ります」
影山修「うむ、SMSに寄る広告で顧客率は上昇。この調子で頑張ってくれたまえ」
野島明奈「有難う御座います!内等の整備士と料理人は優秀ですからね!」
影山修「そうとも!料理人が男なのは不服だが、君とまどかちゃんと楓ちゃんが居てくれてこの店の売上も上々だ!」
影山修「新しい売上プラン、期待してるよ!」
野島明奈「任せて下さい・・・っと、そろそろ戻りますね」
影山修「今月の売上も上々。さて、まどかちゃんに何か奢ろうかな・・・」
  彼の名前は影山修。カラオケ店の店長だ。男に対してはドライに接するが、女性に対しては非常に優しい。
  この店にはそれぞれ得意な分野が違う女性社員が三人程居て、店長はその内の一人に片思いをしているが、悪魔で一方通行の
  片思いだ。今日も今日とて、店長の下で俺達は業務に明け暮れる。

〇広い厨房
黒川誠也「まどかさん!3号室の料理出来上がったよ!」
佐倉まどか「分かりました誠也さん!直ぐお持ちしますね!」
黒川誠也「さて、次の注文はと・・・」
  俺は黒川誠也。カラオケ店で厨房を担当しているしがない料理人だ。元々有名所の料理屋に入るつもりだったが、試験に落ちて
  入れず、この店が料理人を募集してるのを聞いて試験を受けて無事合格した。第一希望がハードルの高めな場所だったので、
  今思えば高望みだったかも知れない。
黒川誠也「これが終わったら次は・・・」
 高島楓「誠也君、向こうの方の機械の整備終わったわ」
黒川誠也「楓さん、それ俺じゃ無くて店長にする報告・・・」
 高島楓「だって私あの店長嫌いだもん。誠也君と私達の事差別するし」
黒川誠也「ま、まぁまぁ!人には個性って物が有るから、こう言うのは言っても変えられないし」
 高島楓「えぇ、分かってるつもり。厨房で何かこの機械がおかしいって思った物有る?」
黒川誠也「いや、特には無いかな?」
 高島楓「分かったわ。困った事が有ったら言ってね。私掃除して来るから」
黒川誠也「うん。店長に言おうね」
黒川誠也「相変わらず何考えてるか分からないな、楓さん」
佐倉まどか「誠也さん、只今戻りました!」
黒川誠也「あぁ、戻って来たか!こっちは5号室。これは6号室ね!」
佐倉まどか「分かりました!あの、誠也さん、少し良いですか?」
黒川誠也「ん?どうしたの?」
佐倉まどか「今日のお仕事が終わったら、お話したい事が有ります。後で廊下の奥の方に来て頂けませんか?」
黒川誠也「あぁ、どんな要件かはその時聞くよ」
佐倉まどか「本当ですか!?有難う御座います!」
黒川誠也「ほらほら、モタモタしてると明奈先輩に怒られる」
佐倉まどか「あぁ!そうでした!じゃあ誠也さん、また後で!」
黒川誠也「何だろう・・・何かの相談事かな・・・それはそうと仕事仕事!」
  後輩で在りこの店のウェイターの佐倉まどかに呼び出される事と成った。大した事では無いだろうが、今は仕事に集中するのだった。

〇カラオケボックス
女子高生1「さてと・・・何歌おうかなぁ・・・」
佐倉まどか「お待たせ致しました!ご注文のミックスピザに成ります!」
女子高生1「有難う御座います!こっちに置いて下さい!」
佐倉まどか「畏まりました!」
佐倉まどか「それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい!」
女子高生1「カラオケのお供も揃ったし、歌おうか!」
女子高生2「そうね。先歌って大丈夫よ。何歌うかゆっくり考えてるから」
女子高生1「有難う!なら一曲目は・・・」

〇広い厨房
黒川誠也「さて、これで大丈夫か。まどかさん、何か困った事でも出来たのかな・・・」
  仕事終わりに厨房の掃除を済ませた俺は、まどかさんに言われた通り廊下の奥に向かうのだった。

〇オフィスの廊下
影山修「ん?有れは・・・」
黒川誠也「お待たせ。やっと仕事が片付いたよ」
佐倉まどか「お疲れ様です誠也さん!お待ちしてましたよ!」
黒川誠也「有難う・・・それで、何か困った事でも出来た?」
佐倉まどか「はい。とっても大事な話が有るんです」
影山修「まどかちゃん!?黒川なんかと一緒に一体何を・・・!?」
佐倉まどか「確か先輩、お付き合いしてる人は居ないんでしたよね?」
黒川誠也「え?そうだけど?そもそも独身だし」
佐倉まどか「そうですか・・・」
黒川誠也「あの、まどかさん?一体何の話を?」
佐倉まどか「・・・決めた!」
黒川誠也「・・・?」
佐倉まどか「誠也さん、単刀直入に言います。私は誠也さんが好きです。私と付き合って下さい!」
黒川誠也「そうかそうか、確かにそれは困った悩みだって・・・え・・・?」
黒川誠也「え〜〜〜〜〜!!??」
佐倉まどか「ちょっと!そんなに驚かないで下さいよ!こっちは真剣なんですから!」
黒川誠也「え?何これ?何かのドッキリ!?」
佐倉まどか「ドッキリとかじゃ無いです!私本気なんですよ!」
黒川誠也「は、はぁ・・・一応聞くけど、俺の何処を見てそんな風に?」
佐倉まどか「そうですね・・・何時も真剣に料理に取り組む所とか、責任感が強い所とか、困ってる時に助けてくれる所とか」
黒川誠也「成る程・・・言いたい事は良く分かった。でも実感湧かない所とか有るから、ちょっと考える時間くれないかな?」
佐倉まどか「あぁ・・・やっぱ行き成りじゃ困惑しますよね。そしたら、明日か明後日辺りに答えを聞かせて下さい!」
黒川誠也「うん・・・でも嬉しかったよ。悪いけど少し待ってて」
  何の呼び出しかと思えば、寄りに寄ってまどかさんから告白された。行き成りで戸惑ったが、真剣に考えても良いかなとも
  思えた。
影山修「ま、まどかちゃんが、黒川を好きだってぇぇぇぇ!!??」
影山修「こんなふざけた話が有ってたまるか!」
  この時、俺達はこのやり取りを店長に見られて居た事に気付かなかった。

〇事務所
  翌日。俺達は朝から店長に呼び出されていた。
影山修「お早う皆。今日は君達に対して重要な話が有る」
 高島楓「重要な話?何です?」
野島明奈「まぁ落ち着いて。今から分かるわよ」
影山修「今後の売上の為に人員整理を執り行う。私が指名した者は本日を持って退職して貰おう」
佐倉まどか「え!?それってリストラって事ですか!?」
影山修「そうだ。私が指名するのは・・・黒川誠也君だ」
黒川誠也「え!?俺がリストラされるんですか!?」
影山修「そうだが、何か問題有るか?」
黒川誠也「待って下さい!俺何か悪い事しましたか!?何も心当たりが有りません!」
影山修「何を言うか!私はずっとお前の仕事振りを見ていたが、どれもこれもハッキリ言って褒められた物では無い!お客様からも」
影山修「お前の料理は不味いと聞くし従業員からもお前の態度は悪いと聞いた!」
黒川誠也「う、嘘でしょ・・・!?」
影山修「そんな奴は私の店に必要無い。今日は何もしなくて良いから、今直ぐ出て行け!黒川のクビは決定事項だ!」
黒川誠也「・・・分かりました・・・お世話に成りました・・・」
影山修「ふふ・・・これで邪魔者は居なく成った。さぁ皆!迷惑な奴が居なく成った事だ!今後も気合を入れてお客様をお迎え」
影山修「するのだ!」
佐倉まどか「そ、そんな・・・誠也さんがクビだなんて・・・」
 高島楓「このクソ親父・・・許せない・・・」
野島明奈「二人共落ち着いて。あたしに考えが有るから、後で集合ね」
  有りもしない嘘を言われ、俺は否応無しに退職を強いられたが、彼女達は店長の見えない所でヒソヒソと話すのだった。

次のエピソード:2 挫折からの再スタート

コメント

  • 滅茶苦茶理不尽だ・・・
    いくつか理不尽はありましたが今回も理不尽だ
    他の従業員達は納得していない当たり、店長にどう行動を起こすか気になりますね

成分キーワード

ページTOPへ