第06話 夜と鮫(脚本)
〇駅のホーム
〇シックなバー
九条 醒夜(くじょう せいや)「話、整理しよか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「覚は羽柴に関する予知を見た、せやな?」
白宵 覚(しらよい さとる)「ああ。記者会見で撃たれる映像だ」
三井 陽和(みつい ひより)「映像に音や匂いはあるの?」
白宵 覚(しらよい さとる)「音はあった気がする」
白宵 覚(しらよい さとる)「匂いは・・・覚えてないな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「詳しく思い出せるか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「何やヒントが隠れてるかもやで」
白宵 覚(しらよい さとる)「そうだな」
〇会見場
インタビュアー「今のお気持ちを聞かせてください!」
インタビュアー「次の目標は番付一位ですか?」
羽柴 総一郎(はしば そういちろう)「番付は気にしていません」
羽柴 総一郎(はしば そういちろう)「私はただ、素晴らしい車を作りたい」
羽柴 総一郎(はしば そういちろう)「ただそれだけで──」
羽柴 総一郎(はしば そういちろう)「──ッ!」
〇シックなバー
白宵 覚(しらよい さとる)「すまない、この程度しか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「いや、重要なことが一つ分かったで」
九条 醒夜(くじょう せいや)「質問がぜんぶ日本語やったな」
白宵 覚(しらよい さとる)「それがどうかしたのか?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「つまりやな──」
九条 醒夜(くじょう せいや)「現場は日本の可能性が高いっちゅうことや」
三井 陽和(みつい ひより)「長者番付はパリで行われてた」
三井 陽和(みつい ひより)「日本で改めて記者会見ということね」
アルテミス「でも、日本のどこなのかな?」
三井 陽和(みつい ひより)「そうね。もう少し絞りこみたいわ」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くん、ちょっと絵にしてくれない?」
白宵 覚(しらよい さとる)「ここに描くのか?」
白宵 覚(しらよい さとる)「絵はあまり得意じゃなくてな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「おっ! それ、ええ考えやな!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「センセ、パッと描いてーな」
九条 醒夜(くじょう せいや)(この感じ。間違いないでぇ)
九条 醒夜(くじょう せいや)(覚は間違いなく"画伯"や)
九条 醒夜(くじょう せいや)(盛大にイジったるわ)
九条 醒夜(くじょう せいや)「ふふ・・・腕がなるでぇ」
白宵 覚(しらよい さとる)「なんだ?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「気にせんでええ。こっちの話や」
白宵 覚(しらよい さとる)「そ、そうか」
〇駅のホーム
〇シックなバー
白宵 覚(しらよい さとる)「こんなもんか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「描けたか?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「どれどれ──」
九条 醒夜(くじょう せいや)「普通やな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「とても・・・」
アルテミス「醒夜、何で残念そうなの?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「や、何もあらへんよ」
九条 醒夜(くじょう せいや)(おもんな! ちっとはボケろや!)
アルテミス「こんな風に見えるんだね」
三井 陽和(みつい ひより)「場所の特定までは難しいわね」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ほな、ひよりんの見立ては?」
三井 陽和(みつい ひより)「私も彼の心を見て描き起こしてみたの」
三井 陽和(みつい ひより)「多分、TTVの第三スタジオね」
白宵 覚(しらよい さとる)「ちょ、俺描く必要なかったじゃねぇか!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「面白そうやったし黙っとったわ」
三井 陽和(みつい ひより)「イメージしてくれると覗きやすくてつい」
アルテミス「ひよりはどんな絵描いたの? 見せて!」
三井 陽和(みつい ひより)「えっ? いや、これは!」
三井 陽和(みつい ひより)「あっ!」
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・」
アルテミス「なにこれ?」
三井 陽和(みつい ひより)「第三スタジオ・・・」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ぷ・・・ぷぷぷっ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「あっはっはっは!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「だいぶ斬新な現代アートやなあ!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「あはははっ! 腹痛いわー!」
アルテミス「──!」
三井 陽和(みつい ひより)「九条くん」
三井 陽和(みつい ひより)「一番殴られたくない場所はどこ?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「えっ!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ひよりん、ちょ、待っ・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「問答無用!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「げふっ・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「場所が分かればいいじゃない(ブツブツ)」
アルテミス「でも、いつ帰ってくるのかな」
アルテミス「社長さんは、まだ外国にいるんだよね?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「問題はそれやなぁ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「スケジュールなんてわからんからなぁ」
白宵 覚(しらよい さとる)「もう帰国してる可能性もあるしな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「その通り。さて、どないするか──」
九条 醒夜(くじょう せいや)「──!」
???「もしもし、九条さん?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「君、タイミング良すぎへん?」
???「そりゃあ、ずっと聞いていたからね」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ストーカーかいな」
三井 陽和(みつい ひより)「いい趣味ね」
アルテミス「誰?」
三井 陽和(みつい ひより)「こんなタイミングでかけてくるの」
三井 陽和(みつい ひより)「一人しかいないわ」
???「ずいぶんな言われようだね」
???「それがいたいけな子に言う台詞?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「はっ、自分で言うてたら世話ないわ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ほんで、用件はなんや? ナイト」
〇秘密基地のモニタールーム
ナイト「羽柴のスケジュール、知りたいかなって」
ナイト「フライトの時間や座席」
ナイト「記者会見の時間とか、知りたくない?」
〇シックなバー
九条 醒夜(くじょう せいや)「目的は何や?」
ナイト「やだなぁ、警戒しすぎだよ」
ナイト「僕たち仲間でしょ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「アホ言うな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「一時的な共同戦線程度の仲やろ」
白宵 覚(しらよい さとる)「ナイト?」
三井 陽和(みつい ひより)「もう一人の仲間よ。ナイトって呼んでる」
三井 陽和(みつい ひより)「本業は凄腕の情報屋。しかも」
三井 陽和(みつい ひより)「心が読めない」
白宵 覚(しらよい さとる)「どういうことだ?」
三井 陽和(みつい ひより)「わからない」
三井 陽和(みつい ひより)「ナイトには以前会ったことがあるの」
〇ビルの裏通り
ナイト「──」
三井 陽和(みつい ひより)「──!」
見えないのよ、ナイトは
読み取る情報量が多すぎて
彼自身の思考が見えないの
〇シックなバー
三井 陽和(みつい ひより)「それが情報屋だからなのか」
三井 陽和(みつい ひより)「彼の能力のせいか、わからないけど」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ま、普通やないからな。こいつは」
九条 醒夜(くじょう せいや)「金さえ払えばどんな情報でも売りおる」
九条 醒夜(くじょう せいや)「武器商人みたいなもんや」
九条 醒夜(くじょう せいや)「頭の中身だって変わっとるやろ」
ナイト「あのー。聞いてますけど」
九条 醒夜(くじょう せいや)「聞こえるように言うとるんや」
白宵 覚(しらよい さとる)「彼はどうしてインソムニアに?」
三井 陽和(みつい ひより)「ナイトも不眠症なの」
ナイト「どんなに調べても原因がわからなくてね」
ナイト「最終的に、彼らを見つけたんだ」
三井 陽和(みつい ひより)「そして、私たちの仲間になったの」
アルテミス「・・・」
白宵 覚(しらよい さとる)「どうした、アルテミス?」
アルテミス「いや、何でもないよ」
三井 陽和(みつい ひより)「・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「珍しいじゃない、ナイト」
三井 陽和(みつい ひより)「不眠症が関係しない事件よ?」
ナイト「そうだね。だからタダでは教えないけど」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ほーら、おいでなすった」
九条 醒夜(くじょう せいや)「何百万ふっかけるつもりや?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「それとも何千万?」
ナイト「お金はいらない。そのかわり」
ナイト「白宵さん。君、僕に会いに来てよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「俺?」
白宵 覚(しらよい さとる)「まあ、俺が頼んでることだ」
白宵 覚(しらよい さとる)「それで済むなら構わない」
白宵 覚(しらよい さとる)「どこに行けばいい?」
ナイト「それも含めて、だよ」
ナイト「僕を探して、会いに来て」
九条 醒夜(くじょう せいや)「おい、ナイト。アホ抜かせ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「世界中誰も見つけられない情報屋を」
九条 醒夜(くじょう せいや)「普通の人間が見つけられるかいな」
ナイト「ふふっ、そうかもね」
〇秘密基地のモニタールーム
ナイト「正直言うとね、僕」
ナイト「未来視なんて信じてないんだ」
ナイト「だからこれはテスト」
ナイト「三日後の夜。僕は君たちに答えを教える」
ナイト「白宵さんがもし未来視できるなら──」
ナイト「僕の居場所、先に分かるはずだよね?」
〇シックなバー
白宵 覚(しらよい さとる)「いや、俺の予知はそんな便利なものじゃ」
ナイト「プランに乗るも乗らないも自由だよ」
ナイト「でも、大会社の社長の予定なんて」
ナイト「簡単には手に入らないと思うなぁ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「おい、ナイト」
九条 醒夜(くじょう せいや)「3日以内に羽柴が死んだらどないすんねん」
ナイト「それは大丈夫」
九条 醒夜(くじょう せいや)「それまで羽柴は海外っちゅうことか?」
ナイト「さあ、どうかな」
ナイト「じゃあ、頑張ってね」
九条 醒夜(くじょう せいや)「野郎、好き勝手言って切りおった」
九条 醒夜(くじょう せいや)「本当、苦手やわ」
三井 陽和(みつい ひより)「ナイトからFaxだわ」
ちなみに──
明日、不眠者による犯罪予定あり
大日本銀行にて正午、強盗計画
九条 醒夜(くじょう せいや)「なんやと!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「大日本銀行ってあの大日本銀行か!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「紙幣も発行してる国営の銀行なんだぞ」
三井 陽和(みつい ひより)「でもナイトの情報にガセはないわ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「何とかして止めにいかんとな」
アルテミス「覚はどうする?」
アルテミス「無理にとは言わないけど・・・」
白宵 覚(しらよい さとる)「いや、手伝うよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「商売柄、借りは作りたくなくてね」
白宵 覚(しらよい さとる)「俺の未来視は不安定だ」
白宵 覚(しらよい さとる)「役に立つかどうか、わからんが」
九条 醒夜(くじょう せいや)「決まりやな。ほな、よろしく頼むで」
アルテミス「銀行強盗となると念入りに作戦練らないと」
アルテミス「隣の車両へ移動しよう」
三井 陽和(みつい ひより)「ここだと誰かさんがずっと飲んでるしね」
九条 醒夜(くじょう せいや)「えー、僕ここで会議がええなぁ」
三井 陽和(みつい ひより)「私、先に行ってるわね」
九条 醒夜(くじょう せいや)「あ、ひよりん。待ってぇなー」
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・」
アルテミス「さあ。覚も行こう」
白宵 覚(しらよい さとる)「ああ」
〇空
〇警察署の入口
???「好き、嫌い──」
〇警察署の廊下
???「好き、嫌い──」
〇オフィスのフロア
???「好き・・・」
???「やっぱりそうよ!」
???「『インソムニア』は私が好きッッ!」
???「わ、私もあなたがッ!!」
???「悪鬼退散!」
???「ジャストミートゥッ!」
???「はっ、あたしったら何を・・・」
???「戻られましたか、女鮫警部」
???「またあっちの世界に行ってましたよ」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「あら、はしたないこと」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「ありがとう、コバンくん」
小判 早馬(こばん そうま)「お戻りになられて良かったです」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「事件を追い求めるあまり」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「また犯人に恋い焦がれてしまったのね」
小判 早馬(こばん そうま)「敏腕刑事の宿命ですね」
小判 早馬(こばん そうま)(くう。何故エリートの俺が)
小判 早馬(こばん そうま)(こんなオネェの部下に)
〇個別オフィス
警視総監「懐かしいものよ」
警視総監「あの小学生探偵がまさか刑事になるとは」
小判 早馬(こばん そうま)「昔の話です。探偵はもう辞めました」
警視総監「刑事になってくれて儂は嬉しいがな」
警視総監「探偵に未練はないのか?」
小判 早馬(こばん そうま)「ないと言えば嘘になりますが」
小判 早馬(こばん そうま)「僕なんかより凄い人がいましたから」
小判 早馬(こばん そうま)「僕は捕まえる側になろうって決めたんです」
小判 早馬(こばん そうま)「ところで総監、今日は世間話を?」
警視総監「まさか。もちろん、公的な用事だよ」
警視総監「君の異動が正式に決まった」
小判 早馬(こばん そうま)「ええっ! では!」
警視総監「そうだ」
警視総監「小判早馬警部補、君を──」
警視総監「刑事部の全てに口出しできる遊撃部隊」
警視総監「捜査第五課へ配属とする!」
小判 早馬(こばん そうま)「ありがとうございます」
小判 早馬(こばん そうま)(やったぞ!)
小判 早馬(こばん そうま)(五課は推理のスペシャリストが揃う場所)
小判 早馬(こばん そうま)(まさに俺の推理力が生かされる所だ!)
〇オフィスのフロア
小判 早馬(こばん そうま)(って意気込んでたのに)
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「ねえ、秋のネイルなんだけど」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「やっぱり秋刀魚カラーにすべきかしら」
小判 早馬(こばん そうま)「青はトレンドとは言えませんが」
小判 早馬(こばん そうま)「グラデーションにすれば悪くないかと」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「流石コバンくん。頼りになるわぁ」
警察官「あれが噂の五課・・・」
警察官「きっと隣の彼も『そう』なのね」
警察官「間違いないわよ」
小判 早馬(こばん そうま)(違う、違うんだ)
小判 早馬(こばん そうま)(俺は部下としてやってるだけなんだよ)
小判 早馬(こばん そうま)(女鮫警部・・・許せん)
小判 早馬(こばん そうま)(だけど、一番許せないのは──)
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「ガイシャの元婚約者は洗ったの?」
中堅の警官「あっ! 確かに盲点でした!」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「すぐ洗いなさい」
中堅の警官「了解です!」
刑事課刑事「女鮫警部、このヤマなんですが」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「灰皿は科研に出した?」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「悪くない結果が出るはずよ」
小判 早馬(こばん そうま)(俺より仕事出来ることーー!)
小判 早馬(こばん そうま)(なぜあんな短時間で的確な推理を?)
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「何、コバンくん。ジロジロ見て」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「ああ、なるほど」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「大丈夫。履いてないから」
小判 早馬(こばん そうま)「履いてて下さいッ!」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「むっ」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「大日本銀行に強盗の予感・・・」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「今すぐ出動よ、コバンくん」
小判 早馬(こばん そうま)「だーかーらー!」
〇警察署の入口
小判 早馬(こばん そうま)「その推理はどっから来てんだよ!」
小判 早馬(こばん そうま)「女鮫警部、走らないで下さい!」
小判 早馬(こばん そうま)「バスローブが捲れますっ!」
このナイト立ち絵はそのまま使われるのかな……
女鮫警部、また強烈なキャラクターが出てきましたね。色々な意味で場をかき乱しそうですね……いや~有能な上司元につけて羨ましいなー🥹🥹🥹🥹
銃撃事件間にナイトの未来予知テストに大きな事件がぶっこまれましたね。インソムニアとなってはじめて行動。女鮫率いる捜査課の動きも含めて見ものですね。
バスローブが捲れますに笑いましたww
ナイトはショタか、はたまたロリか・・・楽しみです✨️
女鮫さんの活躍も期待します。
どこからコメントしていいのかwww
画伯wwwキャラ濃すぎ刑事www
そしてナイトはショタ……?頭のいいショタ枠ですか!?
ギフトコメントの裏話、ストーリーで見た~い!!😆✨️こっちも頭のいいショタじゃないですか、人参ぶらさげてみせびらかすのやめてください!いや、やめなくていいんですけど、人参食べたい。