7 社長来訪(脚本)
〇役所のオフィス
後日、海道が永久追放された事は俺達の居る部署にも通知され、俺も正直驚きを隠せなかった。
霧原奈津菜「・・・と、その様な感じとの事です」
舞園貴理子「全く・・・自分の事棚に上げて良く此処までの事が出来たわね」
霧原奈津菜「ですが、これを教訓に我々も新たな一歩を踏み出せる事は間違い有りません。そこだけは感謝するべきかと」
舞園貴理子「まぁ、確かに言えてるわね。私達はこれからも出来る事をやれば良いわ」
冨永清「支社長!大変です!海道社長がお見えに成りました!」
霧原奈津菜「な、何!?」
舞園貴理子「近い内に此処に来る見たいな事は言ってたけど、こんなに早く来るなんて!?ボサッとしてる場合じゃ無いわね!」
舞園貴理子「奈津菜は今直ぐお茶の用意と霞ちゃん達に社長が来た事伝えて!冨永君は私と一緒に社長の所へ!」
霧原奈津菜「か、畏まりました!」
冨永清「は、はい!!」
海道社長が此処に来たと聞き、副支社長から聞かされた俺達も社長が来ても良い様にした。何とか落ち着き、俺達は社長を
出迎える。
冨永清「社長、こちらに成ります」
海道総一郎「事前に連絡を入れたとは言え、突然の来訪、すまなかった」
舞園貴理子「とんでも御座いせん!先日は災難でしたね!」
海道総一郎「うん。全ての責任は私に有る。部下達には、多大な迷惑を掛けてしまったな・・・」
海道総一郎「私が来た要件は一つだ。霧雨大和君は居るかい?」
舞園貴理子「来てますよ。霧雨君!」
霧雨大和「はい、支社長・・・って!?」
海道総一郎「久し振りだね、大和君」
霧雨大和「お久し振りです、海道さん!」
舞園貴理子「霧雨君に話が有って来たそうよ。私は席を外すから」
霧雨大和「あ、はい」
舞園貴理子「くれぐれも、失礼の無い様にね」
霧原奈津菜「失礼致します。社長、お茶をお持ちしました」
海道総一郎「有難う。少し大和君と、二人だけにさせてくれないか?」
霧原奈津菜「畏まりました」
霧雨大和「海道さん。態々此処まで来て頂いて、大変恐縮です」
海道総一郎「何、この位の事、私には負担にも成らないよ。今日君に会いに来たのは、息子の件でだ」
霧雨大和「海道礼司の事ですか?」
海道総一郎「そうだ・・・」
海道総一郎「大和君。私の息子の身勝手で、君にとんでも無い事をしてしまった。事実無根の罪を着せ、要らぬ苦労をさせてしまった」
海道総一郎「心から、申し訳無い・・・」
霧雨大和「海道さん。俺、要らぬ苦労をしたと思ってません。そもそも、田舎暮しって憧れてたんですよ」
海道総一郎「大和君・・・それでも君に悪い事をした事実は・・・」
霧雨大和「海道さん、余り自分を責めないで。俺自身も、そこに行って初めて気付けた事が沢山有ります。だから、此処に来れて良かったって、」
霧雨大和「本気でそう思うんです」
海道総一郎「そうか・・・なぁ大和君、謝罪のついでに、君に一つ提案を持ち掛けたいんだが・・・」
霧雨大和「何でしょうか?」
海道総一郎「大和君、前に居た子会社に戻らないかい?」
霧雨大和「え!?」
海道総一郎「礼司が目茶苦茶にしたあの子会社を立て直そうと思っててね。一部の物には降格処分を与えている。今からの立て直しに」
海道総一郎「新しい指揮官が必要なんだ。私としては、君に一任したいと思っている。受けてくれたら、今後の給料は三倍で出そうと」
海道総一郎「考えている。どうかな?」
霧雨大和「・・・海道さんのお気持ちは有難いです。ですが俺・・・」
古屋霞「待って下さい!」
霧雨大和「古屋!?」
海道総一郎「どうしたんだい?」
古屋霞「先輩を連れてかないで下さい!私、先輩には心から恩義が有るんです!困ってる時に助けてくれて、何時も優しく教えてくれて、」
古屋霞「何時も仕事には真剣に向き合ってて、そんな先輩が大好きだから私も無理して異動届出したんです!先輩を連れてくなら、」
古屋霞「無理矢理にでも着いて行きますから!!」
霧雨大和「・・・・・・」
霧雨大和「海道さん。貴方の気持ちと考えは伝わりました。ですが、俺はまだ此処で頑張りたいんです。実際にやって見て初めて気付けた」
霧雨大和「事も沢山有りました。自然に囲まれたこの環境でまだまだ頑張りたい。申し訳有りませんが、この話、断らせて頂けませんか?」
古屋霞「先輩・・・」
海道総一郎「・・・ふふ、」
海道総一郎「ははははは!!いやはや!君、古屋さんと言ったか。そこまでして大和君を追い掛けていたとは、恐れ入ったよ!」
古屋霞「社長・・・」
海道総一郎「安心したまえ。大和君がどんな道を選んだとしても、その気持ちを尊重しようと最初から決めていた。大和君、今後も良い報告を」
海道総一郎「待っているよ」
霧雨大和「え!?良いんですか!?」
海道総一郎「あぁ、自分が本当にそれをやりたいならやらせて見るべきだろう。そこからが大変だがな。立て直しの方は私に任せろ」
霧雨大和「社長・・・」
海道総一郎「さて、募る話はまだまだ有るが、それはまた別の機会にしよう。大和君、その子を大事にするんだぞ」
霧雨大和「は、はい・・・」
海道総一郎「うん・・・それでは、私はこれで失礼するよ」
古屋霞「よ、良かったぁぁぁぁ!!!」
霧雨大和「おぉい古屋!どうしたんだよ急に!?」
古屋霞「だって先輩、また何処か行っちゃうんじゃ無いかってぇぇ!!」
霧雨大和「大丈夫だって!俺は何処にも行かないから!」
古屋霞「先輩・・・先輩・・・!!!」
霧原奈津菜「・・・やっとくっ付きましたね」
舞園貴理子「えぇ、これからが楽しみね」
霧原奈津菜「どうします支社長?霧雨に釘打っときますか?」
舞園貴理子「そこの所は大丈夫よ。その役は私がやるから」
その後、俺は古屋からの告白を受けて恋人同士と成った。その事はこの部署の仲間達に祝福され、泣かすなよと
俺は釘を打たれるのだった。
社長滅茶苦茶いい人だった
まあ、上に立つ人それも最上位の人には誰もがついて行きたいというカリスマが必要ですからね・・・
そこは社長とて恥じぬカリスマを持っていましたね・・・
しかも、霧雨と霞を引っ付ける手助けまで・・・
意図していないとは言え良い人だ・・・
これでグットEND直行になりますね!
霧雨達の今後はどうなるか?