魚料理「雪道スタック」(脚本)
〇雪山の森の中
じいや「ようこそいらっしゃいました」
じいや「まさかのジジイ5連勤で お送りしております」
じいや「この猛吹雪、背景エフェクト「雪(強)」 の他にも仕掛けがございまして」
じいや「背景フィルター「モノクロ」を 掛け合わせております」
じいや「視界が「ホワイトアウト」する感覚を 再現した訳ですね」
じいや「背景コンボ「フィルター×エフェクト」 環境を制圧、主導権を握る一手です」
じいや「覚えておいて損はないかと」
じいや「・・・っと、失礼」
じいや「既に───勝敗は決していましたね」
野良エフェクター「ぐっ──・・」
野良エフェクター「つ、強いッ──!!!!」
じいや「ダメ押しの文字エフェクトに 効果音(サウンド)をプラス」
じいや「いけません、引退したハズが・・」
じいや「バトル終了、エフェクトオフ」
〇雪山の森の中
じいや「お待たせ致しました 魚料理「雪道スタック」」
じいや「またもや“じいや”が 給仕を務めさせて頂きます」
じいや「・・・先ほどの茶番ですか?」
じいや「そうですね、おっしゃる通りです」
じいや「あの程度の児戯、エフェクトバトルと 呼ぶのも烏滸がましい──・・」
じいや「ご放念いただけますと幸いです」
じいや「さて、雪道スタックは 2022年3〜4月に開催された 第1回『キュンとする話』コンテスト」
じいや「通称「胸キュンコンテスト」にて 投稿し、予選通過した作品です」
じいや「まさに“絶望”とも呼べる表紙ですね」
じいや「胸キュンコンテストの特徴は 大きく3点あります」
じいや「ひとつ、1人あたり2作品まで投稿可」
じいや「ふたつ、コンテスト限定の専用キャラ」
じいや「そしてみっつ、受賞作はプロの 声優による声あて&朗読劇を実施」
じいや「所感ですが、キュンコンをきっかけに タップノベルを始めた方も 多かったように思います」
じいや「ちなみにオカリ氏は 発表された声優の方を調べた際に」
じいや「メガネイケメン担当の田丸様が 北海道出身なことを知り 雪道スタックへ配役したそうです」
じいや「一方の河西様は大阪出身・・」
じいや「ゆえに2作目は漫才にしようと考え 「優勝したので夫婦漫才!!」が 生まれたわけですね」
じいや「あと、オカリ氏は 「機動戦士ガン○ム鉄血のオル〇ェンズ」 のリアルタイム視聴者であったため」
じいや「ミカ役の声優と知り俄然やる気に なったのだとか・・」
〇SNSの画面
じいや「とはいえ、当時コンテスト発表の際の 困惑具合は渋谷を上回っておりました」
じいや「恋愛系を強みとするライターならば 水を得た魚の如く書き易いかと存じますが」
じいや「当のオカリ氏はというと──・・」
じいや「このザマですね 動揺が透けて見えます」
じいや「ですが意外にも、発表当日の時点で 原型は思い浮かんでいたそうです」
じいや「スマートフォンのメモ帳を遡ると 当時の走り書きを発見いたしました」
じいや「そのメモがこちらです」
じいや「単語の羅列に過ぎませんが・・ なんとなく、話の筋は読めますね」
じいや「しかしながらオカリ氏、ここから 投稿するまでに3週間もかかりました」
じいや「キュンそっちのけで エフェクターばかり作っていた 事情もあるらしいのですが・・」
じいや「・・コンテスト中も毎週更新していますね」
じいや「今思い返せば中々の投稿頻度です」
じいや「ただ、それ以外にも理由はあったようで」
じいや「雪道スタック、果たしてコレは 胸キュンと呼べるのか? という自問自答もあったとか」
〇雪山の森の中
じいや「さて、内容について」
じいや「卒論やモミの木同様、雪道も 実体験がベースになっております」
じいや「そうですね、アレはオカリ氏が 学生であった頃──・・」
〇古い大学
当時、彼は雪国のある大学に
通っておりまして
その際に、部活の先輩の彼氏が
就職に伴い車を手放すと知り
車検代のみの負担で
譲って頂いたことがありました
ただしこの車、廃車寸前のオンボロでして
走行距離は実に地球4周分!
さらに四駆ではない前輪駆動!!
雪国を舐め腐った車です
〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
じいや「当然、ハマる・・かと思いきや 意外と冬も越せるそうで」
じいや「『雪も踏み固められたら氷となり 道同然の硬度を持つ』」
じいや「『スピードにさえ気をつければ 冬道でも全然いける』・・と」
じいや「・・・愚か者ですね 当然、雪国の洗礼を受けます」
〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
じいや「スタックしたのは3月に入ってから 気温が上がり始めた時期です」
じいや「意外にも天候は晴れ、だからこそ 根雪も溶け始めていたのでしょう」
自宅の駐車場へと停める・・
その、直前でした
速度を緩めた瞬間、ゆるんだ雪に
タイヤがズボリ
なんとか抜け出そうと
アクセルを踏み抜きますが・・
エンジンから悲鳴の様な音を
鳴り響かせるばかり
じいや「無情にも空転するタイヤ 前にも後にも行けません」
じいや「にっちもさっちも行かないとは まさにこのことか、と」
じいや「途方に暮れるオカリ氏・・」
じいや「するとですね スタック独特の空転音のせいか」
じいや「通りがかった見知らぬ若者たちに 見つかる訳ですよ」
大丈夫ですか〜?
手伝いましょうか〜?
とまぁ、車のまわりにわらわら集まり
かけ声かけつつ手慣れた様子で
車を後ろから押して下さいました
オカリ氏は運転席で
ハンドルとアクセルを制御
みごと脱出でき、駐車場まで
辿り着きました
じいや「オカリ氏が車から降りて 感謝の言葉を口にすると」
じいや「「良かったです!」とひと言残して 颯爽と去り行く青年集団」
じいや「胸キュンというより 心ジ〜ンでしたが」
じいや「それ以降、オカリ氏はスタックを 見かけたら最後・・」
じいや「獲物を狩るが如く 手伝う様になりました」
じいや「勿論本人は二度とスタックしないよう 十分気を付けて状況判断を──・・」
じいや「しても、またハマるのがスタックです」
〇田舎の駅舎
じいや「詳細は割愛いたしますが・・ 以前やむなく漫画喫茶にかけ込み 連泊することがありました」
じいや「とある目的地まで時間内に 到着する必要がある」
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僕もそこそこ雪国出身なのですが、免許無いのであまりわからない苦労😂
キュンに 頭を悩ませてた一人である僕は、本作を見て「やりやがった…!(良い意味でも悪い意味でも)」と思ってました😂でも本作はオッサンが目立ちますが、イケメンの内面イケメン仕草が本当に完璧で…!コレは老若男女に好かれるわ~と内心拍手でした(内面イケメン描写は創作者の器が出ると思ってます)
なので予選通った時は嬉しかったです☺️
私が10人目だそうです
‥
50人目とか何故か他人様のキリ番にしょっちゅう当たる
私ですが。🤣ノシ⭐︎⭐︎
イヨっ
じいや5連チャン
雪男❣️
九州人の私にはおそらく一生見る事の無い
雪の実話ありがとうございました😊
作品読んで勉強させていただいてます!!✨😊
5連勤じいや愛しくなってきました✨😆
私はキュンとくるコンテストで初めてTapNovelに投稿させていただいたのですが、オカリ様の『雪道スタック』は実は作品が隣り合っておりまして、縁があって読ませていただいて、とても印象に残ってます!!✨感動した記憶があります✨☺️
雪に埋もれた裏話も知ることができて良かったです⛄️