肉料理「ハチ公の憂鬱」(脚本)
〇ハチ公前
こんにちは
肉料理「ハチ公の憂鬱」を
開いて下さり感謝致します
進行役はもちろん・・
ハナコ(代役)「このハナコが務めさせて頂きます!」
ハナコ(代役)「というのも本作、当初は私が ハチ公像役を担う予定でしたが」
ハナコ(代役)「「どうみてもシェパードじゃねぇか 違和感えげつねぇ!無しだ無し!」 ・・となってしまい」
ハナコ(代役)「無事、リストラされてしまった 悲しき獣にございます」
ハナコ(代役)「なんでもオカリ氏、実家で 昔飼っていた犬がシェパードでして」
ハナコ(代役)「シェパードに対しては 並々ならぬ想いがあるため」
ハナコ(代役)「もしシェパードを出すなら 人語は喋らせたくない・・という こだわりもありました」
ハナコ(代役)「今ですか? 今は問題ございませんよ」
ハナコ(代役)「と、御託はほどほどに」
ハナコ(代役)「改めて肉料理「ハチ公」 手に取って頂き感謝いたします」
ハナコ(代役)「「第1回ひと駅Novelコンテスト」 をキッカケに生まれた本作」
ハナコ(代役)「初のコラボ相手が東急というのも 驚きですが・・」
ハナコ(代役)「募集テーマもまさかの「渋谷」 誰も予想できませんよ」
ハナコ(代役)「しかしその特典は凄まじく 最優秀賞に選ばれた場合・・」
ハナコ(代役)「なんと歩行者天国でお馴染み 渋谷スクランブル交差点の 大型ビジョンで放映するんだとか!」
ハナコ(代役)「・・ただ、問題はお題です」
ハナコ(代役)「「渋谷」というまさかのピンポイント」
ハナコ(代役)「Twitter(X)でも 「行ったことない」「渋谷・・・?」 「ワイ地方民、渋谷を知らない」など」
ハナコ(代役)「テーマの捉え所のなさに 困惑の声をチラホラ見かけました」
ハナコ(代役)「では、当のオカリ氏は どうだったかというと・・」
ハナコ(代役)「同じく困惑側だったそうです」
ハナコ(代役)「渋谷なんて片手で数えるほどしか 足を運んだことがなく、それも 観光や仕事で立ち寄った程度」
ハナコ(代役)「人も多いし歩きにくいし ハチ公像の写真だけパシャパシャ 撮ったらさっさと立ち去る・・」
ハナコ(代役)「「ハチ公像と大きな横断歩道と とにかく人が多い場所」という認識」
ハナコ(代役)「ただ、一点だけ 渋谷について強烈に印象に残った 瞬間が過去にありました」
〇渋谷のスクランブル交差点
それは夕方5時にある
NHKのニュースです
新型コロナの感染拡大で
緊急事態宣言が発令された時
オカリ氏は地方部の記者として、
東京から離れた地域で働いておりました
職場にはテレビがあり、
基本NHKが垂れ流し状態
そのため夕方5時から始まる
ニュース「シブ5時」は日頃から
目に入る環境だったのです
いつも渋谷スクランブル交差点を
「街の様子」として放映する番組
緊急事態宣言の時の映像は
かなりショッキングでした
あの“混雑の象徴”とも言える
スクランブル交差点に人が誰もいない!
遠巻きにポツンと映るハチ公像は
本当に寂しそうな雰囲気で
その時の印象から着想を得たのが
本作になります
〇ハチ公前
ハナコ(代役)「ハチ公像を主役に据えた理由は あと2つほどあります」
ハナコ(代役)「まず、今回のコンテスト用に 各種用意された渋谷の背景たち」
「うち一つが今表示されている背景です」
「ハチ公が中心に据えられ、 まるで登場人物のような存在感」
「同じ背景でも朝昼夕夜と差分が多く 眺めていたら色々できそうに感じたこと」
ハナコ(代役)「そしてもう一つの理由は特典である 「大型ビジョンでの放映」です」
〇渋谷駅前
ハナコ(代役)「もし大型ビジョンで放映され、 それを見てしまった時」
ハナコ(代役)「思わず振り返ってハチ公像を 見に行ってしまうような」
ハナコ(代役)「そういったシンクロ性があれば きっと楽しいなと思った訳です」
ハナコ(代役)「コロナ禍明けでまた“混雑の象徴”に 戻る時、親和性が生まれるような・・」
ハナコ(代役)「ただ、ハチ公像を調べるうちに 「実は初代ハチ公像が居た」 「物資として金属回収され」 「終戦の直前に鋳潰された」という」
ハナコ(代役)「戦争という激動の時代に揉まれた 「初代ハチ公像」の存在を知り、」
ハナコ(代役)「「これしかない!」とオカリ氏は ハチ公像の歴史から書こうとしていました」
ハナコ(代役)「結局「あ、コレ2000字以内は無理だ」 と諦めコロナ禍とハチ公像に 変更したそうですが・・」
ハナコ(代役)「この初期ボツ案については 「おかえり、ハチ公」と題して また別で発表しているので」
ハナコ(代役)「興味ありましたら是非ご覧ください」
〇ハチ公前
「続いては演出面です」
「本作、ハチ公像のセリフは全て このような吹き出しスタイルではなく」
画面に表示される文字を
ハチ公像のセリフとしていました
こうすれば嫌でもハチ公像に
視線が誘導できますし
何より「人間と付喪神」の違いを
セリフでも出したい意図がありました
本来ならナレーションや
場面説明に使われがちな
この文字表示スタイル
表示方法としてだけでなく
セリフログに残らないという
明確な違いもございます
消えゆくメッセージと
神の声という相性に良さ
なので冒頭や状況・時期の説明は
この黒吹き出しを用いて
ハチ公像のセリフは同じ次元にない
ものとして明確に分けていました
「他にもシーン切り替え時に 背景エフェクトや背景フィルターを 細かく変更して──・・」
「まあ、演出面はこの程度に 留めておきましょうか」
「さて、最後はデータ分析です」
〇SNSの画面
「ハチ公の憂鬱」の投稿日は
2022年1月2日
コンテスト開始2日目、
応募順的には13〜15番目です
序盤の投稿作はコンテスト様子見
として読まれやすい序盤神・・
もとい序盤効果も働き
また時勢とマッチしたテーマが
共感を呼んだのか
モミの木や卒論の時より明らかに
タップ数の伸びが早かったです
当時の呟きですね
思わず期待感も膨れ上がり・・
こんなツイートをしてしまいます
さあ大変です
言ってしまったは良いが、
ハチ公(85000Tap)は未到の領域
とりあえず節目節目に
ツイートはしますが・・
「2万5千で二公になりました!」
「3万5千で・・」だけだと
面白みに欠けると判断したのでしょう
都度なにかしら試みることにしたそうです
例えば2万5千の時は総合1位と
表紙変更の抱き合わせツイート
3万5千のサン公の時は
ご“参考”と掛けて読了率の比較
ヨン公の時は冒頭動画を
画面収録で公開してみたり
ゴ公なら“後光”と掛けて
期間限定の表紙変更
ロク公からそろそろネタ切れを起こし
通常の表紙へ清書して差し替え
シチ公では今までのツイート(広報)と
閲覧数にどこまで関連性があるか
データを公開してたりしました
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オカリさんこんにちは!
メテオシスターの文字を見て嬉しくなりこちらへお邪魔しています
ハチ公のバックグラウンドまでしっかりと勉強されていて本当に尊敬です
感動して泣いたのを思い出しました
オカリさんの代表作、こちらの作品にどれほど衝撃を受けたか、私も1年前を思い出しました✨
渋谷を愛する者にとって、ハチ公は特別なのです♥️可愛いんです✨
先日もハチ公前を通りながら、オカリさんを思い出しましたよ🤣
ハナコ、じいやさん、今回も楽しいお話をお聞かせ頂きありがとうございました😆
Nが増えていくと、分析も重みが増していきますね。離脱率など改めて見てみようと思いました。連載より読みきりの方が分析には向いている気がしますね。もしくは長編の一話というところでしょうか。
今回も楽しかったです。