制作秘話のフルコース

オカリ

オードブル「卒論提出まで あと14時間」(脚本)

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〇散らかった研究室
  カチャカチャ
  カチッ
  カタカタ
  ス──・・
  ・・ッタ──ン!
じいや「・・とまぁこのように」
じいや「音はなく、エフェクトもなく、 もちろんBGMもない時代」
じいや「数多ある小説同様、擬音語は 全てテキストで表現していました」
じいや「背景と人物、さらにアイテムを 織り交ぜセリフを合わせる・・」
じいや「タップノベルメーカーの リリース初期の環境ですね」
じいや「これが現在だと」
じいや「と、簡単に出来てしまうのですから」
じいや「おかげでどれだけ 文字数に苦労したことか──・・」
じいや「前菜「卒論提出まで あと14時間」 ご覧頂きありがとうございます」
じいや「進行役はまたしてもわたくし “じいや”が務めさせて頂きます」
じいや「さて「卒論提出まで あと14時間」は オカリ氏の初投稿作品になります」
じいや「制作のきっかけは集英社が提供する 漫画ネーム制作ツール」
じいや「WorldMakerβ版を通じて知り合った 「西瓜頭」さんのツイートでした」
じいや「朧げですが、確か当時 WorldMakerにハマった方々に向け」
じいや「面白そうなので参加してみませんか? と呼びかけていたと記憶しております」
じいや「「どれどれ?」と覗いたのが 同じく西瓜頭さんの作品」
じいや(女神コスプレ)「「女神の世界が滅ぶまで」でした」
じいや(女神コスプレ)「一人称視点で進む物語に コミカルながら綺麗に収束するラスト」
じいや(女神コスプレ)「オカリ氏が「こいつは面白そうだ!」 と参加を決意したキッカケです」
じいや(女神コスプレ)「──失礼、じじいのコスプレは 控えておきましょうか」
じいや「さて、第2回TapNovelゲーム小説大賞 そのお題は「〇〇の前日」です」
じいや「何の前日かは問いません 例えば「世界が滅ぶ前日」でも」
じいや「彼女に告白する前日でも、 童貞を卒業する前日でも、 バンドでのライブ前日でも──・・」
じいや「いかなる前日でもOKという 「お題」でした」
じいや「ここでオカリ氏は、言葉通り 何かの前日でアイデアを考えます」
じいや「時間が限られている状況、 どんなイベントが必要か、 どうすれば盛り上がるか・・」
じいや「そんな中、ちょうど1日で区切る 超有名な米国ドラマを思い出しました」

〇個別オフィス
じいや(CIAコスプレ)「大統領────ッ!」
じいや(CIAコスプレ)「クソッ、組織に裏切り者が!!!? いったい誰が──・・」
じいや(CIAコスプレ)「・・とまぁ」
じいや「某24時間で区切るドラマを 思い出したのです」
じいや「実際、表紙を見てみましょう」
じいや「思いっきり意識していることが 誰の目から見ても明らかですね」
じいや「実はオカリ氏、学生時代友人と リアルタイム「24」を やったことがありまして」
じいや「やり方は簡単です」

〇一人部屋(車いす無し)
  時刻は00:00
  原作と同じ時刻まで待ってから
  全く同じ時間進行でドラマ視聴開始!
  作品内と現実の時系列を同期させる
  シンクロ率100%の没入視聴!!
じいや「という阿呆な鑑賞会をやったせいか 強く印象に残ったのでしょうね」
じいや「押し迫る時の中で ギリギリを演出する・・」
じいや「卒論でも随時カウントダウンを 挟んだ理由がここにあります」
じいや「では次に、なぜ「卒論提出」という テーマにしたのか」
じいや「実はオカリ氏が学生の時に ギリギリ過ぎたる先輩がおりまして」
じいや「その先輩は卒業論文の締切当日でも まだ結果しか書けていない猛者っぷり」
じいや「仕舞いにはその先輩が卒論の 「考察」を書いている間に」
じいや「研究室の学生総出で手分けして 序論、実験手法、結果のデータを印刷し」
じいや「製本しながら内容も完成させ、 提出できたのは締切30分前という」
じいや「半ば伝説のような先輩を 手伝った経験から来ているのですね」
じいや「なので、はい ある意味ノンフィクションです」
じいや「オカリ氏にとってお祭り騒ぎと 捉えた部分があったのかもしれません」
じいや「ちなみにですが」

〇桜並木
じいや「卒論のオチの部分は 覚えていらっしゃいますか?」
じいや「もし未読の方おりましたら 今からオチの部分に触れますので」
じいや「予めご了承ください」
じいや「さて、卒論のオチ 苦労して提出したにも関わらず」
じいや「フタを開けてみれば 単位がそもそも足りていなかったので」
じいや「「卒論提出まで」のカウントダウンが リセット(留年)されるオチでした」
じいや「・・はい、こちらの例も オカリ氏の同期に居たそうです」
じいや「彼の場合、卒業式で名前が呼ばれず そこで気づく形でした」
じいや「留年せず中退して、内定先には 大学中退で就職しておりましたが」
じいや「そういった「当時の思い出」を 色々ミックスさせたのが本作です」
じいや「ここまでが内容に関するお話」
じいや「いよいよ本題の 「なぜ読者賞を獲れたか」」
じいや「その自己分析に入ります」
じいや「先に結論の要点だけ申しますと・・」
じいや「①メーカー出力ではない表紙 ②テーマ「卒論」と時期の親和性 ③ランキングによる過大評価」
じいや「この3つだと考えております」

〇本屋
じいや「まず表紙について」
じいや「今でこそ凝ったオリジナル表紙が 当たり前となっておりますが」
じいや「当時はタップノベルメーカーのみで 表紙を作る方が大多数を占めておりました」
じいや「試しに「第2回〜〜」の応募作一覧から 割合を数えてみますと」
じいや「応募作221件のうち何かしら ペイントツールで独自表紙に 編集した方は・・・・約30件」
じいや「全体の14%ほどしかありませんでした」
じいや「その30件にもいわゆる 「著作権フリー」の素材を 使用した方が一定数おり」
じいや「タップノベル素材を使っておらずとも 既視感を覚える表紙・・もチラホラ」
じいや「完全にオマージュしたオカリ氏が 偉そうに言えることでもありませんが」
じいや「表紙のひと手間が「手に取ってもらう」 確率を左右したと愚考いたします」

〇イルミネーションのある通り
じいや「続いては「卒論」と投票期間である 12月との親和性です」
じいや「説明に入る前に当時の 投票システムを振り返ってみましょう」
じいや「第1、2回のコンテストでは読者が 「大賞作品を予想する」イベントも 同時並行で行われていました」
じいや「その内容とは・・ 面白いと思った5作品を投票して その作品がもし大賞に選ばれたら」
じいや「10万円分のAmazonギフト券を 的中した方々で山分けする・・ というものでした」
じいや「この投票で得票数が最多の作品に 読者賞が与えられます」
じいや「・・これ、既に多くのファンを持つ 作家さんが有利になりそうですよね」
じいや「ちなみに当時のオカリ氏の Twitter(現:X)フォロワー数は 100人未満」
じいや「千人単位のフォロワー数の作家さんも 参加している中、難しい状況です」
じいや「逆に言えば、いっさいSNSを やっていない方が不利とも 言えそうですが・・」
じいや「そんな中、オカリ氏は節目節目に このようなツイートをしたそうです」

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コメント

  • 冒頭でがっつり自作に言及されていて嬉しい😊😊
    しましたね〜そんなTweet!オカリさんが参加してくれて嬉しかったのを覚えています。そして日々上昇する驚異的なタップ数に戦慄を覚えたのも覚えています🫨
    作品の裏話楽しいですね〜!詳細な分析も為になります!

  • 細やな分析力、すごいです!!あっという間に完食でした。
    まさかの私の作品にも触れていただけるとは〜😂
    作ったまま放置していた作品にオカリさんが
    初めてコメントくださった日の嬉しさを今でも覚えてます。ありがとうございます✨
    次の料理も楽しみです!

  • 自分にとっても感慨深い作品です😆
    私はこの次の第3回からTapNovelデビューしたんですが、いろいろ界隈を分析する中で当然オカリさんのこの作品も目に入り・・・ランキングぶっちぎり、かつ隙のない抜きん出た面白さに大変刺激を受けて「自分もいつかそこに行くぞ・・・!」と思ったのを覚えています☺️
    これからも楽しみにしています!!

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