むらむらしちゃだめっ!

大河内 りさ

6むらむら『遁走』(脚本)

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〇中規模マンション
「だぁーーーーッ!!」

〇学生の一人部屋
壱邑 一貴「また変身しちまったーッ!!」
壱邑 一貴「さっきから人間と"はなむらむら"を 行ったり来たり・・・」
壱邑 一貴「あいつのせいだ──」
壱邑 一貴「中邑が、むっ・・・ 胸なんかさわらせるからっ」
壱邑 一貴「やわらかかったなぁ・・・」
壱邑 一貴「あ"ーーーーーーッ!! 忘れろ! 忘れるんだ俺ぇええ!!」
壱邑 一実「るっせえ!!」
壱邑 一実「さっきからギャーギャー 何騒いで──」
壱邑 一実「・・・あれ、いない」
壱邑 一実「おかしいな。一貴じゃなかったのか?」
壱邑 一貴「あぶねー・・・」
壱邑 一貴「姉貴に見つかったら終わりだ」
壱邑 一貴「早く元に戻んねーと!」

〇黒背景

〇一戸建て

〇女の子の部屋
中邑 ゆうり「ふわぁ、よく寝たぁ〜」
中邑 ゆうり「せっかくの土曜日だし、 どっか遊びに・・・」
中邑 ゆうり「本読みして台詞覚えるかぁ」
中邑 ゆうり「演劇部に入ってから 初めて獲得した主役だもんね」
中邑 ゆうり「もう"はなむらむら"に 変身する心配もないし」
中邑 ゆうり「心おきなく演じられ──」
中邑 ゆうり「誰が来たんだろ」
ゆうりの母「ゆうりー! 柊ちゃんよー!」
中邑 ゆうり「えっ?」

〇綺麗なダイニング
仲村 柊「おはよー」
中邑 ゆうり「おはよー」
中邑 ゆうり「って、何で土曜の朝から 人んちでくつろいでんの」
仲村 柊「ケンタの散歩に行くから ゆうりもどうかと思って」
中邑 ゆうり「ケンちゃん来てるの!?」
中邑 ゆうり「ちょうどそろそろ モフりたかったんだよね〜」
仲村 柊「玄関に繋がせてもらってる」
中邑 ゆうり「待たせちゃかわいそう。早く行こっ!」
中邑 ゆうり「あ、ついでに台本の読み合わせ 付き合ってくれない?」
仲村 柊「そう言うと思って、台本持ってきた」
中邑 ゆうり「さっすがー!」

〇川に架かる橋

〇公園のベンチ
仲村 柊「この辺りでいいか」
仲村 柊「よーし、ケンタ。 ここでちょっと休憩な」
ケンタ「ワンッ」
仲村 柊「リードをベンチに結んで・・・っと」
中邑 ゆうり「そうだ、柊」
中邑 ゆうり「私「花邑くんの呪い」解けたよ」
仲村 柊「えっ、いつ?」
中邑 ゆうり「たぶん一昨日。昨日一日様子見たけど、 変身しなかったから大丈夫だと思う」
仲村 柊「・・・キスしたの?」
中邑 ゆうり「えっ!?」
中邑 ゆうり「あっ、うん! 長内朔耶の画像に!!」
仲村 柊「好きのジャンルが違うとか 言ってなかった?」
中邑 ゆうり「関係なかったみたい! いやぁ推しは偉大だね~!!」
中邑 ゆうり(ほんとはあなたの画像です。 許せ柊・・・!)
仲村 柊「ふーん・・・」
中邑 ゆうり「ちょっと、反応薄くない!?」
仲村 柊「よかったねー」
中邑 ゆうり「棒読み!!」
仲村 柊「で、どのシーンやる?」
中邑 ゆうり「も〜!」
中邑 ゆうり「意外と2人だけのシーン少ないよね」
仲村 柊「シーン1と6くらいか。 他の役の台詞は交互にやるでもいいけど」
中邑 ゆうり「・・・ていうか」
中邑 ゆうり「柊がルカード役のオーディション受けたの 意外だったんだけど」
中邑 ゆうり「ラフェル役を選ぶと思ってた」
仲村 柊「だってあいつ、出番少ないじゃん」
中邑 ゆうり「あはは、柊って案外出たがりだよね」
仲村 柊「それに──」
中邑 ゆうり「それに?」
仲村 柊「ゆうりが、ヴィエリゼ役の オーディション受けるって言うから」
仲村 柊「それなら、相手役は 俺しかいないかなって・・・」
中邑 ゆうり「柊・・・」
仲村 柊「あっ、いやその・・・」
仲村 柊「役の2人も子供の頃に出会ってて、 幼なじみみたいなものかなって」
仲村 柊「だったらほら、リアル幼なじみ同士が 演じれば良い感じになるかと──」
中邑 ゆうり「そっ・・・」
中邑 ゆうり「そうだね〜! 幼稚園前からの付き合いだもんね!」
中邑 ゆうり「・・・・・・」
仲村 柊「・・・・・・」
中邑 ゆうり「うっ・・・」
中邑 ゆうり「嘘でしょぉぉおおおっ!?」
仲村 柊「呪い、解けてなかったな」
仲村 柊「お前、いまの話のどこに"むらむら"──」
中邑 ゆうり「イヤーーーーーーッ!!」
ケンタ「ワフ?」
中邑 ゆうり「ん? ケンちゃん急にどうし・・・」
ケンタ「バウワウッ!!」
中邑 ゆうり「待って、その目はなに!?」
中邑 ゆうり「私はおやつじゃないよ!?」
仲村 柊「ケンタ、待っ──」
仲村 柊「やばい、リードが外れた!!」
仲村 柊「逃げろゆうり!!」
ケンタ「ワンワンッ!!」
中邑 ゆうり「ギャーーーーッ!! 食われるうううっ!?」
中邑 ゆうり「来ないでぇえーーーー!!」

〇川沿いの公園
壱邑 一貴「はぁ、一睡もできなかった・・・」
壱邑 一貴「でもようやく落ち着いたな」
壱邑 一貴「よしっ!」
壱邑 一貴「週明け中邑に会っても大丈夫なように 走って自分を追い込むぞ!!」
壱邑 一貴「ん? 犬──」
壱邑 一貴「と、アレは・・・!!」
中邑 ゆうり「助けてぇぇえええーっ」
ケンタ「ワンワンッ」
壱邑 一貴「中邑ぁ!?」
仲村 柊「待てケンター!!」
壱邑 一貴「仲村、お前まで!」
仲村 柊「壱邑!」
仲村 柊「悪い、うちの犬捕まえるの手伝ってくれ!!」
壱邑 一貴「よっしゃ、任せろ!」
壱邑 一貴「つっても、すごいスピードだな。 どうやって捕まえる?」
仲村 柊「ゆうりを回収できれば ケンタも止まると思うんだ」
壱邑 一貴「分かった!」
壱邑 一貴「犬は任せたぞ」
壱邑 一貴「おーい!!」
壱邑 一貴「中邑ーっ! こっちだー!!」
中邑 ゆうり「いっちー!?」
壱邑 一貴「そのままこっちに走ってこい!!」

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コメント

  • いっちーが…いっちーが大活躍?すぎて終始笑いっぱなしでした🤣
    ヌートリアって食べられるんですか😳

  • ケンちゃん……最高っ🤣
    そして、いっちーが不憫すぎる……🤣🤣
    お年頃のいっちーにはCカップの刺激は強すぎたのですね😭

  • えええ〜
    食べられたけど無事でしたね〜
    これは、むらむらが為せる神秘の技でしょうか!?

    いっちーとお姉さんとの会話も見てみたいですね

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