コネ入社に注意したら左遷させられた件

夏目心 KOKORONATSUME

4 今そこに有る物(脚本)

コネ入社に注意したら左遷させられた件

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

コネ入社に注意したら左遷させられた件
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇校長室
舞園貴理子「・・・と、この様に、こちらの掃除機はボディを軽量化して堪ったゴミ容器の中身も楽に取り出せる様に設計しております」
モブ男「成る程・・・確かにこれならお年寄りでも持てるし扱い易い。使う時の衝撃はどの様にお考えで?」
舞園貴理子「そちらに関しましては、吸引力を強くし過ぎず、足元のゴミを残らず吸える程のパワーに調整しました。ですので、」
舞園貴理子「お年寄りだけで無く、若い年齢層の方でも苦も無くお取り扱い出来ます」
モブ男「大体の事は良く分かりました。こちらも要検討させて頂きます」
舞園貴理子「有難う御座います!御連絡、心よりお待ちしています!」
少年「パパ〜!宿題終わったよ〜!」
モブ男「あ〜これこれ!パパは今お仕事中なんだ!宿題ならママに見て貰いなさい!」
少年「え?今ママ出掛けてるよ」
モブ男「あぁ!そうだった!困ったなぁ・・・」
霧雨大和「あの、社長さん・・・」
モブ男「はい、何か?」
霧雨大和「もし宜しければ、その子の宿題、私が見ましょうか?」
モブ男「え!?宜しいのですか!?」
霧雨大和「何か他に頼れそうな人居ないっぽい感じでしたし、私で良ければ・・・」
モブ男「今日初めて来て頂いたにも関わらず申し訳有りません!是非お願いします!」
モブ男「お前、このお兄ちゃんが宿題見てくれるそうだ!」
少年「本当!?お兄ちゃんが見てくれるの!?」
霧雨大和「あぁ!」
少年「有難う!早くこっち来て!」
霧雨大和「こらこら!そんな引っ張らないで!」
舞園貴理子「元気なお子さんですね」
モブ男「いやはや、私とした事、お見苦しい所を見せてしまって・・・」
舞園貴理子「大丈夫です。営業先のお子さんに会うのは、我々の部署では良く有る事ですので」
モブ男「有難う御座います。契約の件ですが、真剣に考えさせて頂きます!」
舞園貴理子「はい!お待ちしております!」

〇田舎道
  数時間後。
霧雨大和「さっきは席を外して申し訳有りませんでした」
舞園貴理子「いや、寧ろ褒める所よ。自分から子供の相手してくれるなんて!」
霧雨大和「そう言ってくれると有難いです。皆さん何時もこんな感じなんですか?」
舞園貴理子「そうよ。お年寄りとお喋りする事も有るし、私が子供と遊んだり宿題とか見たりする事も珍しく無いわ」
霧雨大和「冨永さんはともかく、支社長と副支社長がそう言う事するの想像出来ませんね」
舞園貴理子「霧雨君、口の聞き方には気を付けましょうね?」
霧雨大和「あぁ!大変失礼しました!」
舞園貴理子「まぁ分かってくれれば良いわ。それはそうと、前から霧雨君に聞きたい事が有ったのよ」
霧雨大和「はい、何でしょう?」
舞園貴理子「貴方、霞ちゃんと付き合って無いの?」
霧雨大和「はぁ!?何を言って・・・!?」
舞園貴理子「言わなかったかしら?私等全員気付いてるのよ。霞ちゃんの貴方に対する態度。毎日の様にお菓子やジュース貴方に上げたり、」
舞園貴理子「貴方と話してる時の彼女、何時も笑顔だったり笑ったりしてるのよ」
霧雨大和「は、はぁ・・・」
舞園貴理子「そもそも、貴方と一緒に仕事したいが為に態々此処まで来ないでしょ?此処までされるって明らかに霧雨君に好意が有るわよ」
舞園貴理子「貴方はどうして何もしないか、ずっと気に成ってたのよね」
霧雨大和「いや、あの、その・・・仕事覚えたかったし、何かお返ししようと考えてましたが・・・タイミングとか掴めなくて・・・」
舞園貴理子「成る程ね。折角だからデートして見たら?貴方達最初の頃より大分出来る様に成って来てるし。そう言う事しても良いと思うのよね」
霧雨大和「・・・まぁ、近々休みですし、やって見ようとは思いますが・・・何処行こうか迷ってて・・・」
舞園貴理子「そっかそっかぁ!!なら街中とかどうよ!?街にどんなの有るか見て置くのも良いわよ!」
霧雨大和「まぁ、その・・・有難う御座います・・・」

〇役所のオフィス
舞園貴理子「奈津菜!今戻ったわよ!」
霧原奈津菜「お疲れ様です、支社長。霧雨も良く頑張ったな」
霧雨大和「有難う御座います!」
霧原奈津菜「先程スポドリ買って来て、冷蔵庫の中に冷やしてます。そろそろ頃合いだと思うので、好きなタイミングで飲んで下さい」
舞園貴理子「相変わらずそこの所気が効くわね!お言葉に甘えるわ!」
  副支社長から差し入れの事を聞かされ、俺達は一息付いた。この場に富永さんと古屋が居ないので訪ねて見る事に。
霧雨大和「副支社長、富永さんと古屋は?」
霧原奈津菜「あぁ、今日は霧雨が行った所とは別の営業だ。上手くやってくれると良いがな」
舞園貴理子「まぁ、何事も油断しない事に越した事無いわね」
霧雨大和「俺も負けてられませんね」
霧原奈津菜「霧雨、向上心と競争心は別物だ。余り周りの事を気にし過ぎると自分が参る。だから自分らしくやって行けば良いぞ」
霧雨大和「はい、有難う御座います・・・」
舞園貴理子「でも皆決める時は決めましょうね!」
霧雨大和「あ、はい!」
霧原奈津菜「まぁ、そうですよね!」
舞園貴理子「分かれば宜しい!」
霧原奈津菜「まぁ、それはそうとして、霧雨。さっきお前と古屋が居た部署からこんな話を聞いてな」
霧雨大和「前の部署?何か有ったんです?」
霧原奈津菜「それがな・・・どうも経営が上手く行って無いそうなんだ」
霧雨大和「えぇ!!?」
舞園貴理子「奈津菜、何か有ったの?」
霧原奈津菜「私が聞いた限りで話します。確か霧雨は、古屋の他にもう一人、教育を担当してた新入りが居たな?」
霧雨大和「はい、そいつの名前は海道礼司です」
舞園貴理子「海道礼司?確か、私達のトップの海道社長の?」
霧原奈津菜「はい。私も海道社長にお子さんが居ると聞いてますが、彼は霧雨達が居なく成ってからまともに仕事をして無いとか」
霧原奈津菜「此処の所ズル休みや遅刻を幾度と無く繰り返してます」
霧雨大和「マジかよ・・・あいつ俺が居なく成って何も変わって無いのか・・・」
霧原奈津菜「霧雨、確かお前の左遷理由って」
霧雨大和「はい、海道へのパワハラと女性社員に対するセクハラです」
霧原奈津菜「支社長、私は彼等が来てずっと仕事ぶりや対人関係を見てましたが、霧雨がパワハラやセクハラをする様にはとても見えません」
舞園貴理子「やっぱ奈津菜も気付いてた?多分この部署に居る全員がそう思ってるわ」
霧雨大和「皆さん・・・」
舞園貴理子「でもこう言うのはじっくりやって行くのが良いわ。行き成り強引な事したら自分達が不利よ。どんな些細な事でも良いから、」
舞園貴理子「何か有ったら私に言ってね」
霧原奈津菜「分かりました。私もそろそろ戻ります」
霧雨大和「支社長・・・俺・・・」
舞園貴理子「な〜に湿気た顔してるの!部下を守るのも上官の役目でしょ!」
霧雨大和「そうですが、こう言う時、どうしたら良いか分からなくて」
舞園貴理子「霧雨君、世の中には因果応報って言葉も有るわ。自分のやった悪い事は何時か自分に返って来る。でも、良い事をしてれば」
舞園貴理子「良い事が返って来る。何事も経験だし、何でもやって見るのが大切よ」
霧雨大和「支社長・・・」
舞園貴理子「さ!何時までもウジウジして無いで、私達も仕事に戻りましょう!」
霧雨大和「・・・はい!」
  最近仕事に慣れて自分が事実無根の罪で左遷させられた事を忘れかけていたが、此処に居る人達は皆自分の味方だと
  再認識出来た。今は成ってもいない事に現を抜かしても仕方が無いので、俺も仕事に戻る事にした。
舞園貴理子「後、デートするならプランは確りと考えて置きなさいね!霞ちゃん泣かせたらクビにするわよ!」
霧雨大和「あぁ!!分かりました!!」

〇オフィスのフロア
  一方、俺と古屋が居た子会社では。
部長「海道君!病院に行くなら我々に一声掛けてくれたらどうだ!?本当に病院に行ったら、医者から診断書を貰って提出する事が」
部長「義務付けられてるんだ!」
海道礼司「あぁ、そうなんですね・・・全然知りませんでした」
男性社員「海道君、もう勘弁してくれないか?こっちにだって仕事が有るんだ。好き勝手にサボって貰うとやりたい事も出来ないし」
海道礼司「僕を誰だと思ってるんです?僕のパパは夏目カンパニーの海道社長。そして僕は一流大学卒のエリート。社長の息子で在る僕が」
海道礼司「此処に居るだけでこのショボい会社は華やいてるんですよ。そう言う意味では、僕は部長や先輩より会社に貢献してるんですよ」
部長「し、しかしだね海道君。此処に居るからには、此処のルールに従い、皆との協調性をだな・・・」
海道礼司「僕がパパに一声掛ければ、こんなショボい会社直ぐに潰せますよ?それとも何か?僕に楯突くって事はパパに楯突くって事に」
海道礼司「成りますよ?」
海道礼司「そしたら部長達、クビだけじゃすまないでしょうね!あはは!!」
男性社員「海道、人が下手に回ってれば良い気に成りやがって・・・!!」
海道礼司「あれ?先輩もしかしてクビに成りたいんですか?」
男性社員「ぐ・・・!!」
海道礼司「そんなにクビに成りたいなら、パパに言って置きますよ」
男性社員「分かった!お前はそのままで良い!」
海道礼司「そうで無くっちゃ!じゃ、これからも貢献頑張って下さいね。そもそも経営が上手く行かないのは、貴方達が無能だからですよ」
海道礼司「僕の彼女待ってますんで、それじゃ!」
男性社員「部長、俺もうあいつと一緒に仕事するのが苦にしか成りません・・・」
部長「気持ちは分かる!だが、相手が海道社長のご子息と成っては・・・」
男性社員「マジですか・・・権力者って怖ぇ・・・」

次のエピソード:5 後輩とショッピング

コメント

  • 元職場が完全に地獄とかしてる・・・
    霧雨という重要なパーツを外したことにより、すべて崩壊しつつある感じですね・・・
    霧雨に付いてきた霞は霧雨と一緒に居たいというものからでしたが、大正解の行動なのは明らかですね・・・
    しかも現職場の雰囲気は二人とも最高に適応した環境ですしね・・・
    天国と地獄の切り替わりが面白いですね!
    どうなっていくのか楽しみですね

成分キーワード

ページTOPへ