星売りのメテオシスター

オカリ

14.落ちた天秤(脚本)

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〇研究所の中
  2017.11.10
  20:00
  東能大学、骨考古学研究室にて
妙高新太「目ぼしい情報はなし・・っと」
妙高新太「粟島研究員が頼った唯一の同期 ・・・魚沼ひかり准教授」
妙高新太「重要事項を隠していると見て ようやく潜り込めたが───」
妙高新太「当てが外れたかな わざわざ本国から解析ツールを・・」
妙高新太「うん? このフォルダは──」
妙高新太「人の腕? ミイラか何かか?」
妙高新太「魚沼女史は骨考古学の専門家 あってもおかしくはないが・・」
妙高新太「お、もう一枚あるぞ? コッチは・・」
妙高新太「・・・・・・・・・」
妙高新太「粟島が魚沼に頼った理由」
妙高新太「イレギュラー発生の可能性──」
妙高新太「まさか、コレか?」
妙高新太「門外漢には難しいな まずはウィラメット先生へ報告だ」
妙高新太「今は・・8時過ぎか オークションも佳境・・」
妙高新太「・・嫌な予感がする ちょ〜っと、急ぐか」
  第14話
  落ちた天秤

〇お台場
  2017.11.10
  17:00
  ──TNテレビ──

〇撮影スタジオのセット
  オークション配信開始より
  2時間前
カメラマン「トキ子さん! Vチェックお願いします!」
佐渡トキ子「はいは〜い!」
佐渡トキ子「・・・ん、オッケーです 特に直しもありません」
カメラマン「うっス 本番用に上げときますね」
「佐渡さ〜ん! コレ舞台用っすか〜?」
佐渡トキ子「そうで〜す! TNホールまでお願いしま〜す!」
佐渡トキ子「・・・この本番前の緊張 不安と期待が交錯する感覚」
佐渡トキ子「好きだけど、疲れるわね」
佐渡トキ子「マツリちゃんは大丈夫かしら?」
佐渡トキ子「すみませ〜ん! ゲストの様子見て来ますね〜!」
「了解で〜す!」

〇オフィスの廊下
佐渡トキ子「マツリちゃん!」
佐渡トキ子「体調はいかがですか? 本番まで2時間もありますし」
佐渡トキ子「控え室まで一緒に行き・・」
佐渡トキ子「・・・不安ですか?」
長岡茉莉「・・・・・・はい」
長岡茉莉「わかっては、いるんです きっと3億には届かない」
長岡茉莉「だから募金に繋ぐよう クラファンも整備しました」
佐渡トキ子「落札終了と同時に展開しますからね 抜かりはありませんよ」
佐渡トキ子「それとも罪悪感ですか? 妹さんへの同情・・」
佐渡トキ子「ハナビちゃんを見せ物にして 治療費を稼ぐのがイヤになったとか」
長岡茉莉「いえ、そこではなく ・・手段より結果なので」
長岡茉莉「不安はただ一点です どこまで3億に近づけるか」
長岡茉莉「落札で5千万は超えて欲しいと 思ってて・・」
佐渡トキ子「あら、ずいぶん低い見積もりですね」
佐渡トキ子「トキ子的には、そうですね・・・」
佐渡トキ子「1億はイケると踏んでますよ?」
長岡茉莉「ホントですかっ!?」
佐渡トキ子「良〜い入札者、揃えましたから!」

〇オタクの部屋
  まずは地元日本より参戦!
  隕石欲しけりゃ地の果てまで!
  ほうぼう集めて30年!
  自宅はもはや博物館!!
  隕石コレクター、まさおッ!!!!
コレクターまさお「死ぬ時はコレクションに埋もれて 死にてぇわ!」

〇中東の街
  中東より来たお金持ち!
  街を治める権力者!!
  孫の土産に丁度いい!
  オイルマネーで引っ叩く!!
  大富豪プシ・ブラムッ!!!!
大富豪プシ・ブラム「أنا حقا أريد نيزك. سألتزم به.」

〇役所のオフィス
  救った田舎は数知れず!
  地域活性の着火剤!!
  元気欲しけりゃ俺を呼べ!
  地方再生のスペシャリスト!!
  町おこし請負人、ヨブスケッ!!!!
町おこし請負人ヨブスケ「狙いは隕石よりクレーターです 観光名所、作りますよ!」

〇祈祷場
  コレクター?蒐集家?
  不遜な輩は直ちに失せよ!
  天より遣わされた御神体!
  我が教団に恢復せり!!
  気鋭の新興宗教
  聖籠教(せいろうきょう)!!!!
聖籠教・教祖「奉迎の時だ、聖なる籠は我が側に──」

〇オフィスの廊下
佐渡トキ子「他には──ッ!!」
長岡茉莉「も、もう大丈夫です! ありがとうございますっ!!」
佐渡トキ子「え〜? まだいるのに・・」
佐渡トキ子「バリキャリ極致、モンデュー社長 北米のトップオタ、Mr.ウィルソン お忍び来日、ハ・コビーヤお嬢様・・」
佐渡トキ子「入札者の特集だけでもう一本 作れそうな顔ぶれで・・」
長岡茉莉「そうなんですね・・」
長岡茉莉「それだけ色んな所に 声、かけてくれたんだ・・」
長岡茉莉「トキ子さん」
長岡茉莉「いやっ!トキ姐さんッ!!」
長岡茉莉「・・・絶対に成功させましょうね」
佐渡トキ子「当然ですよ、マツリちゃん!」

〇コンサート会場
  2017.11.10
  19:00
  「逆転Bidder!」
  配信開始

〇ホールの舞台袖
長岡茉莉「すごい! ホントに沢山いるっ!」
長岡茉莉「これだけ注目度があれば トキ姐さんの言った通り──・・」

〇コンサート会場

〇ホールの舞台袖
長岡茉莉「さすがプロ すっごいスムーズに進行してる」
長岡茉莉「どうしよ 緊張してきた・・かも?」
長岡茉莉「えぇっと、確か──・・」

〇オフィスの廊下
佐渡トキ子「最初の45分はぶっちゃけ前座です」
佐渡トキ子「コンセプトが「一発逆転」なので・・ 入札者同様、出品者も集めました」
佐渡トキ子「借金まみれの元社長や 没落旧華族に、潰れかけの骨董屋・・」
佐渡トキ子「人生ギリギリの皆さんです きっと場を温めてくれますよ♪」
佐渡トキ子「そして、ソレが終わったら──」

〇ホールの舞台袖
アシスタントディレクター(AD)「長岡茉莉さん 準備の方、お願いしま〜す!」
長岡茉莉「はぃい!」
長岡茉莉「もう45分経ったの!? じゃあ次は・・」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「では続きまして──・・」
佐渡トキ子「隕石少女のご登壇です!」
佐渡トキ子「長岡茉莉さん! どうぞステージの中央まで!!」
長岡茉莉「ながおかまちゅっ・・りです! よろしくお願いします!」
長岡茉莉「かんじゃった──!?」
佐渡トキ子「緊張されてます?」
長岡茉莉「そうですね、ハイ 大勢の前に出るの初めてで・・」
佐渡トキ子「今回は何を出品されますか?」
長岡茉莉「先月、自宅に落ちた隕石と その土地・・クレーターです!」
佐渡トキ子「自宅に隕石がッ!!? それは大変でしたね!!」
佐渡トキ子「・・と驚いてみましたが 実は当時、佐渡も現場におりまして」
佐渡トキ子「当時の映像がございます! メインスクリーンをご覧ください!!」

〇ホールの舞台袖
  ・・・
  で、決めました
  これ売りまーす
粟島研究員「そうだったそうだった マツリさん言ってたな」
粟島研究員「目標3億だなんてぶち上げて・・ 隕石少女がトレンド入ったり」
粟島研究員「アレから1カ月くらいか 随分と前に感じる・・・ん?」

〇コンサートホールの全景

〇ホールの舞台袖
粟島研究員「ゲェッ糸魚川先生!!? あの人も来てたのか!!!」
粟島研究員「しかも観客じゃなくて アレ入札者っぽいな・・」
粟島研究員「気まずいどころじゃねぇ! 見つかる前に奥に引っ込もう」

〇コンサートホールの全景
町おこし請負人ヨブスケ「いよいよか 長い茶番だったな」
町おこし請負人ヨブスケ「入札は「お手元のタブレット」と 司会は言っていたが・・」
町おこし請負人ヨブスケ「コイツか! 私の番号は・・」
町おこし請負人ヨブスケ「42番だな!」
???「おや、クレーター狙いですか」
コレクターまさお「さすがビジネスマンは 装いも違いますなぁ」
町おこし請負人ヨブスケ「そう言う貴方は違うのですか?」
コレクターまさお「ワシはただの趣味人ですよ! 隕石もあわよくば狙いで」
コレクターまさお「ちなみに番号は7番 ラッキーセブンですわ」
町おこし請負人ヨブスケ「入札番号までご紹介頂けるとは!」
町おこし請負人ヨブスケ「ですがすみません 私は控えさせて頂きます」
町おこし請負人ヨブスケ「仰る通り仕事ですので 特定されてはたまりません」
コレクターまさお「ハッハッハ、こりゃ失礼を!」
糸魚川教授「・・・・俗物どもが」
糸魚川教授「あんな連中に奪われてはならん」
糸魚川教授「価値も分からぬ愚図が集まりよって」
糸魚川教授「何としても今一度・・」
ル・モンデュー社長「五月蝿いわねぇブツブツと」
ル・モンデュー社長「目の色は燻んだセメント 根腐れした性根をお持ちね!」
糸魚川教授「な、なんだね!?無礼千万だな!!」
ル・モンデュー社長「シッシ! 大人しく隅に引っ込んでなさい」
ル・モンデュー社長「あの輝きは宙の結晶! ワタクシに相応しくてよ!」
ル・モンデュー社長「オヒョヒョヒョォ!」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「お手元の方、よろしいでしょうか!?」
佐渡トキ子「お懐の方も、よろしいでしょうか?」
佐渡トキ子「では、まず隕石少女より 出品されるのは・・」
佐渡トキ子「コチラです!」

〇源泉
  こちらの落下跡地!
  隕石少女の元実家!!
  クレーターを含めた
  土地の権利書です!!!!

〇コンサート会場
佐渡トキ子「スタート価格は・・茉莉さん!」
長岡茉莉「ハイッ!」
長岡茉莉「では、最初の希望価格は・・」
長岡茉莉「700万円からで、お願いしますっ!」
佐渡トキ子「でました、700万円!」
佐渡トキ子「ではメインスクリーンに 最初の価格を表示します・・」
  ¥7,000,000
佐渡トキ子「では700万円から! 入札スタートですッ!!!!」
佐渡トキ子「おぉっと!? 早速入札エフェクトが入ったぁ!!」
佐渡トキ子「42番、1千万円にアップです!」
  ¥10,000,000
佐渡トキ子「いきなり300万プラス! 42番の1千万円が入りました!」
佐渡トキ子「おっと85番! 1万プラスの1千1万円!」
  ¥10,010,000
佐渡トキ子「85番!細かく刻んできました! 1001万円ですッ!!」

〇コンサートホールの全景
  85番のハ・コビーヤ嬢⇧
佐渡トキ子「お〜っと51番がアップ!」
  ¥15,000,000
佐渡トキ子「499万円増の1500万! 1500万円ですッ!」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「突き放しにかかりました、51番!! 1500万、1500万円です!!!!」
  ¥17,000,000
佐渡トキ子「早いッ!42番すぐ返しました!!」
佐渡トキ子「200万アップの1700万円! 1千と700万円です!!」
佐渡トキ子「さぁこれに対抗するのは──・・」

〇諜報機関
TNテレビ「来ましたッ! 16番が入札ッ!!」
TNテレビ「300万増の2000! 2千万円に乗りましたッ!!」
ウィラメット「・・・日本の放送は騒がしいですね」
長官「例の隕石か?」
ウィラメット「ええ、今はクレーターの競売ですが」
ウィラメット「隕石はこの後に出されるようです ピークスキルさんと代理人を送りました」
ウィラメット「長官はなぜコチラに?」
長官「例のクラッキング騒ぎだ」
長官「ログに偽装痕跡があった 敵国に漏れた可能性がある」
ウィラメット「ほほぅ、その情報とは?」
長官「まだ特定できていないが・・ 幸か不幸か末端で済んだらしい」
長官「ハワイの天文台だそうだ」
ウィラメット「天文台────?」
長官「お?落札されそうだぞ?」

〇コンサートホールの全景
佐渡トキ子「出たぁッ! 33番、3000万円ッ!!」
  ¥30,000,000
佐渡トキ子「500万アップの3千万円! 3000万円ですッ!!」
町おこし請負人ヨブスケ「ぐっ──・・」
町おこし請負人ヨブスケ「オレの双肩には町の命運が かかってるんだ!」
町おこし請負人ヨブスケ「負けんッ!負けんぞッ!!」
町おこし請負人ヨブスケ「ぐぅぅぅうおおあああっ!!!!!!」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「さぁ3000万円、3000万円です! 他いかがでしょうか・・」
佐渡トキ子「入りましたッ! またしても42番ッ!!」
  ¥37,000,000
佐渡トキ子「700万プラス!700万プラスの 3700万円が来ましたッ!!!!」
佐渡トキ子「これは決まったか────ッ!?」

〇コンサートホールの全景

〇コンサート会場
佐渡トキ子「お〜めでとうございますっ!!」
佐渡トキ子「入札者番号42番! 隕石落下跡のクレーター!!」
佐渡トキ子「みごと、3700万円で落札ですッ!!!」
佐渡トキ子「では42番のかた! どうぞ壇上までいらっしゃって下さい!」
佐渡トキ子「いや〜スタートの700万から 3000増の3700万円!」
佐渡トキ子「茉莉さん、いかがですか?」
長岡茉莉「ありがたいですね! こんな高額で落札して頂き・・」
長岡茉莉「住み慣れた場所なので少し 寂しいですが・・とても嬉しいです!」
佐渡トキ子「では壇上に・・上がって頂きましょう!」
佐渡トキ子「見事、クレーターを落札した 入札番号42番の方です!!」
佐渡トキ子「差し支えなければお名前を 伺ってもよろしいでしょうか?」
町おこし請負人ヨブスケ「勿論です! 私は町おこし専門の──・・」

〇放送室
  ──TNテレビ・主調整室──
柏崎ディレクター「次!次のV用意して!」
カメラマン「柏崎さん、俺もヘルプで ステージ入ります!」
柏崎ディレクター「わかったわかった! はやく行っちゃって!」
柏崎ディレクター「あ〜あ、ボクすっかり トキ子ちゃんのパシリじゃん・・」
柏崎ディレクター「企画通ったからって図に乗っちゃって・・」
「柏崎さん! 42番の方、まだ喋ってます!」
柏崎ディレクター「照明落として催促! 次が本チャンなんだから!」
「わかりました!」

〇コンサート会場
町おこし請負人ヨブスケ「学術的価値が非常に高いとして 一般開放し────」
町おこし請負人ヨブスケ「理科ばなれと呼ばれて久しい 教育現場の課題も解消───」
町おこし請負人ヨブスケ「もちろん地域の憩いの場としても 環境整備にとりくみ───」
町おこし請負人ヨブスケ「────! ──────!! ──────────!!!」
佐渡トキ子「ダメだこの人! マイク手放さないタイプ!」
佐渡トキ子「時間押してるし、多少強引だけど・・」
町おこし請負人ヨブスケ「以上から私は──!」
佐渡トキ子「はーい!ヨブスケさん ありがとうございましたー!!」
佐渡トキ子「どうぞ席までお戻りくださーい!」
町おこし請負人ヨブスケ「いや、私は・・」
カメラマン「42番さん戻りま〜す! 道の方すみませ〜ん!」
佐渡トキ子「・・・・・・っさあ! 続いて参りましょうか!」
佐渡トキ子「いよいよ隕石の登場です こちらをご覧ください!!」
佐渡トキ子「・・・・・・出ましたね! えもいえない色をしています!」
佐渡トキ子「こちら、専門家の分析によると・・」
佐渡トキ子「なんとこの地球より古い 50億年以上前の石と分かりました!」

〇ホールの舞台袖
粟島研究員「ホントは100億年オーバーだけど」
粟島研究員「あの結果は流石におかしいしな ま、50億年“以上”なら嘘じゃない」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「このように、専門家から見ても 非常に珍しく美しい隕石!」
佐渡トキ子「オークションに入る前に、いま一度 隕石について振り返りましょう」
佐渡トキ子「メインスクリーンをご覧ください!」

〇コンサートホールの全景
ウィラメット代理人「また映像ですかね? テンポバッドですね」
ピークスキル「テンポバッドに文句シャウト! ファッキンシットだソッポ向く!」
ピークスキル「HAHAHA! 広い心が大事だゼ!」
ウィラメット代理人「ウィラメットの頼みですから 仕事は果たしますけどね」
ウィラメット代理人「連絡は取れてるんですかね?」
ピークスキル「会話は常に繋げてるゼ! 遠隔指示もお茶のコサイ!」
ウィラメット代理人「よろしいですね さっさと終わらせますね」
聖籠教・教祖「・・・・・・・・・」
聖籠教・信徒「聖籠さま、こちら御浄財です」
聖籠教・信徒「御神体をお迎えできること・・ 信徒一同、歓喜に打ち震えており」
聖籠教・教祖「アレこそは聖なる籠 約束の噐(ウツワ)なり」
聖籠教・教祖「天地開闢の原初なれば 今日この日こそ甦生の時───!」
聖籠教・信徒「あぁ聖籠教!あぁ聖籠教! 聖なる籠は、我らを運ぶッ!!!」
コレクターまさお「う〜わ、カルトおんのかい」
コレクターまさお「アレに持ってかれんのは さすがに癪やな・・」
コレクターまさお「・・・・・・よっしゃ!」
コレクターまさお「あ〜ワシやワシ! まさお!隕石集めマンの!」
コレクターまさお「今回けったいなヤツ多くてな 融資、いくらまでイケる?」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「ご覧の皆さま そして入札者の皆さま」
佐渡トキ子「本日最後、そして最大の 出品となります・・」
佐渡トキ子「お手元の準備、そして お懐の方もよろしいでしょうか!?」
佐渡トキ子「・・・・・よろしいようです!」
佐渡トキ子「では、マツリちゃん!」
佐渡トキ子「っと失礼しました・・ 長岡茉莉さん!」
長岡茉莉「はいっ!」
長岡茉莉「マツリちゃんでも良いですよ?」
佐渡トキ子「あら、ありがとうございます・・」
佐渡トキ子「それではマツリちゃん! スタート価格の発表をお願いします!!」
長岡茉莉「そうですね 最初のお値段は・・」
長岡茉莉「1千万円からでお願いしますッ!!!」
佐渡トキ子「1000万円! 初手から乗せていきました!!」
佐渡トキ子「メインスクリーンをご覧ください!」
  ¥10,000,000
佐渡トキ子「ゼロが7個並んだ1000万円! 果たして増えるのでしょうか!?」
佐渡トキ子「では、Bidderたちの ラストディール・・」
佐渡トキ子「隕石少女の隕石! 入札開始ですッ!!」
佐渡トキ子「おぉっと〜!!? 入り乱れる入札エフェクトッ!!」
佐渡トキ子「111番1200万円、33番は1500万円 16番が1600万円と来て・・」
佐渡トキ子「来ました7番! いきなり倍の2000万円ですッ!!」
  ¥20,000,000
  ¥22,000,000
佐渡トキ子「16番すぐ返したッ! 200万円増の2200万円ですッ!!」

〇コンサートホールの全景
コレクターまさお「16番ってどこのドイツや!? ワシの一発すぐに被せよって・・」
聖籠教・信徒「おぉ聖籠教!おぉ聖籠教!」
聖籠教・信徒「奉迎の時よ! 我らが側にお迎えします!!」
コレクターまさお「16番ってあのカルトかい!」
コレクターまさお「負けへんで、もう一発ドンや!」

〇コンサート会場
  ¥28,000,000
佐渡トキ子「7番が600万プラス! 2800万入りましたッ!!」
佐渡トキ子「喰らいつきます7番! 入札ペースに執念がにじ・・」
  ¥30,000,000
佐渡トキ子「16番が即返すぅ〜〜ッ!!? 200増の3000万円です!!!」
佐渡トキ子「コレは7番と16番のタイマンに なりそうだ〜〜!!!」
佐渡トキ子「おぉっと、待ったをかける69番!」
  ¥37,000,000
佐渡トキ子「700加えて3700万円ッ! クレーターの落札額に並びましたぁ!」
佐渡トキ子「場内から湧き上がる拍手! 石が土地を超えた驚きからか!」
佐渡トキ子「マツリちゃんに伺います 今のお気持ちは?」
長岡茉莉「とっても嬉しいです!」
佐渡トキ子「そうですね、コレは大台も見えそうな・・」
  ¥40,000,000
佐渡トキ子「とか喋ってる間に300万プラス!」
佐渡トキ子「勢い留まらず!33番入れました! 現在価格は4000万円です!」

〇コンサートホールの全景
ル・モンデュー社長「オヒョヒョヒョホォ! 半端な数字は美しくありません!」
ル・モンデュー社長「キリよい数字で会計スッキリよぉ!」
大富豪プシ・ブラム「لن أخسر. المزيد من الاستثمار.」

〇コンサート会場
  ¥49,000,000
佐渡トキ子「一気に900万上乗せッ!? 4900万円、4900万円です!!!」
佐渡トキ子「69番、見せつけてきました! コレは決まったか──!?」
  ¥50,000,000
佐渡トキ子「そうは問屋が卸しません! 33番すかさず返す!!」
佐渡トキ子「100万プラスの5千万! 5000万円に到達しましたッ!!」
長岡茉莉「────すごい!」
長岡茉莉「お願い、このままで・・ この勢いのまま、一気に────ッ!!!」
佐渡トキ子「さ〜あ5千万!5千万ですッ! これを超えられるか〜っ!?」
佐渡トキ子「16番、16番です! 帰って来ました16番ッ!!!」
  ¥55,550,000
佐渡トキ子「おっと・・何か意思を感じる入札! 555万円上乗せしました」
佐渡トキ子「現在五千五百五十五、5555万円ですっ! 5が多い入札だぁ〜ッ!!」
「おぉ聖籠教!おぉ聖籠教!」
「聖なる籠は、我らが側に!!!」
佐渡トキ子「入札と無関係な声援は お控えくださ〜い!」
佐渡トキ子「とはいえ、アツくなるのも仕方ない! 思わず叫ぶデッドヒート!!」
佐渡トキ子「さぁ5555万円を超えるのは──!」
佐渡トキ子「やはり居ました! 33番、33番です!!」
佐渡トキ子「その入札額は〜〜?」
  ¥63,000,000
佐渡トキ子「745万円プラスの6300! 6300万円です!!!」
佐渡トキ子「おっと、しかもですね・・」
佐渡トキ子「クレーターの落札額と合わせれば ちょうど1億、1億円です!!」
佐渡トキ子「長岡茉莉さん、クレーターと隕石で 総額1億円に届きました〜!」

〇コンサートホールの全景
ウィラメット代理人「ふぅむ、6300万円と」
ウィラメット代理人「動きが鈍いですね これなら大丈夫そうですね」
ピークスキル「Mr.ウィルソン! 動くのかイ!?」
ウィラメット代理人「そうですね テンポグッドに終わらせますね」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「いったいどこまで上がるのかっ! ここに来て新顔が入った!!」
佐渡トキ子「51番、51番です! その入札は・・」
佐渡トキ子「入札は・・・!?」
  ¥75,000,000
佐渡トキ子「1200万プラスの7500! 7500万円で勝負をかけたぁ!!︎」
佐渡トキ子「さぁこれに対抗は・・」
  ¥76,000,000
佐渡トキ子「100万プラスの7600万円! 33番返していくが・・」
佐渡トキ子「やはり来た51番! 息つく間もなく詰めていくっ!!」
佐渡トキ子「その入札額は・・」
  ¥90,000,000
佐渡トキ子「なんと1400万増の9千万! 9000万円だぁ〜〜!」

〇コンサートホールの全景
ル・モンデュー社長「あらぁ!そこまで出しちゃうのぉ!?」
ル・モンデュー社長「やるわねぇ51番 ワタクシはもう結構」
ル・モンデュー社長「エキサイトな時間だったわぁ!」
聖籠教・教祖「・・・・・・・・・」
聖籠教・信徒「聖籠さま!我らはまだ行けますッ!」
聖籠教・信徒「たかだか9千万、まだ──・・」
聖籠教・教祖「御神体は、我らが内に」
聖籠教・教祖「見極めたぞ天玉よっ! アレなるは抜け殻、もはや用無し!」
聖籠教・信徒「聖籠さまぁ!!?」
コレクターまさお「お、カルトども諦めよった ならええわ」
コレクターまさお「というかワシ、全然足らんやん! 序盤で力尽きたわ!」
ウィラメット代理人「場が凪いだ瞬間に叩き込む ご覧の通りですね」
ウィラメット代理人「こんな端金で済むとは・・ 運が向いたようですね」
ピークスキル「ラッキーガイのおかげだナ! HAHAHA!」

〇コンサート会場
佐渡トキ子「9000万、9000万ですが・・」
佐渡トキ子「他にもう、いませんね?」
佐渡トキ子「ではっ!隕石少女の隕石は 9千万円でらくさ──」
  $100,000,000
佐渡トキ子「うぁっぶなっ!!? ギリ待ったが入りましたっ!!!」
佐渡トキ子「早とちりで終わらすとこでしたよ! しかしついに来ましたね・・」
佐渡トキ子「ついに大台!大台です! 入札番号85番!」
佐渡トキ子「1千たして、ついに1億へ──・・」
佐渡トキ子「場内のどよめきが止みません! さすが1億、驚きが先に──・・」
佐渡トキ子「・・ん?あれ? なにか違和感が・・」
長岡茉莉「と、トキ子さん・・」
佐渡トキ子「あ、マツリちゃん まだ競売途中だから」
長岡茉莉「・・あれ、1億円じゃありません」
佐渡トキ子「なに言ってるの? さすがに見間違えませんよ」
佐渡トキ子「ゼロが7個で1千万 ゼロが8個で1億円!」
佐渡トキ子「ほら、スクリーンに映るのは──」

〇黒背景
  $100,000,000

〇コンサート会場
佐渡トキ子「──────え?」
佐渡トキ子「円じゃ、なくて・・」
佐渡トキ子「いち、おく──────」
佐渡トキ子「ドル?」

〇コンサートホールの全景

〇田舎の病院の廊下
  同時刻
  ──東能大学附属病院──

〇田舎の病院の病室
長岡花陽「ん〜・・誰ぇ〜?」
長岡花陽「ちょうねむい感じなのに〜!」
???「ハッハッハ、夜分に失礼するよ」
長岡花陽「オジさん、だれ?」
???「おや?怖がらせたかな 慕われ易い顔だと自負しているが」
???「仕事に支障はないから良しとして・・ まず、自己紹介しようか」
隕石ハンター「私はハンター 隕石ハンターだ」
隕石ハンター「座右の銘は、そうだな・・」
隕石ハンター「先ずその愛する所を奪わば 即ち聴かん」
隕石ハンター「孫子の言葉だよ」

コメント

  • ついに来た、隕石ハンター!
    そして一億ドル!今回の盛り上がりは素晴らしかったですね。ここでドル…!全くの予想外でした。他陣営の動きも気になりますね!

  • 総集編から最新話まで一気読みさせて頂きました。主人公の周りは腹黒い連中ばかりと思いきや、ひと癖ありながらも味方につく展開、熱かったです^^
    オークションでは、存在忘れるほど静観していた隕石ハンターが動き出すのはしびれました。落札されると、茉莉サイドと隕石追う者たちとは無関係に話が進みそうではありますが、謎の腕の正体も明かされてないんですもんね・・・どう絡みあってくるのか、楽しみにしています!

  • オークションによる駆け引きにこちらまでドキドキ!最後に後押しの一撃に参りました😅そりゃみんな絶句しますよー!

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