心アドベンチャー

夏目心 KOKORONATSUME

10 レナとの約束(脚本)

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〇教室
  朝方。ハーキンを倒した後、俺は彩花を落ち着かせて家に送り返した。立て続けにメッセージ性の強い展開に当てられ、
  最初の頃よりもダメージを感じでいた。ゲームは楽しむからこそゲームなのだが、何だかこのゲームは他とは大分違っていた。
  そんな俺達はと言うと。
久我誠一「本当に大丈夫か?もう少し休んでも良かったと思うが」
小泉彩花「誠一のお陰でもう大丈夫。家に居ても暇なだけだし」
久我誠一「そうか・・・でも何か有ったら言ってくれよ。成ってからじゃ遅いから」
小泉彩花「有難う。終わったらまたゲームやろうね」
渡辺一樹「二人共お早う。その後どんな感じ?」
小泉彩花「お早う渡辺君。三人目倒したよ」
渡辺一樹「そうなんだ!僕はいよいよハデス戦だよ!」
久我誠一「もう今更驚かないよ。そう言えば、渡辺は最初の頃に武器何選んだんだ?今まで気にした事無かったけど」
渡辺一樹「僕の武器?僕は剣や槍。近接戦武器だよ」
小泉彩花「使って見てどんな感じだった?」
渡辺一樹「近接戦武器は他の二種と違って消費アイテムを使う必要は無いけど、使い続けると壊れてステータスが貧弱に成るんだよね」
渡辺一樹「まぁショップに行けば直せるけど」
久我誠一「そうか。本当色んな人を虜にしてるんだな・・・」
渡辺一樹「所で久我。ステージ3を攻略してどうだった?やっぱ悪党は倒してナンボだったでしょ!?」
久我誠一「まぁ、そうだったな・・・」
渡辺一樹「そうそう!やっぱこう言うのは楽しまなきゃ!さて、授業始まるから僕は行くよ。ハデス戦楽しみだなぁ!」
小泉彩花「誠一。渡辺君に対して適当に答えた様に見えたけど、あんな事して良かったの?」
久我誠一「渡辺の事は今の俺には問題じゃ無い。ハデスを倒せば結城雁之助の真意が嫌でも分かる。レナの事だって有るし、」
久我誠一「言いたい奴には言わせて置けば良い」
小泉彩花「そっか・・・」
久我誠一「さて、授業始まるから行こうか」
小泉彩花「うん!」
  何時もの様に授業に勤しみ、俺達はまたゲームをプレイするのだった。

〇荒廃した市街地
  学校の課題を終わらせ、俺達がログインした先に見えた光景は、ロボットを手にして暴れまわる自警団と、
  ならず者達が暴れて壊した街だった。
久我誠一「分かっては居たけど、まだ争ってるんだな」
小泉彩花「ハーキンの言う通り、人って傷つけ合うのが大好きなんだね。何だか悲しいよ」
久我誠一「あぁ、でも今俺達がどうこうしても結果は知れてる。多分レベル上げでまた来るかもだけど、もうこの街を出よう」
小泉彩花「そうだね」
  鳴り響く銃声や爆音に背を向けながら、俺達はステージ4の街へ向かう事にした。

〇海沿いの街
小泉彩花「おぉ!海だぁ!!」
久我誠一「ゲーム世界とは言え、こう言うの久し振りだな」
小泉彩花「折角だから泳ぎに行きたいけど、ストーリークエストどんな感じ?」
久我誠一「あぁ、少し待って」
久我誠一「内容は・・・街で船を買うだって。必要レベルは31だ」
小泉彩花「て事は、自分達で船を動かすんだね。何だか楽しみだよ」
久我誠一「必要レベルの事も有るし、先ずはレベル上げてからだな」
小泉彩花「そうだね・・・人型MPCの相手はしない方で行きたいな・・・」
久我誠一「先ずは街で体制を整えてからにしよう。レベル上げはそれから」
小泉彩花「分かった!」
  ストーリークエストの内容を確認した後、準備をする為に街に行くのだった。

〇ヨーロッパの街並み
久我誠一「良し、大体こんな所か」
小泉彩花「早くレベル上げて海見よう!」
久我誠一「だな!」
久我誠一「セナ」
セナ「一定の進行を確認しましたので、イベントムービーに新規が追加されました。閲覧されますか?」
小泉彩花「あ、是非!」
セナ「分かりました!それではご覧下さい!」

〇海辺
レナ・グレイシア「・・・・・・」
レナ・グレイシア「酷い・・・此処まで海が汚されてるだなんて・・・見てなさい人間共・・・この恨みは倍にして返して上げる!」
小泉彩花「え?こんなに綺麗に見えるのに、海が汚れてる?」
久我誠一「この分だと、レナが俺達に伝えるのは海に関係する事か」
セナ「イベントムービーは此処までと成ります。セーブして先へ進みますか?それとも終了して切り上げますか?」
小泉彩花「誠一、まだ時間有るよね」
久我誠一「あぁ、まだ大丈夫だから、レベル上げよう」
小泉彩花「だね。セナちゃん、セーブしたら続けるよ」
セナ「分かりました!引き続きゲームをお楽しみ下さい!」
  砂浜を一人で歩いていたレナの言動が気に成りながらも、俺達はストーリークエストに備えてレベルを上げに行くのだった。

〇ヨーロッパの街並み
  街の外でモンスターを討伐して、何とかレベル31に到達した俺達は、街で船の金額を見ていた。
小泉彩花「一番安くて二人以上乗れるタイプでこれかぁ」
久我誠一「まぁ仕方無いよ。大体長く使う物って決って高いし。ゲーム世界の金だからまた貯め直せば良いし」
小泉彩花「そうだよね!それじゃあこれ買おうか!」
  俺達は船を買って、漸くストーリークエストに挑める様に成った。
久我誠一「良し、ストーリークエストが更新された!海辺から船を使ってハデスの城を目指すか」
小泉彩花「いよいよ終わりが見えて来たね!早く行こう!」
久我誠一「あぁ!」
  更新されたクエストに従い、俺達は海辺へと歩き出した。

〇海辺
久我誠一「この海の向こうにハデスの城が有るのか」
小泉彩花「いよいよだね。誠一、向こうに着いたら切り上げよう」
久我誠一「あぁ、それが一番丁度良い。それじゃあ出すぞ」
久我誠一「うわ!?」
小泉彩花「せ、誠一!?」
  突然何かが俺に向かって噛み付いて来た。周囲を見渡してたら、俺達はモンスターに囲まれていた。
アーマーシャーク「グルルル・・・」
小泉彩花「さ、鮫が二足歩行で歩いてる!?」
久我誠一「こいつ等、水陸両用型のモンスターだ。水の中に入られたら捕まえるのは難しいな」
小泉彩花「でも地面タイプとかじゃ無さそう。誠一、あたしに任せて!」
小泉彩花「所詮、水は雷には勝てないってね!」
久我誠一「奴等突然襲って来た。もしかして・・・」
レナ・グレイシア「やっぱり・・・この程度じゃ牽制にも成らないか」
小泉彩花「貴方は!!」
レナ・グレイシア「勇者達に会うのは初めてだったわね。私は暗黒四天王のレナ・グレイシア。水の精霊よ」
久我誠一「やっぱり此処で戦うか」
レナ・グレイシア「荘司に隼人にハーキンを、よくもやってくれたわね!これまでに飲まされた苦汁のお礼を今此処でして上げる!」
小泉彩花「良いわよ!貴方を倒して、絶対ハデスを倒して見せる!」
レナ・グレイシア「ハデス様を倒すですって?冗談も大概にしなさい!」
久我誠一「待て、一つ聞かせてくれないか?あんたはこの海が汚れてるって言ってたが、何が有ったんだ?」
レナ・グレイシア「・・・原因は自分達に有るのに、私にそれを聞くのって愚問じゃ無い?」
久我誠一「って事はやっぱり・・・」
レナ・グレイシア「そうよ。悪いのは常日頃から海を汚し続ける貴方達人間よ!陸の上の人間達が裕福を手にする過程で要らぬ毒を海に捨て続けた」
レナ・グレイシア「その所為でこの砂浜に有った鳴き砂が鳴らなく成った。それだけじゃ無い!海に生きる生物が貴方達に変えられた環境の所為で」
レナ・グレイシア「まともに生きられなく成った。捨てられたゴミも数え切れない。貴方達人間は、海を汚す諸悪の根源よ!!」
小泉彩花「そっか・・・レナはその事であたし達を怒ってて・・・」
レナ・グレイシア「私が居れば幾らでも海を綺麗に出来る。でもお前達が居る限り、海は何時まで経っても元に戻らない!だから私はハデス様に」
レナ・グレイシア「下ったの!覚悟しなさい。あの三人の無念と共に、海に沈めてやるわ!!」
小泉彩花「うわっ!!」
レナ・グレイシア「勇者とは言え所詮は人間。水の勢いには勝てないわね。勇者さえ倒せば後の仕事も楽に出来るわ」
レナ・グレイシア「何!?」
久我誠一「悪いけど、簡単にやられるつもりは無い」
レナ・グレイシア「く・・・伊達にあいつ等を倒した訳じゃ無いわね!」
久我誠一「ハデスに会う為にも、あんたに負けるつもりは無い!」
レナ・グレイシア「好きなだけほざいてなさい!貴方達を野放しにすれば、また私達の海が汚される!!」
久我誠一「うおぉぉ!!?」
レナ・グレイシア「これまで随分と手こずらしてくれたけど、貴方はハデス様が手を下すまでも無く此処で終わるわ。貴方達人間を滅ぼして、」
レナ・グレイシア「世界中の海を元に戻して見せるわ」
久我誠一「・・・此処までか・・・」
レナ・グレイシア「安心しなさい。楽に死なせて上げるわ」
レナ・グレイシア「あぁぁぁぁぁぁ!!!???」
小泉彩花「悪いけど、貴方の思い通りに成るつもりは何処にも無いわ」
レナ・グレイシア「お、お前・・・!?」
小泉彩花「御免ね誠一。立て直すのに時間掛けちゃって」
久我誠一「いや、大丈夫。助かったよ」
レナ・グレイシア「私を倒すの?止めを刺そうって言うの!?」
小泉彩花「貴方が人間を放置すれば海を汚すって思う様に、あたし達も貴方を放置したらハデスに会えないって思ってる」
小泉彩花「だからあたし達はレナ、貴方を倒すわ」
レナ・グレイシア「だったら・・・だったら約束しなさい。貴方達が汚した海を、貴方達の手で必ず綺麗にすると!私達暗黒四天王を倒した責任を、」
レナ・グレイシア「必ず取ると!!」
久我誠一「レナ、貴方の気持ちは受け取った。彩花、頼む」
小泉彩花「任せて!」
レナ・グレイシア「ハデス様・・・皆・・・御免なさい・・・!!」
小泉彩花「誠一、ハデスの目的ってやっぱり・・・」
久我誠一「間違い無い。人類を滅ぼして、温暖化を止める事だ」
小泉彩花「あたし達、本当にこのまま進んで良いのかな・・・暗黒四天王もハデスも、悪い奴じゃ無いんじゃ・・・」
久我誠一「間違い無い。でも、俺はハデスに会うよ。今更後戻りしたら、何処かで絶対後悔する」
小泉彩花「そっか・・・そうだよね・・・!ウジウジしてる場合じゃ無いよね!」
久我誠一「あぁ、だから行こう。ハデスを倒して、結城雁之助の真意を受け止めに行こう!」
小泉彩花「うん・・・あたし達ならやれる!」
  俺達は遂に暗黒四天王を全員倒した。俺達は街で手に入れた船を使い、ハデスの拠点を目指すのだった。

次のエピソード:11 異変と決意

コメント

  • 環境問題の解決を魔法軍の目的にするとはすごいですね・・・
    四天王を全員を撃破で遂に魔王の前へ・・・
    魔王は何を語るのか楽しみです。
    今回はサクサク進みましたね!

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