元医師のゴシップ記者と弁護士資格を持ったホステスのタイトル探し

サトJun(サトウ純子)

10年前の事件(脚本)

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〇高層マンションの一室
ナポリ(大竹ソウタ)「え、マジ、なんもねーじゃん」
青ティー(青木シゲル)「そうか?」
ナポリ(大竹ソウタ)「金持ちなんだからさぁ。 もっと・・・ほら・・・」
青ティー(青木シゲル)「俺、そういうの全然興味ねーんだよな」

〇東京全景
青ティー(青木シゲル)「ここを選んだのも ただ、空を見たかったからなんだ」
ナポリ(大竹ソウタ)「おおーっ! やっぱタワマンの景色はすげーな!」
青ティー(青木シゲル)「・・・」
青ティー(青木シゲル)「でもさ。 こんなに高い階に住んでいても」
  空を感じた事
  一度もないんだよな──

〇水中
  「空を感じる」って
  ・・・なんだ?
「ちょっと!ナポリさん!」
「聞いてます!?」

〇レトロ喫茶
  ・・・えっ?
ひさじ(丸山ミチ)「大事な話しをしてるのに」
ひさじ(丸山ミチ)「寝るって、どういう事ですかっ!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「いやぁ、実は朝までゲームのイベントに参加してて・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「ゲ・・・ゲームっ!?」
ひさじ(丸山ミチ)「もう、全部私がやっちゃいますよ!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「ご・・・ごめんなさい」
パレード(八木ショウヘイ)「まぁまぁ」
ひさじ(丸山ミチ)「つまり、この自伝を発表する事によって」
ひさじ(丸山ミチ)「今まで語られていなかった青ティーの過去が 表に出るってことなの」
ナポリ(大竹ソウタ)「あの、自動ドア事件とかなっ!」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・はあっ?」
ひさじ(丸山ミチ)「本当にやる気あんの!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・ごめんなさい」
パレード(八木ショウヘイ)「まぁまぁ」
パレード(八木ショウヘイ)「世間では、青ティーは「シゲル」という活動名でしか知られてなかったからね」
ナポリ(大竹ソウタ)「海外で育ったって言われてたし」
ひさじ(丸山ミチ)「自伝の流れは決まっているんですよね?」
ナポリ(大竹ソウタ)「うん。これ」
ひさじ(丸山ミチ)「①病床からのプロローグ ②セレブ男子としての生活 ③生い立ちについて」
ナポリ(大竹ソウタ)「病床の件は、おれんちの病院で 裏は取れてるぜ!」

〇病院の廊下
青ティー(青木シゲル)「くっ!ここでもか!」

〇レトロ喫茶
ひさじ(丸山ミチ)「・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「とりあえず、行きましょう」
ナポリ(大竹ソウタ)「パレード、助けてぇー」
パレード(八木ショウヘイ)「僕はこれから集まりがあるから」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」

〇ホストクラブ
エミ(ちょっちょ)「いらっしゃいませ!」
ひさじ(丸山ミチ)「高級クラブって、こんな感じなのね!」
エミ(ちょっちょ)「・・・」
エミ(ちょっちょ)「もうちょっと、なんとかならなかったの?」
ひさじ(丸山ミチ)「え?何が?」
店の子「・・・女優さんじゃない!?」
店の子「なんかオーラが違うわよね!」
ひさじ(丸山ミチ)「これならバレないでしょ?」
エミ(ちょっちょ)「むしろ、目立っている気が・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「なんか俺、めっちゃ見られてる」
エミ(ちょっちょ)「・・・」
エミ(ちょっちょ)「で、セレブ仲間のタカシとシンヤに話しを聞いたんだけど・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「マジでアイツらムカつくから〜」
ひさじ(丸山ミチ)「とことん追い詰めて、洗いざらい 書いてやって!」
ナポリ(大竹ソウタ)「やりぃ♪ネタ祭りだぁ〜」
ひさじ(丸山ミチ)「あらゆる手を使って引き摺り下ろしてやる!」
ひさじ(丸山ミチ)「おい!ナポリ! きいてんのかぁ!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「はいはい! き、聞いてますよー」
ひさじ(丸山ミチ)「なんなら、ネタ集め協力すっから」
ナポリ(大竹ソウタ)「これは、ネット記事に売り込んだ方が ダメージ大きいだろうなー」
ひさじ(丸山ミチ)「裏垢と、知り合い使って バンバン拡散してやっから!」
ひさじ(丸山ミチ)「あー、イライラするっ」
ひさじ(丸山ミチ)「頼んだぞ!ナポリ!」
エミ(ちょっちょ)「・・・」
エミ(ちょっちょ)「まぁ、結局は、お金繋がりだったって ことよね」
ナポリ(大竹ソウタ)「青ティーも、そこは割り切って 付き合ってたんじゃねーの?」
ナポリ(大竹ソウタ)「だから、自伝にもあんま出てこないし」
エミ(ちょっちょ)「そうね・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「で、でも!青ティーは損得考えて 動くような人じゃないから」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「青ティーと別れた原因、 自動ドア事件のせいじゃないのよ」
ひさじ(丸山ミチ)「あの頃、私はもう、お父さまの後を継ぐ人と 結婚する事が決まっていたから・・・」
ひさじ(高校生)「なんか、このまま決まった人と 結婚するだけだなんて、つまんない」
青ティー(高校生)「そっか? じゃ、その前にデートすっか!」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・って」
ひさじ(丸山ミチ)「それなのに、あの事件の時、私は・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・」
  ──10年前

〇病院の待合室
  大学病院で
  無差別殺人
  2人心肺停止、5人重症
「この病院って、青ティーが入院してる 病院よねっ!?」
「ロビーで起こった事件だから、 病室にいた青ティーは大丈夫だったんだけど」
「青ティーのお父さんが・・・」

〇葬儀場
「たまたま、入院中の息子さんの顔を見に来た時だったらしいわよ」
「そうそう。それも、 わざわざ犯人の前に立ちはだかったって」
「息子さん。一人になっちゃったわね」
「持病持っているのに、 これから一人でどうするのかしら」
「お父さんはどんな方でしたか!?」
「君はなんの病気で入院してたの?」
「最後にお話しできましたか?」
「犯人に言いたい事はっ!?」
  興味本位の大人たちに追いかけられ、
  囲まれている青ティーに
  私たち子供は
  声をかける事が出来なかった──

〇ホストクラブ
ひさじ(丸山ミチ)「スッポン・・・」
エミ(ちょっちょ)「寝たか」
ナポリ(大竹ソウタ)「酒癖悪りぃーなぁー」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「確かに、物理的にバラバラになったのは あの事件のせいだと思うけど」
ナポリ(大竹ソウタ)「本当はもっと前からだよね?」
エミ(ちょっちょ)「・・・そうね」
エミ(ちょっちょ)「ナポリはずっと私立?」
ナポリ(大竹ソウタ)「いや。うちは小さな病院だから、 経営が厳しくてさ💦」
エミ(ちょっちょ)「お医者さんの家系だって言うから てっきりボンボンかと!」
ナポリ(大竹ソウタ)「医者の家が金持ちとは限らんよ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「だってうち、もやし料理で お腹を満たしていた時期もあったんだぜ」
ナポリ(大竹ソウタ)「だから、学生の頃は、バイト先は 「食べ物屋」って決めていたんだよな」
ナポリ(大竹ソウタ)「和食、洋食、中華・・・ とにかく自分が食いたい店でバイトする!」
エミ(ちょっちょ)「それ、わかるっ! 私もよく、デパ地下でバイトしてたわ」
ナポリ(大竹ソウタ)「だよなっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「そういやぁ、青ティーともよく、 食いもんの話しで盛り上がったなー」
ナポリ(大竹ソウタ)「ガキん頃、おからに砂糖混ぜて 食った話しとか・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「山を探検しながら、椎の実拾って 食ってた話しとか!」
「・・・あっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「それが第三章にでてくる」
ひさじ(丸山ミチ)「『裏山で見た景色』ね!」

次のエピソード:裏山の思い出(パレード回)

コメント

  • ひさじさんはやっぱり怖い人でした😖😖😖😖
    取材は自伝に出版に向けて順調に進んでいますが、それを掘り起こすと暗い過去が待ち受けていましたね。みんながバラバラになり、事件で父親を失くしていたりと、そうは見えなかったけど青ティーも孤独を抱えていたりと。
    でも3人のキャラクター性と、話しの展開で暗く持っていかず、雲の切れ目から日差しを覗かせたストーリーが次話へと食指を動かされてしまいます。

  • 重い雰囲気になりそうな展開での、愉快な効果音ラッシュとひさじの変装!笑ってしまいました!
    ナポリとちょっちょとの会話シーンが好きなのですが、ナポリとひさじもイイですね!

  • 華やかそうに見えた青ティーも、孤独を抱えていたんですね。
    悲しい。
    パレードも何か言いたげで、何だろう?と思った瞬間にひさじの変装で思考がぶっ飛びました。
    良いキャラだなあ😁


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