裏山の思い出(パレード回)(脚本)
〇けもの道
あの日、突然青ティーから
裏山に来るように連絡が入った
ちょっちょ(小学生)「えっ?なになに? なんか面白いことあんのー?」
ひさじ(小学生)「もぉー!子供だけでこんな山奥に来たら 怒られるわよ!」
青ティー(小学生)「皆で椎の実食おうと思ってさ!」
パレード(小学生)「なんか、青ティーが『美味しい』って 言うからー」
パレード(小学生)「うわぁっ!虫が出てきた!」
ひさじ(小学生)「そんなの食べたらお腹壊すわよ!」
青ティー(小学生)「ほら、こうするだろ?」
ちょっちょ(小学生)「中から白い実が出てきた!」
青ティー(小学生)「食ってみなよ!」
ちょっちょ(小学生)「へぇ!美味しい!」
青ティー(小学生)「ほら!パレードも」
パレード(小学生)「うーん・・・」
パレード(小学生)「味はわかんないけど なんだか普通に食べれる!」
ひさじ(小学生)「えー、ほんとに?」
ちょっちょ(小学生)「ひさじも食べてみなよ!」
ひさじ(小学生)「うーん・・・」
ひさじ(小学生)「あ、あれ? 食べれる・・・」
青ティー(小学生)「いっぱい集めて食べれば 味もわかるかもしれんよ!」
パレード(小学生)「よぉし!いっぱい探すぞぉ!」
「おー!」
この後
夢中になって椎の実をあつめていて
帰りが遅くなった四人は
大人たちにこっぴどく
怒られた
〇けもの道
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「懐かしいなぁ・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「椎の実!みーつけた!」
パレード(八木ショウヘイ)「ホントだ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「水溜りに入れて、浮くのはダメだかんな!」
パレード(八木ショウヘイ)「あー。あの虫がいるかもしれないからだろ?」
ナポリ(大竹ソウタ)「まぁ、あの虫も食べられるけどな!」
ナポリ(大竹ソウタ)「良質なタンパク質が多く含まれてるし 食物繊維や鉄分、亜鉛とかも入ってるんよ!」
パレード(八木ショウヘイ)「ホントに!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「あの手の虫の幼虫は、甘いんだよ」
ナポリ(大竹ソウタ)「カブトムシの幼虫とか ミルワームとか・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「うぇー。想像したくないー」
ナポリ(大竹ソウタ)「俺も食いたくはないけどなー」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・で」
ナポリ(大竹ソウタ)「この、なんてことない思い出が どうして第三章に書いてあるか、ということ」
ナポリ(大竹ソウタ)「青ティーにとっては 大きな出来事だったはずなんだけど」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「それは・・・多分」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「あっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「やっぱ、あれか!」
ナポリ(大竹ソウタ)「そん時、一緒に虫の味を知った、 とか!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「案外虫もいける自分を・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「ナポリ・・・ それは違うと思う」
ナポリ(大竹ソウタ)「だって、あの『セレブなシゲル』が 虫を好んで食べていただなんて」
ナポリ(大竹ソウタ)「完全にスクープだぞ!」
パレード(八木ショウヘイ)「いや、まだ、食べていたと決まった わけじゃ・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「うわぁ!どうしよー 故人とはいえ、そんなネタばらしして いいのか!?」
パレード(八木ショウヘイ)「だから・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「虫はセレブ食・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・落ち着いて」
パレード(八木ショウヘイ)「僕の話も聞いてーっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・はい」
〇森の中の沼
ナポリ(大竹ソウタ)「うっわぁ、歩きにくいなー」
パレード(八木ショウヘイ)「うん。ここだ。懐かしい」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「実は僕、あの日、家出したんだ」
ナポリ(大竹ソウタ)「家出?」
パレード(八木ショウヘイ)「そう。家出」
ナポリ(大竹ソウタ)「パレードの家、金持ちだし、 皆、仲良さそうじゃん!」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「僕、一時期、中学生から目をつけられて、 お金をゆすられてたことがあったんだ」
ナポリ(大竹ソウタ)「いじめかっ!!?」
パレード(八木ショウヘイ)「いや、いじめって感じじゃないんだよ。 時々、帰りに待ち伏せされてて」
悪い中学生「金、出せよ。なければ持って来いよ」
パレード(八木ショウヘイ)「それだけ言ってくるんだ」
ナポリ(大竹ソウタ)「それだけなの?」
パレード(八木ショウヘイ)「うん」
パレード(八木ショウヘイ)「断ると、「次は持って来いよ」って言うだけで、何もしてこないんだけど」
パレード(八木ショウヘイ)「ただ、その雰囲気が、なんていうか、 本当に闇を感じるっていうか」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・なんか、こえー」
パレード(八木ショウヘイ)「どこにいても見てるんじゃないかって。 怖くなっちゃってさ」
パレード(八木ショウヘイ)「学校行けなくなって」
パレード(八木ショウヘイ)「ところがあの日、部屋の窓から外を見たら、いたんだよ!」
パレード(八木ショウヘイ)「あいつが」
ナポリ(大竹ソウタ)「マジかっ! それ、ストーカーじゃん!」
パレード(八木ショウヘイ)「で、「一生つきまとわれる」っていうか、 なんか「もうダメだ」って」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・家出じゃない」
パレード(八木ショウヘイ)「あの時、僕は」
パレード(八木ショウヘイ)「死のうとしてたんだ」
〇けもの道
ナポリ(大竹ソウタ)「死のうとしてたって、穏やかじゃねーなー」
パレード(八木ショウヘイ)「今思えば不思議だけど あの時は本気でそう思ったんだよ」
パレード(八木ショウヘイ)「で、なぜかその時に、青ティーから借りていた漫画を返していない事思い出して」
パレード(小学生)「もしもし?青ティー?」
パレード(小学生)「借りてた漫画、僕の部屋の机の上にあるから。いつでも取りに来て」
パレード(八木ショウヘイ)「この電話が切っ掛けで、青ティーが ここに駆け付けてくれたんだ」
青ティー(小学生)「なぁ、パレード」
青ティー(小学生)「絶対に相手にしちゃダメなヤツっているから」
青ティー(小学生)「パレードにはわからないかもしれないけど」
──生まれつき、全てが違う
そういう人って、いるんだよ。
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ちょっちょもやっぱり怖い🥺🥺🥺
虫が好きで椎の実から取れた虫を食べてましたって方が面白いですけど、証拠ありませんからね。なのにどれだけナポリは食いついてくるんですか😆
暗い思い出にしたくなかったって言う青ティーの気遣いは本当に優しいですね。その後話をつけるところも含めて。
これから明かされるひさじやちょっちょとの話しも温かいものであると良いなぁ🥺
男同士のエピソードの回顧、じわじわと心に染み入るようでした……ちょっちょやひさじが騒ぎ立てないと、此れ程情感たっぷりな空気感になるとは……と思っていたら、やはり最後はww ナポリとちょっちょのトーク、恐るべしですね
パレードの過去も明らかに!
徐々に青ティーに迫るお話にドキドキ…!
でもナポリよ、どうして青ティーは昆虫食を好き説を推すんだ🤣🤣🤣