心アドベンチャー

夏目心 KOKORONATSUME

6 後継人のお坊ちゃま(脚本)

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〇教室
小泉彩花「あ!誠一お早う!」
久我誠一「お早う彩花」
小泉彩花「あのさ誠一、ハデス達の事なんだけどさ・・・」
久我誠一「あ、やっぱ気に成ってた?」
小泉彩花「うん・・・あたしはさぁ、悪党ってもっとこう、皆が嫌がる事やって楽しいとか、自分は一番正しいんだって思う様な奴を」
小泉彩花「指してるんだと思ったんだけどさ。昨日倒した草壁って人・・・」
久我誠一「そうだよな・・・街を壊して森を作る・・・悪役にしては珍しい様な・・・」
渡辺一樹「二人共お早う。昨日は何処まで進んだ?」
久我誠一「よう渡辺、昨日一人目の四天王を倒した所」
渡辺一樹「おぉ!おめでとう!まぁ僕はこれから二人目を倒しに行くけど」
小泉彩花「あのさぁ渡辺君、一人目の時はどんな感じだった?」
渡辺一樹「え?一人目?そりゃ、街を壊して行き成り森なんて作って。一体何の演出だよって思ったな」
久我誠一「いやさぁ、何だか悪党にしては珍しい事してるなって思って」
渡辺一樹「でも一人目は何の罪も無い人達の住む場所を目茶苦茶にした訳だし、有れはどう見ても倒すべき悪だよ。何も気にする事無いよ」
小泉彩花「ほ、本当にそうなのかな・・・何だか共感出来る事も有ったし・・・」
渡辺一樹「悪党なんて倒される為だけに在るのさ!君等ももっと自信持った方が良い。じゃ、僕もそろそろ行くよ」
小泉彩花「誠一、ゲームどうしようか・・・」
久我誠一「どうするも何も、俺はやるよ。あのゲームの本質は、やって行けば分かる事だし・・・ウジウジしても始まらない」
小泉彩花「うん・・・そうだよね!やって行けばその内分かるよね!」
久我誠一「さて、行こうか!」
小泉彩花「うん!」
  色々と思う所は有ったが、俺達は学校の課題に挑む事にした。

〇森の中
  学校の課題を終わらせ、ゲームにログインした俺達の前に広がったのは昨日、草壁を倒した森の中だった。
久我誠一「うん、予想はしてたけど、元の街には戻って無いな・・・」
小泉彩花「あいつを倒しても森は消えない・・・か・・・誠一、次何処へ行けば良いかって有る?」
久我誠一「少し待って・・・」
久我誠一「此処から進んだ先に別の街が有る。先ずはそこへ行って見よう」
小泉彩花「OK!そう言えば、あたし達一人目を倒して新しい武器や魔法ゲットしたでしょ?あたしは雷の魔法使える様に成ったんだけど、」
小泉彩花「誠一は?」
久我誠一「俺?俺は只でこれ貰った」
小泉彩花「おぉ!ショットガン!」
久我誠一「どっちもどっちで頼もしいの手に入れたな。さ、行こうか!」
小泉彩花「おぉ!やっぱ敵を倒して強く成るってワクワクするね!」
  お互いの変化を確認した俺達は、次の街へと足を運ぶのだった。

〇ヨーロッパの街並み
久我誠一「此処がステージ2の街か」
小泉彩花「取り合えず、宿屋を探して、その後買い物とかしようか」
久我誠一「そうだな・・・ん?あれは・・・」
モブ女「ロナルド様、次は何処へ参りましょうか」
ロナルド・テイラー「そうだな・・・あそこのバーはどうだ?」
モブ女2「良いですね!早く行きましょう!」
ロナルド・テイラー「はは!好きなだけ飲みたまえ!お?」
ロナルド・テイラー「そこの君」
小泉彩花「え!あたし!?」
ロナルド・テイラー「こんな所で一人かい?良かったら私と一緒に飲まないか?私が奢るよ」
小泉彩花「ま、待って下さい!あたしまだ未成年で!」
ロナルド・テイラー「遠慮する事は無い!私と居れば、退屈なんて事は有り得ない!」
久我誠一「すみません、彼女は俺の連れです。どうかお引きに成られて貰えませんか?」
ロナルド・テイラー「何だ貴様は?男に様は無い、今直ぐ消えろ!」
久我誠一「話して分からないなら良いです。彩花、行こう!」
小泉彩花「わ!せ、誠一!」
ロナルド・テイラー「チッ!逃げられたか、あいつ覚えてろよ・・・」
モブ女「ロナルド様、早く参りましょう」
モブ女2「早くロナルド様とお酒が飲みたいです」
ロナルド・テイラー「おぉそうだな!今は君達と飲む酒の方が大事だ!さぁ行こうか!」
久我誠一「良かった、あいつ追って来ない見たいだ」
小泉彩花「はぁ・・・はぁ・・・あ、有難う誠一・・・」
久我誠一「気にするな、あぁ言うのはまともに相手しちゃいけないからな」
小泉彩花「そ、そうだね・・・まさかゲームの中でナンパされるだなんて・・・」
ロザミィ「そこの方、お尋ねしたい事が有ります」
久我誠一「ん?どうしました?」
ロザミィ「この辺りで、青い髪の派手な格好をした男を見ませんでしたか?」
小泉彩花「派手な格好で青い髪?あ、さっきあたし、それっぽい人にナンパされました」
ロザミィ「はぁ・・・やっぱり・・・」
久我誠一「あの、失礼ですが、貴方は一体・・・」
ロザミィ「あぁ、申し遅れました。私はテイラー家に使えるメイドのロザミィと申します」
小泉彩花「テイラー?貴方が探してる人って、お金持ちか何かですか?」
ロザミィ「左様です。私が探している人はロナルド・テイラー。この街の市長です」
小泉彩花「え!市長さん!?とてもそうには見えなかったけど・・・」
ロザミィ「お二人は、この街は初めてで?」
久我誠一「は、はい」
ロザミィ「分かりました。なら、私から説明させて頂きます。ロナルド様は最近先代のテイラー市長の後継人として市長に赴きました」
ロザミィ「ですが、ロナルド様は日頃から遊び呆けていて、まともに仕事をした事が有りません」
久我誠一「何か・・・何処かで聞いた事有る話だな・・・」
ロザミィ「今では仕事そっちのけで、身分に甘え所構わず女遊びに明け暮れて、市民からは不満の声が上がってます」
小泉彩花「う、う〜ん・・・何とか出来ないんですかね?」
ロザミィ「はい、ですがロナルド様が市長に成って直ぐ、黒ずくめの仮面の男がロナルド様の下で働きたいと申し出て、その仮面の男が」
ロザミィ「市長の業務を代行していて、何とか成ってはいますが」
久我誠一「え!仮面の男って、まさか!?」
小泉彩花「赤木隼人!?」
ロザミィ「お二方?赤木隼人のお知り合いですか?」
小泉彩花「いや当たってるじゃん・・・」
久我誠一「いや、その・・・知り合いって訳じゃ無いんですが、あの、ロザミィさん・・・テイラー家ってどんな仕事が出来ますか?」
ロザミィ「テイラー家の業務ですか?そうですね・・・バイトと言う意味合いでは掃除や洗濯等が挙げられますね。もしかして、」
ロザミィ「働きたいのですか?」
久我誠一「はい。もし募集掛けてるなら、やらせて頂きたいんです」
小泉彩花「え?誠一?何でこんな時にバイトなんて?」
久我誠一「そしたら赤木隼人に手っ取り早く近付けるだろ?」
小泉彩花「あ、そうか!」
ロザミィ「分かりました。では、家の状況を確認次第、御連絡させて頂きます。お二人共参加で宜しいですね?」
小泉彩花「はい!お待ちしています!」
ロザミィ「有難う御座います。それでは・・・あ、もしロナルド様を見つけたら、その時は御連絡お待ちしております」
久我誠一「分かりました。さっき見掛けた時、バーに行く見たいな事言ってましたよ」
ロザミィ「分かりました、有難う御座います。それでは、後程また連絡致します」
小泉彩花「う〜ん・・・さっきの人が市長さんだなんて・・・あたしあの人の居る家で仕事出来るかなぁ・・・」
久我誠一「大丈夫、その時は俺が守るから」
小泉彩花「誠一・・・」
久我誠一「おぉ!やっぱり!」
小泉彩花「あ、ストーリークエストが更新されてる!誠一のやり方合ってたんだ!」
久我誠一「必要レベルは・・・20か。俺等今どの位だったっけ?」
小泉彩花「レベル20!?あたし等まだ16だよ!」
久我誠一「あっちゃあ・・・仕方が無い。先ずはレベル上げだな。此処に来る前の雑魚も若干強かったし」
小泉彩花「まぁ、仕方無いよね。どの道ストーリークエストは逃げないから大丈夫か」
小泉彩花「あ、セナちゃん!」
セナ「一定のイベントクリアを確認しましたので新規のイベントムービーが拝見出来ます。ご視聴なさいますか?」
久我誠一「あ、お願いします」
セナ「畏まりました!それではご覧下さい!」

〇城の客室
ロナルド・テイラー「全く、余計な事をしてくれたな!」
ロザミィ「ロナルド様、一体何の話でしょうか?」
ロナルド・テイラー「私はか弱いレディ達と有意義な時間を過ごしていたと言うのに、お前が水を刺した所為で台無しだ!この責任はどう取って」
ロナルド・テイラー「くれるんだ!?」
ロザミィ「何だそんな事ですか。そんな小さな事でブチ切れるなんて子供ですね」
ロナルド・テイラー「貴様・・・私を誰だと思ってるんだ・・・?場合に寄っては貴様の首も・・・」
赤木隼人「まぁまぁ、そう怒らないで下さいロナルド様。今日の分の労務は全て僕が片付けました」
ロナルド・テイラー「おぉ隼人!良くやってくれたぞ!只でお前を雇ったのは正解だった!」
赤木隼人「いえいえ、そもそも僕は報酬に興味は有りませんし、只で働かせて下さいと言ったのは僕ですから」
ロナルド・テイラー「それにしては君は優秀過ぎる!それで見返りを求めないとは、君も随分な変り者だな!」
赤木隼人「最初に言いましたよね?寝床と食事さえ有ればそれ以上の物は求めないと。私はロナルド様に尽くす事に生を感じますので」
ロナルド・テイラー「ははは!!隼人さえ居ればもう他の従業員等必要無いな!!隼人が居るからこそ、今の私が居るのだ!!」
ロザミィ「ロナルド様、それ本気で仰ってます?」
赤木隼人「そうだ、ロナルド様に言伝が有ります」
ロナルド・テイラー「何だね?」
赤木隼人「市民の者からなのですが、此処の所税金を返し切れて無いと苦情が殺到しております。今一度ロナルド様ご自身の行動を」
赤木隼人「見直された方が宜しいかと」
ロナルド・テイラー「何だそんな事か!昔から良く言うだろ!ご飯が無ければケーキを食べれば良いと!そんなに金が欲しいのなら自分達がもっと」
ロナルド・テイラー「頑張れば良い!何時もの様に街を発展させる為に使っているからもう少し待てとでも言って置け!」
赤木隼人「畏まりました。仰せのままに」
ロナルド・テイラー「私は疲れた。今日はもう寝るよ」
ロザミィ「全く、意外ですね」
赤木隼人「ん?僕に何か?」
ロザミィ「市民が税金を返してくれない事に憤りを感じていたのは私も同じです。街の発展と言いますが、実際ロナルド様は女遊びに」
ロザミィ「明け暮れてるだけ。身元も知らない貴方がそんな心配を成さるとはと思いまして」
赤木隼人「そりゃ、僕にだって仲間は居ますよ。意見を出し合って何が一番か決める。それが仲間ですからね」
ロザミィ「確かに我々は仲間。けれど、ロナルド様の蛮行は如何なさるおつもりで?」
赤木隼人「まぁ僕に任せて下さい。ロナルド様は僕に絶対の信頼を置いてくれている。なら僕は彼に応えるだけの事です」
赤木隼人「では、そろそろ行きますね。僕にも仕事が有りますから」
ロザミィ「・・・・・・」
小泉彩花「本当に此処で働いてた・・・」
久我誠一「あぁ、でも今ストーリークエストは受けられない。レベルを上げない事には・・・」
小泉彩花「そうだね・・・」
セナ「イベントムービーは此処までと成ります。セーブして、ゲームを続けますか?それとも終了しますか?」
久我誠一「そうだな、明日は幸い休みだし、セーブしたらまだ続けます」
小泉彩花「そうだね!レベル上げようか!」
セナ「確認しました!それでは、引き続きゲームをお楽しみ下さい!」

次のエピソード:7 隼人の策略

コメント

  • 今度も敵は内側からの破壊ですかね
    しかし、最初のボスが自身側にも正義を持っている感じですからね
    今度もなのか
    魔王軍も団結力凄いですしね
    勇者一行にも見えなくもないですね
    変わったストーリーで面白いですね!

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