4 お嬢様の決心(脚本)
〇教室
俺が未来に常識を教える様に成ってから一週間程経過した。最近は毎日未来と共に登校する事が多く、喋り方も少しずつ
良く成って来ていた。前はとても傲慢だったのに、今では大分柔らかく成った。
赤羽未来「それじゃあ、ちょっとお花摘みに行って来るから、直ぐ戻るわね」
月島ヒカル「あぁ、いってらっしゃい」
月島ヒカル「さて、特にやる事も無いしどうしようか」
モブ男子「おい月島」
月島ヒカル「ん?どうかした?」
モブ女子「大切な話が有るの。一緒に来て頂戴」
月島ヒカル「・・・・・・?」
突然クラスメイトから呼び出された俺。一体何の用事だろうか。
〇体育館の裏
月島ヒカル「なぁ、俺を何処へ連れてくつもりだ?」
モブ女子「大丈夫。もう直ぐだから」
モブ男子「折原!連れて来たぜ!」
折原和人「おう、良くやった」
月島ヒカル「折原?何か久し振り」
折原和人「あぁ、お前と話すのは久し振りだな」
俺を呼び出したのは折原だった。一体何の目的で俺を呼んだのか、何だか察しが付いてしまった。
折原和人「仲間から聞いたぞ。お前、未来様に負担を掛けてるんだってな」
月島ヒカル「負担?どう言う事だ?」
折原和人「とぼけるな!最近未来様は車で通学していない!鞄を持たせたり朝のティータイムも無いし、お世話をしたいのに」
折原和人「誰も出来て無い!それもこれも月島、お前が邪魔をして未来様を疲れさせてるんだ!これはハッキリ言って由々しき事態だ!」
月島ヒカル「え?つまり、お前等は未来の世話が出来なく成った事を怒ってるのか?」
折原和人「そうだ!俺達は生涯未来様の為に尽くす事を心に誓ったんだ!それなのにお前は未来様に負担を掛けて疲れさせて、」
折原和人「一体何をしたいんだ!?未来様がどれだけ特別なお方か知らないのか!?」
月島ヒカル「あ、あのさぁ、お前等本当にそれで良いの?未来の事が大事なら、ちょっと位応援して上げても良いと思うが、何より、」
月島ヒカル「その頼れる相手が居なく成ったらどうするつもりだよ」
折原和人「ええい煩い!そう成らなくて良い様に俺達が居るんだろう!!」
モブ男子「そうだそうだ!!」
モブ男子2「未来様は僕等が守るんだ!!」
モブ女子「私達の生き甲斐を返しなさい!!」
月島ヒカル「お前等・・・マジかよ・・・」
折原和人「前からお前を叩き潰してやりたいと思ってたんだ。お前を潰して、未来様を俺達の元に取り戻す!!」
赤羽未来「やっと見つけた。貴方達、また此処で何をしてるの?」
折原和人「み、未来様!」
モブ男子「未来様!」
モブ男子2「未来様!」
モブ女子「未来様!?」
赤羽未来「聞こえなかったのかしら?こんなに大勢でヒカルを囲んで何をしてるのかと聞いてるの」
折原和人「未来様!俺達は未来様に漬け込もうとしているこいつを成敗してやろうと!」
赤羽未来「成敗?それで私が喜ぶとか、本気でそう思ってる?」
折原和人「勿論ですとも!俺は一目見た時から、未来様に心を奪われて、俺は運命を感じました!俺は未来様に尽くす為に生まれて来たのだと!」
折原和人「未来様のお力に成る為に生まれたのだと!だからこいつを成敗して、仲間と共に未来様をお守りします!」
赤羽未来「ふぅん・・・」
折原和人「見ていて下さい!俺の勇姿を!」
飛び掛かる折原を交わし、俺は折原の背後を取り、腕を締め上げる。
折原和人「な、何!?い、いだだだだだ!!!」
月島ヒカル「さっきから好き放題言ってくれてるけどさ、そこまで言うならもう手加減しなくて良いよね?」
折原和人「いだ!いだだだだ!!な、何だよ!何でそんなに力強いんだよ!?」
月島ヒカル「何時何処でどう成っても良い様にする。だから何でもやってるんだろ。お前等マジでガキだな」
折原和人「な、にぃぃぃ!!?」
赤羽未来「貴方、折原君って言ったかしら?」
折原和人「は、はい!お願いです未来様!月島を止めて下さい!!」
赤羽未来「いいえ止めないわ。貴方達何も知らない見たいだから教えて上げるわ。私はね、自分でヒカルに頼んでこうしたのよ」
赤羽未来「私はこれまで貧乏人や他人を見下してた。私が誰かにお世話されるのが当たり前だと思ってた。でもヒカルは違った」
赤羽未来「家から歩いて、荷物を持ちながら学校へ行く大変さ。勉強する事がどう言う事か、購買の列に並ぶ事の大変さ、人と話す事が」
赤羽未来「どう言う事か。私はヒカルに沢山教えられたわ。そもそも、私には最初から何の力も無かった。今の貴方達の行動、ヒカルから」
赤羽未来「見れば驕りが過ぎるって言うのかしらね」
折原和人「み、未来様・・・」
赤羽未来「貴方が私をどう思おうと勝手だけど、私のヒカルに酷い事しようなら、親の力で貴方を潰しても貴方は文句言わないわね?」
折原和人「未来様・・・何を!?」
赤羽未来「貴方の本心を見て決めたわ。今後私のヒカルにその汚い手で触れる物なら、」
赤羽未来「貴方の存在の1%も残さずに消し去ってやるわ」
折原和人「ひ、ひぃ!!」
赤羽未来「後これはついでよ。私は貴方の事、何とも思って無いからね。これ以上ヒカルに絡むなら、本当に消し去るわ」
折原和人「そ、そんな・・・!!未来様に捨てられたら、俺はどうすれば!!」
赤羽未来「そんな事知らないわ。それと、そこの貴方達」
モブ女子「は、はい!!」
赤羽未来「私の事を慕ってくれてるなら、これは命令よ、もう私の世話を一切焼かないで」
モブ男子「は、はい!!」
モブ男子2「未来様のご意思のままに!!」
モブ女子「未来様のお望みなら、私達は喜んで従います!後、折原君は我々が連れて行きますのでご安心を!!」
未来に強く言われた未来の信者達は折原を連れてこの場を去った。自分の身を守る為とは言え実力行使をしてしまった
俺が言うのも難だが、折原には立ち直って欲しい。そう思った。
赤羽未来「全く、飛んだ災難だったわね。護身術なんて何時から?」
月島ヒカル「んまぁ・・・結構前からやってるかな・・・・・・それより、また助けて貰っちゃったね」
赤羽未来「気にしないで。私に常識を教えてくれたお礼だと思ってくれれば」
月島ヒカル「うん、でも何時かお礼はさせて貰うよ」
赤羽未来「えぇ!楽しみにしてるわ!」
月島ヒカル「そう言えばさっき、私のヒカルって言ってたけど、有れは一体・・・」
赤羽未来「は!私とした事!!夢中に成ってて思わずそう言っちゃったわ!」
月島ヒカル「未来?」
赤羽未来「あのねヒカル。私ね、貴方に常識を教わる内に告白ってどう言えば良いのか考えてたわ。色んなやり方が有るけど、」
赤羽未来「私もあんな事言ったなら此処で言うわ。月島ヒカル君、私は貴方が好きです。私と付き合って下さい!」
月島ヒカル「未来!?忘れたの?俺は・・・」
赤羽未来「えぇ・・・忘れてないわ。でも、私は諦めないから」
月島ヒカル「分かった。俺達付き合おうか!」
赤羽未来「答えは直ぐに出さなくて良いから、だから待ってって・・・・・・え?」
赤羽未来「えぇぇぇぇぇ!!!??」
月島ヒカル「未来、何でそんなに驚くのさ?」
赤羽未来「驚くわよ!だって、何時も断られたし・・・」
月島ヒカル「そうだね。ねぇ未来」
赤羽未来「はい・・・」
月島ヒカル「俺さ、最初は本当乗り気じゃ無かったんだ。世間とか常識とか、そんなの周囲の大人に相談すれば済む話なのに」
月島ヒカル「でも、実際やって見たら何だか教えるのが楽しくて、俺にもこう言う事が出来るんだなって、未来から教えて貰ってたんだって、」
月島ヒカル「最近気付いたんだ。俺達はまだ子供だし、今から出来る事を増やす事だって出来るし、何より俺は、君と一緒に成長したいって思う」
赤羽未来「ヒカル・・・」
月島ヒカル「だから、此処からは俺も一緒に成長したい。どうかな?」
赤羽未来「・・・!そんなの、そんなの良いに決まってるじゃん!!ヒカル、今日から宜しくね!!」
こうして俺達は付き合う事に成った。お互いやらなきゃ行けない事も有るけど、此処からは、二人で成長して行けば
良いと思った。此処から俺達の道は始まると、心の中で思った。
ですよね~・・・
絶対にお嬢様信者に理不尽な襲撃は予想していましたが、お嬢様自身が助けてくれましたね・・・
予想外なのは月島強い!
他人に頼りっぱなしだったお嬢様が何があっても対応できるようにしている月島に常識を教わり恋愛まで行くのは面白いですね!
次にどう進むのか楽しみです