〇アパートの台所
岡島有理乃「・・・・・・」
岡島有理乃「眠れない・・・・・・」
岡島瑠里乃「お姉ちゃん、眠れないの？」
岡島有理乃「瑠里乃!?起きてたの？」
岡島瑠里乃「ミルク飲もっか」
岡島有理乃「そうだね」
　　有理乃は起き上がり、２つのコップにミルクを注ぐ。
岡島瑠里乃「そういえば、ウチを盗撮する不届き者がいたよ」
岡島有理乃「えっ!?」
岡島瑠里乃「カメラはもう外したから、気にしなくていいよ」
岡島有理乃「盗撮・・・・・・？誰が・・・・・・」
岡島有理乃「瑠里乃、気をつけてね・・・・・・ストーカーとかいるかもしれないから」
岡島瑠里乃「私は大丈夫だよ」
岡島瑠里乃「それよりお姉ちゃんは気をつけないと」
岡島有理乃「犯人・・・・・・誰なんだろう」
岡島瑠里乃「敵だったら１番悲しい人じゃない？」
岡島有理乃（瑠里乃・・・・・・裕太くん・・・・・・紗月・・・・・・）
岡島瑠里乃「お姉ちゃんは人に気を使いすぎだよ」
岡島有理乃「そうかな？私としては普通に接してるつもりだけど」
岡島瑠里乃「対等な相手に謙ってたら、心が疲れちゃう」
岡島有理乃「心配してくれてありがと、瑠里乃は優しいね」
岡島有理乃「でも、私は大丈夫だから・・・・・・」
岡島有理乃「じゃあ、そろそろ寝るね、瑠里乃も夜更かししちゃダメだよ？」
岡島瑠里乃「はーい」

〇ゆるやかな坂道
岡島有理乃「裕太くんおはよう！・・・・・・昨日はごめんね」
四島裕太「いや、俺の方こそ悪かった」
四島裕太「一緒に行こうぜ！」
岡島有理乃「うん！」
岡島有理乃（良かった・・・・・・怒ってないみたい・・・・・・）
四島裕太「な、なぁ」
岡島有理乃「なに？」
四島裕太「よかったら今週の土曜・・・・・・デートしないか？」
岡島有理乃「デート!?」
四島裕太「動物園とか、一緒に行きたいなーって」
岡島有理乃「うん！楽しみ！」

〇学校の裏門
咲須紗月「ねぇ、今週の土曜遊びにいかない？」
岡島有理乃「あっ、土曜日は・・・・・・無理かな、日曜でもいい？バイト前なら少し遊べるけど・・・・・・」
咲須紗月「・・・・・・・・・・・・」
咲須紗月「また、彼氏？」
岡島有理乃「あ、うん・・・・・・」
岡島有理乃「で、でも日曜は空いてるから・・・・・・」
咲須紗月「・・・・・・もういい」
岡島有理乃「あっ・・・・・・」

〇学校脇の道
咲須紗月「なんなの・・・・・・！彼氏彼氏って・・・・・・」
咲須紗月「いつからそんなにはしたない女になったの・・・・・・!!!」
咲須紗月「そうだ、きっと四島の奴が誑かしたんだ」
咲須紗月「そうに決まってる・・・・・・そうじゃなきゃ有理乃があたしを裏切るはずない・・・・・・」
咲須紗月「許さない・・・・・・許さないから・・・・・・！」
岡島瑠里乃「こんにちは」
咲須紗月「わぁっ!?」
咲須紗月「びっくりした、瑠里乃ちゃんか」
岡島瑠里乃「紗月さん、何か悩み事ですか？」
咲須紗月「・・・・・・ううん、瑠里乃ちゃんには関係ないこ──」
岡島瑠里乃「お姉ちゃんとその彼氏の話」
咲須紗月「・・・・・・聞いてたの？」
岡島瑠里乃「まあ聞こえてはいましたが、その前から気づいていますよ」
岡島瑠里乃「彼氏を嫌っているのは知っていましたが、まさか盗撮なんて手段まで使うとは」
岡島瑠里乃「余程、お姉ちゃんを取られたくないんですね」
咲須紗月「・・・・・・瑠里乃ちゃんは、おかしいと思わない？」
岡島瑠里乃「何がです？」
咲須紗月「有理乃・・・・・・前はあんなにあたしと仲良くしてくれたのに・・・・・・」
咲須紗月「急に人が変わっちゃったみたいにさ・・・・・・!!!」
咲須紗月「ねぇなんで・・・・・・なんでなの!!!」
岡島瑠里乃「紗月さんは、１つ大きな勘違いをしていますよ」
咲須紗月「なに・・・・・・昔に有理乃がしてくれた告白のこと？」
岡島瑠里乃「いえ、もっと生物としての根本の部分です」
岡島瑠里乃「今週の土曜、お姉ちゃんと彼氏さんが動物園に行きます」
岡島瑠里乃「私達も一緒に行きましょう、そこで理解して頂けるかと」
咲須紗月「動物園・・・・・・分かった、教えてくれてありがと」
岡島瑠里乃「いえいえ、人の行動を把握するのが趣味みたいなものなので」
岡島瑠里乃「土曜、楽しみにしていますね」

〇動物園の入口
　　翌日・・・・・・
係員「入場料、お２人で1600になります」
四島裕太「あっ、すまん、払ってもらってもいいか？」
岡島有理乃「えっ、私が全額？」
四島裕太「すまん！今金欠で・・・・・・」
岡島有理乃「わ、わかった・・・・・・」
　　有理乃は1600円取り出す。
四島裕太「よし、行こうぜ！」
岡島有理乃（大切なお金なのに・・・・・・）
咲須紗月「あの男・・・・・・！有理乃は貧乏なのに・・・・・・！」
岡島瑠里乃「私達も入りましょう、入場料お願いしますね」
咲須紗月「あ、うん」
咲須紗月（まあ800円くらい払ってあげよ）

〇動物園の入口
岡島有理乃「わぁ、パンダカワイイ！」