第2話 美人講師・アヤカ(脚本)
〇川沿いの道
岡崎弾助「あれ・・・? ここは・・・?」
幼い頃の弾助「ああ、親父といつも 走っていた河原沿いか・・・」
弾助の父「おお、弾助! いいぞ、速いぞ!」
幼い頃の弾助「へへっ」
弾助の父「将来は陸上選手かぁ?」
幼い頃の弾助「俺は、親父みたいに人の役に立つ 仕事がしたいな」
弾助の父「おおっ、いい心がけだ! さすが俺の息子!」
弾助の父「ところでな、弾助」
弾助の父「おまえに紹介したい人がいる」
講師「Hi、ダンスケ!」
幼い頃の弾助「わぁっ、先生!?」
講師「先生じゃありまセン」
講師「あなたの、新しいマザーでぇス!」
弾助の父「はっはっはっは!」
〇シンプルなワンルーム
岡崎弾助「だーーーーあーーーーッッ!!!!」
岡崎弾助「ゆ、夢か・・・」
岡崎弾助(親父の夢を見るの、久しぶりだな・・・)
岡崎弾助「親父・・・ どこ行ったんだよ・・・」
岡崎弾助「・・・・・・」
岡崎弾助「あー、やめやめ!」
岡崎弾助「気分、切り替えて行こう!」
〇華やかな寮
ナタリー(学園長)「な、何をしてるんだキミは!?」
岡崎弾助「あ、おはようございます 学園長!」
ナタリー(学園長)「ヒモ道の逆を行くやつがどこにおるか!」
岡崎弾助「すみません、朝のルーティンでして」
ナタリー(学園長)「まったく・・・」
岡崎弾助(水撒きもしておくか・・・)
???「きゃあっ!」
???「ちょっと、キミぃ!」
岡崎弾助「す、すみません!」
岡崎弾助(人がいた・・・? 全然気づかなかった・・・!)
???「もーー、びしょ濡れじゃない」
岡崎弾助「シミになるといけないので、 すぐ脱いでください!」
???「・・・な!?」
???「何言ってんのよ、このヘンタイ!!」
岡崎弾助「な、なんで・・・?」
「おはよう はよー、ダンスケ」
「あれ、ほっぺたどうした?」
岡崎弾助「い、いや、なんでも・・・」
岡崎弾助「あっ、予鈴!」
澤森ケンタ「急ぐぞ」
???「・・・彼が岡崎弾助・・・」
???「・・・っくしゅん!」
???「あーもう! 着替えてこなきゃ!!」
〇おしゃれな教室
講師「Hi, みなさん、おはようございマス!」
講師「今日は、新しい先生を紹介しマス」
講師「アヤカ先生、come in !」
岡崎弾助(あっ、今朝の・・・)
飛鳥イヅル「うおーっ、 クールビューティーきたーーッッ!!」
岡崎弾助「イヅルはわかりやすいな」
ニコッ
岡崎弾助(・・・ん?)
岡崎弾助(今、こっちを見た・・・!?)
岡崎弾助(もしかして、 今朝のことを怒ってる・・・!?)
岡崎弾助(いや、でも微笑んでたしな・・・)
飛鳥イヅル「今! 俺の方を見て微笑んだ!? な、そうだよな!?」
澤森ケンタ「落ち着け」
岡崎弾助(なんだ、イヅルを見てたのか・・・)
岡崎弾助(そりゃまあ、そうだよな)
アヤカ「アヤカ・モーリディッヒです。 主に言語以外を担当します」
アヤカ「何か質問があればどうぞ」
飛鳥イヅル「はーい、アヤカ先生! 彼氏はいますか!?」
岡崎弾助「お、おい、イヅル・・・!」
アヤカ「あら、そんな質問でいいの?」
飛鳥イヅル「えっ?」
アヤカ「いるわよ。 世界中にね」
岡崎弾助「世界中!?」
飛鳥イヅル「す、すげー」
澤森ケンタ「スケールが違うな・・・」
岡崎弾助「・・・ん?」
岡崎弾助「アヤカ先生、 モーリディッヒって・・・!」
ナタリー(学園長)「そうだ、アヤカはモーリディッヒの 正統な継承者だ」
岡崎弾助「学園長、いつの間に!?」
アヤカ「・・・・・・」
ナタリー(学園長)「ちなみに、私の姪でもある」
ナタリー(学園長)「もしアヤカに何かあれば・・・」
ナタリー(学園長)「その時は覚悟してもらうぞ、ふふふ」
岡崎弾助「姪・・・ってことは・・・!?」
飛鳥イヅル「学園長、一体いくつなの!?」
岡崎弾助「・・・」
ナタリー(学園長)「今、年齢を計算した者は 全員課題追加だ」
飛鳥イヅル「え゛っ、俺!?」
岡崎弾助(ご、ごめん、イヅル・・・)
岡崎弾助(ヒモ道の心得その3──)
女性の年齢を口外、推測しない
〇おしゃれな教室
アヤカ「今、皆さんに配ったのは 1学期分のカリキュラムです」
アヤカ「しっかりと予習、復習するように!」
岡崎弾助「これは・・・本格的だな・・・」
アヤカ「えーと、ダンスケ?」
岡崎弾助「は、はい! 岡崎弾助です!」
岡崎弾助「あの、今朝はすみませんでした!」
アヤカ「まあ、それはいいわ」
アヤカ(私も、 気配を殺して近づいちゃったし)
岡崎弾助「えっ?」
アヤカ「あー いえ、なんでも」
アヤカ「ところで、キミは生活習慣が 枷になってるようだから、」
アヤカ「ちょっと放課後、職員室まで 来てくれる?」
岡崎弾助「は、はい!」
岡崎弾助(早速呼び出しか・・・!)
飛鳥イヅル「えっ、ダンスケだけずるい!!」
岡崎弾助「ずるいって・・・」
岡崎弾助「そうだ、イヅルも家事スキルを 使えばいいんじゃないか!?」
飛鳥イヅル「無茶言うな!」
〇華やかな裏庭
澤森ケンタ「しかしまあ、 それだけの家事スキルがあるのに」
澤森ケンタ「なんでまた、 この学園に入ったんだ?」
岡崎弾助「それは・・・」
飛鳥イヅル「そっか、ダンスケ・・・ 大変だったんだな・・・」
岡崎弾助「何も泣かなくても!」
飛鳥イヅル「よし、今日は俺がジュース奢っちゃる」
澤森ケンタ「明日は俺に奢らせてくれ・・・」
岡崎弾助「めっちゃ同情されてる!?」
岡崎弾助「そ、そうだ、ケンタは?」
岡崎弾助「ケンタがこの学園に入った理由!」
澤森ケンタ「えっ・・・?」
飛鳥イヅル「あ、それ俺も知りたい」
岡崎弾助「イヅルも知らないのか?」
飛鳥イヅル「同中なのに教えてくんねーの」
澤森ケンタ「いや、中学ン時 そんなに仲良かったわけじゃないし、」
澤森ケンタ「この学園で偶然再会しただけだろ!」
澤森ケンタ「あー、俺もダンスケを見習おうかな!」
飛鳥イヅル「あ、逃げた」
岡崎弾助「余計なこと訊いたかな・・・?」
〇おしゃれな食堂
岡崎弾助(ケンタは・・・)
岡崎弾助(・・・いない)
岡崎弾助(無理に聞き出すつもりは ないんだけど・・・)
岡崎弾助「・・・・・・」
岡崎弾助(あーーーーもう、 アヤカ先生からも言われてるのに!)
岡崎弾助「ごちそうさまでした!」
学食のおばちゃん「あら、いつもありがとうねぇ〜」
学食のおばちゃん「ほんと、助かるわぁ〜」
学食のおばちゃん「ヒモなんかにならないで、 ここで働きなさいよ!」
学食のおばちゃん「うちの娘の婿に 来て欲しいくらいだわ〜」
岡崎弾助「いや〜、ははは・・・」
岡崎弾助「くっ・・・ つい体が動いてしまう・・・!」
アヤカ「ちょっとちょっとちょっと!」
アヤカ「学食のマダムたちを 虜にしてどうするのよ!」
岡崎弾助「しまった、見つかった!」
アヤカ「・・・まだ昼休みはあるわね」
アヤカ「ちょっと、いらっしゃい」
飛鳥イヅル「あれ、ダンスケー?」
〇役所のオフィス
アヤカ「キミは、 本当にヒモになる気はあるの?」
岡崎弾助「すみません」
アヤカ「なる気はあるのかないのか訊いてるの」
岡崎弾助「あ、あります!」
アヤカ「じゃあ、これ」
アヤカ「キミ専用のカリキュラムよ」
岡崎弾助「見たところ、 変わりはないようですが・・・?」
アヤカ「授業内容が”少し”違うの」
アヤカ「退学にされたくなかったら、 黙ってこのカリキュラムをこなすこと」
アヤカ「そうすれば、 学食のことは不問にするわ」
岡崎弾助「それは、これからも食器を下げて いいということですか?」
アヤカ「まあ、あれだけ学食のマダムに 喜ばれてるならねぇ・・・」
アヤカ「でも、この学園に入ったからって 一般企業に就職することはできるし、」
アヤカ「キミに合った職を紹介することも できるわよ?」
岡崎弾助「いえ、俺はこのままヒモを目指します!」
アヤカ「・・・そう」
アヤカ「話は以上です。 放課後は、もういいわ」
岡崎弾助「はい、失礼します」
アヤカ「・・・・・・」
アヤカ「キミの“適正”、 確かめさせてもらうわ」
〇華やかな寮
放課後──
「あっ・・・」
「・・・」
澤森ケンタ「ちょっと、付き合ってくれるか?」
「ヒモになる気はあるの?」
がパワーワード過ぎて笑いました😂
確かにあの真面目そうなケンタがなぜヒモを目指しているのか、気になります❗
面白かったです!
これからも食器を下げていいんですかというあたり、ヒモへの道は険しそうですね😂
そして、学園長の年齢は、一体いくつなんでしょう……🤣
さすが面白い発想ですね!!
早く実技訓練が見たいですね🤣
野外実習とかも見てみたいな〜🥳
家事スキルパーフェクトって逆にヒモに向いてる気はしますけどね…
あとギター弾いて夢を語る訓練が必要でしょうねww