働きたくない俺はなんとしてでもヒモになりたい!!

草加奈呼

第3話 ライバル?その名は来馬ルイ!(脚本)

働きたくない俺はなんとしてでもヒモになりたい!!

草加奈呼

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〇空港のエントランス
ケンタの姉「じゃあね、ケンタ」
ケンタの姉「お父さんとお母さんをよろしくね」
幼い頃のケンタ「ねーちゃん、いつ帰ってくるの?」
ケンタの姉「心配しなくても、2年で帰ってくるわよ〜」
ケンタの姉「イギリス土産、何がいい?」
幼い頃のケンタ「・・・エッフェル塔」
ケンタの姉「ぷっ! そりゃフランスよ! 怒られるわよ!?」
幼い頃のケンタ「ちょっと間違えただけだい」
ケンタの姉「じゃあ、 お父さん、お母さん、ケンタ」
ケンタの姉「行ってきます」
「いってらっしゃい!」
  そうして姉は──

〇黒
  留学先で行方不明になった

〇華やかな広場
「・・・・・・」
澤森ケンタ「6年前の話だ」
澤森ケンタ「こうなったら、おまえたちに話して 協力してもらった方が早いかと思って」
「協力?」
澤森ケンタ「その姉が、もしかしたらセレブ界入り しているかもしれないという噂を聞いて」
澤森ケンタ「俺は姉を探すためにこの学園に入った」
澤森ケンタ「だから正直、セレブ界に入れれば、 ヒモじゃなくても良かったんだが」
澤森ケンタ「この方法が一番手っ取り早いかと 思ったんだ」
岡崎弾助「行方不明・・・」
澤森ケンタ「姉が行方不明になって、もうすぐ7年に なってしまう」
岡崎弾助「7年・・・!」
飛鳥イヅル「7年だと、どうなるんだ?」
岡崎弾助「届出をすると、 死亡したとみなされるんだ」
澤森ケンタ「詳しいな、ダンスケ」
澤森ケンタ「まあ、そういうわけで」
澤森ケンタ「両親が気持ちの整理をするために 届出をしようとしてるんだ」
澤森ケンタ「できれば、その前に姉を見つけたい」
岡崎弾助「でも、卒業には2年かかるぞ・・・?」
澤森ケンタ「そうなんだ。 それで、ちょっと焦ってる」
飛鳥イヅル「・・・いや、方法はある」
「なんだって!?  えっ?」
飛鳥イヅル「サロンだ」
岡崎弾助「サロン?」
飛鳥イヅル「秋に、この学園でヒモの選評会 ──サロンが開かれる」
岡崎弾助「もしかして、世界各国のセレブが この学園に集まる!?」
澤森ケンタ「なるほど、情報は得やすいな」
澤森ケンタ「しかし、秋か・・・」
岡崎弾助「それまでに、俺たちはヒモ道を 少しでも極めていないと」
「よーし・・・」
「やってやるか!!!!!!!!」


〇武器庫
  弾助専用
  カリキュラム開始
岡崎弾助「あ、アヤカ先生! ここは!?」
アヤカ「見ての通り、武器庫よ」
岡崎弾助「いや、ここで一体、なんの授業を!?」
アヤカ「キミには、銃の扱い方を 覚えてもらうわ」
岡崎弾助「えっ!?」
岡崎弾助「ヒモって働かないんですよね!? なぜ銃の扱い方を!?」
アヤカ「セレブって、わりと狙われたりするのよ」
アヤカ「自分の身を自分で守ってもらうのと──」
アヤカ「主人を守るためでもあるわ」
岡崎弾助「それは、労働にはならないと?」
アヤカ「そうね」
岡崎弾助「でも、なんで俺だけ?」
アヤカ「えっ? えーっと、そうね・・・」
アヤカ「万が一の保険・・・ ってところかしら」
岡崎弾助「保険?」
アヤカ「ほら、キミはヒモに向いてないから」
アヤカ「いつでも転向できるように」
岡崎弾助「俺はやっぱり、 ヒモになれないんですか!?」
アヤカ「キミの努力次第よ!」
アヤカ「ほら、つべこべ言わずにやる!」
アヤカ「黙ってカリキュラムをこなさないと──」
岡崎弾助(本当に退学!?)
岡崎弾助「や、やります!」
アヤカ「ウン、がんばりましょ!」

〇原っぱ
アヤカ「当たるようになってきたじゃない!」
岡崎弾助「本物の銃って重いんですね」
アヤカ「そうね、そればっかりは 慣れるしかないわね」
アヤカ「握力と手首をしっかりと 鍛えるといいわよ」
岡崎弾助「わかりました」

〇グラウンドのトラック
アヤカ「速い・・・!」
アヤカ「何かスポーツやってたの?」
岡崎弾助「中学まで陸上やってました」
アヤカ「中学まで?」
岡崎弾助「高校に入ってからは、 アルバイトの日々で」
アヤカ「ああ、そうだったわね・・・」
岡崎弾助「でも、辞めてからも時々走っていました」
岡崎弾助「走ると、スッキリするんで」
アヤカ(この子・・・)
アヤカ(本当にヒモに向いてないわね)
岡崎弾助「先生?」
アヤカ「あ、えーと・・・」
アヤカ「今日はもういいわ。 後は自主トレーニングにしましょう」
岡崎弾助「わかりました」
岡崎弾助「もう少し走ってきます」
アヤカ(素直で 教え甲斐があるわね・・・)
アヤカ(なんとか、 秋までに仕上げないと・・・)

〇お嬢様学校
岡崎弾助「あ〜、今日も疲れた・・・」
岡崎弾助「もしかして、働くよりハードなこと してないか!?」
岡崎弾助「でも、これを乗り越えれば ヒモになれるんだ・・・」
岡崎弾助「なんだってやってやるさ!」
「岡崎弾助!」
岡崎弾助「君は・・・えーとたしか・・・」
岡崎弾助(・・・誰だっけ?)
来馬ルイ「来馬ルイだ!!」
岡崎弾助「ああ、そうそう! 来馬ルイくん!」
来馬ルイ「貴様、ヒモ学園首席の この俺の名前を知らないとは」
岡崎弾助(首席なんてあったっけ・・・?)
来馬ルイ「いいか、俺はアヤカ先生の 第一ヒモ候補だ!」
来馬ルイ「彼女のヒモの座は絶対に渡さん!!」
岡崎弾助「アヤカ先生の・・・ヒモ!?」
来馬ルイ「アヤカ先生に気に入られているからって、 いい気になるなよ!!」
岡崎弾助「ええっ!? ご、誤解だよ!!」
岡崎弾助「俺は、成績も良くないし!」
岡崎弾助「補習を受けてるだけなんだ!」
飛鳥イヅル「キャーッ! アヤカ先生に、手取り足取り!?」
岡崎弾助「イヅル! 話をややこしくしないでくれ!」
来馬ルイ「ぐぬぬぬ・・・」
来馬ルイ「岡崎弾助!! 貴様に決闘を申し込む!!」
岡崎弾助「決闘!?」
来馬ルイ「俺が勝ったら、アヤカ先生のヒモの座は 諦めてもらう!」
岡崎弾助「いや、それはそもそも・・・」
来馬ルイ「そして、 貴様のことを”オカン”と呼ぶ!!」
岡崎弾助「それは嫌だ!!」
飛鳥イヅル「じゃー ダンスケが勝ったら?」
岡崎弾助「オカンをやめてもらえば・・・」
飛鳥イヅル「いや、それじゃ不公平でしょ」
飛鳥イヅル「やっぱここは、来馬がアヤカ先生の ヒモの座を諦めるくらいじゃないと?」
来馬ルイ「むむっ・・・」
来馬ルイ「いいだろう、 俺が負けるわけはないからな」
来馬ルイ「勝負は1週間後」
来馬ルイ「それぞれヒモ道に則った 得意な方法で勝敗を決める」
岡崎弾助「ヒモ道に則った!?」
来馬ルイ「アヤカ先生にふさわしいヒモを 決める決闘だ」
来馬ルイ「異論は認めない」
来馬ルイ「1週間後」
来馬ルイ「貴様がどんな方法で挑んでくるか 楽しみにしているぞ」
岡崎弾助「イ〜ヅ〜ル〜〜〜〜ッ!!」
飛鳥イヅル「わ、悪かったって」
飛鳥イヅル「待て待て待て!! マジになるな!!」
「ギブーーーーッッ!!」

〇空

〇グラウンドのトラック
岡崎弾助(・・・そういえば)
岡崎弾助(来馬がアヤカ先生の ヒモ候補って・・・)
岡崎弾助(本当なのか?)
アヤカ「どうしたの? 授業に集中できてないようだけど」
岡崎弾助「す、すみません」
岡崎弾助「あ、あの・・・!」
岡崎弾助「来馬ルイが、アヤカ先生のヒモ候補って、 本当なんですか!?」
アヤカ「ど、どこでそれを!?」
岡崎弾助「本人から聞きました」
アヤカ「まあ、本当よ」
アヤカ「ただし、“母親が勝手に決めた” ね」
岡崎弾助「そ、そうなんですか・・・」
アヤカ「私はね、 本当はヒモなんて囲いたくないの」
岡崎弾助「でも、世界中に恋人がいるんですよね?」
アヤカ「・・・・・・」
岡崎弾助「先生?」
アヤカ「そんなわけないでしょー!!」
アヤカ「全部!!」
アヤカ「親が決めた!!」
アヤカ「ヒモ達よ!!」
岡崎弾助「お、落ち着いてください・・・!」
アヤカ「母親の言いつけで、ヒモが たくさんいるような発言してるけど」
アヤカ「会ったこともないし」
アヤカ「男性と正式に付き合ったことなんて 一度も・・・」
アヤカ「・・・って、キミには関係ないでしょ!」
アヤカ「何言わせるのよ!!」
岡崎弾助「先生が勝手に言ったんじゃないですか!」
岡崎弾助(でも、そうか・・・)
岡崎弾助(普通に考えたら、 ヒモなんていらないんだよな・・・)
岡崎弾助(・・・そうだ!)
岡崎弾助「アヤカ先生!」
アヤカ「な、なに・・・? まだ何か・・・?」
岡崎弾助「俺、今度来馬と 勝負することになったんです」
アヤカ「勝負?」
岡崎弾助「俺が勝てば、来馬はアヤカ先生の ヒモの座を諦めるって言ってました」
岡崎弾助「俺、勝負は乗り気じゃなかったんですが、」
岡崎弾助「アヤカ先生が困ってるなら、 勝てるように頑張ります!」
アヤカ「そ、それは・・・」
アヤカ「ありがたい、けど・・・」
岡崎弾助「授業、終わっちゃいましたね」
岡崎弾助「じゃあ 先生 応援してくださいね!」
アヤカ「・・・・・・」
アヤカ「・・・ハッ」
アヤカ「な、なんなのあの子!?」
アヤカ「天然なの!?」

次のエピソード:第4話 ヒモ道勝負!

コメント

  • 先生にああ言わせるなんて主人公もなかなかひもの才能がありますね!姉探しもどうなるか楽しみです

  • この魅力的なキャラクターと、起伏ある素敵なストーリー展開のなかに、「ヒモ学園首席」「第一ヒモ候補」「ヒモ道に則った」「親が決めた、ヒモ達」といったパワーワードが連発で……大好きです😂
    あっ、好きなヒモ状のものは、もずくです✨ 沖縄みたいに天婦羅にしてしまうとヒモ感がなくなってしまいますが…😋

  • まさかの恋愛フラグ発生。そして親が決めたヒモ…なかなかの世界設定ですね。そしてヒモ道に則った勝負ってなんだろ。想像するにろくでもない気がしています。こう、じゃんけん負けた方が勝ちみたいなことなのかな?

    好きなヒモ状のものは蕎麦です。

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