デス・パレードは祈りと共に

はじめアキラ

エピソード11・答の中(脚本)

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〇黒背景
  芦田ルミカが嘘をついている。それは早い段階で露呈した。
  彼女の非炎COが本当ならば、月か太陽のどちらかを持っていて、相方がわかるはず。
  なのに彼女はそれを隠そうとした。
  これは、全員のカードを明らかにしなければいけない、参加者側の動きではない。
  彼女は俺たちがカードを間違えることで利益を得る立場にいる、そう思っていい。
  問題は残る二人の、どちらが嘘つきであるか?
  どちらも炎持ちCOをしている。同じカードは二枚ない。確実にどちらかは嘘をついている。
  二人とも嘘吐きである可能性もゼロではない。ただし、その場合は必然的に芦田ルミカを含め三人全員敵ということになってしまう。
  メタ推理にはなるが、ゲームの難易度の面を考えるに、さすがに俺以外の三人全員が敵である可能性は低いと見ている。
  とりあえず、この二人のどちらが敵であるのかを考えよう。そこで、生きるのは彼らが話していた内容だ。
  人狼ゲームの鉄則。狂人や人狼は、基本的に少しでも村人のミスリードを誘うように動く。
  この二人のうち、村をひっかきまわしていたのはどちらか?

〇組織のアジト
  今一度、彼らの証言を思い出してみよう。
芦田ルミカ「わたし、使われていないカード一枚が鍵なんじゃないかと思うの。ほら、一枚余るでしょう?」
芦田ルミカ「その場合ゲームとしては、余りの一枚は“炎”になった方が、ゲームが面白くなるような気がするのよね」
  これは、芦田ルミカの発言。
  運営がカードを操作しているかもしれない、そして運営にとって都合の良いカードを余らせているかもしれないという予想だ。
  この推理は間違っているわけだが、実のところ彼女がこれを言い出すのは特におかしなことではない。
  何故ならば、彼女は月か太陽を持っていて、炎のカードの在り処は知らない筈だからだ。
  炎のカード持ちが身内にいるかどうか?それを探る意味でもこの話の始め方はそうそう悪いものではないと言える。
  問題となるのは残る二人の“乗っかり方”だ。どちらも炎を自分達が持っているとしている。その上で。
須藤蒼「でも、本当に余りカードが炎だって決めつけて話進めていいのかな?」
  蒼は明らかに、この話題が続くことを渋っていた。自分が炎を持っている、ミスリードが起きていると知っているならば当然の反応。
  だが、赤井鳳輔は。
赤井鳳輔「おー、言われてみりゃその通りだ!なら、運営が面白いようにカード操作してるっつーのも一理あるな!」
赤井鳳輔「いいじゃんいいじゃん!とりあえず適当な決め打ちからスタートさせればいいんだよ。間違ってたら後で修正すりゃいいの!」
  さながら、芦田ルミカのミスリードが正しいかのように積極的。自分が本当に炎を持っているなら、この反応はおかしい。
峯岸輪廻「・・・つまり。狂人として明らかに仕事をしているのは、赤井さんの方」
峯岸輪廻「赤井さんと、芦田さん、この二人の両方が嘘つきであるとアタリをつけていました」
峯岸輪廻「ですが、ここで一つ大きな問題があります」
峯岸輪廻「炎を持っているのが蒼と確定しても・・・あなた方二人のどちらがどちらのカードを持っているかはわからない」
峯岸輪廻「赤井さんと芦田さん、どっちが太陽で、どっちが月を持っているのか。これを確定できる情報がありませんでした」
峯岸輪廻「ですので、芦田さんの反応を見ることにしたのです」
峯岸輪廻「味方のふりを続けるつもりならば、芦田さんは自分のカードの内容をちらつかせる必要がある」
峯岸輪廻「同時に、俺達が誤った判定をするように仕向ける必要がある」
峯岸輪廻「俺が貴女の嘘を見抜いていることに気付いていないのであれば。貴女は必ず、嘘の情報を与えてミスリードを誘うはず」
峯岸輪廻「その結果、貴女は間接的に太陽COをした。だから俺は、そのCOが嘘だと判断したんです」
峯岸輪廻「・・・さながらそのCOを歓迎するような反応を、もう一人の嘘吐き――赤井さんがしたから尚更にね」
峯岸輪廻「これが俺の推理。何か、反論することはありますか?」

〇組織のアジト
芦田ルミカ「わ、わた・・・・・・わたしは・・・っ」
赤井鳳輔「・・・・・・っ」
須藤蒼「ほ、本当に?本当に二人は、運営側の人間なの?」
須藤蒼「何でですか?何で・・・何でこんな恐ろしいゲームに加担を?」
赤井鳳輔「ま、待て。違う。違うって。俺は、俺はその・・・」
赤井鳳輔「て、ていうかお前の方が嘘つきだろ!?お、俺は本当に、炎を持って・・・っ」
須藤蒼「それなら、芦田さんが僕を偽物判定してこないのが変だよ!」
須藤蒼「だって貴方が炎持ちなら、僕は月か太陽を持ってて、芦田さんにはそれがわかるはずなんだから!」
須藤蒼「そうだよ、輪廻さんの言う通りだ!僕達のどっちが嘘つきかわからないって芦田さんが言ってる時点でおかしいよ!」
赤井鳳輔「つっ・・・・・・!」
芦田ルミカ「そ、それは・・・!」
峯岸輪廻「・・・貴方がたがどういう意図で、運営側に加担しているかはわかりませんが。俺達が間違えれば、メリットがある立場なのでしょう」
峯岸輪廻「ならばせめて、お二人できちんと辻褄を合わせておくべきでしたね」
峯岸輪廻「二人できちんと作戦を決めておけば、こんな綻びで見抜かれることもなかったでしょうに」
峯岸輪廻「そもそも、俺が自分のカードをCOした時、そこにツッコミを入れてくる人間がいないのも変だと思っていました」
峯岸輪廻「俺が“嘘をついている”ことの想定が不自然にない。貴方がた自身が運営側の人間で、嘘吐きの数を把握していたともなれば道理です」
赤井鳳輔「て、適当なことばっか言うんじゃねえよ!だ、大体なあ、お前、そんな決めつけばっか言いやがって!俺らは・・・っ」
芦田ルミカ「・・・もういいわ、赤井さん」
赤井鳳輔「お、おい!」
芦田ルミカ「確かに、事前の打ち合わせが必要だったわね。でも、それは無理だったの」
芦田ルミカ「自分達が何のカードを引くかは、わたし達も知らなかった。それに、わたしと赤井さんが出会ったばかりというのは本当なの」
芦田ルミカ「第一のゲームと第二のゲームを受けていない、その内容を聞いて“受けたフリをした”のは確かだけれど」
赤井鳳輔「・・・・・・っ!」
芦田ルミカ「ごめんなさいね、赤井さん。やっぱりわたし・・・納得できないことは、納得できないのよ」
芦田ルミカ「輪廻くん。貴方は立派よ。組織が貴方を“特別な存在”として認めたくなるのも頷ける」
芦田ルミカ「だから、そのボードに答えを書く前に、わたしの話を聴いて頂戴。 ・・・知っていること、すべて教えるわ」

次のエピソード:エピソード12・罠の中

コメント

  • 推理的思考と心理戦が織り成す第三の試練、すごく見応えがありました👍
    そして、謎解き要素を前面に出しながらも、各登場人物が没個性にならずに魅力いっぱいで、血の通ったお話だなぁと感じ入っていました😊 特に芦田さんのバックボーンがとても気になります✨

  • 納得の推理回ですね!
    ちなみに、エピソード11・12を入れ替えて公開されたことも何か意図があったのでしょうか?(ミステリを読むと何でも意図や裏を考えてしまう習性)

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