10、決別(脚本)
〇洋館の一室
???「おかあさん!おかあさん!」
女性「い、い・・・?わた、しの言った・・・こと、を・・・」
???「・・・・・・・・・さない」
???「───?」
???「絶対に・・・!!」
〇立派な洋館
咲哉「嫌な予感がして、早く戻ってきたが・・・何も・・・」
光輝「サ・・・ク・・・」
咲哉「コウ!!!」
〇警察署の医務室
咲哉「レン先生。コウは?」
緋蓮「あの水のお陰で安定した。けど、あと少し遅かったから・・・」
咲哉「・・・・・・・・・」
杏奈「コウ!!」
咲哉「アン・・・」
杏奈「一体何があったの?」
咲哉「分からない。屋敷の前で倒れていた」
杏奈「そんな!セキュリティは破られてないわ!」
咲哉「アン、コウは昨晩何を?」
杏奈「何かを探すって・・・」
咲哉「!もしかして・・・!」
杏奈「サク!?」
〇教会の中
咲哉「・・・・・・!」
咲哉「扉の周りに血の跡・・・!」
咲哉「コウがこの扉に気付いた?そして・・・襲撃された?」
咲哉「まさか、人形が!?」
〇らせん階段
咲哉「もしも、人形が来たのなら・・・奴の目的は・・・!」
〇研究所の中
咲哉「!この大量の血、コウのか」
咲哉「やっぱり・・・おかあさんの記録本がない」
咲哉「・・・・・・っ・・・」
咲哉「もしも、あの男が暗号を解読して、例の単語がバレたら・・・」
咲哉「もう・・・俺に抵抗する力はない」
咲哉「・・・・・・・・・」
咲哉「もう・・・十分だ」
咲哉「家族の為ならば・・・」
〇警察署の医務室
杏奈「コウ・・・コウ・・・・・・!!」
咲哉「・・・・・・大丈夫。俺は・・・」
〇豪華な客間
葵「サクちゃん、コウちゃんが襲われたって・・・」
咲哉「真実だ。今は意識不明で目覚めない」
楓花「う・・・嘘・・・」
瑞希「そんな・・・」
彰人「コウ兄さんが・・・」
花音「まさか・・・そんな・・・!」
明良「一体どうやって・・・!」
凜佳「ここのセキュリティは完璧な筈なのに・・・!」
和人「誰かが侵入した気配はなかったぞ!」
仁也「コウ兄さんの傷の具合は?」
緋蓮「躊躇いなく致命的。コウ兄さんの生命力とサク兄さんの発見がなければ・・・」
「・・・・・・・・・」
聖「俺らが疑わしいのは分かってる。けど、俺とお嬢は無罪だ」
湊斗「俺だって、疑いたくねぇよ・・・」
咲哉「・・・・・・・・・」
葵「サクちゃん?」
咲哉「みんなには悪いが、暫くは必要以外部屋から出ないでくれ。料理は決まった時間に三人以上で」
咲哉「行動する場合は三人以上でする様に」
葵「え、ええ・・・」
咲哉「今後の事はアンと決める。みんなは部屋で待機を」
葵「分かったわ・・・」
〇英国風の部屋
咲哉「動いた、か・・・」
咲哉「頼む・・・気付いてくれよ」
咲哉「これで演じるのも最後だな・・・」
咲哉「もう、ここにも・・・」
〇中世の街並み
花音「はぁ・・・はぁ・・・!」
花音「っ・・・・・・・・・隊長!!」
静哉「・・・・・・花音」
静哉「話は知っている。光輝が刺されたというのは真実か」
花音「こんな短時間で知ってるなんて・・・やはり隊長なのですか!?」
静哉「それは・・・」
???「やっぱり、スパイだったんだな」
「!?」
花音「サク・・・さん・・・」
咲哉「お前がスパイとして、わざと番犬に襲われて俺達に保護されたのは知っていた」
花音「え・・・」
咲哉「それでも、お前は家族だった」
花音「!?」
咲哉「実際、お前は情報を渡してないだろ?」
花音「・・・っ・・・あんな、温かい所を壊すなんて出来なかった」
咲哉「分かってる」
咲哉「お前はもう、家族のカノだよ」
花音「サク・・・兄さん・・・!」
咲哉「そして・・・・・・・・・しず」
花音「え?」
咲哉「コウを刺したのはお前達じゃない」
静哉「・・・・・・・・・・・・・・・さく」
咲哉「みんなを、俺の家族を頼む」
静哉「!?」
静哉「待て、何をするつもりだ!」
咲哉((愛しい、俺の・・・))
咲哉「いい加減姿を現せ。影・・・・・・いや、人形共」
???「流石。気付いていたか」
静哉「まさか・・・!」
咲哉「久しぶりだな」
三璃「・・・・・・・・・」
三璃「私は三璃。貴殿等の知る者ではない」
「・・・・・・!!」
三璃「貴殿から出てきて感謝するぞ、咲哉」
咲哉「・・・はっ、お前達の目的は俺か」
静哉「何をするつもりだ・・・!」
咲哉「コウに手を出した落とし前をつけて貰いたいが・・・」
咲哉「お前達と交渉したい」
三璃「ほう」
咲哉「何の抵抗もなく、俺の身をお前達に預けてやる」
静哉「なっ!?」
咲哉「その代わり、家族に手を出すな」
咲哉「カーサは静哉の管理下に置け」
三璃「・・・・・・・・・」
三璃「良いだろう。我等がマスターの望みはお前の体」
三璃「他はこの際どうでも良い」
静哉「さく!!」
咲哉「しず・・・頼んだ・・・」
咲哉「カノ」
花音「サク兄さん・・・!」
咲哉「みんなには、俺がカーサを番犬に売ったと話しておいてくれ」
花音「そんな!」
咲哉「みんなが俺を恨むくらいに話していい」
咲哉「家族を頼む」
静哉「さく!!!」
咲哉「がっ・・・は・・・」
静哉「さく・・・っ!!」
花音「そんな・・・!!」
三璃「では失礼」
花音「・・・・・・・・・」
静哉「花音。私の命じた様に言え」
花音「・・・は・・・い」
〇立派な洋館
彰人「カノ!」
花音「アキ・・・」
彰人「良かった、無事だったんだね」
彰人「一人で、出歩いたら・・・」
静哉「久しぶりだな。異能者」
彰人「なっ!?どうして!?」
静哉「ある男が、自分の身と引き換えにお前達を私に売った」
彰人「まさ、か・・・」
静哉「その娘は男を尾行して来た様だが・・・・・・・・・あの男程の実力があれば、逃げられただろうが」
彰人「カノ、本当なの?サク兄さんが、家族を・・・」
花音「本当、だ・・・」
彰人「そんな・・・!!」
静哉「これよりカーサは番犬の管理下に置かせて貰う!!」
静哉「お前がそれを放つより先に、私がこの娘を斬る方が早い」
湊斗「チッ!!」
彰人「サク兄さん・・・なんで・・・」
花音「・・・・・・・・・」
〇豪華な客間
杏奈「サク・・・貴方まで・・・」
杏奈「・・・私は・・・」
杏奈「諦めない」
〇牢獄
???「久方ぶりだな」
咲哉「・・・・・・・・・」
???「その瞳・・・何度再現しようとしても出来なかった・・・空を写した色」
咲哉「貴様・・・」
咲哉「ぁ」
咲哉「うぁああぁぁぁあ!!」
???「やはり取り出せんか」
咲哉「はぁ・・・はぁ・・・」
???「まぁ良い。他に出来る事はある」
咲哉「・・・しず・・・頼む・・・」
〇黒
終