異能力者の非日常物語

にーな

11、人形(脚本)

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〇研究所の中
女性「──、調子はどう?」
???「問題ないよ」
女性「そう。良かった」
女性「お兄ちゃんは少し無理をする子みたいだから、助けてあげてね」
???「うん」
???「何してるの?」
女性「何でもないわ」
女性「貴方達だけでも、仲良く・・・」

〇牢獄
静哉「さく・・・!」
咲哉「しず・・・?どうして、ここに?」
静哉「影に俺はお前の関係者だからと無理矢理面会をもぎ取った」
咲哉「無茶をするなぁ・・・」
静哉「お前、その姿はどうした?」
咲哉「アレを取られそうになってな」
静哉「!?」
静哉「あの野郎・・・!」
咲哉「しず、カーサは?」
静哉「俺の管理下に置いたから、大丈夫だ」
咲哉「そう、か・・・皆を・・・」
静哉「さく・・・!」
静哉((もう意識も保てないのか・・・!))
静哉「必ずお前を・・・!」
二華「お時間です」
静哉「・・・・・・・・・」
二華「さて、一体どちらが・・・」

〇城の廊下
文弥「本当に広いな・・・厳重なセキュリティといい・・・」
文弥「おっと、隊長」
静哉「此処のリーダーと話す。お前達は下がっていい」
文弥「大丈夫なのか?」
静哉「早く行け」
文弥「・・・おう」
文弥「アイツ、何を焦ってるんだ?」

〇豪華な客間
杏奈「随分なご挨拶ね」
静哉「重要な話がある」
杏奈「何かしら?」
静哉「貴様は咲哉をどうしたい?」
杏奈「決まってる」
杏奈「絶対に取り返すわ。此処は、私達の家なのだから」
静哉「・・・そうか」
静哉「お前が信頼する者を集めろ。アイツを取り返す」
杏奈「・・・・・・え?」

〇豪華な客間
静哉「・・・それで集めたのが彼等か」
杏奈「ええ。確実に信用できるメンバーよ」
瑞希「アン姉さん?」
楓花「一体どうしたの?」
彰人「信用・・・?」
花音「・・・・・・・・・」
葵「取りあえず、緊急だと聞いて来たのだけど」
聖「・・・俺まで・・・一体どうしたってんだ?」
杏奈「実はね・・・」

〇黒

〇豪華な客間
葵「サクちゃんを・・・」
葵「貴方、本当に信じていいわけ?」
静哉「・・・・・・・・・」
静哉「その口調、お前が葵か」
葵「随分と今更ね」
静哉「わざわざ確認はしなかった」
静哉「さくから聞いていたからな」
葵「・・・え?」
静哉「お前は、コウとやらに救われて、彼の頼みで潜入調査していたのだろう」
葵「それもサクちゃんから?」
静哉「ああ」
瑞希「サク兄さんとお前の関係はなんだ」
静哉「・・・切っても切り離せない関係」
静哉「俺が非異能、サクが異能側に付き、均衡を保つのが俺達の使命」
瑞希「は?」
杏奈「どういうことなの?」
静哉「詳しい話をしても理解出来んだろう。それに時間もない」
杏奈「え?」
静哉「さくが、さくである内に・・・」

〇牢獄
???「昔、一人の研究者が居た」
咲哉「・・・・・・・・・」
???「その研究者は流れ星の欠片を見つけ、それを自分に取り込んだ」
???「すると、その研究者には異質な力が宿った」
???「そこで研究者は思い付いた。この力があれば・・・死んだ息子を蘇らせることが出来る、と」
咲哉「・・・・・・・・・」
???「その研究者はとある人形に流星の塊を入れた」
???「すると、人形は本当の子供のように動き出した・・・・・・問題は、どちらが人形か」
咲哉「ぐっ・・・」
???「死んだ兄の代わりなのだから、兄が人形かと思ったが・・・命を長らえさせる欠片を集めていたのは弟だった」
???「随分と悩ませてくれた」
咲哉「ごほっごほっ・・・!」
???「だが、本来の人形の稼働時間は10年。故に、それを越えたお前が弱体化した事で漸く判断が出来た」
???「そうだろう?彼女の最高傑作・・・原初の人形」
咲哉「・・・・・・・・・」
???「まぁ、いい。あの言葉さえ、分かれば・・・」
咲哉「・・・忘れたくない・・・しず」
咲哉「俺が、俺でいる内に・・・」

〇立派な洋館
静哉「本当に離れていいのか」
杏奈「ええ。ちゃんと手は打ってあるわ」
杏奈「貴方達も・・・本当にいいのね」
「もちろん」
花音「自分の責任は果たす」
葵「コウちゃんの代わりにはなれないけど、彼のためにもね」
聖「恩返ししねぇとな」
杏奈「行きましょう」

〇警察署の医務室
光輝「・・・・・・・・・」
光輝「・・・サ・・・ク」
光輝「おま、えは・・・」

〇荒廃した国会議事堂の広間
静哉「この先だ」
有彩「隊長?」
「!?」
有彩「ここで、何を?異能者を連れて・・・」
静哉「・・・話している暇はない」
有彩「隊長・・・っ!」
静哉「この先、真っ直ぐ駆けた後に祭壇がある。そこに隠し扉があり、その地下にさくは居る」
杏奈「分かったわ。皆、行くわよ」
有彩「何をするつもりですか?」
静哉「片割れを取り戻すだけだ」
有彩「それは・・・我々を裏切るという事ですか」
静哉「お前は・・・親を異能者に殺されたのだったな」
有彩「っはい」
静哉「調べて分かった。お前の両親は異能者を率先して迫害していたと」
有彩「え?」
静哉「カーサで異能者達と触れ合い、何を感じた」
有彩「それは・・・」
静哉「邪魔をするなら、俺も手を出さざるを得ない」
静哉「お前達もだ」
「・・・・・・・・・」
静哉「時間がない。退け」

〇祭祀場
杏奈「祭壇・・・」
葵「ここで間違いなさそうね」
聖「この下に・・・」
???「どうやら、鼠が入り込んだ様だ」
「!?」
瑞希「なんだお前・・・」
楓花「そこを退いて!!」
彰人「俺達の兄さんを返してもらう・・・!」
花音「一夜さん・・・」
葵「知ってるの?」
花音「・・・番犬の上司です」
聖「二華、てめぇ・・・」
葵「どうやら、アチコチに忍ばせていたみたいね」
杏奈「貴方がサクを連れていったのね」
???「サク・・・ああ、アレか」
杏奈「返してもらうわよ」
???「それは出来ない。アレは大事な器なのでな」
杏奈「器・・・?」
???「そうだ。流星を受け入れる唯一無二の器」
杏奈「・・・・・・・・・」
杏奈「訳の分からない話はもういい。早くサクを返して」
???「ふむ。強力な異能だ」
???「そうだな・・・返す事は出来ないが、会わせてやろう」
杏奈「何を・・・!」
杏奈「サク!!」
咲哉「・・・アン・・・?」
咲哉「それに・・・どうして、みんなが・・・」
???「お前を返せと言ってきたのでな」
???「最後に会わせてやる」
咲哉「!?」
咲哉「や・・・止めろ・・・」
杏奈「サクを返して!」
???「人形」
「どけっ!!」
「邪魔をするな!!」
咲哉「止めろ・・・!!嫌だ・・・!!」
???「どのみち、直ぐにお前の意識は切れる。それが少し早まっただけだ」
静哉「これは・・・!!」
静哉「!さく!!」
咲哉「しず・・・!俺を・・・」
???「コード:クリア・・・」
静哉「!!止めろ!!」
???「“お休み、愛し子”」
咲哉「ぁ・・・」
静哉「さく!!さく!!!」
咲哉「・・・・・・・・・」
???「さぁ、お前の手で終わらせるんだ・・・可愛い人形」

〇黒
  終

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