3 ライバル(脚本)
〇廃墟の倉庫
俺がアズのおっさんとフレンド登録してから一週間位経過した。最初の頃と比べて大分腕も上達して強めの武器も使える様に
成っていた。
サツ「う~・・・」
サツ「う~!!」
アズ「ヨッシャー!念願のサツをやっと倒せたぜ!」
サツは中々姿を見せる事が無いゾンビだが、倒せたらその分の見返りが期待出来る。アズのおっさんはサツの身体を漁り、
念願の物が手に入った。
アズ「これだよこれ!遂に俺も銃が撃てるんだな!」
神代昂輝「おめでとうアズのおっさん!弾は良く考えて使ってくれよ!」
この一週間俺はおっさんのレベル上げに協力していた。おっさんも戦い方が分かって来て最初見たいにアタフタする事は
無くなって居た。一人で頑張るのが当たり前だった俺だが、誰かと一緒に何かをするのも楽しく感じて居た。
アズ「大事に使わせて貰うぜ!銃は設計図が有れば改造も出来るんだよな?」
神代昂輝「あぁ、俺が初めておっさんを助けたあのライフルも改造した奴なんだ。俺と同じ物が使えるのもそう遠く無いぜ」
神代昂輝「おっさんも大分レベル上がったから店に行って見るか。もしかすると、銃が買えるかも知れない」
俺達がその場を後にしようとしたその時だった。
住谷和也「コウ!やっと見つけたぜ!」
神代昂輝「お前は、カズ!?」
アズ「何だ?知り合いか?」
俺達の前に現れたのは、俺の昔馴染みの住谷和也。プレイヤー名はカズ。俺と同じ上級者で自分のチームを結成する程の腕前だ。
住谷和也「聞いたぜコウ。一匹狼気取ってたお前がド素人のおっさんと組んで教えてるんだってな。お荷物抱えてるなら召使いや」
住谷和也「雑用にでも使えば良いのに、態々教えるなんてご苦労なこって」
神代昂輝「おい、口の効き方には気を付けろよ?ゲームやってまで差別持ち込むのはどうかと思うが」
住谷和也「あ〜悪い悪い。でも何処の世界も実力が無いと笑われるからな。僕見たいに実力と人望が無い奴は潰れて当然」
神代昂輝「あぁ、言いたい事は分かる。だから俺は一人に成ったんだ」
住谷和也「それはそうとコウ。僕のチームに入る事考えてくれた?前から言ってるけど、僕は君の実力を高く買っている。僕達と君の力が」
住谷和也「一つに成れば向かう所敵無し。ついでにそのお荷物のおっさんも連れて来てくれれば雑用係にでもするし、いざと言う時は」
住谷和也「ゾンビ共の餌にも使える。そろそろ決めてくれても良いと思うんだけど?」
神代昂輝「カズ、その話は前から断ってるだろ。上級者なんて捜せば幾らでも居る。何よりアズのおっさんは俺の相棒なんだ。囮だの雑用だの、」
神代昂輝「他人をそんな風にしか見れないなら尚更お断りだ。他を当たれ」
住谷和也「あ〜あ残念。でも僕は諦めないよ。何度も言うけど、僕は君を高く買ってる。その事を忘れないでね。それじゃ、」
カズは言いたい放題言ってこの場を去った。カズとは一応はライバル関係だが、あいつは俺の事を未だに欲しがっている。
アズ「お、おいコウ君、何だかあいつとは訳あり見たいだったが、大丈夫か?」
神代昂輝「大した事無いさ。初めての相棒を好き放題言ってくれた事は腹立だしいが。あいつとは幼馴染で、高校卒業するまで一緒だったから」
アズ「そうか。結構付き合い長いんだな。俺は大丈夫だから、余り気にしないで良いぜ」
神代昂輝「そう言って貰えると嬉しいよ」
アズのおっさんは気にするなと言ってくれたが、俺は正直気分が晴れなかった。そんな俺の表情を見ておっさんは有る提案を
持ち掛けた。
アズ「なぁコウ君、良かったらオフ会って奴をやって見ないか?」
神代昂輝「え!?何だよ急に」
アズ「嫌な事なんてぱぁっと遊んで忘れるのが一番だ。次の日曜日とかどうだ?ログアウトしたら、俺の連絡先のID教えるよ」
神代昂輝「あぁ、でも無理に気を使わなくて大丈夫だから」
アズ「一人でそう抱え込むなって!この一週間俺にゲーム教えてくれたお礼だよ!前から恩返ししたいと思ってたんだ!良いだろ!?な!」
何だかんだで俺はおっさんに押し負けてオフ会を承諾した。リアルでゲーム仲間に会うなんて事は初めてだけど、
おっさんの気持ちは無下にしたく無かったので、俺はこのオフ会に出る事にした。