元医師のゴシップ記者と弁護士資格を持ったホステスのタイトル探し

サトJun(サトウ純子)

ひさじとオヤジ(脚本)

元医師のゴシップ記者と弁護士資格を持ったホステスのタイトル探し

サトJun(サトウ純子)

今すぐ読む

元医師のゴシップ記者と弁護士資格を持ったホステスのタイトル探し
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇古風な和室(小物無し)
  ──後任の丸山ミチが
  あの──
  「ひさじ」だってぇ!?
パレード(八木ショウヘイ)「まぁ、確かに、それなら 「はじめからひさじに頼めばよかったじゃん」だよね!」
ナポリ(大竹ソウタ)「そうなんすよ──」
「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・まさか青ティー。 俺が間に合わないとわかっていて!?」
パレード(八木ショウヘイ)「そんな策士じゃないよー あいつは」
ナポリ(大竹ソウタ)「うわっ!やべっ!」
パレード(八木ショウヘイ)「あ、ちょっちょ! いらっしゃい」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「今、ひさじのところに電話したんだけど、 誰も来ていないって言うから」
パレード(八木ショウヘイ)「???」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「なんで、パレードのところで お茶しているのよ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「だって・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「怖いんだもん」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「本当にあなたって──」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「バカなの!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「言い方ー」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「自分で記事のこと、 謝りに行くって言っていたじゃない!」
ナポリ(大竹ソウタ)「うん。その前に、 軽くウォーミングアップを・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「僕、ウォーミングアップだったんだ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「確かにパレードはチョロいわ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「だからこそ、 ウォーミングアップにすらならないってこと、わからないの!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「し、失礼だなっ! パレードは良いヤツだ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「初対面の俺にお茶を出してくれて 相談にものってくれるんだぜ?」
パレード(八木ショウヘイ)「いや、この人、勝手に押しかけてきて いきなり泣きながら話しはじめたんだが」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「パレードが良い人かどうかなんて 今はどうでもいいの!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「さっさと、ひさじのところに行きなさいよ! 時間が無いんでしょ!?」
パレード(八木ショウヘイ)「まあまあ、二人とも、落ち着いて!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「はぁー」
パレード(八木ショウヘイ)「落ち着いた?」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「うん」
パレード(八木ショウヘイ)「そもそも、青ティーは ひさじには頼みたく無かったと思うよ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「なんで? こんな、ガラの悪い恐喝記者を使うより ずっと良いじゃない」
ナポリ(大竹ソウタ)「酷い・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「・・・」
パレード(八木ショウヘイ)「青ティー、ひさじに こっぴどくフラれた過去があるから」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「えっ!? それ、聞いた事ない!?」
パレード(八木ショウヘイ)「確か、付き合っていた事もあったはず」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「ええええっ!? そうなの!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「あ、俺、その話、 青ティーから聞いた事ある!」
ナポリ(大竹ソウタ)「別れた原因、あれだろ?」
パレード(八木ショウヘイ)「そうそう! あれしかないし!」
「自動ドア事件!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「はぁ?」

〇古本屋
青ティー(高校生)「うわっ!」
青ティー(高校生)「あ、あれ?あれ?」
ひさじ(高校生)「・・・」

〇大企業のエントランス
青ティー(高校生)「あ、あれ?」
ひさじ(高校生)「・・・」

〇研究施設の玄関前
青ティー(高校生)「うわっ!」
青ティー(高校生)「ま、またかよ」
ひさじ(高校生)「・・・」

〇古風な和室(小物無し)
パレード(八木ショウヘイ)「青ティーが自動ドアに反応され無さすぎて」
ナポリ(大竹ソウタ)「一緒にいたひさじがイライラして 二日で別れたってヤツ!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・絶対それが原因ではないよね」
「え、絶対それでしょ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・はぁ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「あんた達、揃いも揃って・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「バカなの!?」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「さ、行くわよ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「ば、パレードも一緒に来てくれよー」
パレード(八木ショウヘイ)「行ってらっしゃーい!」

〇車内
ナポリ(大竹ソウタ)「しかし、パレードって、 ホント、典型的なおぼっちゃまだな」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「小さい頃からあんな感じよ。 何言われてもニコニコしてて」
ナポリ(大竹ソウタ)「「育ちが良い」って感じ。 何不自由無く育ってきたんだろうな」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「そうね。 誘拐されないように、あの頃には珍しい キッズ携帯持っていたしね」
ナポリ(大竹ソウタ)「「パレード」の由来、な!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「よく、青ティーが勝手に家から連れ出して、 家の人に怒られてたわ」
ナポリ(大竹ソウタ)「床の間の柱に、皆んなの背比べの傷あるよな!さっき、見せてもらった」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「あれ、あの家が新築の時にやったのよ。 ひさじは必死に止めたんだけどね」
ナポリ(大竹ソウタ)「パレードが「僕の宝物なんだ」って 嬉しそうに自慢してたぜ!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「ひさじはいつもヒヤヒヤしてたけど、 なんやかんやで、色々やらかしてたわー」
「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「そんなに仲が良かったのに」
ナポリ(大竹ソウタ)「なんで、バラバラになっちゃったんだよ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「あなたも知っているでしょ?」
  あの、事件の事──

〇おしゃれな居間
ひさじ(丸山ミチ)「うわぁ!ちょっちょ。ひさしぶりぃ!」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「ひさじも相変わらずね! 時々テレビとで見かけてるから、 久しぶりって気がしないわ」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「あ、その子が二代目ひさじね! こんにちは」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「かわいいーっ!」
ひさじ(丸山ミチ)「お店にも行ってみたいんだけどね。 なにしろ、この人みたいな人が ウロウロしているから」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「いいの、いいの! 次は旦那様が選挙に出るのでしょ? いろいろと気をつけないと」
ナポリ(大竹ソウタ)「こ、怖いよー」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・で、この人。 家に連れて来ちゃって、 本当に大丈夫だったの?」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「うん。 直接聞きたい事もあったから」
ひさじ(丸山ミチ)「まず。 ご用件を先にお聞きします」
ナポリ(大竹ソウタ)「えっと、だから・・・そのぉ・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「だから?」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・あ、青ティー」
ひさじ(丸山ミチ)「青ティーが、なにか?」
ナポリ(大竹ソウタ)「だから、そのぉ・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「つまり?」
ナポリ(大竹ソウタ)「あ・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「青ティーと別れたのは、 自動ドアのせいですかぁぁぁーっ!?」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・え?」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「・・・その事じゃないでしょ」
ナポリ(大竹ソウタ)「あ、その・・・ この度は・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「うわぁ、めっちゃ見てくる」
ナポリ(大竹ソウタ)「私が書いた記事により、 お父様が大変な事になってしまい・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「でも、あの記事の件は 本当の事じゃないかぁーーーっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・と、こいつが言ってます」
ひさじ(丸山ミチ)「・・・」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「ちょっと! 謝るんじゃなかったの!?」
ナポリ(大竹ソウタ)「だって俺、悪い事してないもん・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「わかりました」
ひさじ(丸山ミチ)「今、父が来ますので」
ひさじ(丸山ミチ)「直接話していただきましょう」
ナポリ(大竹ソウタ)「えっ!?」

〇荒廃した国会議事堂の大講堂
  丸山議員と言えば──
「丸山豪志くん」
ひさじの父「はい」
ひさじの父「説明が不充分で、何も伝わってきません。 いつ、誰が何をどうして、何が原因でどうしたか。普通に段取りを説明してください」
ひさじの父「こちらは細かく順を追って質問をしているのですから、それに正確に答えればいいだけじゃないですか。小学生でもできます」
ひさじの父「それとも、難しい言葉を使って、自分自慢でもしたいのですかね?もしくは、誤魔化そうとしてますか?」
ひさじの父「見ている国民や、選挙権を持つ18歳の子にもわかるように言葉を選べないのですか?本当の言葉の使い方から学び直してください」
  すっごく細かいオヤジで

〇荒廃した国会議事堂の広間
  あの時も──
ひさじの父「はい。宮神議員の事ですか?」
ひさじの父「それは本人に直接聞くべきだろう。 私は知らない事には答えられない」
ひさじの父「憶測で話すような話ではないですしね。 私は国会議員なので、無責任に発言するような事はしません」
ナポリ(大竹ソウタ)「その、宮神議員が雲隠れしてるから困っているんですよ。なんとかなりませんか! 私も直接話をしたいのですが」
ナポリ(大竹ソウタ)「病院にいるのか・・・ とにかく、捕まりません!」
ひさじの父「君はどこのなんていう記者かね。 ・・・ああ、ちょうど良い。一人ずつ名刺をください」
ひさじの父「私に対する質問はしっかり答えますので、こちらまでご連絡ください」
ひさじの父「君たちも、憶測で話を盛ったり、尾鰭をつけまくる記事は控えたまえ。自分の価値を落とすだけですよ」
ひさじの父「では。失礼します」
  って、突っ返されて。

〇おしゃれな居間
ナポリ(大竹ソウタ)「あのオヤジ、苦手だったんだよなー」
ひさじの父「またせたね」
ひさじの父「君が大竹くんか」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・えっ?」
ナポリ(大竹ソウタ)「丸山・・・議員?」
ひさじの父「いやぁ、その節はお世話になりまして」
ひさじ(丸山ミチ)「お父さま!エプロンしたままよ!」
ひさじの父「あ、ホントだ!」
ひさじの父「あ、いや。今、フィナンシェ焼いててね」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「お・・・おじさま。 お久しぶりです」
ひさじの父「ルミちゃん!久しぶりだねぇ。 また、気軽に遊びに来てよ! 昔みたいに」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「は、はい!」
ナポリ(大竹ソウタ)「なんだか印象がガラッと変わってるぞ」
ひさじの父「・・・さて、大竹くん」
ナポリ(大竹ソウタ)「はい!」
ひさじの父「あの時は、本当にありがとう」
ナポリ(大竹ソウタ)「あの時?」
ひさじの父「これだよ」
ナポリ(大竹ソウタ)「俺の名刺・・・?」
ひさじの父「ほら、裏を見てごらん」
ナポリ(大竹ソウタ)「顔のむくみ、ため息の回数、時々腰を叩く、ストレス?腎臓系?・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「あっ!」
ナポリ(大竹ソウタ)「俺、無意識にこういう事メモる癖があって」
ひさじの父「あの後、引責辞任してから、このメモ書きを見て、病院に行ったんだよ」
ひさじの父「君は、私に辞職を決意させる 切っ掛けをくれた」
ひさじの父「私は甘いものが大好きでね。 こういうのが一切食べられない 状態になるところだったよ!」
ひさじ(丸山ミチ)「お父さま。これからお母さまと、小さなお菓子屋さんを経営するんですって」
ナポリ(大竹ソウタ)「そ・・・そうなんすね!」
ひさじの父「君には直接お礼が言いたかったんだ。 本当にありがとう」
ナポリ(大竹ソウタ)「いえいえ!なーんも!」
ひさじの父「フィナンシェ出来たら持ってくるから ゆっくりして行きなさい」
「ありがとうございます!」
「・・・ってことは」
ひさじ(丸山ミチ)「ことは?」
ナポリ(大竹ソウタ)「協力してもらえるかもっ!?」
ひさじ(丸山ミチ)「ああ、青ティーの自伝の話し?」
ひさじ(丸山ミチ)「いいですよ。 どちらにしても、間に合わなかったら 私がやるんだし」
ナポリ(大竹ソウタ)「確かに・・・」
ひさじ(丸山ミチ)「でも、きっと。私では無くて、最初にあなたにお願いした意味があると思うの」
ナポリ(大竹ソウタ)「・・・」
ナポリ(大竹ソウタ)「まず、俺の疑問は」
ナポリ(大竹ソウタ)「青ティーと別れたのは、 あの、自動ドア事件が原因だよね!?」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「まだ、そんな事言ってる!」
ひさじ(丸山ミチ)「そうよ?大当たり!」
ナポリ(大竹ソウタ)「ほーらみー」
ちょっちょ(水嶋ルミ)「いやいや、おかしいって」
ナポリ(大竹ソウタ)「あと、もう一つ。質問」
ナポリ(大竹ソウタ)「こんなに仲が良いのに どうしてバラバラになっちゃったのか」
ナポリ(大竹ソウタ)「あの事件だけでは、こうならないよね?」

次のエピソード:10年前の事件

コメント

  • キャラクターに子供や学生時代の話がついてるので深みがあって自分も一緒に幼なじみになったようで楽しいです!

    自分の医者癖に救われましたねなぽり!

    議員だったころのおじさんの会話の分量が凄くて圧が伝わりました👍今との比較も凄いし、フィナンシェ、食べてみたいです💕

  • 自動ドア事件……最近、家の玄関灯の人感センサーに反応して貰えない僕にとって他人事では無いです😂

    太ったおじさまの作るお菓子って絶対美味しそうですよね🤤

  • どうなることか思いきや丸く収まって良かったー
    お父さんが丸くなるキッカケを知らぬところで作ってたなんて……イメージチェンジの意味は一体💦💦💦中身は本当に変わってないから。どれだけ自動ドアが気にかかっているんですか😆

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ