2 おっさんへのレクチャー(脚本)
〇荒廃したショッピングモール
雑魚「う~・・・」
雑魚「う~・・・」
雑魚「う~・・・」
神代昂輝「ゾンビは叩いたり撃ったりしてれば何時か倒せる。俺達プレイヤーの攻撃の中で一番多様するのは蹴りだ」
アズ「蹴り?」
神代昂輝「蹴りはスタミナの有無に関係無く繰り出せる。蹴り飛ばして罠に放り込めばゾンビを即死させられる。それで経験値が得られる」
神代昂輝「罠は針山だったり電流だったりオイルの巻かれた所で出来た火だったり何でもだ。それらを有効活用してればレベルも楽とまでは」
神代昂輝「行かないが効率良く上げられる。やってみな」
アズ「良し来た!この辺の罠は、針山が有るな!良し、蹴って蹴って蹴りまくるぜ!」
アズは蹴り一択でゾンビ達を近くの針山に蹴り飛ばした。針山に蹴り飛ばされたゾンビ達は串刺しに成り、アズは夢中に
成ってたのか針山には大量のゾンビの死体で溢れて居た。
アズ「くはぁ!こうやって倒して見ると気分爽快だな!」
アズ「と、何時の間にか針山がゾンビだらけに成ってた」
神代昂輝「な、やり方が分かれば楽しいだろ。倒したゾンビからは自分の手で漁って何か取り出せるぜ。金とか換金アイテムとか、」
神代昂輝「時間が経てば死体は消えるが持ち物ごと消えないからそこは安心してくれ」
アズ「おぉ!そいつは確かに有難いな!良し、早速宝探しだ!」
アズは自分で倒したゾンビの身体を漁って金や換金アイテムを取り出してご機嫌だった。ゾンビの倒し方が分かったからか、
暫く此処に居座ってゾンビ退治に没頭していた。
雑魚「う~・・・」
雑魚「う~・・・」
雑魚「う~・・・」
アズ「おいおい!あんなに倒してレベルも上がって来たと思ったらまた湧いて来やがった。これじゃキリが無いな!」
神代昂輝「当たり前だ。ボサッとしてたら囲まれる何て事も有るからそこは気を付けてくれ。逃げる時のコツだが、とにかく高い所に」
神代昂輝「登って逃げる事だ。ゾンビの動きは基本的に鈍いが、さっきアズのおっさんが逃げてた奴見たいに足の速い奴も居るから、」
神代昂輝「その時は全力で逃げるか倒すかの二択だな」
アズ「成る程ね!戦い方さえ分かればこっちの物だな!そろそろ別の事教えてくれないか?」
神代昂輝「それなら、次はあっち行こうか」
二人共ゾンビ退治を切り上げ、俺はアズのおっさんと共に別の場所へと向かった。
〇洋館の一室
神代昂輝「次に教えるのは物集めだ」
アズ「宜しく頼むぜ、コウ君先生!」
俺はアズのおっさんに物集めを教える為に廃墟の中の一室に来て居た。
神代昂輝「この世界は見ての通りのオープンワールドだ。だから何処の建物の中にも何時でも入れる。部屋の中にもゾンビは居るけどな」
神代昂輝「場合に寄っては鍵が必要だったり裏から開けないといけないタイプも有るから頭の隅にでも置いといてくれ。さてと本題」
神代昂輝「部屋の中はどれも弄りたい放題だ。ゴミ箱の中やタンスや引き出しの中を漁れば何かしらの物が手に入る。簡易的な回復アイテムも」
神代昂輝「有るぜ」
アズ「おいおい、それって要は人様の物物色するって事だろ?大丈夫なのか?」
神代昂輝「確かにやってる事は泥棒まがいだけど、此処はゲームの世界だ。リアルではやらない様にな。このゲームならではだ」
神代昂輝「だから気にするな」
アズ「何か複雑な気分だか、まぁやって見るか」
俺達はタンスや引き出し等からアイテムを探し出した。おっさんは最初こそ難色を示したが成れて来たのか物集めに対して
積極的に成って来た。物を暫く漁ってたら、おっさんが何かを見つけた。
アズ「コウ君!開けられないコンテナ見つけたんだが、これどうしたら良いんだ!?」
おっさんの元に駆け寄り、俺はコンテナを確認した。
神代昂輝「お!こいつはピッキングしないと開けられないタイプだな!丁度良い、今からピッキングのやり方教えるよ」
アズ「ピッキングって、益々泥棒に成った気分だな。まぁゲームの中だけなら、問題無いか。宜しく頼むぜ」
俺は自分の持ち物(ストレージ)からロックピックをおっさんに10個程渡してピッキングのやり方を教えた。鍵穴に入れ込み、
ベストな場所を見つけて回すのに、少し時間が掛かったが、おっさんは無事にロックを開けられた。
アズ「やった!開いたぜコウ君!」
神代昂輝「こう言うの開けられると気分良く成るよな。さて、中身は全部おっさんにくれてやる」
アズ「おぉ!そいつは有難い!」
おっさんは意気揚々でコンテナを開けた。コンテナの中身は近接武器の鉄パイプと何かの設計図だった。
アズ「鉄パイプと紙切れか。さっき素手でゾンビ共とやってたから何か金に変えたく成るな」
神代昂輝「だろ?このゲーム案外素手でもやってけるんだよ。銃の弾もレベルが上がれば買える様に成るから、実を言うと俺も余り」
神代昂輝「銃を使わない」
アズ「色んな楽しみ方が有るんだな!所で、こいつはどんな物なんだ?」
神代昂輝「こいつか?見た所設計図だな。素材が揃えばそれに記された物が作れるぜ。こいつの場合は・・・」
神代昂輝「ロケットランチャー、ガトリングガン、アサルトライフルの一式セットじゃ無いか!キャリア短めでこの設計図を見つけられるとは」
神代昂輝「運が良いぜおっさん!」
アズ「え!?名前聞く限りそんなに凄いのゲット出来たってか!?」
アズ「何だろう、俺が最初に会ったのがコウ君で良かったって思うし何だか楽しく成って来やがった!そろそろ物作り教えてくれよ!」
その後俺は、おっさんに物作りや安全区域等のレクチャーをしてゾンビ退治や資材集めを心行くまで楽しんだ。
一式セットの武器は流石に直ぐには作れなかったが、今日と言う日は何だか楽しかった。