2むらむら『それぞれの免疫力』(脚本)
〇桜並木
仲村 柊「好きだ、ゆうり」
仲村 柊「お前との時間すべてが特別なんだ」
仲村 柊「これからもずっと 俺のそばにいて欲しい」
中邑 ゆうり「柊、私も・・・」
〇黒背景
中邑 ゆうり「好──」
〇女の子の部屋
中邑 ゆうり「んがっ!?」
中邑 ゆうり「なんだ夢か・・・」
中邑 ゆうり「・・・・・・」
中邑 ゆうり「あ"あ"あ"あ"ッ!?」
中邑 ゆうり「現実のが悪夢じゃん!!」
中邑 ゆうり「戻った・・・」
中邑 ゆうり「少し経てば元の姿に戻るっていう 先生の話は信じていいみたい」
中邑 ゆうり「とはいえ・・・」
中邑 ゆうり「学校行きたくねえぇーっ!!」
中邑 ゆうり「人前で"はなむらむら"になっちゃったら どーすりゃいいの・・・」
中邑 ゆうり「呪いを解くには好きな人とキス・・・か」
中邑 ゆうり「・・・・・・」
中邑 ゆうり「いや、無理無理無理!!」
中邑 ゆうり「10年以上も幼なじみやってきて 今さら告白なんて──」
中邑 ゆうり「アクシデントを装えばいいんだ!!」
中邑 ゆうり「両思いの相手じゃないとダメとは 言われてないもんね」
中邑 ゆうり「出会い頭に衝突したり転んだり、 いわゆる不慮の事故でキスを──」
中邑 ゆうり「嘘でしょ・・・」
中邑 ゆうり「こんな朝から誰が──」
ゆうりの母「ゆうりー! 起きてるー? 柊くんが迎えに来てくれたわよー!」
中邑 ゆうり「はあっ!?」
〇通学路
仲村 柊「出てくるの遅かったけど、 もしかしてまだ寝てた?」
中邑 ゆうり「準備に手間取っただけ!」
中邑 ゆうり「それより、迎えに来るなんてどうしたの? 小学生以来じゃん」
仲村 柊「昨日のことがあったから気になって」
仲村 柊「あれから大丈夫だったか? また変身したり──」
中邑 ゆうり「なっ・・・」
中邑 ゆうり「だっ、大丈夫に決まってんじゃん!!」
中邑 ゆうり「そんなにしょっちゅう "むらむら"する訳ないでしょ!?」
仲村 柊「声が大きい!!」
宇多邑 苑江「おはよ~」
中邑 ゆうり「苑江先輩!」
仲村 柊「おはようございます」
宇多邑 苑江「あのあと大丈夫だった?」
中邑 ゆうり「先輩までそれ聞きますか」
仲村 柊「そういう先輩は?」
宇多邑 苑江「うん、大丈夫」
宇多邑 苑江「もう呪いも解けたよ」
「えっ!?」
宇多邑 苑江「ためしに私が "むらむら"しそうなこと言ってみ?」
中邑 ゆうり「高身長高学歴高収入! 容姿端麗傲岸不遜!」
中邑 ゆうり「受けを億単位で競り落とす!」
中邑 ゆうり「スーパー攻め様!!」
宇多邑 苑江「フッ・・・」
宇多邑 苑江「そよ風ね」
中邑 ゆうり「なあッ!? 先輩が──"むらむら"しない!?」
仲村 柊「今の"むらむら"する内容だったか?」
宇多邑 苑江「実は内心すごく"むらむら"してる」
中邑 ゆうり「でも──」
宇多邑 苑江「変身しないでしょ?」
中邑 ゆうり「つまり、好きな人とキスを・・・」
仲村 柊「先輩、彼氏いたんですね」
宇多邑 苑江「いないよ?」
宇多邑 苑江「好きな人はいっぱいいるから 誰とキスするか悩んだんだけど・・・」
宇多邑 苑江「ここはやっぱり最推しの彼──」
宇多邑 苑江「Juramentoの空戸蒼央くん!!」
仲村 柊「さっきのスーパー攻め様ですか?」
宇多邑 苑江「違う! BLに割り込む女が 許される訳ないでしょ!」
宇多邑 苑江「蒼央くんは別ベクトル!!」
仲村 柊「何なの?」
中邑 ゆうり「先輩の好きな地下アイドル」
宇多邑 苑江「畏れ多いけどブロマイドに キスしちゃった〜」
宇多邑 苑江「そしたらご覧の通り。 めでたく呪いから解放されたって訳」
「そんなんでいいの!?」
宇多邑 苑江「そんなんとは失礼な!」
中邑 ゆうり「だってそんな簡単に解けるなんて──」
仲村 柊「なあ、あれってもしかして天邑か?」
中邑 ゆうり「え、どこに・・・」
中邑 ゆうり「──って!!」
中邑 ゆうり「他校生に囲まれて──」
中邑 ゆうり「いや、拾われている・・・!?」
他校の男子生徒「・・・・・・」
天邑 遥斗「・・・・・・」
他校の男子生徒「何だそれ」
他校の男子生徒「じゃがいも・・・ いや、ごぼうのぬいぐるみか?」
他校の男子生徒「近くに探している人はいないだろうか」
他校の男子生徒「そんなの放っとけよ。早く行くぞ」
他校の男子生徒「しかし──」
中邑 ゆうり「すみませーん!」
中邑 ゆうり「その子・・・!!」
他校の男子生徒「もしかして、きみの?」
中邑 ゆうり「はいっ!!」
他校の男子生徒「そこに落ちていたよ。はい、どうぞ」
中邑 ゆうり「ありがとうございます!」
他校の男子生徒「では失礼」
中邑 ゆうり「・・・間に合ってよかった〜」
天邑 遥斗「先輩〜!!」
中邑 ゆうり「おー、よしよし。怖かったね」
天邑 遥斗「あの人の前で元に戻っちゃったら どうしようかと──」
天邑 遥斗「・・・っ!」
中邑 ゆうり「やばっ、誰も見てない!?」
仲村 柊「大丈夫、見られてないよ」
仲村 柊「朝から災難だったな、天邑」
宇多邑 苑江「今の、宮瀬高校の人だね」
天邑 遥斗「知ってるんですか?」
宇多邑 苑江「兄があそこの卒業生だから、 制服に見覚えがあっただけ」
宇多邑 苑江「それより」
宇多邑 苑江「通学路で何"むらむら"しちゃったの〜?」
天邑 遥斗「えっと、その──」
中邑 ゆうり「苑江先輩、それセクハラ〜」
宇多邑 苑江「ごめんごめん」
宇多邑 苑江「さ、早く行こっ!」
天邑 遥斗「中邑先輩・・・ 助けてくれてありがとうございました」
中邑 ゆうり「気にしないで」
中邑 ゆうり「そのかわり、 私がピンチの時はよろしくね」
天邑 遥斗「はい、任せてください!」
〇大きな木のある校舎
〇教室
笹倉 浩「いやー、マジで災難だったわー」
壱邑 一貴「お前それアホすぎだろ」
壱邑 一貴「はよー」
中邑 ゆうり「おはよう」
壱邑 一貴「なあ、こいつ昨日さ──」
笹倉 浩「おい、言うなって」
壱邑 一貴「あっ、バカ押すな──」
中邑 ゆうり「わっ」
壱邑 一貴「──っと、わり」
笹倉 浩「おー、リアル壁ドン初めて見た」
壱邑 一貴「はあ!? 壁・・・」
壱邑 一貴「・・・ッ!!」
壱邑 一貴「悪い、すぐ退──」
中邑 ゆうり「ええっ!?」
中邑 ゆうり「壁ドン!? 壁ドンでそうなったの!?」
壱邑 一貴「言うなああああ!!」
笹倉 浩「あれっ、壱邑?」
笹倉 浩「消えた・・・?」
中邑 ゆうり「緊急事態が起きたみたい!」
笹倉 浩「なるほど、トイレか」
壱邑 一貴「ちげーし!!」
笹倉 浩「中邑の足元、何か落ちてるぞ」
笹倉 浩「にんじん・・・?」
中邑 ゆうり「それ、私のキーホルダー!」
笹倉 浩「変わったの持ってんな。ほらよ」
中邑 ゆうり「ありがと!」
中邑 ゆうり「ちょっと用事思い出したから行くねっ!」
笹倉 浩「えっ、もうHR始ま──」
笹倉 浩「・・・中邑もトイレか?」
〇大きい施設の階段
〇図書館
〇役所のオフィス
中邑 ゆうり「失礼しますっ!」
水縹 慧「あれ、こんな時間にどうしたの」
中邑 ゆうり「いっちーが変身しちゃって・・・」
水縹 慧「ご愁傷様です・・・」
壱邑 一貴「拝んでんじゃねーよ!!」
壱邑 一貴「誰のせいでこうなったと──」
水縹 慧「"むらむら"しちゃったんだね」
壱邑 一貴「違う!」
壱邑 一貴「中邑に"むらむら"したんじゃなくて 壁ドンという状況に動揺したんだ!!」
壱邑 一貴「いいか? 俺はお前に "むらむら"した訳じゃないからな!?」
中邑 ゆうり「言いたいことは分かるけど 何か複雑・・・」
中邑 ゆうり「ていうか、いっちー」
中邑 ゆうり「たかだか壁ドンで変身とか 女子に免疫なさすぎじゃない!?」
壱邑 一貴「ぬあっ」
中邑 ゆうり「そんなんじゃ呪い解けないよ!?」
水縹 慧「というか2人とも、好きな人いるの?」
壱邑 一貴「・・・いねえな」
中邑 ゆうり「えっ!? どうやって解呪するつもり!?」
壱邑 一貴「そんなん俺が知るかよ!」
水縹 慧「え〜、いないのぉ〜?」
壱邑 一貴「あからさまにつまんなそうな顔すんな!!」
水縹 慧「中邑さんは・・・」
水縹 慧「聞かなくても分かるからいいや」
壱邑 一貴「んだよ、お前は好きなヤツいんのか」
中邑 ゆうり「えっ!? いや、そのっ・・・」
壱邑 一貴「ギャハハハ!」
壱邑 一貴「たかだか壁ドンが何だってー?」
中邑 ゆうり「不覚・・・!!」
水縹 慧「とりあえず2人とも──」
水縹 慧「1時間目の授業は仲良く欠席、だね」
「あ"ーーーーっ!?」
地雷が多すぎるwwww
ほのかに仕込まれた新要素の地雷まで最高に期待が膨らんでワクワクが止まらないです🤣
まさか他校の彼は…そっち方面の展開まで詰め込まれているのか…!!😆
最高難易度が過ぎる…一体どうするんだ…!!
どう考えても思春期にはキツすぎる不幸ストーリーなのに、申し訳ないほど笑いが止まらないです🤣🤣🤣
ブロマイドでいいんですね!
じゃあゆうりちゃんも幼馴染くんの写真をこっそり撮ってすれば……いや、そこで終わってしまうのももったいない!🤣
大河内さんこんばんは
お邪魔します〜
むらむら久しぶりに読めましたが相変わらず顔芸とセリフがマッチョしてて笑えます!