キッズルームメモリー

とらそぼろ(古織/千桑)

エピソード6:記憶の選択(脚本)

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〇研究開発室
  みんなが各々個室スペースに入り、僕も空いている所へ続いて入る。
GM「ベッドの横にある機器を頭部に取り付けてください。記憶を再生する為の装置です」
コトブキ「使い方分からないけど?」
イチジク「あれっ コトブキの声が聞こえる」
GM「そちらの装置自体に通話機能もあります。 ご質問があれば共有させて頂いた方が効率的ですので」
GM「記憶の再生はこちらから遠隔操作しますのでご心配なく。 皆様にお願いしたいのは、見たい記憶を選択して頂くことだけです」
  ベッドの横の機械にあるディスプレイがパッと明るくなる。
  無機質に並ぶ12個の枠が表示された。
  枠の中には、イチジク①、イチジク②、イチジク③というように、各自の名前と数字が割り振られている。
GM「そちらに表示されているのが皆様の記憶の一部です」
イチジク「へえ・・・ こんな簡単に書かれてても、なんか実感ないなあ」
  「イチジク①」に触れてみると、そこが「選択済み」に変わった。
GM「おや。もう選択されてしまったのですね」
イチジク「え。あ、ごめん・・・」
GM「いえ。そちらでよろしければそのまま続けましょう」
GM「少し詳しく説明をいたしますと・・・ 皆様の記憶が曖昧なものは曖昧なままで記録されています。つまり曖昧な姿はぼやけますし、」
GM「人が忘れやすいとされる声などは特に── 音声記憶は合成音声で再現したもので、本来の人物の声とは相違ある事、ご了承ください」
GM「そして、そちらの記憶は1から順にしか選択できません。 1が選択されていない状態で飛ばして2の閲覧は不可、という事です」
GM「加えて、記憶が使用できるのは一度だけです。選択済みの記憶は再度選べません」
コトブキ「ふうん・・・まあ、どうでもいいけど」
  コトブキ①が選択済みになり、ハジメ①も同じように選択された事がわかる。
コトブキ「ねえ。アンタ実験は二日って言ってたわね? ③は見れないじゃない」
GM「そうですね。 ご自身の選択だけでは不可能でしょう」

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