異能力者の非日常物語

にーな

5、リベレ(脚本)

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〇教会の中
女性「あら、起きたのね」
女性「これからよろしく」
女性「貴方達は、私の愛しい息子よ」

〇教会の中
咲哉「・・・・・・・・・」
咲哉「さて、そろそろ行くか」
咲哉「先ずは周辺を確認して・・・」
光輝「お、サク」
咲哉「あ、コウ」
光輝「これから出るのか?」
咲哉「ああ。基本的に外に出てるから」
光輝「りょーかい。気をつけてな」
咲哉「そっちも」

〇おしゃれな食堂
聖「えっと、ここで飯をって・・・」
聖「・・・は?」
光輝「おはよう、二人共」
凜佳「おはようございます」
和人「今日はどうする?」
光輝「そうだね・・・」
聖「和人!!」
和人「!」
聖「お前・・・何してんだよ」
和人「・・・・・・・・・」
聖「・・・・・・随分と府抜けたな。この臆病──」
「・・・・・・・・・」
光輝((うっわ・・・顔ギリギリに枝?で出来た杭が刺さった))
凜佳「うふふ」
明良「あはは」
凜佳「ここは食堂であって」
明良「誰かを侮辱する場所じゃない」
「次やったら追い出すからね?」
聖「あ、ああ・・・分かった・・・」
((この夫婦怖っ))
仁見「!」
緋蓮「今日は学校だっけ?」
詩音「ううん、お休み」
緋蓮「じゃあ、先日の続きをしようか」
詩音「うん」
仁見「・・・先生」
緋蓮「!」
仁見「お久し振りです。随分と優しく笑う様になりましたね」
緋蓮「・・・・・・・・・」
詩音「レン先生を苛めるなら許さない」
仁見「貴女、もしかして非異能?」
仁見「非異能を連れてるなんて、本当に変わりましたね。先生」
緋蓮「わ、たしは・・・」
瑞希「そう。レン先生はもう俺達の家族」
湊斗「もう嬢ちゃんの先生じゃねぇ。気安く先生なんて呼ばねぇで貰えるか」
仁見「・・・そう、ですね」
光輝((みんなで守ってる・・・これは監視役必要ないかもね))
光輝「ん?」
伊織「・・・・・・・・・」
詩音「なに?」
伊織「あ、ご、ごめん。可愛いと思って」
詩音「え?」
詩音「・・・それはどうも。でも、レン先生を傷付ける人は嫌い。あと、私はサク兄さんがタイプ」
伊織「そ、そうなんだ・・・」
光輝((それは初めて知ったな・・・))

〇荒廃した市街地
咲哉「・・・・・・・・・」
咲哉「今の所周辺には居なさそうだが・・・まぁ、念には念を・・・と」
咲哉「これだけ周辺に俺の水を蒔いておけば、いざという時は分かる」
咲哉「後は、アイツ等の出方次第だな」

〇城の廊下
仁見「本当に広い・・・ここなら、私達の仲間も・・・」
聖「ええ、受け入れは出来るでしょうね。問題は・・・」
光輝「ん?」
仁見「もしも、リベレに協力して欲しいと言ったら?」
光輝「俺が監視してる時点でお察しって感じだね」
聖「隠しもしねぇのか」
光輝「分かってるのにわざわざ隠す必要なくね?」
光輝「ここは俺達の家。ここに居るのは俺達の家族」
光輝「家や家族を戦いに巻き込ませるつもりなら、追い出す・・・・・・それが俺達の答えだ」
「・・・・・・・・・」
光輝「変な事をしなれば、俺の監視は直ぐに無くなる。ちゃんと頭使えよ」
伊織「・・・・・・・・・」
伊織「ねぇ、仁見さん。聖さん」
聖「ん?どうした?」
伊織「ご飯、美味しかった。僕達を警戒してても、優しくしてくれた」
仁見「・・・ええ、そうね」
伊織「ここが、仁見さんの目指した場所?」
光輝「・・・・・・・・・?」
仁見「・・・・・・私達の事で話したい事があります。どうか、話し合いの機会を」
光輝「・・・・・・・・・」

〇豪華な客間
咲哉「悪いな、遅くなって」
光輝「いや、気にするな」
杏奈「私達の為にしてくれた事だもの」
咲哉「・・・・・・・・・で?」
「・・・・・・・・・」
咲哉「・・・何か言ってくれないと、困るんだけどなぁ」
光輝「まぁ、仕方ないさ」
杏奈「多分話しにくい事なんだろうし」
咲哉「へー・・・」
光輝((サクって、ちょっと鈍い所あるよなぁ))
仁見「・・・先ずは昨日は助けて頂き、ありがとうございました」
聖「本当に感謝してる」
伊織「えっと、ありがとう」
「どーいたしまして」
仁見「・・・貴方達は、リベレが出来た切欠はご存知ですか?」
光輝「リベレが・・・」
杏奈「出来た切欠?」
咲哉「───異能者大量殺戮事件」
「え?」
咲哉「異能者が現れた直後、異能者自身が困惑していた中・・・異能を恐れた非異能者が」
咲哉「一方的、数に物を言わせて次々と排除した事件。これにより、多くの罪もない異能者が命を落とした」
咲哉「この事件の直後、リベレが結成。異能者だけの組織が形成された」
仁見「よく・・・ご存知で」
聖「それこそ、俺が生まれる前の話だぞ?」
咲哉「記録を知る方法は幾らでもあるから」
光輝「・・・・・・それで?」
仁見「えっと・・・その事件により、リベレでは非異能者は排除する事になっています」
仁見「そんな中、リベレ内で大きな事件が起こりました。それにより、リベレ内で分裂が生じました」
杏奈「分裂」
咲哉「新世代による非異能者の誕生。そして、排除」
「!?」
光輝「どういう、事だ?」
咲哉「異能者で組織されているが故に、異能者同士で結婚、そして子供が生まれた」
咲哉「多くは子供も異能を持つが、中には異能を持たない子供が生まれる様になった」
杏奈「まさか・・・!」
咲哉「そこで、追い出されるならまだいい。中には・・・」
聖「ちょっと待て!」
聖「何でリベレ内の詳しい事を知ってんだよ!」
咲哉「忘れたのか?俺達の家族の中には、そこから来た者も居る」
聖「っ・・・」
咲哉「それに、お前達が俺達を探っていた様に、俺だってリベレの事は調べていた」
咲哉「何かあれば直ぐに気付くし、恐らく番犬もある程度知っている。だから、それを機として攻めたんだろう」
聖「・・・そりゃそうか」
仁見「・・・貴方の言う通りです。新しい世代では、異能を持たない者もいました」
仁見「初めは、それでも一緒に暮らしていたんです。勿論、異能者とは格差がありましたが・・・」
聖「ある日突然・・・番犬でも、お前達でもない奴等の襲撃に遭った」
咲哉「番犬でも俺達でもない・・・?」
光輝「そんな存在、初めて聞いたぞ」
杏奈「ええ。そういった情報は出回ってないわ」
聖「奴等は“影(シャドウ)”と名乗っていた」
仁見「突然の襲撃により、逃げ遅れた非異能者を・・・見殺しにしました」
聖「それにより、リベレ内で亀裂が生じた。異能者の中でも実力者である和人と緋蓮が抜けたのもその時だ」
仁見「亀裂は年々広がり・・・そして、番犬の襲撃に遭ったのです」
伊織「みんな、バラバラに逃げた。気付いたら、僕達三人になってた」
「・・・・・・・・・」
咲哉「・・・それで、俺達が保護した」
光輝「その上で、お前達は何がしたい?」
仁見「・・・まだ、分かりません」
仁見「無我夢中で逃げました。仲間を探さなければとも思ってはいるのですが・・・」
仁見「もう少し、ここを見させてください。貴方達の暮らしを」
仁見「勿論、貴方達に害を成すつもりはありません」
杏奈「・・・貴女達の事は、これから見て判断するわ」
光輝「暫くは監視させて貰う。その結果次第で、俺達なりの答えを出す」
咲哉「・・・一つ聞きたい。流星の欠片に聞き覚えは?」
「?」
「?」
聖「っ!」
仁見「すみません、心当たりが・・・」
咲哉「・・・・・・・・・」
咲哉「ないならいいさ」
咲哉「ごめん、俺抜けてもいいかな?」
杏奈「ええ、分かったわ」
光輝「顔出してやれよ」
咲哉「そのつもり。じゃあ、先に失礼」
「・・・・・・・・・」
杏奈「今日はもう遅いから、貴女達も休みなさい」
光輝「今後の事はまた後日」
仁見「・・・ええ、ありがとう」
仁見「それでは、休ませて頂きます」
杏奈「彼女達の事も、例の事もよろしく」
光輝「ああ」
杏奈「・・・・・・私は無力ね」

〇城の廊下
咲哉((みんながフォローしたお陰で、二人は然程気にしていなかった))
咲哉((いい事、だな))
聖「あ、居た・・・!」
咲哉「・・・・・・・・・俺に用か?」
聖「聞きたい事がある」
咲哉「・・・俺の部屋に来い。話はそこでだ」
聖「・・・ああ」
光輝「・・・・・・・・・」

〇英国風の部屋
咲哉「それで・・・俺に用とは?」
聖「・・・・・・・・・」
咲哉「流星の欠片、事か?」
聖「お嬢みたいに若い連中は知らねぇが、リベレにはとある話が伝わってる」
聖「『流星の欠片に選ばれた者が、異能を発現する』」
咲哉「・・・・・・・・・」
聖「流星の欠片について知ってるのは、それくらいだ」
咲哉「元々異能者は、裏の仕事しか出来ない」
聖「?」
咲哉「そこから更に深い場所。常に危険が伴う様な所で、流星の欠片というのが密売されている」
聖「!」
咲哉「流星の欠片自体に大きなエネルギーが秘められてるらしい」
聖「本当、なのか・・・」
咲哉「ああ。だからこそ、流星の欠片を見付けても関わらない方がいい」
聖「・・・・・・・・・」
咲哉「これは忠告にもならないけど・・・平穏に暮らしたいなら、彼女を想うなら流星の欠片については」
聖「・・・忘れる」
咲哉「それがいい。さ、もう戻れ・・・気付かれる前に」
聖「ああ、邪魔した」
咲哉「それがいい」
咲哉「真実に気付けば、後悔では済まないだろうから」

〇城の廊下
聖「うお、ビビった」
光輝「・・・・・・何を話してた?」
聖「え?」
光輝「中の話までは聞こえなかった。サクは、俺達に何を隠している?」
聖「隠してるっていうか・・・」
聖「お前達を守ろうとしているしてるだけ」
光輝「そんなのは分かってる」
聖「だろうな」
聖「アイツが不器用かつ1人で守ろうとしてる。だから、お前達にも言わない事がある」
光輝「・・・・・・・・・」
聖「だから、俺からは言えねぇ。守りたい気持ちは分かるつもりだしな」
光輝「・・・・・・・・・」
光輝「・・・サク・・・」

〇黒
  終

次のエピソード:6、歓迎

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