エピソード5:セキュリティレコード(脚本)
〇研究開発室
コトブキにデコピンされた額を擦りながら、僕はキーボードを叩いていた。
コトブキはこの部屋にあったシャワー室に行っていて、アサリとハジメがそのあたりを物色している。
イチジク「あ、おかえりー」
コトブキ「・・・・・・」
イチジク「・・・どうしたの? やっぱりこっちの部屋いや?」
コトブキ「──なんでもない どっちの部屋だって気分悪いことには変わりないわ」
コトブキ「それより何か進展あった?」
イチジク「んー この部屋の監視カメラの映像があった 今より数日分くらい過去の記録があるんだけど・・・・・・」
僕はアサリとハジメを呼んで、パソコンのモニターを全員によく見えるように動かした。
映像の中に現れたのは、研究員のような白衣を着た者達。
まず最初に、目隠しをされたハジメが手を引かれながら連れてこられた。
ハジメ「え・・・・・・? なんで、こんな風に・・・・・・」
イチジク「それだけじゃないよ」
ハジメが個室スペースに入ったあと時間を進めると、僕、アサリ、コトブキと、次々に同じように連れてこられ個室に入っていく。
アサリ「・・・・・・ 誰も抵抗する様子が無いわね」
コトブキ「自分たちで望んで来たって事・・・? そんなまさか・・・」
イチジク「それから・・・個室スペースに入ってからしばらく時間が経ってるんだ。 多分この間に記憶を消されてるんだと思う」
そこから再び時間を進める。
眠ったままの四人が、運び出されてどこかへ連れて行かれる。
その後は何人かの研究員が出入りしただけ。
人の往来が無くなってからは何事もおきなかった。
アサリ「連れて行かれたのは多分隣の部屋ね」
イチジク「うん。 あとは僕たちが目覚める・・・って経緯かな」
ハジメ「わけわかんないっす・・・ 元々自分たちは何かの被験者なんすかね・・・?」
コトブキ「まあともかく・・・何らかの情報を見つけただけでもよしとするわ。 アンタとアサリは生かしといたら役に立ちそうね」
ハジメ「あ・・・・・・じ、自分は・・・・・・」
コトブキ「役立たず」
ハジメ「そ、そうっすよね・・・・・・ やっぱり・・・・・・」
アサリ「生かしといたらって・・・ あなたが決める立場じゃ無いでしょう」
コトブキ「どうかしら」
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