4、迷い人(脚本)
〇洋館の一室
???「許さない」
???「・・・・・・・・・」
???「必ず見つけ出して、この手で・・・」
???「必ずおかあさんの仇を・・・」
???「・・・俺の・・・願いは・・・」
〇上官の部屋
静哉「・・・・・・・・・」
静哉「願いは・・・」
静哉「入れ」
文弥「失礼します」
文弥「・・・また、ここで寝たのか」
文弥「体に悪いから、部屋に戻って寝ろって・・・」
静哉「お前は俺の母親か」
文弥「まだ寝惚けてやがるな?」
静哉「忘れろ」
文弥「はいはい」
静哉「で、朝から何の用だ」
文弥「朝飯の誘い。幼馴染みとしては、放っておけないもんでな」
静哉「同じ時期に保護されただけだろ」
文弥「そう言うなって」
恭吾「失礼します、隊長。報告を・・・」
文弥「許可取れてから入れよー」
恭吾「あ、すみません」
静哉「いい、気にするな。それで?」
恭吾「リベレらしき者がカーサ拠点を目指していると報告が」
静哉「ついに動いたか」
静哉「さあ・・・・・・・・・どうする?」
〇教会の中
咲哉「許さない・・・か」
光輝「・・・サク?」
咲哉「よ、コウ」
光輝「・・・・・・・・・」
光輝「あ・・・えっと、この後なんだけどさ」
咲哉「うん?」
光輝「リベレの事で話し合いをする事になった」
咲哉「了解」
〇豪華な客間
杏奈「じゃあ、一応受け入れはするって事で」
光輝「ああ。だけど、ここを戦いの場にはさせない」
咲哉「そうなりそうになったら、全力阻止する」
光輝「アン、後で情報をみんなに回しといてくれ」
杏奈「了解」
咲哉「それと、カズとレン先生のフォロー役を作っておこう」
光輝「そうだな・・・カズにはリカとキラ、レン先生にはミズとミトをつけておくか」
杏奈「念の為、非異能者の人にも二人ずつフォローつける様にしましょう」
咲哉「ああ、その方がいいな。もし、リベレが来たら、コウは中に入ってくれ」
光輝「監視役って事か?」
咲哉「そう。アンはみんなのフォローを」
杏奈「ええ。サクは?」
咲哉「俺は外に出る。万が一リベレが外と中から襲撃して、ここを占領するって事がないように」
光輝「俺が中で、サクが外で見張りをするという事か」
咲哉「そう」
杏奈「そうね・・・でも、二人共くれぐれも気をつけて」
咲哉「ああ」
光輝「サクじゃないんだから」
咲哉「何の事だ?」
光輝「自覚あるだろ?リベレが来るまでどうする?」
咲哉「ミトにはああ言ったけど、暫く仕事と巡回は控えよう。俺と・・・コウで出れば十分だろうし」
「・・・・・・・・・」
咲哉「?どうした?」
光輝「いや、なんでもない」
杏奈「そうそう」
咲哉「そうか?」
光輝((あのサクが・・・))
杏奈((やっと一人で、じゃなくて誰かとを選んでくれた))
咲哉「取りあえず、そういう方向で」
「了解」
〇中東の街
光輝「出る時は晴れてたのに・・・急に降ってきたな」
咲哉「傘持ってきて正解だったな」
光輝「ああ、サクのお陰だな」
咲哉「水を扱う所為か、雨の気配を感じたんだ」
光輝「成る程な・・・・・・・・・なぁ」
咲哉「ん?」
光輝「俺達が出会った時も、こんな風に雨が降ってたな」
咲哉「・・・そうだな」
光輝「あの頃、お前に導かれてあの屋敷に流れ着いた。その後、俺達が見逃せなくなってるのに気付いて、サクがみんなを助けてくれた」
咲哉「・・・・・・・・・」
光輝「俺とアンは元々家が隣同士で・・・家族は俺達を守ろうとしたけど、近所の奴に密告されて追われる事になった」
光輝「それで、ここまで逃げてきた・・・・・・みんな、導かれる様にここに来た。まるで、お前と出会う為の様に」
光輝「サク、お前は・・・」
咲哉「コウ、話はそこまで」
光輝「え」
咲哉「・・・・・・・・・来た」
光輝「!」
咲哉「隠れるぞ」
光輝「ああ」
聖「この辺りか?伊織」
伊織「うん。僕が感知したのはここ」
仁見「それなら、まだ近くに居るかもしれません」
聖「カーサの連中はかくれんぼが得意らしいからな。ギリギリまで伊織のサーチで来れたはいいが・・・」
仁見「今の私達には彼等が必要です。焦らず探しましょう」
聖「はい、お嬢」
静哉「一体誰を探しているんだ?」
「!?」
聖「なっ、番犬!?」
光輝「おっと、大変な事になったな」
咲哉「ああ。隠れて正解だった」
静哉「この様な場所まで、よく逃げ通せたな」
文弥「本当に手間かけさせやがって」
有彩「大人しくしなさい」
静哉「貴様等をカーサと会わせる訳にはいかない」
静哉「有り得ないだろうが、万が一手を組めば厄介だ」
仁見「ここで捕らえられる訳にはいきません」
聖「それに、そこまで番犬が嫌がるって事はぁ・・・相当な実力者が居るって事だよな」
伊織「向こうに広い土地がある!」
聖「了解!」
静哉「逃がすな!」
「はっ!!」
「・・・・・・・・・」
光輝「なんか、凄い事になったな」
咲哉「ああ・・・一応見ておくか」
光輝「だな」
〇武術の訓練場
仁見「ここなら、遠慮なく行けそうですね」
聖「行きます!」
文弥「ぐっ!」
有彩「重力操作か・・・!!」
静哉「小賢しい!!」
伊織「え?」
聖「俺の重力を斬った!?」
仁見「チェイサーが特殊とはいえ・・・流石は隊長、一筋縄ではいきませんね」
仁見「ならば・・・!」
聖「お嬢!あんたの異能は強力な分、命を削る!」
仁見「しかし・・・」
恭吾「おーっと、油断大敵」
仁見「なっ!」
聖「囲まれた・・・!」
咲哉「さあ、どうする」
光輝「もし、リベレが仲間を見捨てる様なら・・・」
聖「・・・・・・・・・」
聖「お嬢、伊織」
聖「俺が囮になるから、その隙に逃げろ」
「!?」
「・・・・・・・・・」
仁見「出来ません!貴方一人を犠牲にするなんて!!」
伊織「そ、そうだよ!」
聖「誰かが囮にならなきゃいけねぇ。お嬢は勿論、幼い伊織を犠牲には出来ねぇ」
仁見「聖・・・・・・・・・でも!」
聖「たまには俺の言う事を聞いてくれ!伊織、お嬢を・・・!」
咲哉「その必要は」
光輝「ないかもね」
「!」
静哉「咲哉!!」
咲哉「よっ、静哉」
光輝「こいつ等は俺達が貰ってく」
咲哉「そっち任せた」
光輝「りょーかい」
仁見「貴方達は・・・」
「話は後!」
有彩「幾ら咲哉と光輝でも・・・!」
「!」
静哉「チッ」
〇水中
文弥((一瞬の隙に・・・!))
有彩((水の中に・・・!))
静哉((水の中では、普段の力が・・・!!))
文弥((隊長の動きに合わせろ!))
有彩((ええ!))
〇武術の訓練場
有彩「はぁ、はぁ・・・」
文弥「何、とか・・・抜け出した・・・」
静哉「状況は!?」
海音「す、すみません・・・」
譲「逃げられました・・・」
恭吾「強い光で・・・」
静哉「くっ・・・」
静哉「・・・・・・仕方無い」
静哉「帰還する」
「・・・はっ」
〇中東の街
光輝「取りあえずここまで逃げれば」
咲哉「多分大丈夫だな」
仁見「はぁ・・・はぁ・・・貴方達は・・・」
咲哉「・・・一先ず、うちまで案内しよう」
光輝「だな」
仁見「・・・感謝します。私達は貴方達に従います」
〇豪華な客間
杏奈「そう、大変だったわね」
杏奈「二人が無事で良かったわ」
光輝「ありがとな」
咲哉「一先ず休んで貰ってる。明日から予定通りにしよう」
光輝「了解」
杏奈「みんなに伝達はしておくわ」
「頼んだ」
〇豪華な社長室
聖「あ、伊織は・・・寝ちまったか」
仁見「ええ。疲れたのでしょう」
聖「何とか、カーサに入れましたね」
仁見「はい・・・他の人も無事だといいのですが・・・」
聖「そう、ですね」
仁見「何とか・・・カーサの人に、私達を受け入れて貰わないと・・・」
聖「ですね。これから先、リベレのみんなが生きていけるかどうか・・・俺達にかかってる」
仁見「頑張らない・・・と、お父様の・・・分まで・・・」
聖「・・・お嬢?」
聖「寝ちまったか・・・・・・・・・ここからが踏ん張り所だな」
聖「・・・にしても、あの二人・・・」
〇武術の訓練場
咲哉「ほい、完了」
光輝「次は俺っと」
恭吾「め、目が・・・」
海音「焼けそ・・・」
譲「ぐ、ぅうう・・・」
咲哉「ナイス」
光輝「ああ。さ、逃げるぞ」
咲哉「りょーかい」
〇豪華な社長室
聖「アレが・・・カーサのトップ」
聖「リベレに居てくれりゃ、戦力になっただろうな・・・」
聖「それに・・・和人と緋蓮が居りゃいいんだが・・・」
聖「二人なら、お嬢を任せて・・・みんなを探しに・・・」
聖「・・・・・・・・・」
聖「・・・俺、は戦わないと・・・いけない・・・」
聖「はぁ・・・俺も寝るか」
聖「・・・・・・・・・って、運ばないといけないのか」
〇英国風の部屋
咲哉「・・・・・・・・・」
咲哉「アイツ等を受け入れたのが、吉と出るか凶と出るか」
咲哉「もし、彼等が───となれば、願いに一歩近付く」
咲哉「・・・・・・・・・くっ」
咲哉「早く・・・この呪いから、解放・・・・・・」
〇黒
終