エピソード4:デスゲーム(脚本)
〇幼稚園の教室
「──え!?」
コトブキ「ちょ、ちょっと! こっちに何かのモニターが出てきたんだけど!?」
イチジク「え? あ、ほんとだ ごめんそれ僕のせいかも」
コトブキ「何やってんのよバカ!」
???「こんにちは。よいこのみんな。 これからみんなには、いろんな問題を解いてもらうよ」
ハジメ「え──」
コトブキ「・・・・・・なによこれ」
〇研究開発室
イチジク「・・・・・・ ねえ・・・この声、コトブキに似てない?」
アサリ「・・・たしかに・・・」
???「時間内に答えられなかったり、答えを間違えた子には死んでもらうから、みんな頑張ってね」
イチジク「な──」
アサリ「──っ・・・」
〇幼稚園の教室
コトブキ「ちょっと! そっちでこれ止められないの!?」
イチジク「止めようとはしてる! けど止まんない!」
ハジメ「ダメっす 扉が開かなくなってる・・・・・・!」
???「それじゃあ、最初の一問目。 賢い君たちなら簡単な計算問題だよ」
???「このモニターに表示される数字を全部足していってね」
コトブキ「・・・フラッシュ暗算ってこと・・・?」
???「3、2、1・・・」
ハジメ「わわ・・・! 始まっちゃうっす・・・!」
コトブキ「・・・子供向けの問題でしょ、それくらいなら・・・」
〇研究開発室
僕たち全員はモニターの映像を食い入るように見つめていた。
5桁の数字が次々に流れていく。
そして一つ一つの数字は1秒にも満たない、ほんの一瞬しか表示されない。
それが全部で20──いや30以上あったかもしれない。
正確に何個あったか把握できないほど、それは計算不可能なものだった。
イチジク「む、無理だよあんなの・・・!」
イチジク「──コトブキ、ハジメ・・・・・・ どうしよう、こんな・・・こんな事になるなんて・・・ごめん、ごめんなさい、僕──」
アサリ「・・・2587609」
イチジク「──え、アサリ・・・わかるの・・・?」
アサリ「──分かる・・・」
〇幼稚園の教室
ハジメ「と、ともかく、2587609・・・で良いんすか・・・!?」
コトブキ「・・・・・・」
コトブキ「──で?」
ハジメ「あ、あれ・・・? 合ってるとも、合ってないとも・・・・・・」
イチジク「あ── ・・・た、多分・・・出題までしか再生されないものだったんだ・・・」
コトブキ「でしょうね。 制限時間とやらも何も表示されてなかったし」
ハジメ「な、なんだ・・・・・・ 良かったっす・・・・・・」
コトブキ「良くないわよ。 冗談でも死ぬとかなんとかに巻き込まれてるんだからこっちは」
イチジク「本当にごめんなさい・・・・・・」
コトブキ「あとでデコピン」
イチジク「はい・・・・・・」
ハジメ(どの道すでに二人死ぬとかいうものに巻き込まれてはいるっすけどね・・・ って余計な事言ったらコトブキさん怒るだろうな・・・)
コトブキ「──それにしてもさっきの音声、子供に向けて言ってたわよね それで死ぬとかなんとか・・・本気でそんな事やるつもりなのかしら」
コトブキ「というか、じゃあなんで子供じゃなくてアタシがここにいるのよ わけわかんないわ、もう・・・!」
ハジメ「・・・・・・ やるつもり、というよりアレは──」
ハジメ(・・・あの血痕って、まさか・・・ 本当に子供を殺した痕──)
コトブキ「なによ。 何か言いたいことあるなら言いなさいよ」
ハジメ「あ、いえ・・・何でも、ないっす・・・」
ハジメ(なんだろう・・・この胸の奥のざわつきは・・・)
〇研究開発室
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